申請から何日か経ったある日、その機体は届くことになった。
「おーい、皆一回集まってくれ。」
整備長の機嫌の良さそうな声が聞こえると整備班の面々がドッグの中央に集まった。整備長の後ろには大きなスーツがかかっていて何があるのか見えないが、なんとなく察しがついた人達もいるのか息を呑んでいる。
「申請に出した機体の何機かが配属された!驚くんじゃないぞ...今この機体があることが不思議なくらいだよ..本当に。」
そんな整備長の言葉と共に取り上げられたシーツの下にはVF-0フェニックスとVF-19エクスカリバーの二体だった。自分も嬉しさのあまり拳を握っていたけれど、他の整備班の面々も僕以上に嬉しさをかみしめているようだった。
「今回の試作実験機の中の一部だ。こいつらをは今になっては過去の遺物となりかねん骨董品だ。後々届くであろう新型にも組み込めるような武装やシステムを俺達で組み込んでいく!どんな意見も試すつもりだからどしどし出していってくれ!」
「「「わかりましたぁぁぁあぁぁ!!!」」」
「...頑張らないと。」
「話は以上!解散!!」
皆話が終わった瞬間に自分の浪漫を整備長に話して採用してもらおうと躍起になっていた。僕の考えて案ももう少し練り直さないといけないかも知れない。
仕事が一通り終わって皆が寝静まったころ、隠れるように閉まったドッグに忍び込んでみると、一部の電気がまだついていた。その下にはアラドさんと整備長が立っていた。
「こんな機体で整備班は何を作ってくれるんですかね?」
「出来るまでのお楽しみだよ。だが、正直言ってこいつらは現存する機体すらも凌駕しえる可能性を孕んでいるからな。今回の機体を選んだの誰だか分かるか?」
「いえ、分かりませんが、整備長ではないんですか?」
「俺も機体を選んだんだが、いかんせん安全面や使いやすさに目がいっちまってな。あの新入り..名前はなんて言ったかな。演習のほうにも顔を出してる..。」
「もしかしてリンのやつですか?」
「そうそう、名前が女っぽくてひょろひょろしたやつ!」
名前が女っぽいのはなんとなく自分でも気にしていることだけど、そういう印象で僕の事を見ていたとは...周りが僕に気遣うわけだ。
「あいつがねぇ。でも、なんでこんな昔の機体を?知っているとしても、そんなに記録に残る機体ではないでしょうに。」
「そこんところはわからんけどな。趣味なんじゃないか?パイロット兼というのも珍しいもんだしな。嫌でも色んな機体には触れるだろうしな。」
それから少し話をした後、二人はそこから去っていったのを確認してから二つの機体の元に行ってみると、VF-0のコックピットブロックを覗いてみると、見るからに古い機体だとわかるような操作系をしているのが分かった。だけど、なんとなくこの操作系で飛べたとしたらどんなにいいだろうと考えてしまった。
自分のアイディア作りの為に忍び込んでいるのに公私混合をしてはいけない。昔の機体にしては、データで見たことがあるVF-1よりも性能が高いのではないかと考えてしまう。ベースになった機体の方が性能が高いなんてあるのだろうか。もっと、データを洗い出さないと。
「少しだけ拝借して..」
二つの機体から操縦データだけをコピーしておいて、シュミレーションルームででも使ってみて何かわかるかも、というとってつけたような理由を考えながらその場を後にした。
今回は短いですがこれくらいで。次の話では(模擬)戦闘回を頑張ります!
ワルキューレのアルバムを聴きながら書いて個人的には気分が良かったです。皆さんは買ったのでしょうか?
そろそろテストの時期なので更新が若干遅れると思われますがお許しください。それが終われば連続投稿も出来るかもしれませんので、お許しを。
後、キャラの設定とかも出す予定です。