東京喰種 《high school student》   作:Mr Muu

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円卓の騎士団についての調査レポート

・構成員はEU加盟国が多数。人数は未知数である。
・アーサーと呼ばれる喰種を筆頭に12人の幹部が存在する。
・幹部には円卓の騎士の名が付けられておりマスクは着用しない。
・活動目的は判明しておらず国際指名手配されているものの足取りは掴めない。

以上、特等捜査官 篠原 幸紀




#012 脅威

ーーーーー 空港襲撃事件三日後 朝 あんていく ーーーーー

 

日曜日の朝はとても静かだ。

あんていくでは常連が読書やお喋りなど思い思いの時間を過ごす。

そんな中とある事件についてのニュースが誰かの携帯から聞こえてきた。

 

『三日前に起こった空港襲撃事件ですが喰種による犯行ということが判明しました

喰種対策局は犯人集団の潜伏先を空港周辺とみて捜査を進めると同時に各区の捜査官

を大幅に増員するとのことです』

 

これを聞いていた客の一人が話を切り出す。

 

「喰種かぁ〜 あんまり実感湧かないんだよな 古間さんはさ、どう思います?」

 

「そうだねぇ〜 もし喰種がこの店を襲うならこの魔猿様が退治してやりますよ!」

 

古間はそう言い鼻をふんと鳴らす。

 

「またまた〜 古間さん真っ先に逃げちゃいそうじゃないですか」

 

「お客さん、冗談キツイよ」

 

心外そうに古間は否定するがあまり信憑性はない。

客はふと腕時計を見る。

 

「ヤバッ!待ち合わせに遅れる 古間さん、お金ここに置いてくよ!」

 

客はあせあせと店を出ていく。

仕事が一段落つく頃にはもう昼過ぎだった。

この時間帯に客はあまり来ない。古間や佳未は休憩に入る。

 

「暇ですね」

 

「暇だね」

 

今日は二人しかシフトが入っていない。それに加えて芳村はどこかへ出かけている。

 

「佳未くん 俺の武勇伝を語ろうか」

 

「結構です それよりもあのニュース気になりますよね」

 

あのニュースとは空港襲撃事件のことだ。

犯人が喰種の集団だとするとアオギリとの抗争に発展しかねない。

佳未はそのことが心配だった。

 

「謎の集団とアオギリ、そして白鳩。三つ巴の大戦争になるかもね〜」

 

「縁起の悪いことを言わないでください こうなったらここも危ないんじゃないですか?」

 

「そうなったらあんていく全員出動だよ」

 

古間は冗談交じりでそう言う。

 

「でもここは比較的平和ですからね」

 

「でも最近はこの区の喰種が次々に殺られてるみたいだね それも同種に」

 

「何故でしょうか」

 

「それが誰かを探してるみたいなんだよ」

 

そんな話をしているとカランカランとベルの音が聞こえてきた。

ふと目をやるとそこには二人の白人が立っていた。

一人は白いスーツに刈り上げのおぼっちゃま感満載の20代前半。

もう一方は執事っぽい白髪の老人だ。

 

「お客様、申し訳ございませんが今は休憩中ですのでもうしばらくお待ち下さい」

 

佳未がそう伝える。

 

「我々は客ではない ここのマスターに会わせてもらおう」

 

すると刈り上げの男は上から目線で命令してきた。

 

「店長は不在でして…」

 

「そうか、ならばここで待たせてもらおう」

 

刈り上げの男がカウンター席に座る。

 

「コーヒーを頂くとするか もってこい、そこのウエイトレス」

 

 

 

 

 

 

ーーーーー同日 1区 CCG本部 総議長室 ーーーーー

 

「……についての捜査は順調に進んでおります」

 

「そうか、ここに来たのはそれだけではないであろう」

 

CCG総議長 和修常吉が鋭い眼光で吉時を睨む。

 

「先日に匿名でリークされた情報なのですが

梟が潜伏しているとされる場所が記された…………」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー再び あんていく ーーーーー

 

刈り上げの男がコーヒーを飲んでいると芳村が店へ戻って来た。

 

「佳未くん、古間くん遅くなってすまない

ところではこちらの方は?」

 

「あなたがミスタ,ヨシムラですか」

 

「そうだが何の用かな 奥で話を聞こうか」

 

芳村は奥へ二人を案内する。

 

「それでは要件を話すとしようミスタ,ヨシムラ

あなたは日本でSSS認定を受けていると聞いた。そこでだ

"あなたの情報をCCGに流した"いくらSSS認定でも一人で立ち向かうのは容易じゃない

ところで、俺はとある組織のリーダーをやっているんだが」

 

「なるほど、助けてやるからその組織に入れと」

 

「ご名答 勿論タダでとは言わない マーリン例の物を」

 

「はい、アーサー様」

 

マーリンと呼ばれていた老人が芳村の前でアタッシュケースを開く。

 

「総額170万ユーロ 円に換算すると約2億円だ」

 

しかし、芳村は動じない。

 

「悪いが誘いに乗ることはできない。私はあんていくの店長だ

どうなろうが一人でケリをつけるさ」

 

それを聞くとアーサーはフッと笑う。

 

「なんとも哀れだ 我々の誘いを断ったこと後悔させてやるよ

俺の組織のモットーは"じわじわ苦しめる"だからな!

まずはあなたの大切な従業員たちを苦しめてやろう」

 

そう言い残しアーサーは店を出て車に乗り込む。

 

車内でマーリンがアーサーに、

 

「モットーは即殺ではありませんでしたか」

 

と尋ねる。

 

「今変えた まずはここの従業員のリストと家族、友人関係を洗っておけ」

 

「かしこまりました」

 

そして車は走って行った。

 

 

 

 

 

ーーーーー翌日 清巳高等学校 ーーーーー

 

佳未は浮かない顔をしていた。

珍しくリュウイチが学校に来ていないからだ。

チャイムが鳴る。いつものように教師が入ってくる。

 

しかし今日は違った。

そこには重苦しい表情の担任となぜか校長がいた。

 

「えー皆、静かに」

 

いつもと違う雰囲気にあたりは静まる。

 

「では校長先生、お願いします」

 

校長が咳払いをしてから口を開く。

 

「皆さんには悲しいお知らせがあります。鈴原竜一君が昨日亡くなりました」

 

その一言に教室がざわめく。

 

「昨夜外出中に喰種に襲われたそうです」

 

「と言うことだから今日はみんな帰るように

それと襲われたのはノーラングループビルの近くだから気をつけるように

基本、夜の外出は控え表通りを通ること」

 

帰っていいと言われたもののなかなか腰が上がらない。

会話の内容も喰種についての悪口ばっかりだ。

佳未は複雑な気持ちになる。

喰種である以上ヒトを殺さなければ生きていけない。

そんな事は分かっているのだが、自分の友人が殺されたとなると怒りがこみ上げてくる。

しかし、リュウイチを殺した相手に報復してもリュウイチが戻ってくるわけではない。

佳未は席を立つ。そしてあんていくへと向かう。

 

「あら佳未くん、早いわね学校サボった?」

 

入見はいつも通りに佳未に話しかける。

佳未は今日会ったことと今の自分の心情を入見に打ち明ける。

こういうのは入見に話すのが一番いい。

 

「そうねえ、もしかしてなんだけどリュウイチくんって殺されただけなんじゃ」

 

「え?でも喰種による犯行だって」

 

「捕食目的ならある程度食い荒らされるはずでしょ?でもリュウイチくんだって

すぐ判断できるぐらい死体の状態が良かったんだからその線もありえるわよね」

 

「確かに、でもそれが判ったところでどうもできませんよ」

 

「余談だけど私は仲間が殺られたら絶対に殺り返すわよ」

 

「さすがはブラックドーベルの元首領ですね」

 

そう言い残し佳未は家に帰る。

道中で何度も入見のフレーズが頭の中に流れる。

 

(殺られたら殺り返す、か)

 

そう考えてる時にはもう身体が勝手に動いていた。

 

(ノーラングループビルの裏手ならもし戦闘になってもバレない)

 

佳未はビルの裏手に回る。

そこにはリュウイチの血のシミがコンクリートに染み込んでいた。

 

「さすがに同じとこにいる訳ないか」

 

その時、

 

『ガガガガガガ』

 

大量の赫子が吉見に降り注ぐ。

 

「ボスの言う通りですわ まさか本当に現れるなんて」

 

そこには黒いドレスに身を包んだ赤髪の女が立っていた。

 

「あんたがリュウイチを!」

 

「リュウイチ?あのアホ学生ね、ワタクシが瞬殺してあげましたわ」

 

「おっと名乗り忘れていましたね

円卓の騎士団 職人(フェロークラフト)モードレッドことオリーヴィア・ランナーベックですわ」

 

オリーヴィアはドレスの裾を持ち一礼する。

 

「仇をとってやる リュウイチ!」

 

「三流喰種が偉そうに、エマ!アニ!行きなさい!」

 

奥から羽赫の2人組が攻撃を仕掛ける。

 

「モードレッド様の為に」

 

赫子の一撃が佳未にヒットする。

 

「クッ」

 

佳未は一旦は体制を崩すが立て直す。

そしてそのまま攻撃に転じるが軽々とかわされてしまう。

 

「哀れだわ 簡単に殺せそう」

 

オリーヴィアは高みの見物だ。

しかし、オリーヴィアの言ってる事は正しい。

佳未は怒りに任せて攻撃している。流れがメチャクチャだった。

 

「モう飽きたわ。そろそろトドメを刺してちょうだい」

 

「了解しました」

 

佳未は死を覚悟する。

 

『ドドドドドドドド」

 

絶対に死んだと佳未は思った。しかし、身体には傷一つ付いていない。

穴だらけになっているのはオリーヴィアの部下たちだった。

 

「ったく一人で動くなっつーの、仲間同士助け合うのがあんていくの方針なんだからさ」

 

佳未は振り返る。

そこには片翼の羽赫が揺らめいていた。

 

 




円卓の騎士団の幹部は何かしらの肩書きがあります。

《例》
職人(フェロークラフト)従弟(アプレンティス)作戦参謀(インペラトリス)

他にもあるのでお楽しみに!
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