Pとアイドルの奇妙な冒険(仮):更新停止 作:妖怪1足りない
「おはよう、お袋」
「おはよ~、定ちゃん」
俺は朝の挨拶をお袋と済ます。
屍生人との戦闘を目の当たりにして、
気を失った女性を、家に連れてきたが、
まだ、起きていないようだ。
昨日の事件は精神的なショックがあるだろうと考え、
ジョジョの小説版に出てきた、
相手の『痛み』や『悩み』を吸収して癒すことができるウサギ型のスタンド、
『ザ・キュアー』で昨日の内に癒しておいた。
「・・・おはようございます」
そう考えていると、その女性がダイニングに入ってきた。
「はい、おはよ~。あなたの朝ご飯も準備できてるわよ~。
私の名前は
あなたの名前も教えてもらえる~」
「
・・・えっと聖愛さんと定守さんは親子なのですか?」
「そうよ~。どうかしたかしら~?」
「どう見ても親子には見えないほど、聖愛さんがお若いものでしたから」
「ふふふ、ありがとう~。お世辞でもうれしいわあ~」
「いえ、聖愛さんが20代後半位にしか見えませんでしたから・・・」
やっぱりお袋の見た目は、他人から見てもそう見えるよな。
お袋の実年齢は50歳。原作2部のリサリサと同じだ。
怖いのは何もしていないのに、この若さを保っていることだ。
『波紋』の呼吸をするでもなく、『石仮面』を被って吸血鬼になったわけでもないのに、
この若さというのは、はっきり言って謎だ。
「あの・・・、昨日は助けていただいてありがとうございます」
「いや、鷺沢さんが無事で何よりだ。昨日の事は後でプロダクションで話そうと思うが、
鷺沢さんは時間は大丈夫か?」
「ええ。今日は大学の授業も休みですし、問題ありません。
・・・言葉遣いが昨日とは違いますね」
「こっちが素だ。気にするな」
「それじゃあ朝ご飯を食べましょうか~」
お袋の言葉で俺達は朝ご飯を食べ始める。今日の朝ご飯はご飯に味噌汁、
卵焼き等の典型的な和風のメニューだ。
「今日は私もプロダクションに行った方がいいのよね?」
「ああ。昨日の夜に言った通り、お袋も一緒に来てくれ。
少々込み入った話になりそうだ」
「わかったわ~。私が車を運転するわね~」
俺とお袋が朝ご飯を食べつつ話しているのを横目に、
鷺沢さんは黙々と朝ご飯を食べていた。
何か言いたそうだが、昨日の事は後で話すと俺が言ったので、
黙っていることにしたようだ。
朝ご飯を食べ終えた俺達は、お袋が運転する車に乗り、346プロへ向かった。
346プロに着いた俺達は、そのまま社長室へ入る。
社長室には、社長、常務、利益の三人が既に座っていた、
昨夜の内に俺が電話を掛けて集まってもらったのだ。
「・・・私がここにいてもいいのでしょうか?」
鷺沢さんが遠慮がちに聞いてきた。
「昨日の事をここで説明するから構わない。鷺沢さんは当事者だしな」
全員が椅子に座ったのを確認し、俺は、昨日の
それに関連する『石仮面』や『吸血鬼』について話し始めた。
俺の話を聞いて、社長、常務、利益の三人は険しい表情を浮かべた。
「つまり、屍生人がこの先も出現する可能性があるということですか・・・」
常務・・・叔父さんがまず口を開いた。
「その可能性は高いと俺は判断しています。俺が屍生人を倒したことで、
屍生人を倒せる何者かがいると思い、自分の身を守るために屍生人を増やすでしょう」
「定守はどうするべきだと思いますか?」
「叔父さん。通常通りに業務は行いましょう。
後は、若い女性が襲われる事件が相次いでいるので、夜間は一人で行動しない。
人通りの多いところを歩くといった注意喚起をするしかないかと」
「そうだ! 定守。お前の『ハーミットパープル』なら、誰が吸血鬼かわかるんじゃねえか?」
「利益! お前ッ・・・!」
「あっ・・・」
「『ハーミットパープル』・・・隠者の紫・・・ですか。
何ですかそれは?」
俺は頭を抱えたくなった。利益の奴、余計なことを。
俺はため息を吐きつつ、鷺沢さんに答える。
「鷺沢さん。それについて答える前に言っておくことがある。
今から『ハーミットパープル』・・・いや、『スタンド』について説明する。
それを聞いた後で、鷺沢さんがアイドルになるか、ならないかを聞かせてくれ」
「それは・・・・・・」
「よく考えて決断してほしいと、昨日言ったばかりなのに、すまないとは思う。
だが、スタンドが何かに関しては、あまり教えたくないんだ。
スタンドについて知っているのは、鷺沢さんを除いたこの部屋にいる人間だけの秘密だ。
教えたのはやむ負えない事情もあるが、この秘密を知れば鷺沢さんは俺に対する態度を変えるかもしれない。
だから、スタンドを見た後で答えを聞かせてくれ」
「・・・わかりました」
「じゃあ、出すぞ。『ハーミットパープル』」
その言葉と同時に、俺の右手に茨の像を持つスタンドが出現する。
「? 何も変わりませんが?」
「スタンドは原則として、一般人には見えないからな。
今から見えるようにする」
転生特典のスタンドが一般人に視認出来る機能をONにする。
「これは・・・!?」
「見えるだろ。生命エネルギーが作り出す、
パワーを持った
そして、このスタンドの名前が、『ハーミットパープル』だ」
「触ってみても大丈夫でしょうか?」
「無理だ。スタンドに触ることができるのは、スタンドだけだ。
スタンドを使える人間でも、触ることは出来ない。見ることは出来るがな。
話を続けるぞ。この『ハーミットパープル』は、念写や読心術等が出来る能力がある」
「念写・・・そんなことが・・・」
「出来る。スタンドとは、超能力を形にしたものと言える。
だから、世間一般の分類で言えば、俺は超能力者となる。
論より証拠だ。やってみよう」
俺はスーツのポケットから、『エニグマ』でカメラを収納しておいた紙を取り出し、
テーブルの上で広げて、カメラを出した。
「カメラが紙から出て・・・これも『ハーミットパープル』の能力なのですか?」
「いや。これは別のスタンドの能力だ。本来はスタンドは原則として、
一人につき一体なんだが、俺は例外で複数種類のスタンドを持っているんだ。
話を戻すぞ。このカメラを、『ハーミットパープル』で叩く!」
右手に『ハーミットパープル』を纏わせたまま、カメラを叩く。
カメラが破壊されたと同時に、一枚の写真が出てくる。
「これが『ハーミットパープル』の念写の方法だ。いちいちカメラを壊す必要があるけどな」
「いきなりカメラを壊したのでびっくりしました。・・・それで、何を念写したのですか?」
「見ればわかるさ」
俺は『ハーミットパープル』で念写した写真を、鷺沢さんに渡す。
「部屋ですね・・・この読書机は私の物に似て・・・まさかっ!?」
「そのまさかだ。鷺沢さんの部屋を念写した。
これで信じてもらえたかな?」
「・・・信じられないことですが、実際に見ると信じざるを得ません」
「それでさっき利益が言った『吸血鬼』がわかるかだが、現状では無理だ。
念写しようにも対象がわからないからな。別の物が写る可能性が高い。
さて、スタンドに関してはもっと色々あるんだが、大体はこんなとこだ。
それで、鷺沢さんは俺をどう見る?」
「どう・・・とは?」
「俺が怖いとか、恐ろしいとかだ。人は自分と違うものを受け入れない傾向があるからな」
「・・・一つ、質問させて下さい。定守さんは私をアイドルにしたいのですか?
それとも、したくないのですか?」
「俺は、鷺沢さんをアイドルにしたい。
鷺沢さんならトップアイドルになれる可能性があると思う。
だが、今見せたスタンドという、人とは違う力を持つ人間を、
鷺沢さんが受け入れられるかは、また、別の問題だ。
俺が恐ろしいが、アイドルにはなりたいのなら、別のプロデューサーを紹介する。
だから、この場で決めてほしい」
鷺沢さんはしばらく考え込んだ後、意を決したように話し始めた。
「・・・・・・昨日、定守さんにスカウトされた直後は断ろうと考えていました。
ですが・・・」
一呼吸置いて、鷺沢さんは話を続ける。
「昨夜の事件と今日の定守さんとの会話で考えが変わりました。
屍生人に立ち向かう勇気、そして、スタンドのことを正直に教えてくれました。
スタンドのことは正直驚きましたが、それで定守さんを怖がったりはしません。
昨夜のようなことは怖いですが・・・私は定守さんを信じたいと思います。
・・・これからよろしくお願いします」
そう言って鷺沢さんは俺に軽く頭を下げた。
「ありがとう。そこまで言ってくれるなら、俺は全力でその信頼に答える。
こちらこそ、これからよろしく頼む」
「おお! 定守ィ、まるで愛の告白みてえじゃねえか」
・・・また、利益が余計な事を言った。鷺沢さんが困ってるだろ。
「い・・・いえ、・・・その、・・・告白とかじゃ・・・」
「鷺沢さん、俺を信頼してくれたお礼と言ってはなんだが、
別のスタンドを見せよう。『スタープラチナ』!」
俺は『スタープラチナ』を出して、鷺沢さんに見せる。
「紹介しよう。人型のスタンド『スタープラチナ』。俺の保有するスタンドの中でも、
強力なスタンドだ。これから利益で、どの程度強力かを実演しよう」
「えっ? ちょっと待・・・」
利益のせいでスタンドがバレたわけだし、お仕置きしておこう。
俺は自分でも悪魔のような笑みを浮かべていると自覚しつつ、利益に聞く。
「利益。今からお前を右と左どちらで殴ると思う?」
「み、右・・・?」
「NO! NO! NO!」
「ひ、左・・・?」
「NO! NO! NO!」
「り、両方ですかあ?」
「YES! YES! YES!」
「もしかしてオラオラですかあ!?」
「YES! YES! YES! ぶちかませてもらうぞ!」
「殴られてたまるかあ!」
利益がスタンドを出そうとするが、その前に・・・
「『スタープラチナ・ザ・ワールド』!」
時を止めるに決まってるだろ!
『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァーーッ!』
『スタープラチナ』のパンチの
「時は動き出す」
「ギャアアアアアアァーッ!」
悲鳴を上げつつ、隣の部屋へ利益が、壁をぶち破って吹っ飛んだ。
やれやれだ。