魔法少年リリカルネギま!strikers   作:DragonWill

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お久しぶりです。ようやく投稿できました。


二時間目〜ようこそ機動6課へ・前篇〜

「時空管理局の者です!!みなさん、お怪我はありませんか!?」

 

突如、謎の声が聞こえ、三人と一匹が声の方を向いてみると、白い服を着た茶髪のツインテールと黒い服と白いマントを着たツ金髪のインテールの二人の女性が空を飛んでこちらにやってきていた。

 

「時空管理局?聞いたことないよ・・・フェイトは?」

「僕も聞いたことがないよ。『魔法世界』『旧世界』双方を探しても、そんな名称の組織はなかったはずだよ」

「管理局って言ったら、空港にある入国管理局違うんか?」

 

ネギ、フェイト、小太郎の三人は聞いたことのない組織名に首をかしげていた。

 

「管理局を知らない?フェイトちゃん、彼らもしかして・・・」

「多分そうだと思うよ、なのは。それに、ミッド式でもベルカ式でもない魔法を使ってた・・・」

 

二人の女性が小声で話し合いながら、こちらに近づいてきた。

 

「もしかしたら、貴方たちは次元漂流者の可能性があります」

「「「次元漂流者?」」」

 

三人は茶髪の女性から簡単な説明を受けた。

 

曰く、この世界は次元の海に浮かぶ世界の一つであり、無数に存在する世界のそれぞれを『次元世界』と呼び、彼女たち管理局は、多数の次元世界全域を取り締まる司法組織のようなものであるらしい。

 

次元世界を渡るには、本来、高度な文明が必要とされるが、稀に、偶発的な事故に巻き込まれ、別の世界へ飛ばされてしまう人間がいるらしく、そういう人々を『次元漂流者』と呼び、保護するのも彼女たちの仕事なのだそうである。

 

「要するに、僕たちは世界規模での迷子というわけか・・・」

「おおまかに言えば、そんなところです。それで事情をお聞きしたいので、一度、機動6課の隊舎まで来てくれませんか?」

「僕は構いませんよ」

「ワイもいいで~」

「他に行くあてがあるわけでもないしね」

 

三人は彼女たちの提案を受け、管理局の保護を受けることとなった。

 

「あっ、はやてちゃん?さっきガジェットと交戦してた民間人三名を保護しました」

「それで、事情を聴くために、彼らを隊舎まで送りたいから、すぐにヘリを呼んでくれないかな?」

『分かりました。安心して、なのはちゃん、フェイトちゃん。民間人がガジェットと戦闘しているゆう報告を受けた時から、すでに医療スタッフとして、シャマルを乗せたヘリをそちらに向かわせているから、もうそろそろ着くと思うよ』

 

ちょうどそのとき、遠くからヘリのプロペラ音が聞こえてきた。

 

「ちょうど、来たみたいだね」

「それじゃあ、みなさんは、あのヘリで機動6課に送りますね」

 

そして、一同はヘリが着陸できる場所にまで移動を始めた。

 

「そう言えば、自己紹介がまだだったね。私は時空管理局・航空戦技教導官の高町なのは一等空尉です。よろしくね」

「同じく本局所属のフェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官です。よろしく」

「こちらこそよろしくお願いします。麻帆良学園英語教師のネギ・スプリングフィールドです」

「同じく、臨時講師のフェイト・アーウェルンクス」

「ワイは犬上小太郎。拳闘士って言うのをやってるんや。よろしくな!!ねーちゃんたち!!」

 

かくして、魔法使いと魔導師を乗せたヘリは機動6課隊舎へ向けて飛び立った。

 

 

 

「・・・・・・・・・・アニキ・・・・・・・・・俺ッチは?」

 

戦闘の余波で地面に埋まったまま、すっかり忘れ去られていたカモ君であった。

 

 

 

 

 

 

「いやー、ひどいッスよ、アニキ!!俺ッチを置いていくなんて!!」

「ごめん、カモ君。素で忘れてたというか・・・」

 

機動6課の隊舎へと向かうヘリの中で、ネギがオコジョに怒られていた。

 

「へー、かわいいね。このオコジョって、ネギ君の使い魔なの?」

 

『フェレットモードのユーノ君みたい』などと考えながら、なのはがネギに質問する。

 

「いやカモくんは使い魔じゃなくて・・・」

「初めまして、お嬢さん。俺ッチの名は、カモミール・アルベール。由緒正しいオコジョ妖精さ」

 

煙草に火をつけながら答えるが、『ここは禁煙だよ』と言われ、フェイト(H)に取り上げられてしまうカモ君だった。

 

「よ、妖精?そんなのが実在するんだ」

 

なのはは、初めて見る妖精の存在に驚き(妖精みたいな知り合いはいるが)、同時に、そのあまりにも世俗にまみれた姿に少なからずショックを受けていた。(見た目だけなら可愛らしいため、その分、ショックは大きいようだ)

 

「あ、あははははは・・・・」

「そ、そう言えば、君の名前も、私と同じフェイトなんだよね?」

 

なのはの乾いた笑い声がヘリ内に響き、フェイト(H)が話題を変えてきた。

 

「そうだけど、何か?」

「えっと、君、フェイトは・・・」

「アーウェルンクスで結構だよ。自分と同じ名前では呼びづらいだろう?」

「うん。そうだね・・・。ねえ・・・アーウェルンクスはもしかして・・・いや、何でもない。気にしないで」

「・・・?」

 

歯切れの悪いフェイト(H)のセリフに、フェイト(A)は『僕の名前がどうかしたのかい?』と聞こうとしたが・・・。

 

「ところで、みなさんは、特に怪我してるわけじゃありませんが、隊舎に着いたら、一応、精密検査を受けてもらいます」

 

先ほどまで戦闘を行っていた三人に怪我がないか調べるため、軽い触診を行っていたシャマルの言葉に遮られてしまった。

 

「なんでや?別に怪我したわけでもないのに?」

 

シャマルの言葉に小太郎が疑問の声を挟む。

 

「一応、規則で決められていることですから。保護した人間の出身世界を特定するための判断材料になったり、別世界の未知の病原菌による感染を防いだりするためにも、検査は受けてもらいますよ」

「・・・ぐっ。そ、そうやな・・・」

 

シャマルの正論に、反論できなくなる小太郎。

 

(なあ、ネギ、フェイト。精密検査なんて大丈夫なんか?)

 

小太郎は念話(テレパティア)で二人に呼びかけた。

 

(まあ、大丈夫だと思うよ。僕もフェイトも、一般的な検査じゃ、普通の人間と変わらない結果が出ることは、すでに麻帆良で実証済みだし・・・)

(むしろ、ここで検査を拒否して彼女たちに不信感を抱かせる方が問題だ。この世界じゃ僕たちは完全に孤立無援。この世界について右も左も分からない以上、無闇に敵を増やすべきではない)

 

小太郎が抱いていた懸念は、幼少期の思い出に起因している。

 

彼自身、狗族と人間のハーフという生い立ちのせいで、ネギたちに出会うまでは、友達と呼べる存在などいなかったのだ。

 

他人とは違う異質な存在は、それだけで周囲から嫌厭され、迫害される傾向がある。

 

ネギは不完全とはいえ、『吸血鬼の真祖(ハイ・デライトウォーカー)』であり、フェイト(A)なんかは、造物主(ライフメーカー)に造られた『人形』である。

 

魔法が一般的な『魔法世界(ムンドゥス・マギクス)』ですら、この二人はかけ離れた『異端』だったのだ。ましてや、彼らにとって未知の世界である『ミッドチルダ』で、そのことが知られれば、どのような扱いを受けるのか、まったく想像できないのは当然である。

 

(仮に、僕たちの秘密を知られたとしても、逆にそれを武器(カード)に交渉することもできる。交渉は得意分野だ。任せたまえ、小太郎)

(それに、孤立無援ってことは、裏を返せば、『仲間を人質にされる可能性がない』ということでもあるからね。迷惑かける人もいないし、いざとなったら、頃合を見計らって脱走すればいい。賞金首生活も誰かさんのせいで慣れっこだしね)

(やれやれ言うようになったじゃないか、ネギ君。やはり、僕より君の方が、よっぽど悪役に向いているよ)

(褒め言葉として受け取っておくよ、フェイト)

 

『ふふふふ・・・』と念話越しに不気味な笑い声が響き、小太郎は心配してたのが馬鹿馬鹿しくなってしまった。

 

 

 

 

一方、三人が密談している頃・・・。

 

(どうして、私、あんなこと聞こうとしたんだろ?)

 

フェイト(H)は目の前の白髪の青年に、先ほど問いかけようとした内容に対して、困惑の表情を浮かべていた。

 

(変だよね・・・初対面の人に対して、いきなり『あなたは自分と同じ存在なのか』ってのは)

(ねえ、フェイトちゃん)

(なのは?)

 

思い悩んでいると、なのはから念話で話しかけられた。

 

(もしかして、フェイト君のこと?)

(うん。なのはには隠し事できないね。・・・そう。彼の名前を聞いて、もしかしたら自分と同じ『プロジェクトF』がらみの子じゃないかと思ったんだ)

(フェイトちゃん・・・)

 

なのははフェイト(H)の言葉につらそうな表情を浮かべる。

 

フェイト(H)にとってそれは、10年たった今でも、トラウマの元であり、ひどいコンプレックスであることを知っているからだ。

 

(うん。確かに、あの子の眼は、出会ったばかりのフェイトちゃんみたい・・・いや、フェイトちゃんはまだ『寂しそうな眼』をしてたけど、彼の眼からからは何も感じない、『空虚な眼』をしてる)

(力になってあげたいな。なのはが私にしてくれたみたいに)

(そうだね。フェイトちゃん)

 

心優しき魔導師と秘密を持つ魔法使いを乗せたヘリが、間もなく、機動6課に到着しようとしていた。

 

 

 

 

 

機動6課に着いた三人はすぐに、精密検査のために病院の手術着のようなものに着替えさせられ、検査を受けた。

 

その検査結果が記載されたカルテが表示されているモニターを、機動6課部隊長である八神はやてと医務官の八神シャマルが真剣な表情で覗き込んでいた。

 

「そんで、シャマル、検査の結果はどうなんや?」

「三人ともバイタルは正常、未知の病原菌はなく、健康面での心配の必要はありませんね」

「そう。それは良かったわぁ。ところで、肝心の魔力方面の方は?」

「それが・・・調べれば調べるほどよくわからないの」

「どういうことや?」

「まず、リインちゃんのサーチでは、三人ともSクラスに匹敵するほどの魔力量が検出されていましたが、健康診断の結果、リンカーコアを持っていたのは、白髪の少年ただ一人だけでした」

「っ!?どういうことや!?リインのモニターには、間違いなく三人分の魔力反応があったはずやで!?」

「しかも、白髪の子・・・フェイト君と言うそうですが・・・彼のリンカーコアは鍛えた形跡がありませんでした。つまり、彼らの魔力はリンカーコアを介さずに発せられていることになります」

「そんな話、聞いたことないわ」

「しかも、精密に分析してみた結果、この黒髪の子・・・小太郎君の魔力は私たちが使っている魔力と少し違う感じでした」

「少し違う?」

「細かい結果はまだ分かりませんが、似ているようで魔力とは違う力かもしれません」

「あかん。常識外すぎて頭痛くなってきた」

「残念ですが。まだ他にもありますよ」

「まだあるんかい!?」

「これを見てください。レイジングハートとバルディッシュが記録していた、彼らの戦闘映像です」

 

カルテと別のモニターが表示され、そこには、先ほどの彼らの戦闘映像が表示されていた。

 

「フェイト君と3人目の赤髪の子・・・ネギ君が使っている魔法陣です」

「これって、円形の魔法陣に・・・ええ!?六芒星!?こんな術式見たことないで!?」

「はい。私たちもこのような魔法陣は初めて見ました」

 

通常、魔法の体系は主にミッド式とベルカ式の二つのみ、それが管理局の、いや管理世界全域においての常識である。

 

ミッド式なら、円形の魔法陣に四角形を二つ重ねた八芒星。

 

ベルカ式なら、小さな三つの円形の魔法陣を直線で三角形に結び、その中心に剣十字を配置した形となっている。

 

だが、彼らが使うような形の魔法陣は誰も見たことのない、未知の技術である。

 

「リンカーコアを介せずに膨大な魔力を生み出し、私たちの知らない未知の術式、加えてこの破格の戦闘能力。これは、只者じゃないなぁ」

「どうします、はやてちゃん?」

「決まっとるやろ?私が直接三人に詳しい話を聞く、なのはちゃんやフェイトちゃんの話を聞く限り、悪い人やなさそうやし、6課に協力してくれれば心強い戦力にもなる。彼らみたいなイレギュラーが他の部署に保護されでもしたら、どんな目にあわされるか分からんしな」

「分かりました。彼ら三人と隊長全員を連れてきますね」

「頼むね。シャマル」

 

はやての言葉に見送られ、シャマルは隊長室を後にした。

 




後篇に続く。
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