東京喰種 《high school student》   作:Mr Muu

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Profile
山村 颯大《やまむら そうた》
•28(7/27 生) •Blood type:AB
•Quinque:炎(甲/尾 ーRate/S)
•Hanors:白単翼章,金木犀章
•Like:クインケいじり,ホラー映画,辛い食べ物





#003 決断

ーーーーCCG20区支部ーーーー

 

「二手に分かれるんですか?」

 

「ああ、水路は広いからねぇ。

ラビットに745番、まとめて始末できるに越したことはない。」

 

「現われますかね。」

 

「私の勘ではね」

 

そう言う真戸の両手には、アタッシュケースと小さな鞄が持たれていた。

 

 

 

 

ーーーー同日 夜 あんていくーーーー

 

カネキとトーカは、真戸たちとの戦いに備え最後の打ち合わせをしていた。

 

「お二人とも、どこいくつもりです?」

 

あんていくの入り口には佳未が立っていた。

 

「まさか例の捜査官たちとやり合うつもりで?」

 

「その通りだ」

 

と、トーカが答える。

 

それに続いて、カネキが

 

「何もできないのはもう嫌なんだ」

 

と付け加えた。

 

「僕は止めに来たんじゃありません。僕も手伝います。」

 

「でも、佳未くんは、」

 

「わかった」

 

とカネキの言葉を遮るようにトーカが答えた。

 

「でも佳未、お前マスクは?」

 

「ウタさんに作って貰いました。」

 

と、鞄からそれを見せる。

 

佳未のマスクは蜘蛛の眼のようなハーフフェイスのマスクだった。

 

「それ、趣味悪くない?」

 

とトーカがしかめっ面をする。

 

「ウタさんにお任せしたらこうなりました。ウタさん曰く"なんとなく"だそうです」

 

と佳未は答える。

 

「まあいいや、行くよ」

 

そう言い、三人は店を後にした。

 

 

 

ーーーー地下水路ーーーー

 

トーカが地下水路を歩いていると、そこには"何か"を抱いているヒナミがいた。

それは手だった。ヒナミの母親、笛口リョーコの。

トーカは何も言わずにヒナミを抱きしめる。

 

その時、

 

『ピチャ、ビシャ、ビシャ』

 

と何者かが近寄ってくる音がした。

そこには、まるで狩りを始めるかのような目をした真戸が立っていた。

 

「いやぁ、ラビット」

 

「流言で我々をおびき寄せるなどあまりにもチープな作戦、幼稚、幼稚」

 

「そうそう、贈り物は喜んでいただけたかなぁ」

 

と真戸が爛々とした目で喋っている。

 

「てっめぇ!」

 

トーカの両目が赫くなっていく。

それと同時に真戸に羽赫を用いて攻撃を仕掛ける。

しかし真戸は瞬時にクインケを展開しそれを防ぐ。

 

《蛇腹剣型クインケ フエグチ壱》

 

「やっぱりそこらの雑魚とはちがうな」

 

と、フエグチ壱を大蛇のごとく操っている。

トーカはこれを交わすのに精一杯のようだ。

 

しかし、

 

「お前の武器はここでは使えない」

 

と、トーカがつぶやく。地下は柱が多い。

そこにはフエグチ壱が柱の間を縫うように絡まっていた。

 

「ちぇっ」

 

と窓が舌打ちするとトーカは彼の服をつかみ、壁に叩きつける。

 

「がはっ」

 

と真戸が血を吐いた。

 

トーカが、

「あんたらさえいなければ」

 

と真戸に向かって叫ぶ。

 

「死にな!」

 

その時、真戸がニタァと笑い、もう一方のクインケを起動させる。

 

《可動式盾型クインケ フエグチ弐》

 

フエグチ弐の薙がトーカを吹き飛ばす。

ヒナミは花弁のように広がるそのクインケを目にし、言葉を失う。

 

「どうだ見覚えがあるだろう?お前の大好きな"母親"だ。

クインケはお前らの赫子からつくるものだからなぁ」

 

と真戸が言う。

 

「てんっめえ!」

 

トーカが真戸に向かっていく。

しかし、逆にフエグチ弐に捕まえられてしまう。

さらにもう片手でフエグチ壱を操作し、ヒナミを捕えた。

そしてそのままトーカにぶつけようとする。

 

その時、

 

『ポチャッ』

 

真戸は自分の腕を見て、

 

「クインケが消えた?いや、消えたのは私の右腕か」

 

そこには赫子を展開するヒナミが立っていた。

 

「お父さんとお母さんをそんな風にしないで!」

 

と真戸に猛攻を仕掛ける。

 

『カツン、カツン、カツン』

 

「いやいやいやいや、何やら騒がしいと思ったら、

真戸さん、どうされました?それに、ラビット、フエグチまで」

 

と山村が数人を引き連れてやってきた。

 

「対象、ラビット及びにフエグチ。フォーメーションは"T"だ。下がってろ」

 

と言いながら、クインケを起動させる。

 

《大太刀型変形式クインケ 炎》

 

「誰か、真戸さんの手当てを」

 

と、言うと山村はトーカに向かい突っ走っていく。

トーカはこれをギリギリでかわして背後に回り込む。

 

「はい、残念。40点くらいかな」

と山村は柄の部分のスイッチを押す。すると刀身が変形し銃剣のような形状になった。

 

「標的補足、放射!」

 

山村がそう言うと、銃身から炎のようなものが噴き出てきた。

 

「えっ」

 

炎がトーカの羽赫を襲う。トーカは言葉にならないほどの痛みに絶叫する。

 

「あちゃー、外したかぁ。今度こそは」

 

と、トーカに銃身を向ける。その時、

後ろから影で潜んでいた佳未が甲赫で山村の腹を貫く。

 

「Oh,」

山村が倒れ込む。

 

「トーカ、こっちだ。」

 

声のする方を向くと四方とカネキが手招きしている。

トーカとヒナミは隙を見て、この場を逃げ出した。

 

「くそっ、逃げられてしまった。」

 

と山村が言う。

 

「准特等!大丈夫ですか?」

 

と班員の1人が駆け寄る。

 

「いやぁ、クインケ鋼のプロテクターをしてなかったら今頃ポックリ逝ってたよ。」

 

そこに亜門が駆けつけてきた。

 

「真戸さん、右手が…」

 

亜門が真戸に視線を向けると真戸の右手が無くなっていた。

 

「なぁに、たかだか手の一つ、どうってことない」

「喰種捜査官たるもの、手足をもがれてでも戦わないとなぁ」

 

と真戸は右腕を挙げた。

 

「それより亜門君、君こそ肩を負傷してるじゃないか」

 

「それが、ラビットの仲間と思われる喰種に」

 

「そうかい」

 

と真戸は頷く。

 

「いやはや、ただでさえ厄介者が多いのにまた1匹増えてしまいましたねぇ〜」

 

と、山村が言った。その表情は微かに嬉しそうだった。

 

「とにかく支部に戻りましょう。傷の手当てをしないと」

 

そう言うと亜門たちは水路を後にした。

 

 

 

ーーーー数ヶ月後ーーーー

 

佳未は自己嫌悪に陥っていた。

ヒナミを助けると豪語していざ捜査官に出くわすと、何も出来ずに

隠れるぐらいしかできなかった自分が憎い。

佳未はため息を吐くとあんていくのドアを開けた。

 

「こんに...ち.....は?」

 

佳未は店に入って唖然とした。

 

テーブルや椅子は倒れ、コーヒーカップの破片が至る所に散らばっている。

佳未は倒れているトーカを見つけ駆け寄った。

 

「トーカさん!大丈夫ですか?」

 

「ううっ」

 

意識はあるようだ。

 

「一体何が?」

 

と佳未が問う。

 

「..ネキが、カ..ネキ...が」

 

「カネキさんがどうしたんです?」

 

「アオギリの連中に連れ去られた」

 

「そんな…」

 

ーーその夜ーー

 

あんていくのメンバーは一室に集まった。

 

「カネキ君がさらわれた」

 

と芳村が重たい口を開く。

 

「我々はカネキ君を助けに行く」

 

古間も入見も四方も真剣な顔つきだった。

 

「そこで月山君の他にも助っ人が欲しい。佳未君、頼まれてくれるかい?」

 

と芳村が佳未に頼んだ。佳未は、

 

「でも、ヒナミちゃんを助けた時も僕は何も出来なかった」

 

「いや、そんなことない」

 

と、トーカが否定する。

 

「あの時、あんたはピンチになった私を助けてくれたじゃん」

 

ヒナミも「そうだよ」と頷く。

 

「佳未、お前は自分が思っているより強い」

 

四方が口を開いた。

 

「四方さん…」

 

「店長、僕も腹をくくります。カネキさんを助けに行きましょう!」

 

佳未がそう言うと芳村は

 

「ありがとう」

 

とだけ言った。




今回は少し長めに書きました。
これからも宜しくお願いします。
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