すみません。
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突然聞こえたのは『何故、エミを捜す?お前にはキルがいるから別にいいだろ?』という悪魔の言葉。
そうだ……
何故、俺がエミルに執着するのか。そんなもの…分かるはずがない。だって、執着自体していないのだから。
「くそっ」
頭が悲鳴をあげているのかズキリと痛む。それを無視しながら、さらに考える。
ーー何故?
確かに、エミルはキルアと似ている。そう、似ているのだ。銀髪に猫目、整った顔、それはキルアと血が繋がっている証拠で…羨ましくもある。だって、俺の髪は黒色だからね。まぁ、黒色だから嫌だとかそういうのはないんだけども…
『いつから?いつから、俺は…興味を示していた?』
兄弟ならいくらでもいる。キルアは特別。でも、他の兄弟はどうだっていい。なのに…何故?
「分からない」
操作系である俺が、4歳の子供に操作されていたとでも言うのだろうか? いや、それはまずない。興味……たしかに、興味はあった。小さい頃から額にあるツノ。それがなにを示唆しているのか。それはどんな力となるのか。そう、楽しみで楽しみで仕方がなかった。
しかし…彼女は起きなかった。産まれてから一度も、目を開けることがない寝たきり状態。それを世話するのが俺の役目でもあった。点滴による栄養供給。そして、身の回りの世話。何故、俺がその役目を引き受けたのか。それは、目が覚めて一番最初に見た人間を赤ちゃんは覚えやすいから。俺のものとして操作しやすいと考えたからでもあった。
「なら何故、俺は…操作しなかった?」
違うーー。しなかったじゃない、出来なかった。そう、出来なかった。なら、何故できなかった?
答えが分からない。まるで、真っ暗な泥沼を進んでいる感覚。全ての情報が、まとわりつき、その情報は必要のない…答えとは違うもの。
だから…俺は切り捨てた。特に見つからない理由であるのならば、それまでの理由だったのだとそう考えて。
「さぁて、エミを殺そう♪」
不敵に笑った。
◆◇◆
絶賛迷い中のエミル=ゾルディックとは俺のことです。いや、ね? 扉開けました。ここ何処?ってなるわけですよ。だって俺、この屋敷のこと殆ど知らないんだぜ? 勢いよく出たくせにカッコ悪いじゃねーか。
「はぁ……どうしよ、これ」
誰かガイドしてくれると嬉しいぃ。まったく、何故ここは観光地なのにガイドが一人もいないんだ。困るな本当に…!
「はっ!? おまっ……」
ん? 横にに豚さんがいた気がするけど…あまつさえ、喋った気もするけど…気のせいだよね☆ だって、ゾルディック家はみんなカッコいい。そしてカワイイのだから(洗脳)。子供の夢は壊してはいけない。
「ふんふん♪」
恐怖を紛らわせるため、鼻歌しながら豚さんのことは無視して進む。関わったら、ロクなことにならない。俺は今日、何回死ぬんだ……ってなるから今日は相手しない。足がガクガク震えますね、はい。
「おい! お前……エミルか?」
「………エミルじゃないよ、これは夢で、俺は君が創り出してしまった何かだよ☆」
「☆をつけるな。エミルだな? …………ふっ、ちょっと来いよ」
「えーと…俺、用事があるんで!」
全力疾走。振り切ろうにも、廊下が直線なので振り切ることもできません。というより、振り切れると思ってはいけない。相手はゾルディック。勝てるわけない。もう少し、俺に優しくしてくれてもいんじゃないですかね?
そんなわけで……えぇ、捕まりましたとも。3秒で。ふっ…一般ピーポーのわりには頑張ったほうだと思う。というより、思いたい。じゃないと、俺の精神力が潰れてしまう。
「何、逃げてんだ」
「ハハ……」
「僕から逃げようなんて100年は速いな」
「…はい。すみませんでした」
100年どころか200年かけても無理なんじゃないですかね。だが、俺は諦めない。何故かって? 何でだろうね。俺も分からん。
「ママに報告……は後でいっか。ほら、速く来い」
「うるさい、マザコン(はい、ミルキ兄さん)」
「それ、逆だから」
「え………!!!!本当にすみません。見逃してください。えぇ、なんでもしますので…どうか命だけは…!! それだけじゃ足りないとかいわれても俺はどうすることも出来いので…その、出来れば俺が出来る範囲内でお願いします。いや、本当にすみません。謝るので許してください」
「はぁ…そこまでしないよ。僕だって、無闇に人を殺そうなんて考えてない」
えっ? 本当ですか?
よかった、よかった。普通に「死ね」とか言われたらどうしようかと思った。自分で死ぬ勇気はないからさ。ここで「いや、お前より俺のほうが強いから」とか言う奴、そいつは神様転生君だよ。
「でも……来てもらう」
「あっ…はい」
駄目だこれ…明日から豚肉、出てきたら食べないでおこう。豚にさえ恐怖。別に、ミルキが豚とは言ってない。なんら関わりないから、これ注意。
「ついたぞ、中に入れ」
「あっ…どうも」
エスコートみたいに、ドアを開けて先に入るように促すミルキに会釈をして部屋に入る。……と目に入るものは、幼い少女キャラクターのフィギュアや壁紙。
えっ? そうだったの? ミルキ兄さんって………
「ロリコンかい!」
もう、嫌だ。ここには普通のやつがいない。なんだ…最初から知ってたことじゃないか(混乱)。うん、ロリコン…ロリコンはいいと思うよ、やっぱり。人の趣味は其々だからさ。俺だって、好きな子の写真とか持ってた時あるから。キモいって? 知ってますからー。
「ロリコン? 僕を普通のロリコンと一緒にしないでくれるかな? そもそも僕はロリコンじゃない。幼い子が好きなだけだ」
「(それをロリコン言うんや!)」
「とりあえず、そういうことだから。コレに着替えろ」
いやぁー。兄さんがセクハラしてくるぅー。ミルキが出した服は黒色のフリフリしたワンピース、つまり…ゴスロリ。俺にそんなものを着せるでない! メンタルがやられるでしょうが。
「…いや…です」
「あ?」
「あっ…なんでもないです。着ますね」
「よし、着替えは3秒もいらないだろ」
へ?気のせいかな。3秒で着替えろって聞こえたきが……気のせいにしよ。そんな早着替え、極めたことすらない。なんなの? 暗殺者だけじゃなくて忍者までも極めようとしちゃってんの? 天才かよ、おい。
「屈辱……」
「おー、似合ってる似合ってる」
というわけで、着替えました。
着替えには5分かかって、ミルキに「遅い」と言われる始末。着たこともないゴスロリを5分で着れたのだから褒めるべき。俺は頑張った。
「白い肌を引き立たせる黒色の生地。そして、幼さを引き立たせるゴスロリ。髪の色が銀色だからこそ成り立つコントラスト!! これこそSA I KYO Uぅぅ!!!もう、そのまま過ごして」
「いや、普通に嫌です」
ミルキの性格が変わっている件について。まぁ、もともとの性格知らないけど。 俺が知ってるのは名前だけ。やはり使えない奴め。こんなに虚しいことはない。
「いーや、着てもらう。お前は僕のものだ」
「…(めんどくせぇぇ!!)」
「言っとけど、僕に逆らうと…分かってるよな?」
「イエス!ミルキ兄様」
逆らってはイケナイ。
「よし、じゃあ次はベッドに座ってくれ」
「分かりました」
近くにあるベッドに腰掛けてミルキの指示を待つ。ミルキの手にはカメラが握られているため、写真を撮るのだろう。こうなったら、モデルの気分になってやってやろうじゃねぇか。もう、投げやり。ゴスロリを着た時から俺のプライドはズタボロ。
「くく……コレクションが増える」
あっやばい。恐怖という言葉しか出て来ない。
オリジナル設定
ミルキ→ロリコン
次回もよろしくお願いします!!