麦わらの姉   作:imuka

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勢いに乗って貯め書きしてあるのを放出します!

では続きをどうぞ!!


二話  海軍

 フィルナが目を覚ますとベットの上だった。自分の身体を見ると治療もされていた。

 揺れを感じているのを鑑みると、ここが船でまだ海の上だということが分かった。自分はどのくらい寝ていたのだろう。

 そんなことを考えていると男が三人、入ってきた。一人は自分と戦っていた男だ。

 

「起きたようだな。」

 

 声からこの人が戦いを止めてくれた人だろう。髪が丸く円を描き大仏のような人だ。

 彼はセンゴクと名乗った。そしてその横にいるせんべいをバリバリと食べている男、彼はガープというらしい。

 名前だけはフィルナにも聞き覚えがあった。

 

”仏のセンゴク”

 

”英雄ガープ”

 

 海軍の有名な海兵だった。そして自分と戦っていた男。戦ったといっても一方的にやられていただけだ。

 彼はボルサリーノというらしい。彼らが名乗るとフィルナも短く名前だけを名乗った。

 

「なんで私を助けたの。」

 

 少し睨みながらセンゴクに聞いた。フィルナが一番気にしていたことだった。

 

「君がまだ子供であり、海賊でないからだ。」

 

「それでも私は盗みとかもする犯罪者だよ。」

 

「まだ君は幼い。いくらなんでも子供を殺すものか。」

 

 センゴクから少し同情のような感情が読み取れた。

 

「ところで君はいつから乗っていた?」

 

「ワイクス。」

 

 フィルナが短く答えるとセンゴク達の顔が少し曇った。

 

「同情なんていらない、私はどうなるの?」

 

 フィルナは同情してほしいわけでも謝ってほしいわけでもなかった。

 ただ、家族を還してほしかった。そんなことは無理なのはわかってる。だからフィルナは何も言わない。

 少しの沈黙の後、せんべいを食べていて黙っていたガープがしゃべりだした。

 

「わしのところにこんか?」

 

「は?」

 

 フィルナは驚いた。そんなことを言われると思わなかった。

 

「ボルサリーノの話を聞いた限りだと子供とは思えない身体能力があるそうじゃないか

どうじゃ?わしのもとでそれを磨いてみないか?」

 

 突然の誘いにかなり戸惑ったもののフィルナは短くこう答えた。

 

「海軍には入らないよ。」

 

「それでもかまわんわい。」

 

 がっはっは、とガープは笑いながら部屋を後にした。

 それからフィルナはセンゴクとボルサリーノに今後について話を聞いた。

 まずこの船が向かっているのは海軍本部マリンフォードである。次に稽古は怪我が治り次第始める。稽古は船の上ではガープ、センゴク、ボルサリーノだけだが、マリンフォードについたら他の人間にも見させる。出ていきたくなったらいつでも出て行って構わない。

 次に自分の持っている能力は見聞色というものであること。ボルサリーノはピカピカの実の能力者である。自然の能力者に攻撃するには覇気という力が必要であること。

 そこまで説明されてフィルナは再び疑問に思った。

 

「なぜそこまでしてくれるの?」

 

 今度は睨みつけるのではなく困惑した顔でセンゴクに問いかけた。センゴクはニッと笑う。

 

「言っただろう、君は幼い。まだまだ選択肢はたくさんある。それに君には生きるという強い意志が感じられる。そんな子供に希望をもってほしいと思うだけだ。」

 

 フィルナは暖かい言葉をかけられ涙がでそうになったが我慢し、海軍にはこういうひともいるんだ、と考えを少し改めた。

 

 

* * *

 

 

「鬼か、あの人たちは。」

 

 マリフォードについて1年。

 フィルナの稽古はすさまじいものだった。

 新兵との百人組手。覇気というものがわかっていないのにもかかわらず自然の能力者との戦闘。ボルサリーノからひたすら逃げ回ったり、外に出たと思ったら鉢合わせた鷹の目・ミホークとの戦闘。彼女は1年で新兵から王下七武海、海軍大将の相手までさせられていた。もちろん勉学も行われた。

 しかし極端に強くなったわけではない。彼女はまだ幼く成長期であるため同年代やそこらの山賊、海賊の一人や二人ならまだしも、訓練を積んだ大人にはまだまだ勝てるわけがなかった。

 しかしフィルナの見聞色、剣技、すばやさ、反射神経には目を見張るものがあり、ミホークも筋がいいとほめていた。

 

 覇気を少し扱えるようになり自然の能力者に触れるようになったころ、ガープがフィルナにある話を持ちかけてきた。

 

「おじいちゃんなに?稽古の日じゃないでしょ?」

 

 フィルナがガープをおじいちゃんと呼ぶのはガープが呼んでほしいとフィルナに泣きつき、あまりにも駄々をこねるのでセンゴクとおつるが説得を重ねてしぶしぶ呼ぶようになった。

 本人はしぶしぶというが実はまんざらではない。

 

「うむ、実は三歳になるわしの孫が東の海におってな。」

 

「えーとルフィだっけ?」

 

「うむ、フーシャ村というところに住んでいてな。わしもたまに様子を見に行ってるんじゃがはやり一人にさせておくと不安での。」

 

「一人?」

 

 フィルナは”一人”という単語が気になった。

 

「ルフィは両親がいなくての、村の人間には見てはもらってはいるんじゃが。」

 

「自分はずっといられないから私がそこにいて面倒をみてほしい、と。」

 

 うむ、とガープはうなずいた。

 フィルナは考えた。

 対人を除けば基本的にどこでも修業はできる。ここの人たちにはよくしてもらっている。だがいつかはここを出ていくつもりだ。

 いい機会だとは思う。もちろん海軍に対する考えも少しは変わってきていた。自分はどうしたいか。

 そう考えたとき”一人”という単語を思いだしフィルナは決断する。

 

「わかった、いいよ。」

 

 フィルナは自分より幼い子供を一人にはしておけなかった。

 

「あ、でもひとつだけいい?」

 

「なんじゃ?」

 

「一回に故郷に、ワイクスに帰りたい。」

 

「寄る分には構わないがどうするんじゃ?あそこは最近さらに治安が悪いと聞くぞ。」

 

「父さんと母さんの…両親の墓参りしたいんだ、とうぶんいけないだろうから。」

 

「そうか…そうじゃな、墓参りにはわしもいこう。」

 

「一人で大丈夫だよ?」

 

「一人娘を預かってるんじゃ、あいさつ行かなきゃ失礼じゃろ。」

 

「今更じゃん。」

 

 フィルナは笑った。

 

 

 フィルナが旅立つことを決めた次の日。

 お世話になった人たち、仲の良かった人たちにあいさつをして回った。多くの人が残念がっていたが稽古をつけてもらった面々には激励とたくさんの課題をもらった。フィルナは少し苦笑いをしながらもそれを受け取り”お世話になりました”と頭を下げた。

 明日にはマリンフォードを出る。フィルナ自信、荷物はほとんどないので荷造りはすぐに終わった。

 数着の着替え、課題の紙、筋トレ道具、ミホークからもらった愛刀・夜一(ヨイチ)。読書はそれなりに好きだったのだが借り物だったのですべて持ち主に返した。1年間お世話になった部屋をきれいに掃除し、まだあいさつをしていないセンゴクのもとへ向かった。

コンコンッ。

 フィルナがノックすると中から”入れ”と声がする。

 

「失礼します。」

 

 フィルナが入るとセンゴクは書類とにらめっこしていた。

 

「相変わらず書類が片付かないんだね。」

 

「まあな、いつになってもこれは苦手だ。」

 

 少しクスッと笑ったフィルナにセンゴクはこりごりだ、と言わんばかりの顔をする。そんなセンゴクの手が止まったところでフィルナが切り出す。

 

「お礼とお別れのあいさつにきました。」

 

 センゴクは少し目を瞑るとそのまま思いふけったように語りだす。

 

「君がここにきてもう1年か……来たころとは違いずいぶん成長したな。」

 

「そうかな、自分じゃよくわからない。」

 

「成長したとも。心身ともにな。ゆえに残念だ、きっといい海兵になるだろうに。」

 

「私の意見は一年前と変わらないよ、センゴクさん。私は海軍には入らない。」

 

「なぜ?…と聞いてもいいか。」

 

「海賊にも海兵にも悪や正義があるのを知ったから。私は私の信じる道で守りたいものを守る。」

 

「それが君の正義か…。」

 

「海軍風に言うならね。」

 

 センゴクは閉じていた目を開き立ち上がるとフィルナに向け、手を差し出した。

 

「君の今後に期待しているよ。」

 

 フィルナはクスッと笑い手を取る。

 

「それはどういう意味で?…一年間お世話になりました。」

 

 握手をかわし、頭を下げるとフィルナは部屋を出る。

 次の日、フィルナはマリンフォードを旅立った。

 




黄猿が出たとおもったら今度はセンゴクにガープ
すげぇ、人間関係になってるな

フィルナはマリンフォード滞在中にクザンやロシナンテ、スモーカーなど物語に関係する海兵に出会っていたりします
クザンに関しては修業をつけてもらった一人です

初期段階でルフィたちより強くなったりしますが最強ものにはしない予定です
フィルナは素早いだけでパワーはそんなにないです

次の話にルフィが登場します



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