Pとアイドルの奇妙な冒険(仮):更新停止   作:妖怪1足りない

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第1話 神からゲロ以下のにおいがプンプンする

「ん?」

 

気づくと俺は真っ白な空間にいた。

 

「ここは一体・・・」

 

俺はコンビニに行く途中だったはず。一体何が起きたんだ?

 

「お? 意外と冷静だね!」

 

背後から声がしたので振り向くと、そこには"神"とでっかく書かれたTシャツに、

ダメージジーンズを着た女の子がいた。

 

「あんたは一体何者だ?」

「神様だ!」

 

見た目はすごくかわいい女の子なのだが、ドヤッ!という表情と態度が非常にイラッとくる。

 

「いやあ、ごめんね~。間違って死なせちゃった。てへぺろ☆」

 

俺は無言でその神様とやらの頭に拳骨を落とした。

 

「痛あ!?」

 

神様は痛みに地面を転げ回った。

 

「ちょっと!? いきなり何するのさ! 暴力反対だよ!」

 

涙目になりながら神様は訴えてきた。

 

「まだ女だからその程度で済んだんだぞ? これが男なら、顔面に拳を叩き込んでるぞ」

 

この神様、自分がやったことがわかってるのか?

 

「で、間違って死なせちゃったというのはどういうことだ?」

 

俺の言葉に神様は目を泳がせつつ話し出した。

 

「ええと・・・私、仕事中に競馬をラジオで聞いててですね・・・、

それで、買ってた馬券が外れまして・・・、その時にラジオを怒りのままに、あなたのいた世界に投げてですね・・・」

 

「その投げたラジオが俺に当たって死んだと? そもそも仕事してる時に競馬とはどういうことだ。

とりあえず一発殴らせろ!」

 

「ごめんなさい!」

 

神様は俺の顔を見て、流れるような速さで土下座した。

しかし、神様の世界は競馬やってるのか。人間の世界と同じか?

 

「それで、俺に何の用だ?」

「ええと、それがね。あなたを間違って死なせちゃったことがばれるとね、

始末書千枚の大台に乗っちゃって、給料が千年間半分になっちゃうんだ」

 

この言葉で、この神様は駄神だと俺の心の中で確定した。

 

「だから、別の世界に転生させようかと考えてる。あ、もちろん特典もつけるよ! 今回のお詫びも兼ねて!」

「元の世界に生き返らせることはできないのか?」

「それをすると今回のことがばれちゃうので、それはできません。残念でした~! てへぺろ☆」

 

俺は無言で今度は腹を狙って殴った。

 

「お前がッ! 泣くまでッ! 殴るのをやめないッ!」

 

ボディに連打でたたき込む。

そして、神様は目から涙を流し、口から胃の内容物をリバースしてうずくまった。

 

「ひ、ひどい・・・」

「いいや、慈悲深いぞ。顔面に拳を叩き込んでないからな。それで? 別の世界とやらと特典について説明しろ」

 

神様は、よろよろと立ち上がると話を再開した。

 

「特典の要望はある? よっぽどでない限り受け付けるよ」

「ジョジョの奇妙な冒険に出てくる全スタンド及び波紋、回転の技術にしてくれ。

スタンドは一般人に視認出来たりするように、視認させるかのON・OFFが任意でできるようにしてくれ」

「え? 即答!? もう少し考えなくてもいいの?」

「ああ。それでいい」

 

ジョジョ好きの俺としては、純粋な興味として、スタンドを使ってみたい。

歴代主人公の『黄金の精神』を、俺が持てるとは思わないが。

 

「特典はジョジョの奇妙な冒険に出てくる全スタンド及び波紋、回転の技ね。

転生先だけど、二次元の世界になるよ。三次元の世界だと上司にバレるし」

 

落ち着け。この駄神の顔面に拳を叩き込みたい衝動を抑えろ。

 

「転生先はバイオハザード、サイレント・ヒル、学園黙示録、アイドルマスターのどれにする?」

「アイドルマスターの世界にしてくれ。というより、なぜその選択肢なんだ?」

「そんなとこしか空いてなかったから」

 

これはひどい。バイオハザードやサイレント・ヒルの世界になど行きたくない。

 

アイドルマスターは、プレイヤーがプロデューサーになって、女の子をトップアイドルにするゲームだったはずだ。

 

友人からの又聞きで詳しくは知らないが、少なくとも現代日本を元にしてたはずだし、他の転生先より安全だろう。

 

「一応聞いておきたいんだが、お前、いままでに何人の生命をお前のミスで死なせた?」

「君は今まで食べたパンの枚数をおぼえているの?」

 

・・・コイツはゲロ以下のにおいがプンプンする奴だッ! 今まで出会ったことが無いほどにッ!

 

「そんなことより、上司にバレる前にさっさと転生させるよ。GO!」

 

その言葉と共に目の前が真っ白になった。

 

「これで良し。さて、彼がどう生きるかちょくちょく見て楽しませ・・・もとい、暖かく見守ろうか」

 

 

気が付くと、仰向けに寝ているのか、視線の先に空が映っていた。

転生したのか?そう思い身体を動かそうとしたが、うまく動かない。

いや、俺の手こんなに小さかったか? ん? これはまさか・・・。

赤ん坊になっていないか!? あの駄神・・・!

 

「・・・赤ちゃん?」

 

影が差したかと思うと、女性が俺を覗き込んで呟いた。

 

「ん~・・・、身元がわかるようなものはないわね~。それにしても、赤ちゃんを捨てるなんてひどいわ~」

 

捨てられたんじゃなくて駄神がミスをしたのだろう。

 

「大丈夫よ~。私が育ててあげるから。家に帰りましょう」

 

そう言って俺を抱き上げてくれた女性の顔は、慈愛に満ちた表情をしていた。

助かった。本当に助かった。

 

そして、その日の晩、夢の中で駄神と会った。

 

「間違って赤ん坊からスタートさせちゃった。ごめんね~! てへぺろ☆ 

その代わりに、新しく特典つけるから。あ、今の君は赤ん坊だけど、ここでならしゃべれるよ」

 

赤ん坊の身体でなければ、この神様の顔面に拳を叩き込んでいるところだ。

 

「あの女の人が拾ってくれなかったら、死んでたかもしれないんだぞ」

「そうだね。まあ、よかったじゃん。それで、追加特典だけど一つ目はスタンドを二体同時に使える」

 

お、これはいい。戦術の幅が広がる。原作のホル・ホース&J・ガイルのように、コンビ技も使用できる。

 

「そして、追加特典の二つ目は究極生命体(アルティミット・シイング)になる。

不老不死は除外されてるから安心してね。それでも不死身に近いよ。全身が細切れになるか、

頭が吹っ飛ばされない限りは死なないし。五体がバラバラになっても、再生するから。

そして、流法(モード)も使えるよ。いやあ、私ってホントに優しい♪」

「ちょっと待って。究極生命体になるのは却下だ。俺は人間をやめたくない」

「でも断る。まあ、転生させる時に、君の身体を聖なる遺体と融合させて作ったしね。

ついでみたいなもんだよ。いやあ、聖なる遺体の処理すっかり忘れてて、

バレたら上司に怒られるからね。だから今回のことで隠ぺい出来て良かったよ。

これで話は終わりだよ。頑張ってね!」

「おい、ちょっと待て・・・!」

 

聖なる遺体とはどういうことだと言い終わる前に、目の前がまた真っ白になり、目が覚めた。

・・・死んだらあの駄神の顔面に、容赦なく拳を叩き込んでやる。

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