リオス「どうも、リオスです」
政実「本編の途中ではありますが、今回から番外章の投稿もしていきます」
リオス「番外章は基本的にイベントでの話になるんだよな?」
政実「うん。今回のDivine Dragon′s Sagaとか茶熊学園とかを書いてくつもり」
リオス「なるほどな」
政実「そして今回の話の時系列は、本編の第2章終了後を想定しています」
リオス「実際はまだ書き終わってないけどな」
政実「うん……でも今の内に書きたいやつのめどが立ったら書いてくつもりだよ」
リオス「了解。
さて……それじゃあ、そろそろ始めてくか」
政実「うん」
政実・リオス「それでは、第1話をどうぞ」
第1話 ドラグナー達との出会い
大いなるルーンを探す冒険の途中、俺はアジトの近くで相棒の黒竜であるネロと賢者のルーンであるワイズに笛の演奏を聴かせていた。
「~♪
……っと、こんなもんかな。ネロ、ワイズ、どうだった?」
『はい。いつもの通り、とても綺麗な音色でした』
「(だな。
……ただ、この音聴いてるとたまに眠くなってくるんだけどな)」
「そうなのか?」
「(ああ。
……と言っても、演奏がつまらないとかじゃなく、何か気持ちが落ち着いて来る感じだな)」
「気持ちが落ち着いてくる感じか……」
『ふむ……恐らくこの【竜の横笛】にはそういった作用をもたらす音色を奏でるための工夫が成されているのかもしれませんね。もっとも必ずその効果が表れるわけでは無いようですが』
「ああ、そうだな」
俺は返事をしながら、手に持っている【竜の横笛】を日の光に翳した。
(ワイズも武器達も不思議だけど、この横笛にもまだまだ分からないことが多いなぁ……)
そんな事をボーッと考えていた時、
「……ねぇ、みんな。飛行島に何かが近付いてきているわ」
近くにいたアイリスが遠くを見ながら俺達に声を掛けてきた。俺達はアイリスの視線の先に目を向けた。するとそこには、まだ小さな点のようにしか見えないものの、ゆっくりとこちらへ近付いてくる2つの姿があった。
「あっ、ほんとだ」
「鳥……では無いよな?」
「この距離であの大きさだから、もっと大きな物かもな」
俺達がそう話している内に、その点達と俺達との距離が縮まっていき、徐々にその姿が明らかになっていった。
「あれは、竜……か?」
「そう……みたいだな」
ナギアからの問いかけに俺はそう返した。点のように見えていたのは背に人を乗せた1匹の火竜と白竜だった。そして白竜と火竜が俺達の近くに着陸すると、白竜の背中に乗っていた少女がその背中から降りながら嬉しそうに言った。
「ふぅ~、良かった~! こんなところに足場があるなんて」
そして傍らの白竜の方へ顔を向けると、その背中を撫でながら優しくこう言った。
「貴女もずっと飛び続けて疲れたでしょう。よく頑張ったわね、ラピュセル」
白竜はとても気持ち良さそうに眼を細めながら、小さく鳴き声を上げた。
(……どうやら敵とかではないみたいだな)
少女達を見ながら俺がそう思っていると、キャトラが不思議そうな顔で少女達に話し掛けた。
「えっと……アンタ達はいったい誰なのよ?」
すると、
「む、申し訳ない。自己紹介がまだだったな」
火竜に乗っていた赤い鎧を身に纏った男性がそう言いながら俺達の前に立った。
「自分はゲオルグと申す者。ここより遠方の<竜の国>よりゆえあって参上した」
ゲオルグさんはそう言うと今度は少女の方へ体を向けてこう言った。
「そして、こちらにおわす方は、エクセリア・クルス王女殿下にあらせられます」
「えっと、初めまして! エクセリアといいます。こっちはラピュセルです」
「……」
エクセリアさん達が自己紹介をした後、それに続けて俺達の自己紹介を始めた。
「俺の名前はリオス、冒険家をやっています」
「俺はナギア、リオスと一緒で冒険家です」
「私はアイリスといいます」
「そしてアタシはキャトラよ。よろしくね、エクセリア」
「もう、キャトラ……相手はお姫様なのよ……」
アイリスがそう言うと、エクセリアさんはくすくすと笑いながらこう言った。
「大丈夫ですよ、アイリスさん。私は皆さんと年齢が同じくらいだと思うので、むしろキャトラさんのように話して頂いた方が私としてはとても嬉しいです」
「エクセリアさん……分かりました」
アイリスが微笑みながらそう言うと、キャトラが興味深そうにこう言った。
「それにしても、<竜の国>ねぇ。そんな国があったなんて知らなかったわ」
すると、
「ふん、見聞の狭い狭い奴め。所詮は愛玩されるだけしか能の無い種族というわけか」
火竜が鼻を鳴らしながらキャトラに対して冷たくそう言った。
「……で、このシツレイでエラソウなドラゴン様はどちらさまなわけ」
キャトラがムッとした様子で所々の言葉を強調しながら言うと、ゲオルグさんが申し訳なさそうな顔でこう言った。
「む、失礼した。こやつはカグツチ。少しばかり口は悪いが、これでも立派な自分の相棒だ」
「竜さんが相棒……それならリオスもそうだよね」
アイリスがクスッと笑いながらそう言うと、エクセリア達の視線が俺達に注がれ、ゲオルグさんが俺に質問をしてきた。
「ほう、そうなのか?」
「あ、はい。と言っても、出会ってからまだそんなには経ってはいないですけど」
「なるほどな」
そう言うとゲオルグさんとエクセリアはネロへと近づき、じっくりとネロの様子を見始めた。
「……ふむ、筋肉などの付きも良い。これはたいしたものだな」
「ふふっ、そうですね。
……あの、この子のお名前は何と言うのですか?」
「コイツの名前はネロ、見た目はちょっと怖いかもしれないけど、とっても良いやつなんだ」
「そうなんですね。よろしくお願いしますね、ネロさん」
「(おう、こちらこそよろしくな!)」
ネロがそう言うと、ゲオルグさん達はすごく驚いた顔でネロの首に掛かっている<ルーンリンガル>を見始めた。
(そういえばこれについて説明するのを忘れてたな)
そう思った俺はゲオルグさん達に<ルーンリンガル>についての説明を始めた。
「これは<ルーンリンガル>という物で、この中にある<翻訳のルーン>の力でネロ達の言葉が俺達にも分かるようになっているんです」
「<翻訳のルーン>……そんな物があるのか……」
俺の説明を聞き、ゲオルグさん達が<ルーンリンガル>を珍しそうに見ていると、
「……おい、ゲオルグ。そろそろ話を本題やドラグナーの事へ移したらどうだ?」
カグツチが少しイラついた様子でゲオルグさんにそう言った。
「あの……ドラグナーって何ですか?」
アイリスがそう訊くと、エクセリアが笑顔でドラグナーについて説明をしてくれた。
「<ドラグナー>とは、竜と人の絆を結ぶ者。そして竜と共に生き、竜と共に戦う騎士の事です!」
「我らドラグナーは、長らく行方不明だった『白竜』を追ってこの地へと来たのだ」
「白竜……白い竜さんですか?」
「はい。輝く鱗に純白の翼……生ける至宝と謳われた、とても気高く美しい、古の竜です」
「ふーん……でもそんなすごいドラゴンがいるなんて話、聞いた事が無いわねぇ」
「そうですか……」
キャトラの言葉を聞くと、エクセリアは落胆した様子でそう言った。
すると、その様子を見たアイリスがゲオルグさんに対してこう提案した。
「あの、よかったら私達に、その白竜さんを探すお手伝いをさせてくれませんか?」
「本当か! 君達!」
「はい。ね、みんな」
「ああ、もちろんだぜ!」
「困ってる人を放ってはおけないからな」
俺達がそう言うと、ゲオルグさんはとても畏まった様子で俺達にこう言った。
「……感謝する。君達から受けた恩義、決して無駄にはしないぞ!」
「そ、そんなに畏まらなくても……」
アイリスがそう言うと、
「騙されるでない、ゲオルグ。行き過ぎた善意の裏には、悪意が隠れているのが常。人間とはそういうものだ」
カグツチが俺達の事を見ながら冷たく言い放った。
(……ここまで人間に対して強い警戒心を持ってるなんて、カグツチと人間の間に昔何かあったのかな?)
俺がそう思っていると、キャトラがアイリスの腕の中からカグツチへと顔を近付けながらこう言った。
「アンタはイヤミしか言えんのかっ!
というかアタシ、猫だし!」
「ふん……嫌味などではなく、紛れもない事実だ」
「アンタねぇ……!」
キャトラが更に何かを言おうと、顔を近付けようとしたその時、
「もう。キャトラ、落ち着いて……」
「カグツチ、お前もその辺にしておけ」
そう言ってアイリスとゲオルグさんがキャトラ達の事を諫めてくれた。キャトラはまだ何か言いたそうにしていたが、アイリスの顔を見た後に1度深くため息をつくと、
「……分かったわよ」
そう言って大人しくアイリスの腕の中へと納まった。
(ふぅ……アイリス達のおかげで何とかなったな)
そう思い俺が胸を撫で下ろしていると、エクセリアが笑顔で俺達にこう言った。
「皆さん、本当にありがとうございます。このご恩は決して忘れません」
「ははっ、別に良いよ。それよりも、絶対に白竜を見つけ出してやろうな!」
「はいっ!」
俺達がそう言いながら笑い合っていると、ゲオルグさんが俺達の事を見回しながらこう言った。
「では、皆。改めてよろしく頼むぞ!」
「「「はい!」」」 「オッケーよ!」 「(おうよ!)」
こうして俺達のエクセリア達と共に白竜を探す旅が始まった。
政実「第1話、いかがでしたでしょうか」
リオス「ぱっと見いつもよりは短い感じだな」
政実「今回はそうだね。ただ、2話からはもしかしたらいつも並みにはなるかもしれない」
リオス「ん、了解。因みに番外第1章は何話構成なんだ?」
政実「予定では3話か4話になるかな。まあ、どちらにしても早めに更新していくつもりだよ」
リオス「分かった。
さて……それじゃあ、そろそろ締めてくか」
政実「うん」
政実・リオス「それでは、また次回」