ハイスクールD×D その身に背負う物  一時停止   作:ケツアゴ

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師匠欲しいけど七十回分しかないから 30回で爆死したし渋いみたいだし


第一話

「悪い! 今日もバイトだ!」

 

 友人である元浜や松田からの(覗きの)誘いを断って俺は足早に教室から立ち去る。行きたいけど! 凄く見たいけど! 今は血の涙を流す想いで俺は走った。

 

 俺が悪魔になってから早一週間程。俺は毎日のようにある場所に通っていた。街中の大きなビル。其処での雑用が俺の始めたバイト……っという事になっている。本当の事を言う訳にはいかないから、そういう事にしているんだ。実際はレラィエ家の所有する建物で、地下にある訓練施設で俺は悪魔としての基礎能力を測定していた。

 

「……まぁ頑張りたまえ。君はまだスタートラインにすら立っていないのだからな」

 

「頑張って! 僕は期待しているよ」

 

 この二人の反応から察せれるように、俺の能力はお世辞にも高いとは言えず、魔力に至っては子供以下らしい。努力次第で伸ばせるらしいけど流石に落ち込んだぜ。……だけど、俺は夢の為に諦めねぇ。俺の努力次第では……なんとハーレムが可能なんだ!

 

「昇級? 俺も貴族になれるんっすかっ!?」

 

 俺みたいな転生悪魔が増えてきた頃、ある制度が出来た。手柄を上げて力を示せば俺も上級悪魔になって眷属を持てるんだ。流石に両親や子供であるレラジュ様の前では無理だったので後でエミヤさんに訊いたんだけど、エッチな事をしても構わないそうだ。

 

「まぁ、一夫多妻制は存在する事だし、無理矢理でなければ咎めはせんが程々にな」

 

 っと、呆れたように言われた。良いじゃんか。男の夢だろ!

 

「だが、言っておくが苦難の道だぞ。貴族など、日本育ちのお前には良く分からないだろうから分かりやすく言うならば大名だ。下級武士が大名になるくらい難しい。そう言えば分かるかね?」

 

 ……努力しよう。侍スタートなだけマシだと思おう。じゃないと心が折れそうだ。貴族云々よりも分かりやすい例えに俺は道のりの厳しさを思い知った。

 

 

 

 

「さて、明日は休日だ。既に準備は済ませてあるから早速向かうぞ」

 

「うっす!」

 

 そう。今日俺は初めて冥界に行く日。堕天使に狙われる程の物なので暴走の危険性があるからと神器(セイクリッド・ギア)が何かの確認もしてなかったけど、今日それを行って今後の育成方針を決めるんだそうだ。俺は大した実力がないのに一個で本来数個必要な奴を転生させられる変異の駒(ミューテーション・ピース)の兵士(ポーン)と普通のを一個づつ使ったから強力なのを期待して良いそうだ。

 

「あれ? そう言えばレラジュ様は?」

 

「今日は政務の一環として講演会に出席しているよ。それも当主としての仕事だからな」

 

 そう。レラジュ様はあの歳で。たった十歳で当主の座に就いている。昔あった大戦で多くの悪魔が死んで数を減らしてた影響でレラィエ家の悪魔は父親と年の離れた姉ちゃん以外居なかったらしいけど、両親は事故で(ただし、エミヤさんは少し言葉を濁していた)、姉ちゃんは病気で五年前に亡くなって、たった五歳で当主になるしかなかったって聞いてる。

 

 本来もっと成長するまで渡されない駒も当時当主だった姉ちゃんが危険な状態になった時点で特例で渡されたらしい。流石に政務は幼すぎるからと代々仕えている側近が代行して、今は留学(……どうして悪魔の学校に通っていないのかは教えてくれなかった)の合間に勉強は今回の様な仕事をしてるんだと。エミヤさんは其の護衛兼世話係。当主が事実上不在で他の眷属も忙しく働いてるって聞いた。

 

 そんな状況でも俺は今まで通りに学校に通って家で両親と生活していることが少し申し訳なく感じる。いや、俺に何が出来るんだって話だけどね。っと言うよりも、その何かを出来るように強くならなくちゃいけないんだよな。その話を聞いて、両親のあの姿を見て、本当に思う。俺は命を救って貰った恩に報いたいって。

 

「さて、もうすぐ到着するぞ」

 

 エレベーターで向かった地下施設の奥。そこには駅のホームらしき設備があった。聞くとこんな施設は街にいくつか存在するらしい。ちなみに空間を弄っているので地下も土地の所有権の範囲内とかは大丈夫だと言ってた。

 

 やがて到着した列車に乗り込むと直ぐに動き出す。俺が窓から外を見ていた時、エミヤさんがサンドイッチと紅茶の入った水筒を差し出してきた。

 

「食べたまえ。到着まで時間があるし、放課後なら腹が減っているだろう?」

 

 お礼を言って受け取ったサンドイッチを食べると凄く美味しい。贅沢を言えば可愛い女の子の手料理が良かったが、この人の料理は本当に美味いんだ。その上家事全般ができて戦いもこなせるんだからきっとモテるんだと思う。レラジュ様も懐いてるし……あれ? そういえば少し気になった事がある。

 

 

「あの、エミヤさん。思ったんっすけど、エミヤさんのレラジュ様に対する態度って家臣の態度じゃないっすよね。大丈夫なんっすか?」

 

 貴族とかはよく分からない俺だけど、大名って例えて貰った後だから何となく理解できる。少なくても時代劇とかで家臣が殿様にああいう態度をとる事はないんだけど。

 

 その疑問をぶつけたると、エミヤさんは苦笑しながら微笑んだ。

 

「ああ、言ってなかったか。私は元々あの子の眷属じゃなくって、あの子の姉の眷属で……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「更に言うなら其の婚約者……いや、正式に婿入りしてたっけ?」

 

 急に聞こえた声に振り返ると別の車両から知らない奴が入ってきた。コートの様な服の上から両腕に肩まで覆う白い籠手を付けた白髪の男。毛の一部が立っていて、後頭部で括っている。年齢は三十手前くらい……あと、イケメン。

 

 って、婚約者!? 婿入り!? 俺が驚く中、エミヤさんは男に不機嫌そうな視線を送っていた。

 

「……何の用だ? ルゥリッヒ」

 

「嫌だなぁ。元同僚で今は君の騎士(ナイト)じゃないか。……まっ、僕は君を主とは認めてないけどね」

 

 一瞬眼を細め時のルゥリッヒの声は冷え切っていて背筋が凍り付いた様な気がした。だけど次の瞬間には気さくな笑みを浮かべながら俺の肩に手を置いて笑いかけて来ていたんだけど、何時の間に接近されたか全く分からなかったぞ!?

 

「君があの子の新しい眷属? 気になったから顔を見に来たんだ。僕はルゥリッヒ。よろしくね〜」

 

「ど、どうも……兵藤一誠です」

 

 正直イケメンとはあまり仲良くしたくないんだけど、先輩みたいなんだから仕方ないと我慢して挨拶を返す。イケメンへの敵意は伝わらなかったらしく、ヘラヘラ笑いながら元の車両に向かっていった。

 

「あっ! 言い忘れてた……ボサっとしてると死んじゃうよ?」

 

「え?」

 

 次の瞬間、俺の頭目掛けて振り下ろされる光り輝く剣。俺は状況が飲み込めないまま固まり、車両内に金属が激突する音が響いた。

 

 

「……何のつもりだ?」

 

 エミヤさんはルゥリッヒの剣を何処からか取り出した剣で防ぎ、もう片方の手に持った剣の先を向ける。それに対しルゥリッヒはヘラヘラ笑ったままバックステップで距離を取った。え? 俺、今殺されかけた? どうしてだ!?

 

「嫌だなぁ。新人がどれほどの奴が知りたかったから試しただけだよ。どうせ君が助けるだろうしね。……でもさ、余りにも期待外れだったよ。其奴、本当に役に立つのかい? 其奴が足を引っ張ったら誰が一番困るか分かるだろう?」

 

 その言葉が俺の心に伸し掛った。自分の弱さを改めて突き付けられた気がして、殺されかけたってのに文句の言葉も出なかった。

 

 エミヤさんが警戒する中、ルゥリッヒは俺に詰まらなさそうな視線を向けると足元に転移用らしき魔法陣を出現させる。そして消えていく瞬間、俺の方にチラリと視線を向けた。

 

 

 

 

 

「……あの子は当主になってから一度も人に泣いた姿を見せていない。七歳の時からずっとだ。もしあの子の足を引っ張るような真似をしたらさ……殺すよ?」

 

 体中に冷水を浴びせられるような感覚を味わう中、ルゥリッヒは消えていった。

 

 

 

 

 

 

「すまない。奴も根は悪い奴じゃないのだが、どうしても彼女が関わるとな。っと、冥界に着いたぞ」

 

 窓の外を見ると列車が空を飛んでいて、下には街並みが見える。ビルの様な建物や研究所が立ち並んでいる街で、エミヤさんの話によると此処はレラィエ領の研究機関が集まった都市らしい。

 

「……一誠。貴族になるという事は、その眷属になるという事は、領民全ての生活を、誇りを、命を、人生を其の身に背負うという事だ。……よく覚えておけ。将来貴族になろうというのなら尚更な」

 

 その言葉は俺の心に深く突き刺さる。何処か貴族になるって事を軽んじていたのを見透かされた気がして返事が出来なかった。そうだよな、貴族になりました、めでたしめでたし、で終わらないのが人生だよな。むしろ貴族になってからの方が大変なんだろうな……。

 

 

「言っておくがまだ神器(セイクリッド・ギア)も判明していない時点で貴族になった後の事を心配するのは気が早い。……悪魔の寿命は一万年。時間はあるのだから地道に頑張りたまえ」

 

 そんな事よりも登録する時間だぞとの言葉に何時の間にか俯いていた顔を上げると先頭車両の方から……ロボットがやって来た。

 

 

「ヒョウドウイッセイ様デスネ? チェックヲ行イマス」

 

「ロロロ、ロボットォォォ!?」

 

 其れは正しくロボットだった。二頭身の其の機体は俺に近付くと個人を判別する為の装置を操作する。その姿が見えなくなるまで俺は固まり、そして叫んだ。

 

 いや、悪魔とかファンタジーの存在が居るのは分かったけど、あの性能の自立思考型ロボットってSFの存在まで居るのかよ!?

 

 俺の心中を察したのかエミヤさんも少々頭が痛そうにしながらも教えてくれた。

 

「大丈夫だ。こんなのが居るのはウチの領地だけだからな。……講演会があると言っただろう? 講演を行っている発明家が作ったんだ」

 

 車内の巨大モニターに何処かの会場が映し出される。多分此処が講演会場なんだろう。

 

 

 

 

『いいかね、諸君! 一%のヒラメキさえ有れば後は努力で何とでもなる。実在するかどうかも分からないまま一万種以上の素材を試すのに比べれば簡単な事だ』

 

『多くの者が私を偉大と称えるが、偉大なのは諸君らも同じ。私の後を次の世代が歩み、そのまた次の世代がその後を歩く。発展とはそういう物なのだよ!』

 

 その言葉は俺の心に響いた。自分の非才に嘆くヒマがあるならば強くなる努力をすればいい。簡単な話なんだよな。

 

 

 

 

「あの、エミヤさん。あの人、ライオンの被り物してるんっすけど?」

 

「本人の趣味だ」

 

「それと見間違いっすかね? 後ろに書かれた垂れ幕にトーマス・エジソンって書かれているんっすけど?」

 

「当人だ。彼こそ、かの発明王トーマス・エジソンで間違いないぞ。先々代が死に際にスカウトしてきたんだ。援助の代わりに研究を続けてくれとな」

 

 言いたいことは色々あるけど、そんな事被り物のインパクトに負けて何処かに行ってしまった。ああ、何度も伝記を読んだっけ。

 

 

 

 

 

「因みに蛍光灯やリモコン、ラジオを発明したニコラ・テスラも彼の同僚だ。仲が悪いから別の研究所で競わせる形にしているがね」

 

「へぇ。そんな人が居たんっすね」

 

「……本人には言ってくれるなよ。知名度が低いのを気にしている上にエジソンに其処を何度も弄られているからな」

 

 

 

 

 

 

「さて、此処がレラィエ家の所有する修練所だ。あの門の先に君を指導する予定の女王(クィーン)が待っている」

 

「予定?」

 

 聞いた話じゃ凄い美人だって聞いたから楽しみにしてたんだけど、予定ってどういう事だ?

 

「彼女が君を弟子にするかどうかは君がテストに合格出来たらだ。もし不合格でも私やコキュートス殿などが指導するが……彼女に匹敵する指導者はギリシャ神話で多くの英雄を育てたケイローン位だろうな」

 

「ケイローン? 確か射手座の……」

 

「ああ、其れであっているが、コキュートス殿や政務担当官殿には聞かれない様にな。彼らはレラィエこそが射手座の象徴だと主張しているから聞かれれば五月蝿い。……テスト内容は門をノックしてから一分以内に門の先に足を踏み入れれば良い。では、私も用があるので頑張りたまえ」

 

 そう言ってエミヤさんは屋敷の方へと向かっていく。門を開けて先に進めば良いだなんて簡単だぜ。……簡単だよな? 凄く重いとか、電流が流れてるとかしてないよな?

 

 

「し、失礼します!」

 

「入れ」

 

 恐る恐るノックすると帰ってきたのは凛とした女の人の声。門は触っても何ともなく、押して見ると軽い。やっぱり楽勝だぜと門を押す力を強めた瞬間、俺の胸を槍が貫いた。

 

 

 

 

「はっ!?」

 

 直様我に返って胸を撫でる。槍なんか刺さっていない。でも、確かに俺は死の感覚を味わった。夕麻ちゃんの槍で死にかけていた時に感じたモノよりも更に濃密な死の感覚。ほんの少し前に味わったから何か分かる。アレは殺気だ。単純な殺気だけで俺は自分の死をイメージさせられた。

 

「二十秒経過。時間がないぞ」

 

 もう二十秒!? さっきルゥリッヒに殺気を浴びせられていなかったら俺は時間が終わるまで混乱して固まったままだったと思う。俺は力が入らない足を無理に動かし前に進む。また自分の胸に槍が刺さる錯覚を感じ、踏みとどまろうとした途端、全身が串刺しになる感覚に襲われて膝を折ってしまった。

 

 ただ向けられるだけで息が荒くなり、鼓動が早くなる程の殺気。思考が定まらず、このまま動かずにいたい。別に他の人の指導でいいじゃないかと甘く囁く声が聞こえてくる。

 

 

 

 

 

『息子を助けてくれて有難う』

 

『……あの子は当主になってから一度も人に泣いた姿を見せていない』

 

 

 歯を食いしばり、這う様にして前進する。立てないのなら立たなきゃ良い。ハイハイの姿勢で無理に進み、手放しそうな意識を意地で繋ぎ留め、俺は頭を使って門を押し開ける。今まで以上の殺気が襲って来る中、俺は倒れる勢いを利用して中に滑り込んだ。

 

 

 

「……一分丁度。まぁ合格といった所だな」

 

 薄れゆく意識の中、俺の視界には素晴らしいおっぱいの持ち主が腕組みして立っていた。しかも、ピッチピチのタイツ姿で。

 

 紅い瞳に紫の髪、そして素晴らしいお体に服装。確かに美人でした。有難うございます! 最高に素晴らしいものを見ながら俺は意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

「いい加減起きろっ!」

 

「げふぅっ!?」

 

 腹にものすごい衝撃が入り俺の意識は強制的に覚醒する。気が付けば俺の体は宙を舞っており、次の瞬間には地面に叩きつけられた。あのタイツのお姉さんが足を振り上げた姿勢なので多分蹴られたんだろうなぁ。

 

「痛たたたっ。えっと、貴女がレラジュ様の……」

 

「ああ、そうだ。私がレラジュの奴の女王(クィーン)であり、影の国の門番であり女王であるスカサハだ

。……正確にはその分身だがな」

 

「分身?」

 

 分身って忍者が使う術のアレ? 俺は腹を摩りながら何とか立ち上がり、スカサハさんの体を観察する。うん! やっぱり素晴らしいです!

 

「今はその様な事を話している時間はない。貴様が中々起きぬから鍛錬の為の時間が少なくなったではないか。早くこの魔法陣の上に乗れ。そして自分が一番強いと思う者の真似をしろ。モタモタするな!」

 

「は、はいっ!」

 

 こ、この人怖い! あの殺気を放っていただけあって怖すぎだろっ!? 俺は急いで魔法陣の上に乗ると一番強いと思う人の姿を思い浮かべる。

 

「……ドラグソボールの空孫悟? でもなぁ……」

 

「早くしろと言ったはずだが? 強化系なのか創造系なのか補助系なのか攻撃系かで今後の方針が変わる。早く、しろ」

 

 あっ、このままじゃ殺される。濃密な殺気を感じとった俺は憧れたポーズを取る。羞恥心? 命の危機って時にそんなの感じてられませんよ。

 

「ドラゴン波ぁ!!」 

 

「……しかし、一体何だ、其れは?」

 

 真顔で訊いてくるスカサハさん相手に漫画のキャラクターですと正直には言えず、俺は誤魔化す様に視線を逸らす。すると俺の腕に現れていた赤い籠手が目に入った。

 

「……龍の手(トゥワイス・クリティカル)? いや、違うな。この内包するオーラは……」

 

「え? 当たりですか? 其れ共ハズレ?」

 

「私の勘が正しければ、ある意味ハズレとも言えるだろうな。何せ下手せれば世界中の人外などから狙われるぞ。詳しい説明は……発動出来るようになってからしよう。まずは実戦だ。修行は実戦形式に限る」

 

 非常に不吉な言葉が告げられる中、スカサハさんが指を鳴らすと機械音と共に例のロボット、しかも列車の中のは俺の腹までくらいだったけど、今現れたのは俺より大きい。しかも剣を持っていた。

 

「倒せとは言わん。だが発動させるくらいはして見せろ。出来なければ死にはしないが…痛いぞ?」

 

「対象確認。抹殺モード開始シマス」

 

 抹殺とか言ってるんですけどぉぉぉぉっ!?

 

「あ、あのっ! せめて使うコツとか無いんですかっ!?」

 

「私は持っていないので詳しくないが、その籠手から力が流れてくるイメージだ」

 

「抹殺! 抹殺!」

 

 開始の合図もなしに俺めがけ剣が振り下ろされ、俺は横に飛んで何とか避ける。地面が砕けて小石が飛んできて痛いっ! でも、何とか次も避けられる。

 

「避ける時は次の動作も考えて避けろ。隙があれば反撃出来るようにだ」

 

 基本的な動作は能力測定をしながらエミヤさんに教わった。よく見てみれば本当に訓練用なのかロボットの攻撃は大ぶりで俺でも見切れる。

 

「えっと、力が体に流れ込むイメージ」

 

 言われた通りにする。だが、籠手はウンとスンとも反応しない。

 

 

「抹殺っ!」

 

「危なっ!?」

 

 

 今、掠ったっ! 髪の毛が数本切られたよ。あ〜っ! どうしたら良いんだよっ!? 俺が慌てる中、スカサハさんは顎に手を当てて何やらブツブツと呟くと叫んだ。

 

 

 

「発動できたら直ぐ其処の風呂場で可愛い女の子と混浴が待っているぞ。早く発動せねば上がってしまう。……今は服を着ていないぞ」

 

「マジっすかぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

『Boost!!』

 

 籠手から音声が流れ、力が溢れる。さっきまで何とか見切れていたロボットの動きが更に分かりやすく感じた。

 

「……よし! 続きは夜だ。風呂で汗を流して来い! それと私の事は師匠と呼ぶように」

 

「はい! 師匠、お疲れ様でしたぁぁぁぁっ!!」

 

 俺はロボットの動きが止まるなり師匠が指差した風呂場へと向かっていく。強化された足はかなりの速度で進み、あっという間に風呂場へとたどり着いた。

 

 

 

 

「こ、この先に全裸の可愛い女の子が……」

 

 服を脱ぐのもまどろっこしいと思いつつ、あくまで紳士的な態度を取ろうとしつつも顔がニヤける。そして俺は浴室への扉をそっと開いた。

 

「失礼しまーす」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「む? お主が一誠殿でござるか? それがし、殿の忠臣ハムスケでござる」 

 

 其処には巨大な喋るハムスターが立っていた。しかも喋っていた……。




マナケミア2より ルゥリッヒ

FATEより スカサハ

オーバーロードより ハムスケ

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