青葉小学校編始動!
チュン、チュン……
「う……ん……」
西木野家に朝が訪れた。
目を擦りながら真姫はゆっくりと起き上がる。
「真姫ちゃ~ん」
母親の声だ。
「そろそろ、学校だから起きてね~。もう6年生何だから一人で起きれる様にならなきゃ駄目よ~。」
ピクリ
6年生?
「……………………へ?」
サッと!自分の身体を見る!
「ッ!……」
自分の身体が小学校の頃に戻っていた……。
ヴェェ!と声に出しそうになった瞬間にとある人物の言葉を真姫は思い出す。
『此れから貴女はまた小学校生活をしてもらいます』
『楽しんでね!』
(そうだったわ……クロフォードに送られんたんだった……)
真姫は『ハッピーバースデー』の世界に藤原あすかの誕生日を願うためやって来たのだ。
『移動』が成功したことを知ると真姫は「今起きた~」と年頃の返事をし朝食を取り登校の準備をした。
この『世界』に居なかったのにまるで産まれた時から此処で過ごしていたのだと言う風に様々な情報が真姫の脳内に次々に浮かぶ。
『私は青葉小学校の六年生である』
『六年二組である』
まるでコンピューターの読み込みのようだ。
早速学校に向かった。
「体調を崩しまして、田舎で静養しておりましたものですから。」
「あ、そうですか。ようするに不登校ですね。」
とびっきりの愛想笑いを浮かべるあすかの母
、静代に、六年二組の担任である黒沢修はのっけから水を浴びせた。
年齢は三十代前半で顔も整っているが、どこと言って特徴の無いさっぱりとした顔とも取れる。
「不登校児は、元々それなりの資質を持っているんですよ。ちょっと扱いが難しいなぁ。ま、嫌なら無理に来なくても良いですから。今はそういう事になっていますから。ま、やるだけやってみましょう。」
機械の様にただ淡々と心を伴わない言葉が流れてくる。
「さ、教室へ行くよ。お母さんはもう帰って良いですから」
あすかはハイ、と頷いて立ち上がり、静代はまだ笑顔がひきつっていた。
(此処が六年二組……)
今日始めて来た筈なのに今までここに生徒として授業を受けていたみたいだ。
クラスメイトも顔を見れば、名前、どういった性格の持ち主なのかそして自分とはどの程度の仲なのかがすぐ頭に浮かぶ。
「どんな子かな~」
「可愛いと良いね」
クラス内は今日来る転校生『藤原あすか』の話題で持ちっきりだ。
「……何も無きゃ良いけれど……」
大体のクラスメイトとの関係を把握した真姫は席に着く。
教室の廊下側の下から三番目の席、そこが真姫の席だ。
クスクス……
後ろから数人の笑い声がする……
何なのだろうと後方を見たら『地獄』と呼ぶに相応しい光景だった。
男子と女子がとある生徒の事を取り囲みニヤニヤと笑っていたのだ。
そして確認していなかった数人の自分との関係とその者達がどんな性格なのかがすぐに頭に入ってきた。
「今日来る奴さ、もしかして『バイキン』の隣じゃね?」
「うっわー、転校初日に感染とか、カ・ワ・イ・ソ・ウ~」
「いきなりトラブル発見……」
ガラガラと教室の扉が開くと同時に、取り囲んでいた生徒達は薄ら笑いをしながら席に着いた。
「……………………」
真姫は思う、クラス目標位守りなさいと。
六年二組 クラス目標
『みんな仲よく楽しいクラス』
赤髪の少女は、少し苛立ちながら転校生の自己紹介を聞いた。