FLOWER KNIGHT GIRL 〜花言葉と共に〜   作:彩夏マソ

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『大切な思い出』

「絶剣・紅炎爆葉刃!!」

 

 古代害虫から放たれたハエ型害虫3匹を、少女が大剣でまとめて切り裂き消滅させる。

 それをやったのは『大切な思い出』の花言葉を持つ花騎士、モミジであった。

 

「ありがとうモミジ。助かった」

「いえ、これが私達の仕事ですので」

 

 そんなモミジに声をかけた青年。

 彼は花騎士(フラワーナイト)たちを束ね、指揮をする『団長』その人だった。

 普段は五人一部隊を四部隊、友軍を合わせ最大五部隊を指揮している団長は、現在巨大な害虫、古代害虫を討伐するためにクジラ艇と呼ばれる艇に乗っている。

 そして古代害虫討伐時には八部隊、四十人もの花騎士たちを連れてゆく。

 

「それに、私一人ではここまではできませんでした」

 

 そう言うとモミジは後ろへと振り返る。

 そこにはモミジと同じ第一部隊に所属する花騎士たちがモミジの言葉に照れくさそうに、ある者は胸を張るようにしてこちらを見ていた。

 

「団長さまっ!」

 

 栗色を髪をした少女、ナズナ。青年が団長に就任した時から補佐官として団長、花騎士たちを支えてきた彼女は、大きな声で団長を呼ぶ。

 

「逃げていた古代害虫が移動を止めました! 仕留めるのなら今です!」

「そうか。ナズナ、シャインクリスタルは?」

「既に限界まで溜まっています!」

「よし。クジラ艇、全速前進! ハエ型古代害虫が射程圏内に入り次第、あれを使う!」

 

 シャインクリスタル。害虫を倒すと手に入るその粒子は、溜めて放つことで害虫に大ダメージを与える必殺技を放つことができる。

 

「この距離なら……。ナズナ!」

「はい! ホエイルカノン、撃て!」

 

 ナズナの声と共に、クジラ艇の口が開く。

 六つのクリスタルが口の中を回りながら、光を溜め、そのまま六色の光線がそれぞれのクリスタルから放たれた。

 

「ビギィィィィィッ!!」

 

 ハエ型古代害虫はそんな甲高い悲鳴を上げながら撃墜され、地面に落下する前に煙となって消滅した。

 

「クジラ艇の被害は?」

「最初に受けたひっかき攻撃のみで大きいものはありません。直ぐに修復も可能です」

「そうか。近くに害虫も見当たらない。任務終了だ。帰投する」

「了解ですっ!」

 

 クジラ艇を拠点である城へ転進する。

 団長はクジラ艇の自分の席である『箱』の中へと腰を下ろした。

 

「あの、やはり団長がそのような場所にいるのは……」

 

 そんなモミジの言葉を受け、団長は補佐官へと半目を向けた。

 

「それはこの箱を用意したナズナに言ってくれ。俺だって好きでここに収まっているわけじゃない」

「戦うための機能の調整や被害の修復で手いっぱいで、団長さまのスペースを整える時間がなかったんです……。団長さま、すみません!」

「まぁ、クジラ艇で任務に当たるのはまだ2回目だしな。古代害虫の復活も予想外のものだったし仕方ない。だがなるべく早く頼む。足がしびれてしょうがない」

「は、はい次回までには必ず」

 

 そんな箱に入った団長は、他の花騎士たちにもからかわれながら、彼女たちのこんな顔を見れるならまあいいか、とそんなことを考えた。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 クジラ艇での古代害虫討伐の翌日。

 特に任務のないこの日、団長はなんとなく訓練場へと足を運んだ。

 花騎士同士で試合をしているもの、立てられた案山子を相手に技を放つもの。

 それぞれが己を高めるために努力している。

 その中で1人、一際激しく案山子に対して攻撃を行っている少女が目に止まった。モミジだ。

 ふと、昔のことを思い出した。

 

 モミジは一番というものに執着していた。

 今でも一番を目指していることに変わりはないが、昔はそれしか見ていない、見えていないというほどに焦り、一番に執着し、目指し続けた。

 足が震え、青白い顔で、完全なオーバーワークなそんな状態でも訓練を続けようとしていた。

 もう肩を並べることのできない姉の背中を追って。姉との約束を果たすために、ただひたすらに。

 

 だがそれも、団長が見つけた大討伐作戦の資料の中に、モミジの姉が同僚に向けた『妹の面倒を見て欲しい』というメッセージを見て、もう焦ったりしないと、たしかにそう言った。

 

 もうあんな無茶な訓練はしないだろうが、昔ああいうことがあった以上どうしても心配してしまう。

 

「モミジ」

「あ、団長? 何かご用ですか?」

「いや、大分激しく訓練していたみたいだったからな。その……」

「ああ、クスッ、大丈夫です。もうあのような無茶はしません。でもそうですね。折角心配してくれたようですし、少し休憩にしましょう。団長も少しお話ししませんか?」

 

 団長は、珍しいなと思いつつ構わない、と返事をして、2人で近くのベンチへと腰を下ろした。

 

「団長は、誰かの一番になりたいと思ったことはありますか?」

「どうした、いきなりに?」

「いえ、私の話はした事ありましたけど、団長自身の話はあまり聞いたことがないと思って」

 

 そうだったか? と言う団長に、はい、とモミジは答える。

 ふむ、と団長は顎に手をあて、しばらく考えると口を開いた。

 

「あまり考えたことが無いな。周りにいた人が固定される事が少なかったからかもしれんが。今でも交流があるのは海軍で提督になったアイツくらいか」

 

 団長は言いながら、もう長いこと連絡をとっていなかったなと、唯一の友人とも言える青年を思った。

 

「深海棲艦と戦う艦娘を指揮する人でしたね。私は艦娘さんには会ったことありませんが」

「まあ、普通は関わることがかなり少ないからな。……モミジは誰かの1番になりたいのか?」

 

 団長が話を戻すと、モミジは顔を伏せ、声を絞り出す。

 

「私は……」

 

 ガバッと顔を上げ、今度は団長の目を見据え、ハッキリした声で、顔を紅葉(こうよう)した紅葉(もみじ)ように紅くして、言った。

 

「私は団長の一番になりたいです。団長と一緒にこの世界を守って、歩んでいきたいです」

「っ! そ、そうか」

「はい!」

 

 団長はモミジからつい、顔をそらす。

 恥ずかしくてモミジの顔を見ていられなかった。

 

 それでも、チラッと横目でモミジを見た。

 

 その顔は、まだ微かに紅く染まっていて……。

 とても、綺麗で……。

 

「団長、ずっと一緒です」

 

 団長は再び紅くなり、顔を背けた。

 

 




この世界はフラワーナイトガールと艦これがくっついています。害虫に深海棲艦も居るとか殺伐としすぎィ!

あくまでもフラワーナイトガールの小説ですので艦娘が登場する予定はありません。
団長回で提督と艦娘の名前くらいはでるかもしれませんけどね。

モミジが第1話の理由?
嫁だからに決まってんだろ!!

モミジかわいいよモミジ。
みんなもじゃぶじゃぶしてモミジを手に入れよう!
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