リオス「どうも、リオスです」
政実「今回はワイハの島イベントのNormalの中盤までの回となってます」
リオス「この調子だと、予定通りに3話くらいでNormalは終わりそうだけど、Hardの方はやるのか?」
政実「一応やる予定にはしてるよ」
リオス「分かった。
さてと、そろそろ始めていくか」
政実「うん」
政実・リオス「それでは、第2話をどうぞ」
ナギア達と別れた後、俺達は正月魔神を倒すための助っ人を探すために、ワイハの島上空を飛び続けていた。
(それにしても……)
「エクセリア、本当にゴメンな」
「え……いきなりどうしたんですか? リオスさん」
「いや……せっかくラピュセル達と一緒にバカンスに来てたのに、こんな事に巻き込んじゃったからさ」
「あ、その事ですね」
エクセリアは納得したように言った後、ニコニコと笑いながら言葉を続けた。
「たしかに皆さんとの予定の兼ね合いもあって、ワイハの島に私達だけでバカンスに来ていましたが、私は少し寂しさみたいなものも感じていたんです」
「寂しさ……?」
「はい。ラピュセルとフィーユと一緒にいるのは楽しく幸せだったんですが……それでもリオスさん達、飛行島の皆さんが一緒にいたらなぁって、ちょっと思ってたりしたんです」
「(へぇ……そうだったんだな)」
「はい。ですから、さっきリオスさん達に助けて頂いた時は、本当に驚きましたけど、それと同じくらい嬉しかったんです」
「エクセリア……」
「だから、もう謝らないで下さい、リオスさん。私は皆さんと一緒に何か出来る事がとても幸せで楽しいですから」
エクセリアはニコッと俺に笑いかけてきた。
(俺達と一緒に何か出来る事がとても幸せで楽しい、か……そう思ってくれてるのは、何だかんだで凄く嬉しいな)
俺は静かにフッと笑ってから、エクセリアに言葉を返した。
「ありがとうな、エクセリア。俺も……いや、俺達も同じ気持ちだよ。それに俺達がここに来たのは、正月魔神の退治の依頼があったらっていうのもあるけど、エクセリアの事が心配だったからでもあるしな」
「リオスさん……ふふ、ありがとうございます」
「どういたしまして」
俺は静かに微笑みながら返事をした。
(この島には正月魔神以外の脅威みたいなのはたぶんいないとは思うけど、ナギア達と合流するまでの間、俺とネロでしっかりとエクセリア達を守らないとな)
エクセリアの顔を見ながら強く決心していると、エクセリアが少しだけ頬を染めながら話し掛けてきた。
「あ、あの……一つ、訊いても良いですか?」
「ん? 何だ?」
「リオスさん達は……正月魔神を退治した後、予定などはありますか……?」
「いや、正月魔神を退治した後は、たしか皆でバカンスをするーとか言ってたぜ?
まあ、もちろん……」
俺はニッと笑ってから言葉を続けた。
「エクセリア達も一緒に、だけどな」
「リオスさん……!」
エクセリアの嬉しそうな顔に笑顔で頷いて答えた後、俺は皆に大きな声で呼びかけた。
「さぁ……皆でバカンスをするために、助っ人探しを頑張るぞ!!」
「はい!」
「(おうよ!)」
「♪」
「♪」
(ナギア達の頑張りに答えるためにも、そして皆でバカンスを楽しむためにも、早く助っ人を探してしまおう……!)
助っ人になってくれそうな人を探すために、上空から辺りを見回していたその時、ネロが何かを見つけた様子で大きな声を上げた。
「(……おっ! お前ら、良さそうな奴を見つけたぜ!!)」
「良さそうな奴?」
「(ああ、えっとな……ほら、あそこだよ)」
俺達はネロの視線の先に目を向けた。するとそこには、人目を避けるようにして浜辺を歩いている、感情を持ったアンドロイド―ユイ壱式の姿があった。
(あれは……ユイか。それにしても……相変わらず恥ずかしがり屋なんだな……)
ユイの様子に苦笑いを浮かべた後、俺は皆に声を掛けた。
「よし……それじゃあ早速ユイの所に行くぞ!」
皆が頷いたのを確認した後、俺達は高度を落としながらユイの所へと飛んでいった。
「おーい! ユイ-!」
俺が大きな声で呼びかけると、ユイは俺達の方にチラッと視線を向けた。
(良かった……聞こえてたみたいだな)
俺がそれにちょっとホッとしている内に、ネロがラピュセルと一緒にユイの所に着陸した。そして背中からゆっくり降りた後、俺達はユイに声を掛けた。
「よっ、ユイ」
「(よぉ、ユイ)」
「こんにちは、ユイさん♪」
「♪」
「♪」
「こ、こんにちは、皆さん……こんな所でお会いするなんて、思ってもいなかったので、ちょっと……ビックリです……」
「まあ、たしかにそうだな」
「(だな。
ところで……ユイは何でここにいんだ?)」
ネロが不思議そうに訊くと、ユイは小さな声で答えてくれた。
「え、えっと……最近アクアリウムを始めた影響で、海のお魚さんにも興味が湧いて……それで実際に見てみようと思って、ここに……
皆さんはどうしてこの島に……?」
「それはな……」
俺は正月魔神の事、そしてナギア達がソイツを相手に頑張っていることをユイに説明した。
「……な、なるほど……その正月魔神さんを退治しないといけないんですね……?」
「ああ。それで、ユイさえ良ければナギア達の助っ人に行ってもらいたくてな」
「私が……助っ人に……ですか?」
「はい。ユイさん、お願いしてもよろしいですか?」
エクセリアが少し不安そうな顔で訊くと、ユイは少し迷った様子を見せたが、すぐに決心した様子になると、小さな声で答えた。
「わ、分かりました……本当に、私で良いのなら……」
「ああ、もちろんだ。ありがとうな、ユイ」
「い、いえ……それでは、早速行ってきますね……?」
「ああ、頼む。えっと、場所は……」
俺が大体の場所について説明しようとした時、ユイは小さな声で話し掛けてきた。
「あ……だ、大丈夫です。皆さんが飛んできていた方向とお話の内容で大体の位置は分かると思いますから」
「そっか、分かった。それじゃあお願いな、ユイ」
「(終わったら皆でバカンスしようぜ、ユイ!)」
「は、はい……それでは……」
ユイはペコッと頭を下げた後、自分に搭載されている機能で透明になりながら俺達が飛んできた方向に向かって走って行った。
(とりあえず、一人は確保したけど……)
「たぶん、まだまだ助っ人は足りないよな」
「そうですね……あの正月魔神がどのくらいで退治出来るのかが分からないですし……」
「(そうなると、もう少し助っ人探しを続けた方が良さそうだな)」
「そうだな。
よし……それじゃあ早速助っ人探しを再開するぞ!」
「はい!」
「(おう!)」
「♪」
「♪」
そして俺達は、次の助っ人を探すために再びネロ達の背に乗り、上空へと飛び上がった。
自分達で搗いた餅を食べながら餅つき大会の会場に着いた俺達は、そのまま餅つき大会で搗かれた餅も協力して食べ進めた。
(よし……これで最後だ……!)
満腹によって押し寄せてくる眠気などを耐えながら、俺は最後の一個を口に入れ、しっかりと噛んでからゴクリと飲み込んだ。
(これで……餅は全部食べきったな。けど……さすがにこれは食べ過ぎたかな……)
食べ過ぎによる気持ちの悪さに耐えていると、正月魔神ガショウが苦しそうに声を上げた。
「グエエエ……!! メ、メデタイィ……!!」
(……何とかダメージは与えてるみたいだけど、まだ倒すまでには至ってないみたいだな……)
チラリとアイリス達の方に視線を向けてみると、アイリスとディーネさんはもちろんのこと、キャトラですら満腹な様子で苦しそうにしていた。
(餅はもう無いし、皆も食べ過ぎで苦しそうだな……
さて、ここからどうしたら良いか、一度ワイズに相談を……)
俺が服のポケットからワイズを取り出そうとしたその時、
「うぷっ……食べ過ぎましたわ。ちょっと腹ごなしに参りますわ」
少し苦しそうに言いながら、ディーネさんが海の方に向けて歩いていった。そしてそのまま海に入った後、ポチャンという音を立てて、海の中へと潜っていった。
(……マズいな、ディーネさんが脱落してしまったわけだし、早くワイズと次の手について相談しないと……!)
現在の状況に少し焦りを感じながら、俺はポケットからワイズを取り出した。そしてワイズに声を掛けようとしたその時、苦しそうにもがいていたガショウが声を低くしながら話し始めた。
「こうなったら、この辺りのオメデタサを……!
食ってやるでガショウ!!」
「おめでたさを……」
「食べる……?」
(いやいや……おめでたさなんて食べられるものなんか無いだ……っ!?)
その瞬間、さっきまで満ち溢れていたやる気が一瞬で無くなると同時に体の力が徐々に抜け始めた。
(な……何なんだ、これ……!!)
「足に力が入らない……!!」
「立っているのも辛いわ……」
「アタシ丸くなる!」
俺達の様子に手の中のワイズが大きな声を上げた。
『皆さん! 大丈夫ですか!?』
「大丈夫って言いたいけど…! 体に力が入らないんだ……!」
『くっ……私はルーンなので影響はありませんが、私では皆さんをどうにかすることが出来ません……』
ワイズが悔しそうな声を上げると、俺達の様子を見たガショウが勝ち誇ったように高笑いを始めた。
「ガーッガッガッガッ!!
このガショウ、今貴様らが味わっているように、オメデタイ気分を喰らいツクシ、メデタクない気分にさせることが出来るノダ!」
「メデタクない……気分……!」
「お、オソロシイヤツッ!」
(完全にマズい……! このままじゃリオス達が助っ人を連れて来てくれるまで保たせるなんてムリだ……!)
この状況に俺が心の底から諦めようとしたその時だった。
「み、皆さんっ! だ、大丈夫ですかっ!」
近くにあった物陰からユイが心配そうな表情を浮かべながら顔を出した。しかし、俺達の目の前にいるガショウに目を向けると、顔を赤らめ声を震わせ始めた。
「あああぁぁぁ……! 助っ人に来たのに、恥ずかしさでフリーズしちゃうぅ!」
「助っ人……! って事は、もしかして……!?」
「は、はいぃ……リオスさん達から助っ人を頼まれまして、それでここまで来たんですうぅ……」
「やっぱり……そうだったんだな……!」
その瞬間、少しだけやる気が戻り、体に徐々に力が入ってきた。
(そうだ……リオス達だって頑張ってるんだ……! 俺達だって頑張らないとな……!)
力を振り絞りながら立ち上がった後、俺はユイに声を掛けた。
「ユイ……! リオスから話は聞いてるんだよな……!」
「は、はい……たしか、お正月の行事をすれば良いんですよね……?」
「ああ……! だから、何か今出来そうな行事を調べて欲しいんだ……!」
「今出来そうな行事……
うぅ……恥ずかしいですけどぉ、皆さんに今までお世話になっていますし……頑張ってみますぅ……!」
ユイは少し顔を赤らめながらも、必死になって出来そうな行事を調べ始めてくれた。
「データベース検証ぅぅぅ……
い、今この場で出来る行事はぁ……」
ユイは声を震わせながらこの場で出来る行事を調べていたが、突然何かを見つけたように大きな声を上げた。
「皆さん……! 今出来そうな行事は、福男選びですぅ!」
「福男、選び……?」
「何それっ……
ああ……メデタクない気分」
「え、えっと……要するに……だ、誰よりも早く、おめでたい場所に、辿り着けば良いんですぅっ!」
「おめでたい場所……!」
「ワイズ……! この近くにあるおめでたい場所はどこだ……!?」
『はい……! この浜辺に、おめでたい岩があるようです……!』
(おめでたい岩……!)
「みんな、その岩まで何とかして走るぞ……!」
「うん……! まだ辛いけど……頑張ってみる……!」
「ええ……最後の力を振り絞ってみせるわ!」
「い、行きましょうっ! 皆さんっ!」
そして俺達が走り出そうとしたその時、ガショウが大きな声を上げた。
「そんな事はさせないでガショウ!
再び出でよ! 魔物っぽい奴ら!」
ガショウの声と同時にまた魔物が周囲に現れた。
(また魔物か……! こうなったら……!)
魔物を倒すため、俺とアイリスが武器を構えたその時、ユイが俺達に声を掛けてきた。
「み、皆さんは……あの岩まで走って下さいぃ……! 魔物は私が、なんとかしますからっ……!」
「で、でもアンタ……恥ずかしいんじゃあ……!」
「たしかには、恥ずかしいですけどぉ……私は助っ人として来ました……!
ですから、恥ずかしいのをガマンして頑張って見せますうぅ……!!」
「ユイ……」
俺は一度深く頷いた後、皆に声を掛けた。
「皆、ここはユイに任せて行こう……!」
「う、うん……!」
「ええ……!」
そして俺達は、魔物達と戦うユイに守られながら、おめでたい岩に向けて走りだした。
ユイと別れた後、俺達は次の助っ人を探すために、再びワイハの島の上空を飛んでいた。
「(しかし……ユイ、大丈夫なのかねぇ……)」
「大丈夫……だと思うぜ?
たしかにユイは恥ずかしがり屋だけど、やる事はしっかりとこなす方だとは思うし」
「そうですね。ユイさんなら絶対大丈夫だと思います」
「(……ま、そうだな)」
そんな会話をしながら飛んでいたその時、並んで浜辺を歩いている二人組が目に入ってきた。
(ん……? あれはもしかして、イシュプールさんとキララかな……?)
目をこらしながら確認してみると、そこにいたのは<洛陽を呑む忘我の毒蛇>を探して旅をしている男性、イシュプール・ヴヴェックさんとホームランバッターを目指している少女、キララ・ホーマーの二人だった。
(この二人の組み合わせって中々珍しいよな……)
二人の事を見ながらそんな事を考えていると、エクセリアとネロが不思議そうな様子で声を掛けてきた。
「どうしたんですか、リオスさん……?」
「(もしかして……誰かみっけたのか?)」
「ああ、あそこにイシュプールさんとキララがいたからさ」
「イシュプールさんとキララさんですか?」
「(ほーう、中々珍しい組み合わせじゃねぇか。どれどれ……?)」
俺が指さす方向にいるイシュプールさん達の姿を見ると、エクセリア達は少し驚いた様子で声を上げた。
「あ、本当ですね」
「(だな。
にしても……あの二人が並んでっと、何かイシュプールの怪しさが際立つ感じがするな……)」
「こらこら、そういう事言うなって。
とりあえずあの二人にも助っ人を頼んでみよう。イシュプールは正月の行事とかにも詳しそうな気がするしさ」
「(んだな。
うっし……それじゃあアイツらのとこまで行くぞ!)」
「ああ」
「はい!」
「♪」
「♪」
そして俺達は、イシュプールさん達の所へ向けて高度を下げながら飛んでいった。
「(おーい! イシュプール-! キララ-!)」
イシュプールさん達へ向かって飛びながらネロが大きな声で呼びかけると、キララが声の出所を探してキョロキョロする中、イシュプールさんはフッと笑ってから、俺達の方へゆっくりと顔を向けると、静かに手を振ってきた。
(何というか……イシュプールさんらしい反応だな)
そんな事を感じつつ、俺は皆と一緒にイシュプールさん達の所へ着陸し、ネロの背中からゆっくりと降りた。
「こんにちは、イシュプールさん、キララ」
「こんにちは、イシュプールさん、キララさん」
「(よっ、二人とも)」
「♪」
「♪」
「うん、こんにちは、皆」
「こ、こんにちは、皆さん」
イシュプールさん達との挨拶を終えた後、俺は気になっていた事を訊いてみた。
「イシュプールさん、どうしてキララと一緒に歩いていたんですか?」
「うん、それについて訊かれることは分かっていたよ。そしてネロ君がそれを見て、僕の怪しさが際立つ感じがするって言ってたであろう事も分かっているよ」
「(……すまなかったな、イシュプール)」
「ううん、別に良いさ。自分でも少し……いやかなり怪しいって事は自覚してるからね。
因みにこの子と一緒にいた理由は、さっき偶然出会って一緒に話をしていたからだよ」
「なるほど……因みにイシュプールさんがここにいる理由は、例の<洛陽を呑む忘我の毒蛇>を探すためですか?」
「うん、それもあるけど、ちょっとここでやりたいことがあるんだよね~」
「やりたいこと、ですか?」
エクセリアが首を傾げながら訊くと、イシュプールさんはうんうんと頷きながら答えてくれた。
「うん、この背負っている弓矢を使って、流鏑馬っぽい事でも~と思ってね」
「流鏑馬……って、たしか馬に乗って行う神事であり競技としての側面もあるものですよね?」
「うん、よく知ってるね、リオス君」
「俺も弓矢を使うので、前にワイズに弓矢に関することを教えてもらった時があって、その時に知ったんです」
「なるほどね」
俺とエクセリアがイシュプールさんと話をしていると、ネロが少し不思議そうにキララに話し掛けた。
「(そういえば、キララは何でここにいんだ?)」
「私は……ホームランバッターを目指すために、ここで合宿でもしようかなと思って……」
「(へぇ、合宿かぁ……! 楽しそうじゃねぇか!)」
「は、はい。
ところで……皆さんはどうしてここに……?」
「ああ。それは……」
俺はイシュプールさん達に正月魔神の事、そしてソイツ相手にナギア達が頑張っていること等を説明した。
「なるほど、妙な気配がすると思ったら、その正月魔神からだったんだね~」
「えっと、それで……その正月魔神さんを退治するには、お正月の行事をしないといけないんですよね?」
「ああ。そこで、二人にもナギア達の助っ人を頼みたくて……」
「うん、良いよ。私がやろうとしてる事が、その正月魔神退治にちょうど良さそうだったしね」
「わ、私もお手伝いしますね。その正月魔神さんをどうにかしないと、落ち着いて合宿が出来なそうですし、皆さんにいつもお世話になってますから……」
「ありがとう、二人とも。それで場所が……」
俺が大体の場所について説明をしようとしたが、イシュプールさんが優しく微笑みながらそれを遮るように話し掛けてきた。
「大丈夫、この気配を辿っていけば、彼らの元には着けるはずだから」
「分かりました。それでは、お願いします」
「うん、任せておいて。それじゃあ行こうか、キララ君」
「は、はい……それでは皆さん、行ってきます」
「ああ、頼んだぜ、キララ」
「皆さん、お願いします」
「(終わったら、皆でバカンスしようぜ!)」
「♪」
「♪」
「は、はい。それでは……行きましょう、イシュプールさん」
「うん、そうだね」
そしてイシュプールさんは正月魔神の気配を辿りながら、キララと一緒に歩いていった。
(これで三人、けど……もう少しいた方が良いのかな)
「エクセリア、ネロ。助っ人はもう少しいた方が良いと思うか?」
「そうですね……私はもう少しだけ、助っ人になってくれる方を探した方が良いと思います」
「(俺もだ。それにあの正月魔神の奴が中々倒れねぇ場合もあるしな)」
「分かった。それじゃあ早速、次の助っ人を探すために出発しよう」
「はい!」
「(おう!)」
「♪」
「♪」
皆の返事を聞いた後、俺達は再びネロ達の背中に乗り、次の助っ人を探すために、上空へと舞い上がった。
ユイに守られながらおめでたい岩を目指して走り出してから数分後、件の岩が徐々に近付き、後数歩というところにまで迫った。
「よし、これでっ……!」
そして俺がその岩に触れたその瞬間、失っていたやる気が戻り、だんだんと体にも力が入り始めた。
「よしっ! これで大丈夫だ!」
「うんっ! 何だか! 何だかおめでたい気分が蘇ってきたわ!」
「うん! これもユイさんのおかげです! ユイさん、ありがとうございます!」
アイリスが元気良くお礼を言うと、ユイは徐々に顔を赤らめながら小さな声で返事をした。
「は、はい……どういたしまし……ぅぅぅ、やっぱり恥ずかしいっ!!
申し訳ありませんが、隠れさせてもらいますぅ~~~!!」
「え、ちょっ! ユイ、待ってよ~!」
キャトラが驚きながら声を掛けたが、ユイは恥ずかしがったまま、徐々に透明になっていった。
(まあ、ここまで頑張ってもらったわけだし、しょうがないよな)
俺がその事に対して、少しだけ苦笑いを浮かべていると、ガショウが苦しみながら大きな声を上げた。
「グボハア!! ふ、福男のありがたさがァ!! ありがたさがメデタイィ!!」
「やったわ! 効いてる効いてる!」
「でも早く次の行事をしないと……!」
「そうだな……!」
そして俺達が次の行事を探そうとしたその時、かすかに何かが風を切るような音が聞こえた。
(気のせい……かな?)
気のせいかと思ったその時、さっきよりも大きく何かが風を切るような音が聞こえた。
(気のせいじゃなかったか……でも、一体どこから……)
音の出所について探るため、周りを見回していると、キャトラが何かを見つけたように大きな声を上げた。
「あっ! あそこで何かやってるみたいよ!」
「本当ね。でもあれは……一体?」
「分からない。でも何か正月の行事をやってるかもしれないし、とりあえず行ってみよう!」
「うん!」
「オッケーよ!」
俺達は何をやっているのかを知るために、その場所へ向けて走りだした。
風を切る音を聞きながら走り続けていると、徐々に幾つかの的のようなもの、そしてそれに狙いを定めている人達の姿が目に入ってきた。
「あれって、イシュプールさんとキララだよな?」
「そうみたいだけど……一体何をしてるのかしら?」
俺とアイリスが走りながら話をしていると、キララが手に持っていたボールを軽く上に投げ上げ、バットをしっかりと構えた。
「打ちます! ド根性……!!」
そしてバットを勢い良く振ると、バットはしっかりとボールを捉え、ボールは凄い勢いで宙を飛び、的の真ん中へと命中した。
「ははっ、気合いが入ってるねぇ。それなら私も……」
イシュプールさんは弓に矢をつがえ、狙いを定めながら弓を静かに引き絞った。そしてそのまま矢を放つと、矢はまっすぐ飛んでいき、的の真ん中に命中した。すると、突然ガショウが苦しみながら大きな声を上げた。
「グエエエ!!的を射抜くなァ!!」
「ガショウが苦しんでる!? って事は、これもお正月の行事なの!?」
キャトラが驚きの声を上げていると、イシュプールさんがガショウの様子を見てうんうんと頷いた。
「うんうん。やっぱりね。そうなると思っていたよ」
「やっぱりって事は、もしかしてアンタ達……」
「うん。リオス君達から話は聞いているよ。そこでちょうどやろうと思っていた流鏑馬を利用してみたってわけだね」
「なるほどね。でもその流鏑馬ってのは、本当にこんな感じなの?」
キャトラが疑問の声を上げると、ワイズが静かに説明をしてくれた。
『本来であれば、馬に乗って走りながら、次々と的を射抜いていくものではありますが……ガショウが苦しんでいるところを見る限り、これも流鏑馬と判定しても良いと思われます』
「そっか……そういう事なら!」
「ええ、私達も!」
「流鏑馬開始よ!」
しかし俺達が流鏑馬をしようとしたその時、ガショウが苦しみながらも静かに声を上げた。
「グググ……流鏑馬なんてさせないでガショウ……! 三度出でよ! 魔物っぽい奴らァ!!」
ガショウの声と同時に周囲に魔物が姿を現した。
(また出てきたか……)
「仕方ない……こうなったら流鏑馬しながら、魔物も倒していくぞ!」
「うん!」
「オッケーよ!」
「うん、分かったよ」
「はい……!」
こうして俺達の魔物を倒しながらの流鏑馬が幕を開けた。
政実「第2話、いかがでしたでしょうか」
リオス「何だか久しぶりに俺が弓矢を使ってる設定が出てきた気がするな」
政実「たしかにストーリーの方だと、編成の関係で剣士とかドラゴンライダーの方でやってもらう事が多いからね」
リオス「そうだな。まあ、今はアーチャーとしての活躍が出来る時を待つとするか。
さて……次回の更新予定はいつになりそうなんだ?」
政実「未定だけど、出来る限り早めかな」
リオス「分かった。
そしてこの作品に関しての感想や意見もお待ちしております」
政実「それじゃあそろそろ締めていこうか」
リオス「ああ」
政実・リオス「それでは、また次回」