どうぞ、見てやってください。
ー『ゾルディック家』屋敷内ー
「いるみにぃ!!えみるはどこ?」
突然、俺の後ろへ抱きついてきたのは、銀髪の髪に蒼い目をしたキルアだった。可愛らしいと思えるその行動を微笑ましく見ていると、キルアが首を傾げてジッと俺を見つめてくる。本当に可愛い。
「エミルだったね。エミルなら…寝てるよ。俺も今、行こうと思ってたんだ。キルも一緒にくるかい?」
「うん!!」
素直に返事をするキルアの頭をくしゃくしゃと撫でると、抱き上げてそのまま歩き始める。向かう先は隔離されている一つの部屋。
「ねぇ…いるみにぃ、なんで……えみるは部屋から出てこれないの?」
「…それは、力が強いからだよ。才能はキルの方が上だけど、それとこれとは話が違う」
「ちから?」
「あぁ、そうだ。だから、キル……勝手に近づいてはダメだよ」
そして、俺とキルアは見た。
キルアと同じような銀髪の髪に……虚ろでしかない紅い目。そして…普通の人間にはあるはずのない額にあるツノ。
存在自体が異常であるその子どもは……俺たちを見るなり、笑った。
◆◇◆
見渡したら、きっとそこは…死者のいる場所。だと、思っていた。そう、思っていたのだ。だが…見渡して、目に入ってくるのは一つの照明が照らす薄気味悪い部屋。あちこちには呪符なんてものもはってある。
さぁて……大体のことは分かってきた。
ーーここ、どこ?
分かってないじゃん。なんてツッコミは決してしないこと。これ常識。じゃないと、俺のハートはズタボロです。
そんなことよりも……今度は自分の身体を見てみる事にする。どっからどう見ても18歳だった筈の身体は4歳ぐらいの小さな身体になっていて、あまり動くことも……うぉ!? 4歳の方が身体力高いんじゃねーの? 多分、もとの自分の身体より身体能力が高いみたいです。この身体。解せぬ。
「あー」
よし、声も出る。
さてさて、全ての確認も済んだことだし……
「ここぉ、どこぉぉおおお!?」
取り敢えず、叫ぶ。
人は未知のものに出会った時、恐怖からか叫ぶのだと言う。近所迷惑? そんなことし、しらねぇな!
「スッキリ、スッキリ」
スクッとベッドの上に立ち上がり、自分が着ているひらひらのワンピースをパンパンと叩く。……ん? 今、ワンピースって…
「うぉぉおおお!?」
2度目の叫び。これはガチの叫び。
うぅぅ〜〜、こんなのってないよぉ。俺、男だったはずなのに…なんで性別変わってんだよぉぉ! しかも、幼女……誰得だ、くそ野郎。今、本気で死にたい。まぁ、もう死んでるから意味ないけどね(現実逃避)。俺は、死んでる。俺は、死んでる。此処は天国。天国?なにそれおいしいの?
そして俺は、一つ気づいたことがある。これって……「転生」みたいな?
………
一人で、バカみたいなので、取り敢えず考えることをやめた俺は布団の中へ、そして、眠りについた。
◆◇◆
さてさて、寝てもなんにもならなかった事件。名付けて、寝てなら事件。 『転生』ってなんだっけ?って思ってくる始末です。疲れてーラースウィ…?なんだっけ。テーラースウェット?違うな…テーラースウェフト!納得納得。
「馬鹿か。俺は…」
本当に…馬鹿な気がしてきた。
布団からよいしょと起き上がり、周りを見渡す。変わっているところなど一つもないが……慣れないんや。許せ。
さてさて、昨日は『転生説』が出てきたわけだが……まだ、此処が天国だということも捨てきれていない。つまり…二択だ。天国か何処かに転生したか。
俺としては……天国がいいなぁ。なんて思う。だって、俺の死因…事故だぜ? しかも、友達がいる目の前。
『…俺の分も…生きろよ』
なんて、言っちゃったやつなんだぜ? はずぃ。これで、死んでなかったら恥ずすぎて死ねる。
言ってるそばから、顔から火がでるほど熱い。どうして、今日はこんなに熱いんでしょう。困る。ーーあっ、因みに思い出した。テイラースウィフトだ。まぁ、そんなことより……
「うぉぉ!恥ずい!!」
俺のブラックブック(厨二乙)に入るほど恥ずいじゃないか。やめて!! 俺のライフが無くなる!!
「ち…ら?」
「あ…、そ…だ。だか…、キル…勝手に…ち…ダメ…よ」
うん?誰か来る?
不意に聞こえた声に急いで、ベッドに座る。ベッドに座ったのはなんとなく。だってこの部屋、椅子がないんだもの。
ガチャーー。
ドアが開く音。
此処に来てから初めて会う人。…やめぃ、これだけだったらまるで、見合いをする人じゃないか。
ドアを開けた人はなかなか入ってこず、そこで止まっている気がして、ドアの方を向いてみる。目と目が合う。その顔は驚愕している顔で、まるで死人とあったかのような驚いた顔だった。 これ、確定。
ーーどうやら、俺は転生したみたいです。
「…おき、てーー!」
「あっ!えみる、起きてる!! いるみにぃ、えみる、起きてるよ!」
「そう、だね」
なんだ、あのちっこいのは!!
かわ、いい…だと!?←別にそういう趣味はない。
銀髪のふわふわした髪をした男の子はピョンピョン跳ねながら喜んでいる。おい、あんな小さい子供が約2メートルは飛んでるぞ。どうこっちゃ。
「あぁ……」
「ー!!いるみにぃ!えみるがなんか言ってる!!」
「ここ、どこ…ですか?」
「「……」」
そんな目で見ないでくんさい。
私、状況シラナイ。だから、知る必要アル。ドゥーユーアンダースタンド? 答えはイエスしか認めない(理不尽)。
「ここは、『ゾルディック家』の隔離部屋。エミルはいままで、ずっと寝てたから分からないかもだけど」
「ありがと…ござい、ます」
『ゾルディック家』……うぇ!? ゾルディック家!? おいおい、待て待て待て。お願いします、待ってください。
ゾルディック家って…HUNTER×HUNTERのやつじゃ…
「暗殺、家業?」
「…!? 何処で知ったのかな。お兄ちゃんにも教えてくれるかい?」
怖い、怖い怖い!!イルミさん怖いです。
ちくせう。失言だった。そりゃ、四歳児ぽいし…見た感じ、隔離されてたみたいだから、そんなこと知ってたら興味も出ますね!
「…お…私、子ども…分からない」
「ふぅん。まぁ、いっか」
ふぅ…無理があったか。
こういう時は「分からない」って言っておけばいいのです(暴論)。
それにしても、HUNTER×HUNTER…ながいからH×Hでいいや。確か…『ゾルディック家』は暗殺一家で、美形が揃ってる一家ですね。はい、羨ましい限りです。しかし…それだけしか知らない俺。なんて、使えない奴なんだ。
「(H×Hなんて、一般的な事しかしらねぇーよ。なんで、この世界なの?ねぇ、なんで?)」
こんな、使えない転生者なんていないんじゃなかろーか。
「原作知識」とか「神様特権」つかって無双している奴らが羨ましいぜ。神様にも会ってない俺はどうなるのさ。
「えみる!遊ぼっ!!」
ふと、声が聞こえて前を向くと、ベッドに上がり込んでいるキルアの姿があった。ヤヴァイ、気配すら分からない。『ゾルディック家』は無敵。敵にまわしたらこっちが死ぬ。つか、まわさなくても死ぬ。
「キル。今日は訓練があるから。またにしよう」
「えーー!えみると遊びたい」
「ダメだよ。さぁ、はやく」
「うー」
なんて、微笑ましい光景なのだろう。
イルミさんの殺気がなければ尚良しだった。
◆◇◆
隔離部屋から出ると、俺は笑った。誰にも分からない程度で。
キルアはいつになっても俺の大事な弟で『宝物』。キルアにしか殆ど興味ないし、それはいつになっても変わらない。と、今日までは思っていた。
「あはは、また…次は遊ぼうね。俺の大事な妹ーーエミル」
そう俺は呟くと、キルアの手を引っ張ってその場を離れた。
約3000文字程度でやっていくので、よろしくお願いします。
なお、作者はアニメしか見てないので、色々教えてくださると嬉しいです。
原作?買うお金がないんで……