麦わらの姉   作:imuka

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残酷な描写がございます



ではどうぞ


十二話  ナミとアーロンと海軍と

   -海上レストランー

 

 ゾロの応急手当を終え、レストランに戻るとクリーク一味が狭い船に積まれて去って行ったところだった。ルフィを見ると海に落ちたらしく濡れて意識を失っている。海から引き揚げたサンジにお礼をいい、ルフィの怪我の具合を見る。結構怪我をしているが致命傷ではないようだ。

 その様子に少しホッとしたフィルナはゼフに話しかける。雑用の件を説得しようと思ったのだがどうやらルフィのほうからクリークを追い出したらやめていいと条件を出したらしく無事追い払ったので雑用はやめることになった。後はコックとして誘うサンジなのだがどうやらここでコックを続ける決意は固い。

 ひとまずルフィが意識を取り戻すまで待つことになった。半日がたち、ルフィの意識が戻るとルフィは再びサンジをコックに誘う。あきらめきれないルフィと引かないサンジを見て、ゼフが”いっちまえ”と突き放すようにいう。

 二人はまたもめはじめる。

 ”二人とも素直じゃないんだから”と、フィルナはそんなことを思いながらゼフとサンジのやりとりを見ている。

 サンジがくそっといい部屋を出ていくとゼフがルフィに”連れて行ってやってくれ。あいつの夢なんだ”と言われるが、ルフィはサンジの口から聞くまでは納得できないから無理には連れていけないと尤もな意見を言う。

 

「ゾロに対しては半ば脅迫だった気がするんだけど。」

 

 とフィルナは思わずルフィに突っ込みを入れるがそんなことねぇよと笑っていた。その後ゾロも目を覚ましそろそろ出航しようとフィルナが促す。ルフィもそれに肯き、ゼフやコックたちにあいさつをする。サンジにあいさつをしようとしたところサンジが”俺もつれていけ”と言い出した。

 恐らく先ほどの話が聞こえていたのだろう。

 ”そうまでして俺をおいだしたいんだろう”とまた素直じゃないセリフを言うサンジに少しため息をつき、ゼフもやはり素直じゃない返しをする。

 荷物をまとめるから少し待ってくれといったサンジをG・メリー号で待った。

 鞄を持ったサンジが出てくる。二人のコックがサンジに攻撃を仕掛けるが瞬殺。船に乗り込もうとするサンジにゼフが声をかける

 

「サンジ、風邪ひくなよ。」

 

 その言葉を聞いたサンジは涙をこぼしながら土下座し大声でいう。

 

「オーナーゼフ!!長い間、くそお世話になりました!このご恩は一生忘れません!!」

 

 ゼフも涙を浮かべてるとコックたちが次々と”さみしいぞ”などとワンワン泣き出す。そんな彼らに”また逢おう!”とサンジは言うと船に乗り込み出航した。

 レストランが見えなくなるまで涙を浮かべていたサンジにフィルナはハンカチを渡し”いい人たちだね”と優しく微笑んだ。

 

 

 

 

   ー海上ー

 

 

 コノミ諸島へ船を進めること少しナミが少し言いずらそうに話を切り出した。

 

「少し……、聞いてほしいことがあるの。」

 

 そしてナミは自身の身の上を話し始めた。話すにつれてどんどん苦痛の顔になっていく。それでもナミは最後まで話した

 

「故郷を…救いたい……!自由…に……なり…たい!」

 

 そこまで言うとナミは大粒の涙をこぼした。フィルナはナミを抱きしめる。なにも言わずただただ抱きしめ頭を撫でる。ナミがフィルナを抱きしめ返し言う。

 

「ほんとは皆にアローンと戦ってほしくない。こんな私を、素性もよくわからない人間を仲間って呼んでくれて。こうして抱きしめてくれる人達が傷ついてほしくない。」

 

「関係ねぇよ。」

 

 ルフィがさらりと言う。ナミは少し顔を上げルフィを見た。

 

「仲間が助けてって言ってるんだ。助けんのは当然だろ?」

 

 仲間たちが同意する。黙っていたフィルナがナミに声をかける。

 

「大丈夫。もう独りなんかじゃないから。」

 

 ナミはそれに肯きながらフィルナの胸に顔を埋めた。

 

 

 

 

   -コノミ諸島 ココヤシ村ー

 

 

「とりあえずゾロを医者に見せたいね。」

 

「そうね、村にドクターがいるわ。あいつらが誰かくる前に見せちゃいましょう。」

 

 ゾロは寝てれば治ると言い張ったがあの傷で動いているほうがおかしいので無理やり連れて行き見てもらうことにした。

 

「ゾロは留守番ね。」

 

「なに!俺もいくぞ!?」

 

「だめ、全治2年って言われたでしょ。今回は休んでいなさい。」

 

 そこまで言うとフィルナは紐でゾロをベットに縛り付けた。

 

「ドクター、この馬鹿が動かないようにお願いします。」

 

「本当に行くのか!?アーロンパークに!?」

 

「もちろん、仲間の涙を見てほっとける性質じゃないから。」

 

 ルフィ、フィルナ、ウソップ、サンジが出ていく。ナミがその後ろについてきた。

 

「私もいく!自分のことだもの。」

 

 その一言に住人達も反応する

 ”俺たちの村だ!人任せになんてできない!”

 そんな住人達を少し困りながら見ていたが決断したようにフィルナがいう。

 

「来てもいいけど邪魔しないでね。」

 

 こうしてゾロをベットに放置し、ルフィたち一向はアーロンパークに向かった。

 

 

 

   -アーロンパークー

 

 

 入り口の扉をゆっくりと開け、後ろの住人たちに”そこにいてね”と告げる。扉を開けるとそこには多くの魚人たちがいた。魚人たちの視線が集まる。

 椅子に座っていた魚人が話しかける。彼がアーロンの様だ。

 

「なんのようだ。」

 

「反逆よ。」

 

 住人の代表としてナミが答えた。

 

「私たちはもうあんたには従わない!」

 

「くっはっはっは!全員ここで死ぬ気か!」

 

「死ぬのはお前らだ!」

 

ばきっ!

 ルフィがそういうと駆け出し数人の魚人を吹き飛ばした。フィルナ、サンジ、いつも間にかいたゾロもそれに続く。

 

「我が同胞を!?」

 

 ウソップが”俺の指示通りだな”などと言いながら後ろからくる。

 

「休んでなさいって言ったはずよ。」

 

「俺だけ寝てるわけにもいかにだろ。」

 

 ゾロの頑固さに少し呆れながらもひとまずそこにいることを認めた。余裕をこいているフィルナ達にイライラしながらアーロンが叫ぶ。

 

「よほど死にたいらしいな!ハチ!」

 

「あいよ!いでよ!巨大なる戦闘員よ!」

 

 ハチと呼ばれたタコの魚人がラッパのような音を鳴らすと牛の怪獣が海から出てきた。他の魚人たちも仕掛けてくる。フィルナが小声で”雑魚が”とつぶやくと消えた。

”霞斬り”

 フィルナは幹部と思われる三人の前に二刀を抜刀して立っていた。次の瞬間、攻撃を仕掛けてきた怪獣を含む魚人が倒れた。

 

「「んな!?」」

 

 住人やアーロンから動揺が走る。

 

「あの程度なら、東の海でもいるよ。」

 

 ルフィは少し背筋に寒気を感じた。フィルナの様子が変だ。怒ると怖い姉ではあるが、あの状態の姉を見たことはない。

 ”ルフィ。アーロンもらうから”と告げるとフィルナは幹部の横をスタスタと通り過ぎて行こうとする。エイの魚人がそれを殴って止めようとする。

 

「おい、魚マン。レディを殴ろうとしてんじゃねぇよ。」

 

 サンジがそれを止める。ルフィがキスの魚人をウソップ、ゾロがハチと呼ばれたタコの魚人と対峙している。フィルナはそれらの様子に特に気にすることなくアローンの前まで来た。

 

「女が一人、俺に勝てると思っているのか?」

 

「雑魚ほどよくしゃべるっていうけどまさにその通りなのかな?」

 

「てめぇ!」

 

 アーロンが噛みついてくる。後ろではすでに戦闘が始まっている。アーロンは何度もか噛みつこうとしてくるがフィルナはすべてかわす。当たらないことを察したのか今度は手に水を持ち、投げた。それをよけたフィルナの後ろの壁が吹きとぶ。フィルナはそれを気にも留めずアーロンに斬りかかる。武装色を纏った刀がアーロンを襲う。

 しかしアーロンも武装色を纏い防ぐ。

 

「へぇ、偉大なる航路出身なだけあって覇気使えるんだ。」

 

「なめてんじゃねぇぞ!下等な生命体がァ!!」

 

 歯を口から出し両手に持ってアーロンに対し二刀でいなしていく。当たらないことにいらつき大振りになったアーロンに真影が当たる。アローンの腕が切れる。

 ”浅いな”そう判断したフィルナはアーロンを蹴り飛ばし海にブチこんだ。アーロンが海から出てくるのを待ちながら真影を鞘にしまい慣れた一刀に切り替える。

 アーロンは出てこない。周りを見るとサンジとルフィが怪我をしながらも勝利していた

 傷口が開いたゾロが倒れている。ウソップとハチはどこか遊んでいるように見える。

 アーロンが海にいるのはわかっているのだが出てこない。少し、助走をつけるようにアーロンの気配が下がるとすごい勢いで海から飛び出した。

 

「鮫・ON・DARTS!」

 

 フィルナはそれを躱した際に夜一を振った。建物に突っ込んだアーロンから悲鳴が上がる。

 

「は、鼻がぁあああああああああああああああああああああ!!」

 

 フィルナの足元にはアローンの鼻が落ちていた。ものすごい奇声と建物を破壊しながらアーロンがでかいノコギリの様なものを持って出てくる。

 

「自慢の鼻が台無しね。」

 

 もはや挑発も聞こえていないほど発狂したアーロンは乱暴に武器を振るう。フィルナはそれを夜一と真影で受け止めたが怒り狂ったアーロンの馬鹿力で弾かれてしまう。武器を弾かれ手ぶらになったフィルナに攻撃が襲う。頬と肩を少しかすめながら、アーロンの懐に入り右拳をトンッと腹に当てるとアーロンが吹き飛んだ。アーロンが吹き飛び建物にあたると支柱が壊れたのかアーロンパークが崩れ落ちた。

ボカァアアアアアン!

 住人達を含む全員が建物から離れる。一番近くにいたフィルナが逃げるのが見えなかったナミやルフィは思わず名前を呼ぶ。

 

「フィルナァぁぁぁ!?」「姉ちゃーァアアん!?」

 

 土埃が晴れると刀を拾い納刀しながら頬から出ている血を舐めているフィルナが見えた。ナミたちの視線に気が付きいつもの笑顔で微笑む。

 

「終わったよ。」

 

 その瞬間住人達から歓声が上がる。

 

「アーロンパークが落ちたぁああああああああああ!」

 

 住人達は両手を上げて喜んだ。喜ぶ住人達を見て笑顔になるルフィたちにフィルナは近づく。

 

「怪我は大丈夫?」

 

「んん?対して怪我してねぇよ。姉ちゃんこそ大丈夫かよ。」

 

「問題ないよ。ゾロ、サンジやウソップも大丈夫?」

 

 ”ああ、問題ねぇ” ”大丈夫です!お姉さま!” ”ま、まあ当然ぴんぴんしている!”

 ゾロは明らかに傷が開いており、二人は怪我をしていたが大丈夫そうだった。

 ”ゾロは無茶しすぎね”とため息をつく。そこにナミが近づいてくる。ナミは全員を抱きしめる勢いで飛びついた。

 

「…ありがとぅ。」

 

 ナミは泣いているようだった。ルフィたちは笑顔で顔を合わせていう。

 ”気にすんな”と一言。

 

 

「そこまでだ!貴様ら!」

 

 皆が喜び嬉々としている中水を差した男がいた。フィルナがその姿を見て激しい憎悪を見せた。

 

「いや、ごくろう。名もない海賊がアーロンを討ち取るとは思わなかった。だがこれでアーロンに渡すはずだった金もここにある金品もすべて私、ネズミ大佐のものだ!全員武器を捨てろ!この手柄、もら…――。」

 

 その言葉は最後まで続かなかった。突き出したネズミ大佐の左腕が宙を飛んだ。

 

「ぎゃああああああああああああああああああああああ!う、腕があああああ!」

 

 気が付くとフィルナは海兵たちの中央にいた。びりびりと怒りがルフィたちにも伝わる

 フィルナはただ冷たい顔をしていた。しかし頭は完全に沸騰していた。海兵たちがフィルナを捕えようと囲み仕掛ける。

 だが、アーロンに屈していた海兵たちが敵うわけがなく次々とやられていく。その姿はまさに鬼だった。

 全ての海兵が動けなくりなり、再びフィルナはネズミに近づいた。無い腕を押さえながら必死に逃げようとする。

 

「ひぃぃ!た、助けてくれ!嫌だ!死にたくない!」

 

 命乞いをするネズミに対しフィルナは冷たく言い放った。

 

「お前はここの人たちがそう言ったとき何もしなかったんだろ。」

 

 ネズミの顔が固まった。フィルナは続ける。

 

「何が正義だ。私はお前たちみたいなのが一番嫌いだ。正義面で何もしやしない。」

 

 ネズミの腹に刀を刺す。また悲鳴を上げるネズミ。

 

「結局お前たちは自分の都合のいいようにしかやらないんだ。まっすぐ進もうとしているやつがいるにも関わらず。」

 

 腹から刀を抜き傷口を踏む。小便をたらし、よだれと涙と鼻水を出している男に”この屑が…”と言い刀を振り下ろそうとした。それをナミやルフィたちが腕に抱きつき止めた。

 

「ストップだ、姉ちゃん。」

 

 フィルナはルフィのほうを見る。フィルナの顔は先ほどと違い泣きそうな顔だった。ナミが腰に抱きつきながら絞り出した声でいう。

 

「いいの、もう。アーロンパークは沈んだ。だからもういいんだよ。」

 

 ナミに続くように住人達もいう。

 

「そうだ、もうこれ以上戦わなくていい。君の気持ちは十分伝わった。」

 

 それを聞きフィルナはゆっくりと腕を下した。その場にいた全員がホッとする。足元にいたネズミを見ると泡を吹いて気絶していた。

 

 

 

 

 緊迫した空気がなくなり住人達は島中にアーロンパーク崩壊を知らせに駈け出した。

 その後数日間、島は解放を大いに喜んだのだった。

 

 




決めていた描写をしたらなぜかアーロンが弱くなってしまいました
強化するとかいったけど(笑)
反省はしている後悔はしていない!


フィルナ、ブチ切れ回でした
近々載せる予定のキャラ設定にも記載しますがフィルナは切れると暴走するタイプです
詳しくはキャラ設定で
またフィルナが言っていたまっすぐ進もうとしているやつとはコビーとかを指しています



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