今日からここで働くんだ。正直受かると思っていなかった。だってこんな、こんな僕にこの職が合ってるなんて思えないんだ。友達と一緒にふざけ半分で応募したホストのアルバイト。と言っても僕は
「あれ?もしかして君が今日からの新入り?」
背後からしたのは何故かご機嫌そうな男の人の声。振り返ってみるとそこには薔薇のように赤い髪の毛で、テレビでしか見たことないようなスタイルの良い人が立っていた。僕とはあまりに違う見た目の人。かっこいいこの人はそうだ。ここのホストだ。
「は!初めまして潮田渚です!お、お世話にーー」
「あははっ。自己紹介は店に入ってからで良いよ」
「……すいません//」
笑っていたその人の笑顔は天使と悪魔が混ざったような感じだった。優しいような意地悪なようなそんな顔。その人は胸ポケットから鍵を取り出すとお店のドアを開けた。ただそれだけの動作なのに一つ一つの動作がスローで見えるほどかっこよかった。
ーー店内
お店の中は相変わらず豪華。時代も場所も変わったみたい。かつて舞踏会が行われていたお城のようだ。僕は自分には合わないそんな空間の椅子に座ってさっきのかっこいい人に自己紹介をした。こうやって見てみるとこの人はこの空間に合ってるな〜。外だと少し浮いてしまうのかもしれないけど、ここでは僕の方が浮いている。
「へ〜潮田くんはこれが初めてのバイトなんだ」
「はい。あ、あの」
「あ〜、俺?」
その人は僕が言っていないのに僕の言いたいことを知っていた。いや、分かったのかな?
「俺は赤羽業。カルマで良いよ」
「えっ……そ、そんな」
初対面の人を名前で呼ぶのにも抵抗があるのにその上呼び捨てなんて出来ないよ。それにこの人は僕の先輩なんだろうし。
「俺も君のこと渚くんて呼ぶからさ」
「じゃあせめて……業さん」
「いや〜それは合わなくない?」
「でもいきなりは」
「分かったよ。慣れたら気楽に呼んで」
「カルマさんおはようございます」
ドアが閉じた音が遠くでしたと思ったら、知らない声が入ってきた。とても爽やかな声だった。
「おはよー磯貝。この子今日から
「あ、おはようございます!」
「お!元気だな!よろしくな!」
この人もこの場所に合ってる。業さんとは違うかっこよさ。声の通りの好青年。
「じゃあ三人いるし軽く掃除しよっか」
「カルマさんは休んでてくださいよ」
磯貝さんは業さんから
「ここは俺の店なんだから掃除させてよ」
俺の店?ってことは
「業さんってもしかして」
「うん。トップだよ。あれっ、そう見えなかった?」
「いえ!そんなこと!」
業さんはトップには見えない笑顔でそう言った。でも実際そうは見えなかった。確かに業さんはかっこいいけど、どちらかと言うと真面目そうな磯貝さんの方がトップに見える。
「あっ、そうだ。渚に渡すものがあったんだ」
業さんは箒を持ったまま置いてあった
「はいこれ制服。一番小さいサイズだけどもしかしたらデカイかも」
僕は受け取った制服をすぐに袋から出して下着の上から着てみた。……嬉しかった。ようやく自分がこの場に合っているような感じがした。下は黒のズボンで上は白いワイシャツ。その上から黒のチョッキ。
「大丈夫です。ちょうど良いです」
「そう?……なら良かった」
業さんはじっと僕のことを見つめていた。僕の体を見ていた。服のサイズは少し大きいくらいだけどへ、変だったのかな?でも業さんは特に何も言わず「じゃあそろそろみんな来るだろうから磯貝、後よろしくね」と言って【スタッフオンリー】と書かれた扉の奥へと消えていった。その後続々とホストの人や内勤の人がやってきていよいよ初めての仕事が始まった。……その結果はと言うと
「……つ、疲れた……」
「お疲れ。今日はもう上がって良いぞ」
「はい……失礼します」
転んじゃったし、物落としたりしたし……全然ダメダメだった。みんな優しくて特に怒られなかったのが逆に辛い。
ーーロッカールーム
着替え終わって荷物整理をしていると……
「ああん?なんでこんなとこに女がいるんだ?」
部屋のドアから聞こえたのは不機嫌そうな声。それに体格が良さそうな声。女って? 他に誰もいないしぼ、僕のこと言ってるのかな?
「えっ、あっ、初めまし」
うっ……お酒臭い。この人もホストだよな? なのに酔ってる!?
その人は不良と言う言葉がとてもよく似合う人だった。けどそんなこの人もここでは浮いては見えない。
「お前胸ねえけどちょっとこいや」
「えっ!や!やめてください!」
僕はワイシャツの胸元を掴んでいる焦げ茶色の手を両手で離そうとした。けどくっついてるみたいに離れない。だめだ。見た目通り力が強い。
「おい。俺様の言うことが聞けねえのか?」
「あっ!」
と、声が出てしまった時にはワイシャツが横に破けてしまっていた。そんな様子を見てもその人は未だに僕の前からどいてくれなかった。むしろその荒い息は近づいてきた。
「や、やめてください……」
「離せよ」
その声で怯えていた心が安心した。だって、業さんが来てくれたんだから。
「あんだと誰だてm……かっ、カルマさん」
「聞こえなかったか寺坂。潮田渚から手を離せ」
業さんは部屋の入り口から一歩も動かないでその寺坂という人を僕の前から離した。そして寺坂さんは鬼に追われるようにして部屋から出て行った。
「ありがとうございます」
「ごめんね渚。あいつ悪い奴じゃないんだけど酒にあんま強くなくて」
「だ、大丈夫ですよ。別になんともなかったですし」
業さんはまた僕のことをじっと見ていた。見続けられてそして「……もしかしてそれ、私服?」と言われて僕は服が破れていたことを思い出した。
「あっ!全然平気です!」
「全然平気じゃないでしょ。破けてんじゃん」
業さんの右手が僕の胸元に伸びてきた。でもさっきのように乱暴に掴まれず、何かを確認しているみたいだった。……なんでだろう。凄い緊張する。距離が近いから? それとも……業さんだから?
「へいきですよ」
「平気じゃないよ。そのまま帰らせるわけにもいかないし」
「じゃ!じゃあ制服を着てーー」
「それは絶対ダメ」
業さんは僕が手にしていた制服を目にもとまらぬ速さで奪い去った。さっきまで優しかったのに急に声と態度が変わって僕は怖かった。
「えっと、どうしてですか」
「ウチの制服って分かると絡んでくるやつらいるんだよね〜。俺なら平気だけど渚くん見た感じ女子にも勝てなさそうだし」
「……。」
「ごめんごめんそんなに落ち込むと思わなかった。とりあえず俺の家に泊まってく?」
「えええっ!?」
「ほら、明日休日だから昼ごろに帰れば良いでしょ?」
「そんなっ……申し訳ないですよ!お店にとまーー」
「それなら俺の家に泊まりなよ」
「で、」
「〝でも〟は言わないで。遠慮しないで、無理しないで。それにこれはトップの命令だよ?」
業さんの一言一言が僕の心を包んだ。それにそんなこと言われたら断れないじゃないか。
「お、お願いします」
ーーとあるマンション
「お……おっきい」
「へ〜。何が?」
「えっと……家ですよ。か、カルマさんの」
何階まであるのか分からないマンション。雲の上まで行けてしまいそうだ。こんなところに住んでるなんて流石ーー
「まあ俺トップだからね!」
「凄いですね」
乗ったことのない上品な作りのエレベーターに乗ると少しも揺れずにいつの間にか最上階に着いていた。えっ、最上階!?
「はい、入って〜」
「おじゃまします!」
驚いている暇もなく部屋に案内されるとそこは見たことない世界。僕は今、夢を見てるのか!?
「ひ……広い」
「へ〜。何が?」
「へ、部屋ですよ。カルマさんの」
「じゃあ渚は先にシャワー入ってて良いよ」
「……えええっ!」
でも、そんなの申し訳ないって、言ったらダメなんだった。業さんは僕がこう思っているのを分かってるんだろうな。じゃなきゃこんなに嬉しそうにニヤニヤしないもの。
「わ、分かりました」
シャワールームも僕の知らない世界だった。まるで未来の浴室のような感じで、見たことないボタンがある。モニターがある浴室はあるけど、これはいくら何でも大きすぎる。こんなの部屋に置いておくサイズじゃないか!
「どう?」
という電話越しのような声がしたと思ったらそのモニターはカルマさんがいた。
「うわああああっ////」
「そんなに驚かないでよ。着替え外に置いておいたからそれ着て。じゃ」
そ、そうだよな。いくら裸を見られたからって相手は男なんだし……でも恥ずかしかったのは嘘じゃないんだ。僕は複雑な感情を抱きながらシャワーのお湯を浴びた。その間は40℃のお湯がぬるく感じた。
「シャワーありがとうございました。あ、あのカルマさんこの着替え……」
カルマさんが言っていた〝着替え〟は僕の想像していた「パジャマ」ではなくて「バスローブ」だった。そして当たり前だけど、パンツはない。バスローブなんて初めて着たけど体がとてもスースーする。僕の思っていたのとは違ったけどせっかく家に呼んでいただいてその上シャワーまで貸してくれたからワガママは言っちゃダメだ。……けど、こんなお洒落な物僕に似合うかな……。
「あ〜やっぱりサイズ合わないか」
「……。」
問題はそこじゃなかったんだけど……やっぱり言われちゃった。僕にはやっぱり合わなーー
「でも、可愛いじゃん。似合ってるよ」
カルマさんは乾きかけの僕の頭をすくうように撫でた。そして唐突に「渚って男なんだよね?」と言うと僕の顔に赤い髪が近づいてきた。
「急にど、どうしたんですか!酔ってますか?」
「酔わせてるのはさ、渚の方でしょ?」
「えっ僕は何も」
カルマさん変だ。どうしたんだろう。これじゃあさっきのロッカールムと同じだ。でも今度はそれをしてるのが助けてくれた、カルマさん。
「渚はさ、なんでそんな可愛いの?」
「そ、そんなことなっーー」
僕の背中はいつの間にか壁に着いていた。そしてカルマさんの長くて細い腕という檻の中に僕は閉じ込められた。カルマさんの息がどんどん近づいて温かく熱くなっていく。
「ち!ちかーー」
「!!?」
急に目の前が真っ赤になった。背中にはカルマさんの両手が回っていて、唇が生暖かった。水と水が肉と肉が絡み合って、行儀の悪い
「ごめん。抑えられなかった。渚があまりにも可愛くてその……俺のタイプだったから」
「っ////」
そう言われたのは人生で初めてだった。キスをされたのも何もかも。そして口元を手の甲でこんなに美しく拭き取る人も初めて見た。
「渚は今まで見てきた人間の中で一番可愛い」
「……カルマさん」
あのお店のトップのホストにそう言われると、とても嬉しい。でも喜んで良いのかな? だってそう言われても僕は男だし、それに男同士がこんなことして良いのかな? 一番可愛いって言われても……なんて言えば良いんだろう。「ありがとうございます」は違うよね。
「ねえ渚……その〜。もし良かったらさ」
今日ずっと僕のことを見て話ていたカルマさんが僕から目をそらして手をおへその前で組んで話し始めた。かっこいいカルマさんが照れてる瞬間だった。その顔は髪の毛と目と同じくらい赤かった。
「ベッドに来てくれる?」
って、ところだけ僕の目をしっかりと見て言われた。その言葉の本当の意味は僕でもさすがに分かる。そしてカルマさんが冗談とかじゃなくて真剣にそう言ったのも分かる。けど、そうは言われてもやっぱり……なんて言えば良いか分からない。でもこのまま何も言わないでこの人を傷つけたくない。この人は色々覚悟して僕にキスをしたんだと思うし、今も僕に嫌われるのを覚悟してそう言ったんだ。……僕はカルマさんのこと嫌いじゃない。嫌いじゃない。だから近づかれても裸を見られても頭を撫でられてもキスされても嫌じゃなかった。だから多分僕はカルマさんのことを……好き……かもしれない。
僕は無言で首を縦に振った。言葉にするのは難しかったってのもあるけど、カルマさんならそれだけで分かってくれるって思ったから。
「こっちだよ。おいで」
と、差し出された手を僕は見ないで掴んだ。
ーー寝室
もう今更驚かないけど本当大きいな。ベッドもこれいつも一人で寝てるのかな? この上で何かスポーツが出来そうなほど大きいベッドだ。僕はそのベッドにカルマさんに手招きされてから入った。ふかふかなのは当たり前。でも全てを預けても良いほどふかふかなのは初体験だった。
「渚は俺のこと怖くない?」
「き、キスはびっくりしました。でも嫌じゃなかったです」
「渚。もう一回して良い?」
隣にいたカルマさんは起き上がって僕に覆いかぶさっていた。僕はまたカルマさんの体という檻に閉じ込められた。
「い、言わなきゃダメですか……」
「出来れば言って……欲しい」
「……ださい」
「ん?」
「し、してください」
「何を?」
「き、キスを…してくだ」
最後まで言わなくてもカルマさんの赤い頭は僕に触れた。熱い。けど、心地いい。もっと僕もカルマさんに触れたい。僕らの体はお互いに引き寄せあっていた。抱きしめ合ったまま横になって足も絡んで、目を閉じている僕には全てが絡んでいる感覚だった。そして僕が苦しくなる手前でカルマさんは僕を放してくれる。そして口元まで舌で拭いてくれる。うん、、、濡れた床を水拭きしていると分かっているけど、意味ないとは言えない。
「渚って本当に男?」
「男ですよ!」
「こんなに小柄で可愛いのに信じられないな〜」
「たまに間違えられますけど男です!」
「じゃあさ確かめさせてよ」
その時カルマさんの声が変わった。何か企んでいるような小学生のような声。
「……へ、変なことはしないでください」
「しないしない」
と言っておきながらカルマさんは僕の胸を指でつついた。僕は反射的に「うっ//」と自分でも恥ずかしいくらい変な声を出してしまった。
「ごめん渚!やっぱり女だったんだね!」
「ち、違いますよ!」
「だって今乳首で感じーー」
「い!言わないでください!分かってますから!」
「あれ?本当に感じてたの?」
「……カルマさんって意地悪なんですね」
「渚のかたーー」
「ちょっ!ちょっと!どこさわ」
僕の熱くなっているところを心地よく冷えたカルマさんの手が直接握った。それは次第に強弱をつけて握り始めた。
「ま、渚が男なのは送ってきた履歴書で知ってたけどね〜」
「じゃあ離してくださいよ!」
「ん?本当に良いの?本当はさ」
カルマさんの手がぎゅっと力を込めた瞬間だった。
「こうして欲しいんじゃないの?」
僕のを握りしめたまま上下に激しく動いた。何かを搾り出されそうになる感覚を僕は必死に耐えた。
「声我慢しなくて良いよ。男なんだもん。ここをこんな風にされたら気持ちいよね?」
「やばっ!やばいです!」
「ん?何がどうヤバいの?」
そんなの言えない。言わなくてもカルマさんはどうせ分かってるくせに。む、むりだ。認めたくないけど……僕は今気持ち良くなってる。
「出しなよ。辛いでしょ?恥ずかしくないんだからさ」
「うっ……あっ!あっ!」
耳元に息を吹きかけられた僕は我慢を諦めた。そしてそのままなるがままに後は体に任せた。体の奥からそれまで止められていた物が秒速で突き抜けて行った。そしてそれはカルマさんの手の平に出てしまった。
「渚さ……こっちは意外と男なんだね?思ってたより出たよ」
「恥ずかしいから……言わないでください……」
「ん〜。何か飲む?」
「み、みずが良いです」
「おっけ〜」
カルマさんはすぐに水を持ってきてくれてぐったりとしてしまった僕を優しく起こしてくれた。そしてコップを口に運んでくれた。いつもなら恥ずかしくて拒否したいことだけど、今の僕は疲れていてそんなことはどうでも良かった。
ーーベッドの上
「水も飲んで休んだし元気になった?」
「なりません」
「触って良い?」
そう言いながらカルマさんは既に僕の体を触っている。もう、どこを触られているのか分からない。それくらい全体を撫でられていた。
「……嫌です」
「乳首なら良い?」
「嫌です」
「じゃあトップの命令。乳首を触らせて」
「ず!ずるいですよ!」
「うん。ズルいよ。だって俺はトップだからね」
最初にカルマさんの笑顔を見た時にどうして僕は天使が混ざったなんて思ったのだろう。この人は悪魔だ。優しいけど悪魔だ。
「大丈夫。どんなに声出しても誰にも聞かれないから」
「カルマさんがいるじゃないですか」
「俺に聞かれるの嫌なの?」
「い、嫌じゃないですけど、恥ずかしいんです」
「なんで?」
「……カッコいいからですよ」
「カッコイイ人に聞かれるのは嫌なの?」
「そ、そうじゃなくて、とにかくカルマさんの側にいるとーー」
僕が何を言おうか分かっていたカルマさんは僕の口を口で閉じてきた。こうやって体が触れ合うのは何度目かだろう。目を閉じていても鼻息でお互いが興奮しているのが分かる。舌でお互いに触れ合って、抱きしめた手でこれが夢じゃなくて現実なんだって確認する。最初は気持ちが良いだけだったけど、今は色んなことを感じる。……やっぱり好きなんだ。僕はカルマさんが好き。カルマさん。だからさっきも素直に「カッコいい」って言えた。
「呼吸乱れてるけど長かった?」
「だ、だ……い、じょうぶです」
「それとも乳首感じすぎて辛い?」
「それはないです」
「でもここ。また固くなってるよ」
「そ、それは……」
カルマさんはまた僕の熱に触れた。けどその手はすぐにいなくなってしまって僕の手に触れた。
「俺のも触って」
と、カルマさんに手を握られて運ばれたのはカルマさんの熱の上だった。熱い。そして
「お……おっきい」
「へ〜。何が?」
「カルマさんの……って言えないですよ」
「え〜言ってよ〜」
「恥ずかしいです」
「渚……抜いて」
カルマさんは僕に強くそれを握るように僕の手を握って合図をした。ズボンの上からなのに分かる。形、長さ、太さ。みょうに生々しくて……ダメだ! ここは理性で抑えないと!
「……で、できないですよ。僕そういうの……」
分からないわけじゃないけど……。
「じゃあ挿れて良い?」
カルマさんの顔はウイルスに感染して熱を出してるみたいだった。でもしょうがないよね。僕だって興奮してるし。それにカルマさんだって男なんだ。それにこう言うカッコ良くて体格のいい人はきっと僕よりもそういう欲が強いんだろうし。けど挿れるって言われても僕は、僕は
「男ですよ!」
「男だから挿れたくなるんじゃん」
「そ!そうじゃなくて!僕が男ですよ」
「ん?でも、挿れるところはあるよ?」
「ど、どこですか……」
「本当は分かってるくせに渚くんは本当ほしがりだな〜」
うん……聞かなくても分かってた。カルマさんの指は僕が知っていた場所へ触れた。触れただけじゃなくて中に入ってきそうだった。
「ほらここ」
「ああっ」
「乳首をいじると……」
「はううっ//」
「締め付けが良くなるんだよ。これは渚が感じてる証拠」
カルマさんの言ってることは全て本当。だから何も言い返せない。
「まずは指三本ね」
「さ、三本!?」
「だって俺の挿れるんだよ?」
指三本分以上あるってことぉ!? そんなの絶対無理だよ。はいらないよ。でも確かにさっき触った時、大きかったのは確かだ。
「あ、痛かったらちゃんと言ってね」
そう言ってカルマさんは僕の顔を横から無言で見ながら指を挿れてきた。暗闇の洞窟を足元を確認しながら慎重に進むように、ゆっくりと。それが僕には苦しかった。ジワジワと来る痛み。どうせなら速く挿れて欲しい。けど顔には出しちゃダーー
「痛い?」
「んんっ……」
(渚また我慢してる。だから目を力強く閉じてる。痛いんだ。でもこの我慢している顔をもう少し見ていたい)
俺は酷い奴だ。痛がってる渚を見て興奮していた。乳首をいじる度に可愛い声を出して、お尻をキュッとさせる。痛いのに気持ち良くなってるなんて、相当苦しいんだろうな。
「ごめんね渚。痛かったよね」
「えっ」
気がついたら痛みは抜けていた。そして頭を撫でている柔らかい手の平を感じた。
「渚……キスして」
僕は言われるままにカルマさんに抱きついてキスをした。カルマさんは今日で一番強く僕のことを抱きしめていた。これは好きっていう証拠。だから僕も好きってことを証明するために無我夢中でカルマさんにくっついた。空気の入る隙間さえなくすくらいに。
渚! 渚! 渚!
カルマさん! カルマさん! カルマさん!
好き。好き。好き。
可愛い。触れたい。離したくない。
もっと触れて。もっと抱きしめて。僕を離さないで。
可愛い渚。渚はずっと俺のそばにいて。離れないで。
二人は口を合わせたまま、その濡れている口を動かしてお互いを求めあった。
〜おまけの時間〜
「おはよう渚」
「……おはようございます」
あ、そっか僕カルマさんの家に泊まったんだっけ。うわ〜腕とか胸にたくさん赤い跡が付いてる……誰にも見られることはないけど、いつの間にカルマさん僕にそんなキスをしたんだろう。
「そうそう。渚が帰れるように買っておいた服が届いたから着てみて」
「ありがとうございま……カルマさんこれって」
「ごめん!渚に似合いそうな物を買ったら
「いけませんよ!」
似合いそうな物ってこれはコスプレ用の女子の制服じゃないか。どうやっても間違えようがない。絶対ワザとだ。
「じゃあ今日も泊まってく?」
「いいえ!もう僕一人で買ってきます」
「良いけど〜。何を着て外に行くの?」
「……ば、バスローブで」
「それはダメ!襲われるから絶対ダメ!」
「服……買ってくれないと本当にバスローブで帰りますからね」
「分かった。分かったから楽しみに待っててよ」
「今度はちゃんと
「ん?当たり前じゃん」
カルマさんまた、微笑んでいた。
終わり