東京喰種 《high school student》   作:Mr Muu

1 / 15
東京喰種好きのド素人が書いた作品です。
温かい目でご覧ください。



#001 日常

暖かく柔らかな風、冬の寒さが嘘のように思えてくる春。

彼は教室の窓から空を眺めていた。

 

「・・い、おい!いい加減起きろ!」

 

この声は唐突に彼の意識を元の世界に戻した。

 

「ふぁい?」

 

「神流嘉お前は一体いつになれば先生の授業をちゃんと受けてくれるのかなぁ?」

 

「いえ、あの、そ「言い訳はいいから 今日も補習ね」

 

この補習を食らった生徒の名は、神流嘉 佳未(かんなか よしみ)

清巳高等学校 普通科 1年2組の冴えない高校生だ。

 

しかし、"普通"の高校生ではない。

群衆に紛れ、ヒトの肉を喰らう、ヒトの形をしながらヒトとは異なる存在"喰種”である。

 

 

 

------------------放課後------------------

 

佳未は居眠りをしていた罰として補習を受けていた。

 

「ここがこうなるから、ここの値は?」

 

「え〜と、3√11?」

 

「正解、お前寝てたのに授業内容はわかってんじゃねえか」

 

と佳未を皮肉った。

 

「今日はここまで。明日こそ寝ないようにしてくれよ」

 

「すいません」

 

「わかったならさっさと帰る。もう6時過ぎだぞ」

 

「では、ありがとうございました。」

 

そう言うと佳未は急ぎ足で教室を出た。

 

(久しぶりにあそこに足を運ぼうかな)

 

 

 

 

 

カランカランカラン〜

 

「いらっしゃい佳未くん」

 

と喫茶店"あんていく"の店長である芳村は優しく微笑んだ。

 

「そういえば最近、ここに新しく2人白鳩が動員されたみたいだねぇ」

 

「また、なぜでしょう?」

 

「月山くんや新しくここに来た子達の影響だろうねぇ」

 

「そうですか。あの人達なら奴らに見つかっても返り討ちに出来るかもしれないけど

僕たち弱小喰種にとっては、迷惑でしかありませんよ」

 

「そうかい。じゃぁ、くれぐれも白鳩に見つからないようにね」

 

そう言うと芳村はコーヒーを彼の前に置いた。

 

「えっ?」

 

「最近疲れているんじゃないかい?

なかなか食料にありつけていないんだろう。これは私からのサービスだよ」

 

「ありがとうございます!」

 

「 もしよかったらうちで食料を提供してあげてもいいんだよ?」

 

「いえいえ、自分で調達できるように頑張りますよ」

 

そう言って佳未はコーヒーを啜った。

 

コーヒーは人間と喰種が唯一共有できるものだ。

 

「やっぱ、店長の淹れるコーヒーは格別に美味しいです」

 

「はは、これは嬉しいねぇ」

 

「佳未くん、これは聞き捨てならないなぁ。

この"魔猿"ブレンドもなかなかだと思うけどね」

 

そう言いながらテーブルを拭いているのは、自称、かつて魔猿と人々から恐れられた古間 円児だ。

 

「佳未くん、今度飲んでみるかい?」

 

すると佳未は『ははっ』と笑い、

 

「遠慮しておきます」

 

と丁重に断ったのだが古間は懲りることなく他の客にも同じことを言っている。

 

「店長はどうして古間さんを雇ったんです?」

 

芳村は少し間を空けて

 

「さぁねぇ。」

 

と話をはぐらかされた。

 

「店長、僕そろそろ帰りますね。コーヒーごちそうさまでした」

 

「またのお越しを。」

 

カランカランカラン〜

 

 

 

 

 

「あ〜〜〜っ」

 

(今日こそは何か食べないとどうにかなりそうだ)

 

その時、とてもかぐわしい香りが佳未の鼻を刺激した。

 

「っ!?この臭いは!」

 

佳未はその匂いのする方向へ駆け寄った。

そこには女の死体と死体のものと思われる心臓らしきものを手に持った仮面の男が立っていた。

 

「誰だ?お前」

 

「いや、あの、」

 

「俺の喰場荒らしにきたの?」

 

佳未は理解した。彼が例の他の区から来た喰種だ。

 

そう考えていると男の方から紅く鋭い触手のようなものが佳未の身体を貫いた。

 

「がはっ」

 

「ぼけっとしてたら死んじゃうぜ」

 

そう言っている彼の腰からは、鮮やかで美しい鱗のついた尻尾のようなものが伸びていた。

 

鱗赫だ。

 

彼の赫子が佳未を再び襲う。そこで、金属をして打つような鈍い衝撃音が響いた。

 

「へぇ、お前甲赫か」

 

佳未の右肩甲骨からはまるでサバイバルナイフの刃を彷彿させる大きく平べったい赫子が出現していた。

佳未は不慣れながらも男に決死の攻撃を仕掛けるが、あっさりかわされてしまう。

 

そして男の反撃。

鋭い鱗赫が佳未めがけて伸びていく。佳未はそれを赫子でガードし、弾きかえす。

そしてその隙を見て男に斬りかかる。男は自分の赫子を束ね、これを防ぐ。

 

しかし、

 

「うおりゃあ!!」

 

佳未は自分の体ごと回転し赫子を切り裂いていく。

 

「な、なんだと?俺の赫子がこんな素人に …クソが」

 

そう言うと男は残った赫子でビルをよじ登り、そのまま姿を消してしまった。

 

「ハァ、ハァ 」

 

かなり体力を消耗したのか佳未は今にも倒れそうなほど息を切らしていた。

 

「食事を…とらないと」

 

そう思い、ふと目線を下ろすとそこにはさっきの男が捕食していた死体があった。

 

「仕方ないか..いただきます」

 

佳未は死体の腕をもぎ取り口に運んだ。久しぶりの食事だ。佳未は夢中で頰張りつずけた。

程よい硬さの筋肉とその周りの脂肪。舌に絡まる血液。そして、人間では味合うことのできない崇高なる旨味。

 

これは佳未にとって数週間ぶりの快楽だった。

食事を終えた佳未は余った肉を袋で包み家に持ち帰った。次はいつ食事にありつけるかわからないからだ。

佳未にはヒトを殺す勇気がない。だから他の喰種の食べ残しや自殺死体などを持ち帰って喰べている。

今日のような戦闘は稀だがないことはない。しかし相手が悪かった。あの男は低くてもAレート以上はある。

佳未の傷はまだ再生し切っていなかった。

 

(これで当分はなんとかなるかな)

 

『ガチャ』

 

そう思いながら佳未はアパートの一室の鍵をあけた。

 

 

 

 

 




今回は、短めですが今後どんどん長い作品を書けるように頑張ります。
変な部分、改善すべき点があればご指摘下さい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。