???「……なあ、1つ良いか?」
政実「別に良いけど、何?」
???「俺の名前が???なのは何でなんだ?」
政実「まだ名前が出てきて無いからね。後書きではしっかりと名前が表示されるから安心して」
???「了解した。それじゃあそろそろ始めていくか」
政実「そうだね」
政実・???「それでは第1話をどうぞ」
第1話 不思議な夢と賢者との出会い
……あれは誰だろう?
俺は目の前の光景を見ながらそう思った。
今目の前には2人の人物が向かい合っている。1人は黒い髪の少年、もう1人は灰色のような色の長い髪の少女だ。ただ……
黒い髪の方はどこかで見たことあるような気がするな……?
俺がそう思っていると、少年と少女が話を始めた。だが、彼らの声は全く俺の耳には聴こえてこない。向こうは真剣に話しているようだが、聴こえないこっちとしては何が何だか全く分からない。
近付けば少しくらいは聴こえるかな?
そう思い動こうとしたが、俺は全くその場から動くことが出来なかった。そして俺が動こうと悪戦苦闘していた時、突然映像が途切れた。
……? 一体何が起こったんだ……?
俺がそう思った時、頭の中に声が聴こえてきた。
『この声が聴こえるか、少年よ』
聴こえるけど……一体誰だ?
『ワシは……そうじゃな、まあ変わり者の老人とでも考えとくれ』
自分で変わり者の老人って……というか俺、今の声に出してたっけ?
『変わり者じゃからな。お前さんが考えてることを読み取っておるんじゃよ』
変わり者ってそういうことじゃないと思うけど……
まあ良いか、それで俺に何の用が?
『それなんじゃがな、お前さんが今欲しいものを教えて欲しくての』
今欲しいものか……因みに何個まで挙げて良い?
『まあ3つくらいじゃな』
3つか……それなら、知識と武器と黒龍かな。
『なるほどのう……理由を訊いても良いか?』
そうだな……まず知識なんだが、これは俺のため、というよりは親友のためなんだ。
『ほう、親友とな』
そいつは昔から冒険家を目指してるんだけど、俺も含めて島から出ることが無くて、あまり他の場所の事を知らないんだ。
『なるほどのう。その親友のサポートのためというわけじゃな?』
そんなとこかな。
昔あいつが、自分が冒険家になる時には俺と一緒に冒険したいって言ってたから、その時のサポートくらいにはなるかなと思ってさ。
『そうかそうか、すると武器も同様の理由じゃな?』
そうなるかな。流石に手持ちのウッドソードとかじゃあ、冒険の時に心もと無いし。
『まあそうじゃな』
そして黒竜なんだけど、これはただ単に俺が乗ってみたいからかな。
『ほう? 白竜などもおるが、それらではダメなのか?』
白竜も悪くは無いけど、確か白竜は数が少ないって言われてるから、変なやつらに目を付けられかねないと思って。
『なるほどのう……』
でも……何でこんなことを訊いてきたんだ?
『ん? まあそれに関しては直に分かることじゃ』
……? まあそれならそれで良いけど。
『さて、そろそろお主も目覚めんとな』
目覚める……ってことは、これもさっきのも夢なのか?
『……まあそんなところじゃな』
何かはっきりしない言い方だな。
『まあ今はそう思っておいてくれ』
……じゃあ今はそう思っとくよ。
『すまんの。さあそろそろ目覚めるがいい、少年よ。また機会があったら会おう』
その声を最後に自称変わり者の老人の声は聴こえなくなり、俺の意識も戻った。
「……ん、ここは……」
俺は体を起こしながら周りを見回した。俺の近くには大きな木があり、俺はその下で寝ていたみたいだ。
そもそも何でこんなとこに?
そう思った瞬間に、その理由を思い出した。
「……そうだった。散歩してたらちょうど良さげな木陰を見つけたから、昼寝してたんだっけ」
俺は呟くようにそう一人ごちた。そして手元に置いておいたウッドソードに手を伸ばした時、何か固いものに手が触れた。
「ん? 何だろう?」
その辺りを見ると、ウッドソードの他に白い色をした模様の付いた丸いものと、横笛のような物があった。
「こんなの俺は持ってないんだけど、誰かの落とし物かな?」
俺がそう言った時だった。
『……私と、この笛は落とし物では無いですよ?』
突然そんな声が聴こえた。俺は周りを見回したが、俺の他には誰もいない。
「誰もいない……じゃあ今の声は誰なんだ?」
俺がそう不思議そうに呟くと、
『今のは私ですよ』
また誰かの声が聴こえた。もう1回周りを見るが、やっぱり誰もいない。
「まだ明るいのに幽霊とか? でもそんな話は聞いたこと無いし……」
俺が色々な可能性を考えようとした時だった。
『こっちですよ、こっち』
そう言われたので、俺は声の方を見てみた。そこにあったのは、
「もしかしてこの白い物が喋ったのか? さっき、私と笛は落とし物では無いですよって言ってたし」
俺がそう呟くと、
『その通りです。ようやく気付いてくれましたね』
白い物から声が聴こえた。どうやら本当にこれだったみたいだ。
「お前は何なんだ? 見た感じは石みたいだけど……?」
俺が白い物にそう訊くと、白い物がこう答えた。
『私は【賢者のルーン】といいます』
「【賢者のルーン】?」
ルーンって確か……世界の色んなところにある様々な力を持った石みたいなやつだよな。でも【賢者のルーン】なんて聞いたこと無いけどな……?
そう思った俺は【賢者のルーン】自身に訊いてみることにした
「【賢者のルーン】って何なんだ?」
『私の力は、 この世界の様々な事を持ち主またはその周りの人物に伝えることです』
「この世界の様々な事?」
『はい、例えばどこか知らない島に来た時に、私に訊いていただければその島の名前やその島にあるもの等をお教え出来ます』
「なるほどな……」
それはかなり便利だな、初めての場所とかなら『知識』はとても大事だからな。
……ん?『知識』?
「……ちょっと訊いて良いか?」
『はい?』
「お前は要するに色んな知識を教えてくれるんだよな?」
『その通りです』
……やっぱりか。もしかしてさっきのって夢じゃないのか?
そう思った俺はあることを訊いてみた。
「お前は何でここにいたんだ?」
すると、返ってきた答えは予想してなかったものだった。
『それについてはお答えできません』
「……何でだ?」
『お答え出来ないからです』
この世界の事を教えてくれる筈の【賢者のルーン】が答えられないこと……ってことはたぶん。
「『この世界の事では無いから』か?」
『……いえ、それとはまた別の理由があるためお答えできません』
「別の理由……」
別の理由か……それが何なのかは分からないけど、少なからずこのルーンもあの老人も不思議な存在って事になるな。本当に何者なんだ、あの老人……?
俺がそんな事を考えていると、【賢者のルーン】が話し掛けてきた。
『考え事の最中すみませんが、よろしいですか?』
「……ん? 何だ?」
『良い機会ですので、私についての情報をもう少しお伝えしようと思いまして』
「お前の情報を?」
『はい。その方が貴方も困らないと思いまして』
「なるほどな。というかお前から話し掛けて来るパターンもあるんだな」
『あくまでもこの世界の事をお教えすることが私の力ですので』
「そっか。それでその情報って?」
『先程私はこの世界の事をお教えする事が出来ると言いましたよね?』
「言ってたな」
『実はこの世界の事でもお教え出来ない事がいくつかあります』
「そうなのか?」
『はい。まず1つ目はこの世界の未来についてです。私が記憶していることはこの世界に既に起きていることだけです。ですのでこれからの事についてはお教え出来ません』
「なるほどな……」
『2つ目はこの世界にありながらもこの世界の物では無い物についてです。因みにこれに関しては、私と共にその物があった世界へ行けば、お教えする事が出来ます』
「例えば、お前みたいに他の世界のルーンとかがあったとしても、そのルーンが元々あった世界に俺とお前が行けば解決するってことか」
『その通りです。そして3つ目ですが……これに関してはその時にお教えします』
「どういう事だ?」
『今はその時では無いからです』
今はその時じゃない……か。
「分かった、今は訊かないでおくよ」
『恐れ入ります』
【賢者のルーン】は恭しくそう言った。
まだ色々気になることがあるけど、今はそれも訊かないでおこう。たぶん答えてくれないだろうし。
「因みに他にはあるのか?」
『そうですね……今のところはこのくらいですね』
「分かった。
……さて、そろそろ村に戻るかな」
俺はそう言いながら、もう片方の手でウッドソードと笛を拾い上げた。
「……因みにこの笛についても教えてはくれないんだよな?」
『そうですね』
「……分かった。まあそれに関してもいつか分かるだろうし」
俺は笛を懐に仕舞いながら、そう言った。
それにこれに関しては大体の予想はつけてるしな。
俺はウッドソードを腰に差し、【賢者のルーン】も懐にしまおうとした時にあることを思い付いた。
「そういえばお前の事をいちいち【賢者のルーン】って呼ぶのも面倒だな」
『それもそうですね』
「だからお前の呼び名をつけようとおもうんだけど、何が良いかな?」
『そうですね……別の国の言葉ですが、【ワイズ】というのはどうでしょう?』
「意味は?」
『自分で言うのもあれですが、【賢い】という意味です』
「良いんじゃないか? お前は知識を教えてくれるんだし、ピッタリだよ」
『畏まりました。それではこれから自己紹介の際にはワイズと名乗ることに致します』
「分かった。それじゃあこれからよろしくな、ワイズ」
『はい、よろしくお願いいたします、ご主人様』
「ご主人様って呼ばれるのは何かくすぐったく感じるな……」
『そうですか……それではどうお呼びしたら良いですか?』
「普通に名前で構わないぞ?」
『畏まりました。それでは改めまして……これからよろしくお願いいたします、リオス様』
「おう、こちらこそよろしくな、ワイズ」
正直なところ様も要らないんだけどな。
そう思いながら俺はワイズを懐にしまい、村に向けて歩き始めた。
政実「第1話、いかがでしたでしょうか」
リオス「うーん…… 」
政実「あれ? どうかした?」
リオス「何だか話の切れかたが悪いような気がしてな」
政実「あー……なるほどね。えっと、それなんだけどさ。実はこの第1話の下書きの方だと、もっと先の方まで書いているんだけど」
リオス「ふむふむ」
政実「書いてる内にどんどん長くなっていって、かつ区切れそうな部分も今回のタイミングしか無くなってたから、1度ここで区切ってしまおうと思って、この切れかたになった感じかな」
リオス「了解した。てことは次回はわりと早めに投稿出来そうな感じか?」
政実「たぶんね。他の作品との兼ね合いもあるから、確かなことは言えないけど」
リオス「ん、了解。さて、それじゃあそろそろ締めてくか」
政実「うん」
政実・リオス「それではまた次回」