強くてヒーローアカデミア   作:レインコート

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分かりにくいとコメントがきたので、簡単に説明します。

原作と同じ道を歩んだデクaがヒーローになり、そのデクaが、別世界のデクbに憑依した。これじゃ逆行じゃないよね。

別世界のデクbは既に個性を受け継いでいる。それはデクbが鍛えてムキムキだったから。

この世界のSMASHの威力が高かったのは、デクaの持っていたワン・フォー・オールとデクbのワン・フォー・オールが混ざりあった為であり、デクaの肉体とデクbの肉体が混ざりあったからです。
2、3倍だと考えてくれればいいと思います。


本当に分かりにくくてすいません。今後ともよろしくお願いします。
ちなみに、わからない…との意見があまりにも多かった場合は、少し書き直しをすると思います。

※緑谷くんの口調が安定してないです。大人の頭が子供体に引っ張られてるからです。




強くてニューゲーム 2

母親は怒らせてはいけない。新しく学び―――これを教訓に生かそうと思う。夜に出歩くのは駄目、を耳が爆発するくらい聞かされてしまった。その時の母さんは―――思い出したくもない。あんなに怒ってるのを見るのは初めてかもしれない。前の私でもあんな事は滅多になかったからね。

 

とにかく、昨日の事が仇になったのか……三日程だが外出を禁止されてしまった。これは中々の痛手だ。他にも調べたり試さなくてはいけない事があるし、オールマイトとも話せなくなる。

自分で起こした事とはいえ、これでは意味がないではないのか? 抜け出そうとも思ったが、またバレて何かされるのも嫌なので止めておくとする。

 

別に外に出れない訳ではない。ちゃんと学校には行かなくてはならない……のだが、正直な所…行きたくないんだ。どうやって接すれば良いのか全くわからないんだが。そもそも友達も録に居なかったんだ。中身がおじさんにとっては地獄もいい所だよ。雄英だったらよかったんだけれども。雄英だったら友達だって居たんだよ。正直、この年でボッチは辛い。

かと言っても、癇癪を起こす訳にもいかない。その為に結局私は学校に行かなくてはならない。

 

「出久?」

「今行くー!」

 

学校の用意もとっくに済ませてあり、朝御飯もちゃんと食べた。体は万全、心は墜落真っ只中。ここまで学校に行きたくなくなるなんて初めてです。また初体験しました。全く嬉しくも何ともない。

 

「はぁ……どうにもならない………か」

「何言ってるの! 早くしないと―――」

「わかってるよー!」

 

私はまだ、逆行の本当の意味を知らなかった。この世界が前と同じとは限らない―――と。

どうやらこの世界の緑谷出久は、幼少期に何かをしたらしい。私がしていない何かを。それは―――

 

「お茶子ちゃん来ちゃうわよ!!」

「………………ん?」

「だーかーら、お茶子ちゃんが来るの! いつもの事でしょ!?」

「……………え?」

「ほら! 早く行くわよ!!」 

「…………………………なん……だと………」

 

母さんに手を引きずられ、無理矢理玄関に連れて来られる。しかし私は、それどころではなかった。こんな事はなかったし……一緒に学校に向かう人なんて居なかった筈だ。自分で言ってて恥ずかしくなる。

 

 

「えっ? 本当に?」

「何が?」

「お茶子って、麗日お茶子?」

「? それ以外に誰が居るの?」

「幼馴染み?」

「?? そうだけど……出久…どうしたの?」

「いや…………うん。なんでもない」

 

これがバタフライ・エフェクトというやつか? この世界の私は何をしたんだ……幼馴染みって何処の漫画なんだ……全く……。

あ、でもこれでボッチにはならないんじゃ…少なくとも味方が居るだけで全然違うだろう。しかし、どうやって接すれば良い? この世界の私はどうなっている? もしかしたら細かい所が変わっているかもしれない。ふむ……全くわからない。

 

どうすれば良いかはよくわからないが、麗日さんと一緒に学校に向かわなければならない事はわかる。でもそれ以外が全くわからない。この世界の私と今の私では違うのだろうか? それもわからない。

いやまあ、麗日さんとだったら凄く安心なんだけれども。

 

わからない事尽くしで、頭が少しばかり混乱してしまった。やっぱり考え過ぎると駄目かもしれない。これはもうしょうがない―――行き当たりばったりで行くしか道はない。こうなってしまった以上、覚悟を決めるしかないのだ。学校に行くだけで何を考えているんだ、と言ったツッコミはタブーである。

 

私の記憶では―――とにかく明るくて、優しくて、思った事を直ぐに言って………この頃の私にとってはまさに太陽と言っても過言ではない。

まさに『うららか』って感じで、可愛かったと私は記憶している。麗日さんには……雄英の頃からヒーローになっても助けてもらっていた。電話で話を聞いてもらったり、協力して敵と戦ったりもした。

それで―――えっと……なんだ…その、忘れた。

 

私の記憶力では意味がないのかもしれない。体は子供なんだけどな―――脳がショボければ意味がない。

 

「……………出………出久!!」

「!」

 

ずっと呼ばれていたのか、母さんが私の顔を覗き込んでいる。不安を浮かばせるような顔をしている為に、不安をさせてしまったようだ。

最近の行動を見ても、不安にさせる事…間違いなしだなぁ。夜に出歩いたり……この世界の私がやったかはわからないが敵に突っ込んで行ったり―――改めて考えると……私、結構な問題児なのかもしれない。

 

「……出久、どうしたの?」

「いや………別に何もないよ」

 

母さんに対し、返事と共に少しだけ微笑みを向ける。今は笑えるような精神状態でもないのだが、母さんをこれ以上は心配させる訳にはいかない、と思い笑ったのだ。

今、凄く混乱している。前は存在しなかった幼馴染みなんて………私を混乱させるには充分過ぎる。

 

「…………………」

 

今の私は明らかに顔が駄目になってる。母さんや親しい人なら、今の私の変化に気付かれるかもしれないが………。

 

「……………そっか。無理は駄目だからね」

「大丈夫」

 

『僕』ではなく『私』としての大丈夫。中身がおじさんとは言え、私はヒーローでもあるんだ。これくらいで動じてたらヒーローなんかやってられないからね。無理はする、心配させないくらい。

 

だから―――大丈夫、安心してほしい。

 

 

・・・

 

 

「遅刻した!」

 

隣の家のドアが勢いよく開かれる。朝なのに騒がしいのは関心しないんだが……ん? 

 

…………今…聞き捨てならない事を聞いてしまったような気がするんだが、私の気のせいではないのか? 気のせいだったらどれだけ良かった事だろうか。

 

薄々わかってはいたけど―――うん、遅刻した。

 

「あっ! お茶子ちゃん!」

「おはよーございまーす!!」 

「あー、えっと、その、おはよう」

「デクくんもおはよー!!」

 

ああ……癒される―――麗らかって感じだ。この頃の麗日さんを見るのは久しぶりだから、ちょっと嬉しくなってしまう。

どうにも相手を見る目が年下として見てしまう。やっぱり私はおっさんだった……心が廃れてる。考え方が明らかに駄目なんだが。おっさんで何が悪い。

 

「ごめん!!」

「え?」

 

麗日さんが急に頭を下げた。別に私は、謝られるようなことはしてないんだが―――

 

「待っててくれたんだよね?」

「それは………まあ、うん」

「私のせいで遅刻………」

「それは別に良い。とにかく、早く行こうよ」

 

麗日さんを待っているから遅刻したのは事実だが、別に怒っている訳でもない、かといって遅刻したのが悲しい訳でもない。どちらかというと嬉しい。一人で学校に行く方がよっぽど嫌だ。

何を子供っぽい事を言っているんだとか思われてると思うかもしれないけど、実際にこの年で一人は悲しい寂しいの二重苦にしかならないんだ。

だから遅刻したとしても、麗日さんと一緒に行けるなら別に良い。かわいい。

 

「―――うん!」

 

元気を取り戻したのか、満面の笑みで返事をする麗日さん。かわいい。やっぱりかわいい。年齢を重ねてもかわいいものはやっぱり可愛いって思える。

 

「お二人さん―――学校」

「「あ」」

「イチャイチャするのも自由だけど、学校はちゃんと行ってね?」

 

母さんがニヤニヤしながら私と麗日さんを冷やかしてくる。なんだよイチャイチャって……母さんも冗談が過ぎるんじゃないのか? あっちは兎も角として、私はもうおじさんだから色恋沙汰には興味はないけれども―――

 

「イチャ……イチャ……むう…」

 

何故か顔を赤らめている麗日さんはしらない。私は何もしらない。何も見てない何も聞いてない。もうなにも知らな―――

 

「Foooooooo!!!!」

 

全速力で家の前を駆け巡ってゆく緑谷出久。

 

「デ、デク君!? 急にどうしたの!?」

 

それを追い掛ける麗日お茶子。

 

「あらあら………」

 

二人を快く見守る緑谷母。

 

 

 

・・・

 

 

本来の物語から外れてしまった緑谷出久―――ここから先、道は歪んでゆく。捻れて捻れて、捻れ過ぎてオカシクなるかもしれない。

 

それでも緑谷は、ヒーローは歩み続ける。

 

 

・・・

 

 

 

 

 

闇は蠢く―――どこまでも、ドコまでも。

 

 

「緑谷……出久―――ああ、そうだなぁ……うん。思い出したよ。全部ぜんぶ、ぜーんぶ………なぁ」

 

 

消える事なく、闇を増し…ここにいる。

 

 

「何か言いましたか―――()()()()

「あー、なんでもない。うん」

「……そうですか」

 

 

全てが―――闇となれ。

 

 

「さあ…………強くてニューゲーム、だ」

 

 

 




駄文ですいません。見てくれると良いかな、と思っております。

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