麦わらの姉   作:imuka

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初投稿作品、始まります!!


一話  フィルナ

   

 

 

   ー偉大なる航路ー

 

 

 一人の少女が海軍の船に潜んでいた。

 少女は腰まである青みかかった黒の髪をポニーテールにして結んでいる。

 

「まさか食べ物盗んでる間に出航しちゃうなんて…。」

 

 少女、フィルナは困り果てていた。

 食べ物を盗むために海軍の船に忍び込んだのだが、慎重になりすぎたせいか、思いのほか時間をかけてしまい船が出航してしまった。

 

「どうしよぅ…。あんな場所未練はないけど…見つかったら殺されるよね…。」

 

 フィルナの故郷、ワイクスはきれいな場所であった。

 フィルナが生まれた頃は。

 

 しかし彼女が5歳の時、島に謎の病原菌が蔓延した。

 病状は高熱がでて動けなくなると、症状自体は複雑なものではなかった。

 しかし、様々な薬、治療を試したが熱が下がることなく、さらに高熱を出し死亡するというものだった。致死率100%とまで言われ、島の多くの人間が死亡した。

 

 一部、金を持っていた人間、海軍などは病原菌が移るのを恐れ、他の島へと移住していた。もちろん、フィルナ達も外の島へでていく予定だった。

 しかし出航前日、両親が病原菌に感染し、移住を断念しなければならなくなってしまった。両親は自分たちのことは放っておいて娘だけでも移住させようとしたがフィルナはそれを頑なに拒否した。

 フィルナは5歳ながらもひたすら両親を看病した。

 だがフィルナの看病は報われることなく、両親は他界してしまった。

 

 両親の遺体を土に還し悲しみに暮れてたフィルナにもついに病原菌が感染してしまう。このときすでに島の治安は悪く、それなりに裕福だったフィルナの家は強盗に狙われた。

 家にいることの危険性を察知したフィルナは、強盗が金目のものに気を取れられている間に体を引きずりながら家をでた。

 向かう場所は一つ、父親に教えてもらった秘密の洞窟。そこには保存食などが置いてあり、もしものために避難する場所として教えてもらっていた。

 誰かにばれたらだめだ、そう思ったフィルナは必死に洞窟にむかった。

 幸いフィルナは生まれつき人の気配がよくわかる子であった。その能力(チカラ)のおかげか体を引きずりながらも強盗などの犯罪者に見つかることなく洞窟まで移動できた。

 

 フィルナは洞窟についたものの、きっと死ぬのだろうと思っていた。病気にかかり助かった人間は今まで見た事がない。誰にも看取られることもなく、独りで死ぬのだろう。

 悲しくなり涙がたくさんでたが、疲れがきたフィルナはそのまま眠りについた。

 

 何日、意識が朦朧とした日が続いたのだろう。

 なんの悪戯か、フィルナは病気が完治していた。原因はわからない。ただわかるのは彼女が唯一、病気にかかり生き残ったということだった。

 だがフィルナは生きていることに絶望した。

 死んで両親に会える、そうずっと思っていたから。自殺も考えた、しかし決断することができなかった。

 刃物を首に向けると手が震えた。死にたくなかった、生きたいと強く思った。結局、死ぬことはできなかった。また、たくさんの涙がでた。

 

 数日がたち食糧は尽きかけていた。何もしなくてもお腹は減る。

 フィルナは少しだけおいてあったお金をもち洞窟の外に出た。お金の意味があるのかはわからない。

 この数日で島がどうなったかもわからない。様子を見るという意味でも町に足を踏み出した。

 

 考えていたより普通にみえる町があった。市場はでていたり買い物する人間も見えた。

 しかしどう見ても場違いな、犯罪者のようなものちらほら見えた。数日の間にいったいなにがあったのか。

 フィルナは気になり、魚を売っていた年配の女性に話を聞いた。曰く、逃げ出した海軍が本部の人間をつれ戻ってきた。

 病気を調査するといっていたが海軍が来た時を境に病気にかかるものがいなくなった。病気も自然に消えることもあるのでそういうことなのだろうと女性はいっていたが、ずいぶんと不可解だった。

 フィルナは魚を買い、女性にお礼をいい洞窟に戻ることにした。腑に落ちない内容ではあったがそれよりも考えなければいけないことができた。

 お金がない、魚を買ったが恐ろしく値段が高かった。ぎりぎり足りたがこれですべてのお金を使ってしまった。

 今後どうするかを考えながら洞窟近くまで来ると、洞窟の近くで人の気配がする。洞窟の場所がばれたのかとフィルナは息と気配を殺しながら気配のするほうへ近づい。た

そこには海兵と思われる人間と白衣をきた人間が会話をしていた。

 フィルナはそこで聞きたくない内容を耳にした。

 

「致死率はいいが何分、感染率が悪いな。」

 

「ああ、ある程度の人間は感染したが逃げ出したやつをのぞいても半分いくかいかないかってとこだな。」

 

「まだまだ改良の余地はあるな。」

 

「しかしよかったのか?途中でやめて。」

 

「かまわんよ、これ以上成果がでないから。」

 

「わかった、ならこの島からもそろそろおさらばだな。」

 

 そう会話すると男たちはどこかへ歩いて行った。フィルナは驚愕していた。

 ”あれ”は人の手で起きたものなのか。

 そしてそれは海軍が行った。

 フィルナは激しい怒りと憎悪にかられた。

 ”ふざけるな”

 ただその怒りをぶつける相手はもうそこにはいなかった。

 

 

 ”なにが正義だ”

 あの日そう思ったときから4年の歳月がたち、フィルナはもう9歳になっていた。

 あのあと海軍が島を出ていき治安が再び悪化。フィルナも犯罪に手を伸ばさなければ生きていけなかった。

 持ち前の能力と鍛えた足の速さを活かし、盗みなどをし生計を立てていた。

 時には海賊、海軍にも盗みを行った。海軍は出て行ったあと定期的に島に来る。

 ただ治安をよくするためではなく、なにか調査しているようだった。皆、何のためにくるのかと不満をもっていたがフィルナにはわかっていた。

 あの時の調査をまだしてるのだろう、と。

 

 

 そしてこの日、定期的にきた海軍の船の食糧を盗みに侵入した。

 無様にも船は出航してしまったが。

 

「あ、島を出るなら母さんと父さんのお墓にあいさつしてからがよかったなぁ。」

 

 そんなことをつぶやいていると自分に近づいてくる気配がある。

 さきほどから近くまできた海兵を後ろから奇襲し、気絶させ5人ほど近くで伸びている。もちろん縄で縛って武器を奪った。

 どうやらこの船は腕っぷしは乗っていないらしい。

 この調子でほかのやつらもノシてしまって船を奪おう。そんなことをフィルナは考えていた。

 近づいた気配は自分がいる倉庫の前の扉まで来た。さすがに5人も戻ってきていないので少し騒ぎになっているようだ。

 ”大丈夫、気配は一人、やれる”

 そう心の中でつぶやくと扉を開くのをじっと待った。しかしその気配の人物は倉庫の扉の前で止まった。

 ”なぜ入ってこない?”

 そうフィルナが疑問に思っていると

 

「そこにいるのはわかってるよぉ~、おとなしく出ておいでぇ~子猫ちゃん。」

 

 すこし語尾が長くしゃべる男の声だった。フィルナは少しドキッとしたが

 ”ハッタリだ、気づくわけがない”

 と思いそのまま身をひそめていた。

 

「出てこないならこっちから行くよぉ~。」

 

 男は扉に手をかける。フィルナはさらに気配を消そうとした。

 扉があき、長身の男が倉庫に入ってきた。男が入ってきた瞬間ものすごい速さで男の背後をとり奪った刀で首を切った。

 完全に殺ったと思った。現に刀は男の首を落とした。しかし手ごたえが小さすぎた。

 

「いやぁ~危ないねぇ~。」

 

 男の首から上は何事もなかったかのようにもどっていた。

 なぜ、と考える前に男の蹴りがフィルナを襲う。全く見えなかったが反射的に身体を守った。

ドゴンッ!

 フィルナは入口から反対の奥まで飛ばされる。

 

「かッ…げほッ…。」

 

「気配の消し方、速さ、まるで子供とは思えないけど相手が悪かったねぇ~。」

 

 男がゆっくり歩きながらフィルナに近づいてくる。

 ”意識を失うわけにいかない、死ぬその直前まで抗ってやる”

 フィルナは朦朧としながらも男を睨みつけた。

 

「おかしぃねぇ~手加減したけど意識くらいは失うと思ったんだけどねぇ~。」

 

 男は意識を失っていないフィルナを見て少し驚いた。フィルナは痛む体を無視し、再び男に切りかかる。

 

「うわああああああああああああアア!!」

 

 しかし男はよけるそぶりも見せなかった。振った刀が通りぬける。2回3回と振るがすべて通りぬける。

 そこまで振ってフィルナは気が付いた。

 ”コイツ悪魔の実の能力者だ”

 話は聞いたことはあった。実際に見るのは初めて。フィルナは戦うのやめ、逃亡を図る。

 刀を投げつけ少しでも相手の視界を奪い扉のほうへ駈け出した。そして扉に手をかけようとしたときすぐ横から声がした。

 

「遅いねぇ~。」

 

 すぐにげきれるとは思っていなかった。

 たしかに先ほど蹴られたせいで全力速は出せないにしても足の速さには自信があった。

 それを一瞬で横につかれた。再び男の蹴りが襲う。

 身体を守ることもできずフィルナは再び吹き飛んだ。床を転がり身体のあちこちを打った。

 もう意識を保つのも限界だった。

 

「子供の割には頑張ったともうけどこれで終わりだよぉ~。」

 

 殺される。フィルナは遠くなる意識の中、そう思った。

 

「そこまでだ、ボルサリーノ。」

 

 別の男が倉庫に入ってき目の前の男を止めた。フィルナはそれを認識した瞬間、意識が途切れた。

 

 




三人称って難しい


いきなり黄猿さん登場
この時はまだ大将じゃない設定です

ちなみにフィルナはルフィの7歳年上の設定です
ルフィたちの登場はもう少し後です
空島にいたアイサと同じく、生まれつき見聞色を持っています
細かい設定は少し物語が進んでから掲載する予定です


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