東京喰種 《high school student》 作:Mr Muu
鈴原 竜一(スズハラ リュウイチ)
•17(9/2生) •blood type:AB
•Like:少年漫画,砂糖たっぷりのコーヒー,ノリの良い人
•Hate:犯人が解りやすいサスペンスドラマ,ブラックコーヒー,型にしかはまれない人
ーーーーー1月8日 清巳高等学校 ーーーーー
「………であるからして、気を引き締めて学校生活を送るように……」
担任の長話に退屈した佳未は大きなあくびをする。
もう二日も寝ていない。
今日は清巳高校の始業式があった。
多くの生徒が憂鬱に思い冬休みを懐かしむ。佳未も例外ではない。
家やあんていくでゆったりと過ごした平和な日々はもはやとうの昔である。
佳未は二日前から溜まりに溜まった課題を終わらす地獄の徹夜生活を送っていた。
無論、狩りをする時間もなく何も口にしていない。
佳未は人がヒトとして観れるか心配になっていた。
「よ・し・み!何ぼけっとしてんだ!」
横からうるさい声が聞こえて来る。
「リュウイチ、うるさい」
「なんだよ〜 お前が死んだ魚見てえな目してたから起こしてやったのに」
「お前が元気すぎるんだ 小学生か」
やはりリュウイチは人?のことなんか御構い無しに話しかけてくる。
「今日暇か?どっかいこーぜ」
「じゃあ、バイト先の売り上げに貢献してよ」
「なんでお前のバイト先なんだよ!」
リュウイチは相変わらずのテンションで問いかける。
「別に来ないならいいよ でも課題の話はナシだなぁ〜」
最終兵器を佳未は使う。
リュウイチは明日提出の課題を一切やっていない。
だから今は佳未の方が立場は上だ。
「っちょ!これはずりーよ」
「課題をやらないお前が悪い」
佳未がごもっともな意見を言うとリュウイチは観念したのか、
「わかったよ 帰りに行くぞ」
と佳未の提案を受け入れた。
*
ホームルームが終わり佳未とリュウイチはあんていくへと向かう。
「そういえば佳未はどう思う?」
リュウイチが唐突に話しかけてきた。
「どう思うって何が?」
「ほら ニュースにもあっただろ
ここら辺で喰種捜査官が二人も殺されたんだとよ」
「へぇ〜そうなんだ 最近テレビ見てないからな」
佳未は疑問に思った。
今、20区にいる喰種で捜査官を殺すような無謀な奴はいない。
月山は各所を転々としておりリゼに関しては半年以上前から行方をくらましている。
可能性があるとしたら他の区の喰種だろう。
「でも喰種って超強いんだろ?一体どうやって喰種と戦うんだろうな」
「そりゃあ、クイ……拳銃とかじゃない?流石に銃弾は避けれないんじゃないかな」
「クイ…何?まあ良いや、喫茶店着いたぞ」
「お、おう 早速入ろう」
カランカランカラン〜〜
『パッリーン!!』
「なんだなんだ!?」
何かが割れる音に二人は驚く。
「クソロマ!これで何回目だよ!」
ニシキの罵声が聞こえる。
「おっ 佳未も言ってやってくれ こいつまた皿割りやがったんだ」
「ふえ〜〜ん すいませ〜〜ん」
ロマが涙を浮かべながら謝る。
彼女はつい最近カネキの噂を聞いてあんていくにやって来た新人である。
ここ数週間で10枚以上も備品を壊している。
「相変わらずお前のバイト先は賑やかだな」
リュウイチはまるで他人事だ。
「もう、ロマさん何やってんスか〜」
佳未がエプロンを着けながらロマをなだめようとする。
「皆さ〜ん すいませ〜ん」
「別に大丈夫だよ お皿代はロマちゃんの給料から引いておくからね」
「てんちょ〜う!」
店長の言葉にロマはまた涙目になる。
「佳未!早く注文とってくれよ」
リュウイチが大声で呼ぶ。
「ハイハイ、ご注文は?」
「ん〜 じゃ、カフェラテとこの"魔猿スペシャルサンド"?ってヤツを」
その途端、店内に戦慄が走る。古間を除いては。
「あの子変わってるわね まさかあれを頼むなんて」
リュウイチのチャレンジ精神に入見は驚く。
それもそうだろう。この喫茶店で唯一誰も注文したことがなかった
"魔猿スペシャルサンド"が初めて姿を現わすからだ。
厨房では古間が鼻歌交じりにサンドウィッチを作っていく。
風貌はどっかの大手サンドウィッチチェーン店のサンドウィッチに近い。
刻んだレタスにオリーブ、輪切りのピーマンとトマト。
厚切りのベーコンを乗せ仕上げに魔猿特製ソースをかけて完成らしい。
それとカフェラテを古間は誇り高げにリュウイチの元に持っていく。
「お待たせいたしました カフェラテと"魔猿スペシャルサンド"でございます」
リュウイチはそれを手に取ると豪快にかぶりつく。
周りの客は固唾を呑んで見守る。
『……ゴクッ』
飲み込む音が微かに聞こてくる。
「…………うまい!!
おっさん!これサイコーだな!!」
リュウイチが古間に親指を立てる。
「だろう、特製ソースが味の決め手だよ あとお兄さんね」
古間が顎に手を置き熟年のシェフかの如くスペシャルサンドの説明をする。
これを聞いた人間の客が次から次へとスペシャルサンドを頼んでいく。
「今日だけは古間くんに感謝だわ」
そう言い入見は会計の伝票を見る。
900円というサンドウィッチにしては高額なものがどんどん売れる。
喰種からしたらあんなカラフルな食材は見ただけで吐き気を催すものだ。
しかしそれを作ってるのは喰種である。
今日は最初で最後の魔猿スペシャルサンドが売れた日となった。
さらにあんていくを開いてから最高の売り上げを記録し、
あんていく幻の日となった。
*
あんていく 閉店後
「今日は凄かったわ あなたの口コミが」
「いやあ、照れるね」
「そのおかげでパン好きの捜査官まで来てロマさんは皿割りまくりましたけどね」
佳未は古間が調子に乗らないように釘を刺したつもりが
「捜査官をも虜にするこの魔猿、しびれるねえ」
と、より調子に乗ってしまった。
「あっ!」
佳未は急に何かを思い出した。
「どうしたんだい」
芳村が落ち着いた様子で尋ねる。
「それが、リュウイチに課題を見せる約束のことすっかり忘れちゃってて」
「課題?」
「アイツ、明日提出の課題に一切手をつけてないみたいなんですよね」
今頃リュウイチはどうしているだろうか。
携帯に電話がかかってきてないので本人すら忘れてると佳未は信じたい。
「西尾さんならどうします?」
「ん〜 俺なら今すぐにでもお前のとこに行くかな」
「そういえば佳未くん、はいこれ」
芳村が白い便箋を差し出す。
「なんですか?コレ」
「君たちが来る前に月山くんが'これをキミに'と」
「月山さんが⁉︎」
佳未はあまり進まない手つきで手紙を開く。
『"Dear:佳未くん"
Ya!久しぶりだね。僕は今カネキくんの剣として各区を転々としているんだけれど
少し時間ができたんでこっちにきているよ。嬉しいだろう?カネキくんに"当分、
こっちに来ないでください"と言われてしまってね。きっとこの僕に休暇を与える
つもりだったんだろう。というわけで明日、僕の屋敷に来たまえ。良いものをみせ
てあげるよ。別にお友達を連れてきても良いけど人間はやめたほうが良いと思うね。
それじゃあ待ってるよ!
From:カネキくんの剣にして最愛の友 月山 習』
「店長、これどうしましょう?僕殺されるんでしょうか」
月山は
美食のためなら共喰いも厭わないだろう。
「そんなに心配なら四方くんを連れて行くといい」
「ありがとうございます」
その時、
カランカランカラン〜〜
「よしみ!課題のこと忘れてた!!」
アイツには昼も夜も関係なかった。
閉店してようが御構い無しに店内に入ってくる。
「お前なぁ〜 閉店してるの分からないのか!」
「それよりもか・だ・い!」
そう言い佳未のまえに手を差し出す。
「ったく、ほらよ」
ため息交じりでノートを渡す。
「サンキューな」
そう言いリュウイチはそそくさと店を出た。
「本当にあなたのお友達って面白いわね」
「こっちはかなり苦労してるんですから」
笑い声が店内に響く。
今まで以上に賑やかな1日が終わりを迎える。
ちなみにリュウイチは結局時間が間に合わず課題を提出できなかったようだ。
次回は佳未くんとみんな大好き月山さんがいろいろやらかしちゃう回です!
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