ハイスクールD×D その身に背負う物  一時停止   作:ケツアゴ

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第二話

「いやあ! やはり私の講演会はいつも盛り上がる、何処かの交流電流とは違ってな!」

 

「あははは。あまり喧嘩しないでね。二人とも領地に必要な人材なんだからさ」

 

 エジソン博士の講演会の終了後、僕は迎えが来るまでの間、博士の部屋で話をしていた。お祖父様の兵士(ボーン)だった博士はレラィエ領が力を入れている学問分野に必要な人なんだけど、趣味でライオンの被り物をしているんだ。

 

 あと、同じ天才で同じ兵士(ボーン)だったテスラ博士とは人間の時から仲が悪い。テスラ博士の交流電気のネガティブキャンペーンをしたって姉様が生前言ってた。変だよね、仲良く出来ないなんてさ。喧嘩するよりずっと簡単なのに。

 

「しかしだ、大変だね。貴族としての勉強を急がなくちゃいけないのだろう?」

 

「ううん。平気だよ。大体は皆がやってくれるから、僕は将来に向けての勉強に集中できるし」

 

 

 本当に僕はついていると思う。まだ十歳の僕を支える為に皆頑張ってくれているし、早く僕も皆の役に立てるように……ううん。僕が皆を引っ張って行かなきゃダメなんだよね。それが当主だもん。

 

「そうそう。君に頼まれていた物が完成したよ」

 

 博士が何処からか取り出したのは腕時計。レラィエ家の家紋が刻まれたこの時計だけど、エジソン博士の発明品だけあって普通の時計じゃないんだ。

 

「お迎えに上がりました、レラジュ様」

 

「あっ! デミウルゴス」

 

 あっ、迎えが来た。ドアの前に立っていたのはスーツにメガネで少し面長の悪魔、デミウルゴス。ずっと僕の一族に仕えてくれていて、政務を代行してくれてとっても頼れる。それだけじゃなくって僕の政務の先生でもあるんだ。

 

「ねぇ一誠の神器は何か分かった? 僕、凄く気になってたんだ」

 

 他の眷属は姉様が生前に交換してくれたエミヤ達や家と関わりがあった人だけど、一誠は僕自身の力で眷属にしたんだもん。

 

「時間も迫っている事ですし、其れについては車の中でお教え致しましょう。レラジュ様も恐らく満足いくかと。……では博士。我々は此処で失礼致します」

 

 デミウルゴスは膝を付いて笑うと会釈をしてから歩き出す。講演会の会場の外には既に龍(ドラゴン)に引かれる馬車……龍車? の準備が出来ていて、今直ぐにでも出発できそうだ。

 

「では、道中は政務のお勉強と参りましょう」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……っと、この様にレーティング・ゲームの大会と、それに伴う設備や観光が齎す経済効果の利点と欠点ですが……さて、この辺りにしておきましょう、そろそろ到着ですのでお着替えの方を。それと彼の神器(セイクリッド・ギア)ですが……赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)でした」

 

 動き出してから一時間半後、勉強を一段落付けた僕はデミウルゴスの話を聞いてびっくりした。極めれば神すら滅ぼすとされる神滅具(ロンギヌス)の一つである赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)だって言うんだから。十秒事に使用者の力を倍加して、更にはその力を譲渡できる。これで中堅って評価だから驚きだよね。

 

「凄いやっ! でも、今は秘密なんだよね?」

 

「流石はレラジュ様。ご聡明でいらっしゃる。封印されている二天龍の片割れ、赤龍帝ドライグは多くの神話勢力に喧嘩を売っている事ですし、スカサハ様が言うには彼は戦いの才能にはあまり恵まれていない模様。ある程度の力を付け、更に私が周囲に根回しして煩い者共を黙らせるのに……一ヶ月ほど頂いても? 」

 

「うん。期待しているよ。その間は秘密だね」

 

 デミウルゴスは一ヶ月って言ったけど、多分もっと早く根回しは終わると思う。でもそれまでは秘密かぁ。折角久々に会うから自慢したかったなぁ……。

 

「レラジュ様。そろそろご到着です」

 

 御者台から声が掛かり、今日出席する予定のパーティ会場が見えてくる。今の僕じゃ政務は殆どデミウルゴス達に任せっきりだけど、さっきの講演会や今から行くパーティみたいに当主が出席したって事実が必要な時はちゃんと出ている。少しは役に立ちたいからね。

 

 

 

 

「お久しぶりです、レラィエ大侯爵」

 

「お久しぶりです、グレモリー卿」

 

 僕は確かに子供だけど、正式に当主の座に就いているから、今挨拶しているグレモリー公爵はこういう場でちゃんと扱ってくれる。……でも、そうじゃない人達も居る。

 

 さっきから聞こえないふりをしているけれど、僕をデミウルゴスやエミヤの傀儡って言う人達。僕は確かに未熟だから仕方ない。でも、僕や領地の為に頑張ってくれている皆を悪く言われるのは嫌だ。でも、此処で怒ったら駄目だよね……。

 

 

「よっす! 元気にしてた?」

 

「お久しぶりですね」

 

「あっ。リンさんにラニさん」

 

 ツインテールの赤いドレスのリン・シャックスさんと褐色の肌のラニ・ダンダリオンさん。昔から何かとお世話になっている人達で……姉様の友達だった人達。

 

「……にしても煩い奴らよね。私がしめておこっか?」

 

「えっと、止めた方が良いんじゃないかな?」

 

「そうですよ、ミス・シャックス。……ああいう輩は裏から手を回して潰すべきです」

 

 この二人の前だとついつい崩れちゃう。姉様が当主になる前は互いに行き来してたし、その時は僕も連れて行って貰ってたから。

 

 

「まっ、何かあったら相談しなさいよ?」

 

「では、私達は此処で……」

 

 少し言葉を交わした後、二人とは別れる。また大侯爵として振る舞いながら挨拶をする事数十分。少し気疲れしてきた時、不意に背後から肩を叩かれて、振り返ったら抱き寄せられる。顔に柔らかい物が押し当てられてい切っが苦しかったけど……良い匂いがした。

 

 

「久しぶりですわね、レラジュ。あら? 少し背が伸びました?」

 

「おいおい、レイヴェル。離してやらなきゃ返事も出来ねぇだろ」

 

「えっと、久しぶりです。ライザーさんにレイヴェルさん」

 

 僕に親しみの篭った笑みを向けてくるこの二人はフェニックス伯爵家の三男のライザーさんと長女で……僕の婚約者のレイヴェルさん。今日はこの二人に会えるのが一番楽しみだったんだ。

 

 

 

 

「へぇ。新しい眷属が出来たのかよ。……でも日本人だろ? 身分とかよく分かっちゃねぇんじゃねーの?」

 

「其の辺はエミヤがちゃんと教えるって言ってたよ。それに凄いんだ。スカサハのテストに一発合格したんだって。そういった精神面は目を見張る物があるって言ってたから、明日から本格的に修行を付けるって」

 

「あら、それは凄いですわね。お兄様なんてナンパしようとして……」

 

「おいおい。その事は言わない約束だろうが」

 

 やっぱりこの二人と話すのは楽しい。……後ろのデミウルゴスが言葉使いに対して目を光らせているから後が怖いけど。

 

 取り敢えず一誠は限界まで力を倍加させた後、通常時の限界の重りと走りきれる距離を倍加分増やして走らせるって言ってた。怖いなぁ。倍加したって一時的に出力が上がるだけで負担は掛かってるのに。でも、一誠は出来るだけ早く強くならなきゃいけないから仕方ないよね?

 

 ドラゴンは戦いを引き寄せるし、戦いに負けたら死が待ってるもん。……嫌だなぁ。出来れば戦いから遠ざけてあげたいのにさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

 パーティから帰って僕も勉強前に修行を付けて貰おうと向かってみると一誠が重りを付けて走っていた。でも、スタートした時間から考えるともう限界を迎えているはずなんだけどなぁ。スカサハが手を抜くはずがないし。

 

「ん? ああ、理由はアレだ」

 

 スカサハは僕の視線に気付いたのかグラウンドの端っこを指さす。あっ、メイドが数人いて応援してる。

 

「頑張ってください。応援してますわぁ」

 

「あらあら、凄いですわね」

 

「格好良いっすよー」

 

 メイド達の中でも特に綺麗なのから(でも、レイヴェルさんには負ける)数人を選んだんだろうけど、何でだろう? あっ! 一誠のオーラが膨れ上がってる。

 

「奴は人参をぶら下げた方が良いみたいだからな。それに感情に左右される神器(セイクリッド・ギア)、その中でもドラゴン系と一誠の単純な性格は相性が良い。戦いの才はないといったが神器(セイクリッド・ギア)の力を引き出す才はあるしな」

 

 スカサハがそう言うんだから間違いないんだろうな。じゃあ、僕も負けないように頑張ろっと。

 

「お前は勉強もあるだろう? なら……魔力を垂れ流しにしながら三十周だ」

 

「う、うん……」

 

 それでも多いと思うんだけどなぁ。

 

 

 

 

「……所でハムスケの事を可愛い女の子だと評したのだが、何故か騙されたとか言っておったぞ」

 

「それがしは牝なのに失礼な奴でござるよ」

 

 ピンクの鼻を動かして頬をプクっと膨らませるハムスケ。……やっぱりスカサハの感覚って変だよね。エミヤも同じように言ってたっけ。

 

 

「ねぇデミウルゴス。ハムスケってどう思う?」

 

「精悍な魔獣、レラィエ家の眷属に相応しいかと。この様な存在を従えている事はレラジュ様の評価に繋がる事でしょう」

 

 だよね? ライザーさん達もそう言うのに、スカサハやエミヤって変わってるなぁ。

 

 

「……四十周だ」

 

「なんで!?」

 

「さて、今日はこのまま走らせるとして、明日は筋肉痛だろうから座学が中心だな。無論、倍加の力をコントロールする為の修行も兼ねるが。デカいだけの力などが通じるのは二流までだ」

 

 だからお前も頑張れと背中を押されながら僕も走り出す。そうしたらメイド達の応援が僕に集中して一誠のオーラが小さくなっちゃった。

 

 

 

「頑張って、一誠。眠っているドライグの意識を覚醒できたら僕からご褒美があるから」

 

「う、うっす!」

 

 少しオーラが上がる一誠。でも、やっぱり女の子の応援の方が良いんだね。

 

 

 

 

 

 

「いやいや、昨日は済まなかったね」

 

「仕方ないよ、仕事だもん」

 

 昨日、エミヤは貴族の子女相手の料理教室の講師の仕事で居なかった。でも仕事なんだから謝る必要ないのに律儀だよね。僕は今の僕にも出来る書類を終わらせながら話を進める。

 

 

「よぉ。頑張ってるか?」

 

「トシ! 仕事終わったんだっ!」

 

 ノックもなしに開いたドアから入って来た少し目つきの悪い黒髪の男の人の名前は土方十四郎、通称トシ。エミヤと同じように姉様から受け継いだ僕の眷属で駒はハムスケと同じ騎士(ナイト)。顔は怖いけど、とても強いんだ。

 

「ああ、魔境の方は特に異常無しだ。いや、彼処は異常なのが普通か? まぁいつもにくらべて異常事態とは言えねぇな。ん事よりもほれ、厨房から適当にかっぱらって来てやったぞ。オメーは餓鬼なんだからもっと食え」

 

 差し出された皿の上にはエミヤが作り置きしていた特性のケーキ。

 

 

 

 

 其れに大量のマヨネーズがかけられていた。

 

「チョコケーキ土方スペシャルだ」

 

「貴様はっ! どうやったら私の自信作を犬の餌以下にするという発想が生まれるというのだっ!?」

 

「……あぁん? 俺が折角気を効かせてアレンジしてやったんだろうが」

 

 ……うーん、この二人、相変わらず仲が悪いなぁ。今の僕じゃ止められないし、書類持って避難しよっか。

 

 

 

 

「あっ、殿。何か食べ物を持ってないでござるか? それがし、少々小腹が減ったでござる」

 

「僕の執務室にエミヤのチョコケーキがあるよ」

 

 ハムスケは悪食だし、超が付くマヨラーのトシと好みが合うし大丈夫。

 

 

 

 

 

 

「あっ、一誠も今帰り?」

 

「今日は心身を休める為に修行は休みだったな。親御さんとゆっくりするが良い」

 

 学校からの帰り道、向こう側を歩いている一誠を見つけて近付いて行く。最近やっと籠手から誰かのか細い声が聞こえる事があるみたいだからご褒美もそろそろだね。

 

 帰り道が同じなので一緒に帰ろうという事になった僕達が歩いていた時、反対側から小さい悲鳴が聞こえてきた。

 

「きゃっ!? あぅぅ〜。転んでしまいました」

 

 其処に居たのは金髪のシスター。年齢は一誠と同じくらいかな?

 

「大丈夫か?」

 

 慌てて近付いて行く一誠にエミヤが何か言おうとしたけど其処で止める。他の人の目もあるしね。離れた場所から話を聞いているとこの街の教会に赴任してきたらしいけど……。

 

「ねぇ、エミヤ。デミウルゴスから聞いた話じゃ」

 

「ああ、唯一の教会は廃教会で何処の支配下にもない。新しい教会ができたり改装したという話は聞かんな」

 

 僕達が小声で話す間、一誠はお姉さんと話をしている。悪魔の能力で相手に馴染みのある言葉に聞こえるんだ。

 

 

 

 

「私の名前はアーシア・アルジェントです」

 

 エミヤが小声で覚えているかと訊いてきた。ちゃんと覚えてる。デミウルゴスが言ってた。その名前は追放された聖女の名前だって。

 

 

 

 

 

 

(……さて、教会の一部の者が哀れんで匿ったのか、それとも……探ってみるか。何にせよ、レラジュに害を成すのなら……)




意見 感応 誤字指摘お待ちしています

土方十四朗 銀魂


眷属アンケートは活動報告で実地中 今拮抗しています

次回未定
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