ではどうぞ
-海軍基地の町 シェルズタウンー
三人は店に入り食事をしていた。
「じゃ、コビーとはこの町でお別れだな。海軍に入って立派な海兵になれよ。」
「はい。ルフィさんたちも立派な(?)海賊になってください。」
コビーは少し流れた涙をふく。
「そいうえば基地にいるのかな?ゾロってやつは。」
その言葉を言った瞬間、店の客が全員ひっくりかえった。三人は頭に?を浮かべながらもすぐ気が付く。
「ゾロの名はここでは禁句みたいだね。」
「みたいですね。…そういえばさっき張り紙を見たんですけど、ここにはモーガン大佐という…。」
また客たちがひっくり返った。
これにはさすがに三人はわけがわからず、とりあえず店を出ることにした。
-海軍基地前ー
「なかなかおもしろいお店だったね。で、行かないの?コビー。」
「ぼく不安ですよ。海軍の大佐の名前を聞いてあんなに驚くなんて…。」
「なんかノリで吹っ飛んだんじゃねえの?」
ケラケラ笑いながらルフィは塀から顔をのぞかせる。
「さーて、ゾロってやつはどこかなぁ。」
「あっちのほう…かな。」
フィルナが気配のするほうに歩きだした。二人もそれについていく。進んだ先の塀をのぼり顔を出すと男が縛られていた。
「へぇー、あれがそうか。」
「あんな縛り方だと逃げようと思えば逃げれる気がするんだけど。」
コビーは”本物だぁぁぁ”とビビッている。そんな三人の会話が聞こえたのかゾロが声をかける。
「おい、お前ら。こっちきて縄ほどいてくんねぇか。9日間もこのままだとさすがにくたばりそうだ。」
二ィとゾロは口角をつりあげる。
「あいつ笑ってるぞ。」
「礼ならするぜ。そこら辺の賞金首ぶっ殺しててめぇらにくれてやる。嘘はいわねぇ、約束は守る。」
そんな会話をしていると少女が横からやってきて塀を越えていった。少女が手に持っているのはおにぎり。どうやらゾロに食べさせるために持ってきたようだった。いるあげるの問答をやっていると一人の男が海兵二人を連れてやってきた。
「おい!ロロノアぁ。弱い者いじめはよくないぞぉ。」
「ちっ…七光りの馬鹿息子が…。」
「馬鹿?調子に乗るなよ。俺の親父はかのモーガン大佐だぞ。」
モーガン大佐の息子は偉そうにいうと少女のほうをみた。
「おやおや、おにぎりの差し入れかい。」
男はおにぎりを取り食べた。
「あま!?なんだこれは!?おにぎりはふつう塩だろ!?」
「だって甘いほうがおいしいとおもって。」
”こんなもん食えるか”そういいながらおにぎりを踏みつぶした。少女は泣きながらおにぎりを見て、それを見た男は後ろにいた海兵に”塀の外へ投げろ”と指示をする。海兵は少しためらいながらも少女を塀の外に投げた。投げられたフィルナが受け止める。
男は”一か月せいぜい頑張れよ”とゾロに言い残し去って行った。
男が去った後、ルフィがゾロに近づく。
「なんだ、まだいたのか。親父に言いつけられるぜ。」
「今、一緒に海賊になる仲間を探してるんだ。」
「はん、海賊だと?でなんだ、縄をほどくから仲間になれとかいうんじゃないだろうな。」
「いや、まだ誘うつもりはねぇよ。」
「俺は別にお前に助けてもらわなくても自力で生き延びる。一か月このまま生き延びてりゃ逃がしてやるとあの馬鹿息子は約束してくれた。俺は生き延びてやりたいことを成し遂げる。」
「おれじゃ一週間で餓死する自信があるけどね。」
「お前とは気力が違うんだよ。仲間探しなら他を当たれ。」
ルフィがその言葉に従いその場を後にしようとするとゾロが声をかける。
「ちょっとまて。それ…とってくんねぇか。」
「これ食うのか?もうおにぎりじゃなくてこれ泥のかたまりだぞ。」
「ガタガタぬかすな。落ちてんの全部だ。」
ゾロは先ほど踏みつぶされたおにぎりをバリバリと音を立てながら食べた。
「さっきのガキに伝えてくれ。うまかった。ごちそうさまでしたってよ。」
――――――――――――――
ルフィ達は少女を自宅まで連れて行く途中、先ほどの男が歩いてきた。
「おい、頭がたけぇぞ。ロロノアみてぇになりてぇか。」
住民が頭を下げている真ん中にあの男がいた。
「ああそうだ、ロロノアは3日後に公開処刑する。楽しみにしてろよ?」
「3日?」
ルフィは約束の話と違うと思い男に問う。
「一か月の約束はどうしたんだ?」
「ん?どこでそれを聞いた?んなもん嘘に決まってんだろ。そんなの守る馬鹿がとこにいるんだ。」
フィルナにはルフィからブチっと音がした気がした。
その瞬間
ドガァッ!
ルフィは男を殴った。
その行動にフィルナは”あーあ”という顔をしていた。住人が動揺する。コビーが止めに入った。
「ルフィさん!相手は仮にも海軍ですよ!?」
「しるか、何をやっててもクズはクズだ。」
「殴りやがったな…この俺を…!親父にいいつけてやるからな!!」
男はそういいながら海兵に担がれ連れて行かれた。
「あんなのもうこれ以上殴る価値すらねぇ。」
ため息をついているルフィにフィルナは声をかけた。
「これからどうするの?」
「ゾロを仲間にするよ。」
”わかった”とフィルナは返事をし、連れていた少女に”ここなら一人で帰れるね”といい少女を帰した。
「じゃ、また基地にいかないとね。」
-海軍基地 磔場ー
「よっ。」
「また来たのかよ。勧誘なら断ったはずだぜ。」
「おれはルフィ。縄といてやるから仲間になってくれ。」
「話聞いてんのかてめぇ。だれが好んで海賊なんて外道になるか。」
「いいじゃんか。元々悪い賞金稼ぎ言われてるんだから。」
「世間でどういわれてるかは知らんが俺は俺の信念に後悔するようなことは何一つしちゃいねぇ。これかもそうだ。だから海賊にもならねえ。」
「知るか!おれが仲間にするって決めたんだ!」
「勝手なこと言ってんじゃね!!」
そこでようやく塀の上で座っていたフィルナがゾロのもとへ来る。
「ごめんね?ルフィ決めたらまず意見曲げないから。」
唖然としがらゾロはフィルナが右手に持っていた刀が気になった。
「ああ、紹介が遅れたね。私はフィルナ、ルフィとは義姉弟だよ。」
「……あんた、剣士なのか?」
「違うよ。私は戦闘において剣術以外も使うから。」
「そういえばおまえ刀は?」
「とられたよ、馬鹿息子に。命の次に大切なおれの宝だ。」
「へぇー。ならおれが馬鹿息子から奪ってやる。」
「あぁ?」
「そしておれから刀を返してほしければ仲間になれ。」
「たちわりぃぞ!!」
そういってルフィは基地のほうへ行ってしまった。そんなやりとりをフィルナは笑って見ていた。
「おい!お前の弟だろ!?止めろよ1?」
「いいんじゃないかな。実に海賊らしくて。」
「んなっ…。」
「ルフィは所謂一般的な海賊のような略奪とかそういうのにあんまり興味がなくてね。強いて言うなら我儘なことぐらいで。しかも曲がったことが嫌いだから。」
「なんでその海賊行為を俺が受けなきゃならねぇ!!」
「ルフィに気に入られたから?」
”埒があかねぇ”ゾロがそんなことを思っているとフィルナが動き出す。
「私も手伝い行こうかな。」
そういうとフィルナはゾロの目の前から消えた。正確にはゾロの目ではとらえられないスピードで移動した。
-基地内ー
「刀もだけど記録指針も手に入れないと。」
フィルナが事前に偉大なる航路について調べたことがある。
まず偉大なる航路では通常のコンパスではなく記録指針を使うこと。また永久指針と言ってひとつの島のみを指すものもあること。天候が恐ろしく不安定で常識が通用しないこと。
調べてわかったのはこの3つであったが記録指針は必須。どこかで確実に手に入れなければいけなかった。
海兵はどうやら屋上に集まっているらしく静かだ。
重要そうな部屋をひとつひとつ回ったが特にめぼしいものはなかった。”どうしよう”フィルナが悩んでいるとルフィの気配が磔場へ動いた。窓から見るとずいぶんと派手にやっている。これ以上探しても意味がないと判断したフィルナは磔場に移動することにした。
-海軍基地 磔場ー
ゾロとコビーに向けて銃が放たれる。そこにルフィが割り込んで弾を弾き返した。
「きかーーーん!!」
「お前何者なんだ!?」
「俺は海賊王になる男だ!!ほら宝物。わかんねぇから3本持ってきちまった。」
「3本とも俺のさ。三刀流なんでね。」
「ここでおれと一緒に海軍に戦えば政府にたてつく悪党だ。このまま死ぬのとどっちがいい?」
「お前は悪魔の息子かよ…いいぜ、くたばるくらいならなってやるよ海賊に。」
「やったー!仲間になってくれんのかー!」
「わかったら早く縄をほどけ。」
海兵たちがモーガンの指示で切り込んできている。
「ほれ、片方とれたぞ。」
マイペースなルフィに焦るようにゾロが怒鳴る。
「早く刀をよこせ!!」
ガキィィンッ!!
十人以上の海兵がルフィたちに切りかかったがゾロにすべて止められる。
「海賊にはなってやるよ、約束だ。だがな俺には野望がある。世界一の剣豪になることだ。悪名でもなんでも俺の名を世界に轟かせてやる誘ったのはてめぇだ!もし野望を断念するようなことがあったらその時は腹を切ってわびろ!」
「いいね、世界一の剣豪。海賊王の仲間ならそれくらいなってもらわないと困る。」
「ケっ言うね。」
いつまでも抑えられている海兵に対してモーガンが”早く殺せぇ!”と発破をかける。海兵たちは一度ゾロから離れ再度切りかかる。
ルフィはゾロに”しゃがめ”と指示を出す。
「ゴムゴムの鞭!!」
ルフィは足を伸ばしそのまま横に薙ぎ払った。海兵たちが全員吹き飛ぶ。
「てめぇは一体。」
「おれはゴム人間。」
”ゴ、ゴム人間!?” ”つ、強すぎる” ”我々では手に負えません”海兵に次々と動揺が走る。そんな中モーガンが前に出てきた。
「今弱音吐いたやつは、頭撃って自害しろ…命令だぁ!!」
海兵はビビりながらも命令に従い頭に銃を向ける。
「馬鹿なことをするんじゃない。」
ドカッ!
その海兵たちを後ろからやってきたフィルナが蹴り飛ばした。蹴られた衝撃で海兵たちは気を失う。
「お、姉ちゃん。」
「子も馬鹿なら親も馬鹿か。ルフィ、早くその馬鹿大佐を倒してちゃって。」
「おう!」
「次から次へと…全員死刑だぁ!!」
「やってみろ。」
ルフィはモーガンの右腕についている斧を軽くよけて顔面に蹴りを入れる。モーガンはさらに怒り斧を振り回してくる。ルフィはそれをすべて交わし、再び蹴りをいれた。蹴りが入ったモーガンは立っていられなくなり倒れる。
ルフィが倒れたモーガンの胸倉をつかみ怒ったようにいう
「なにが海軍だ。コビーの夢壊しやがって。」
モーガンに拳を振り下ろそうとしたとき”まてぇ!!”と声がした。ルフィは構わず拳を振り落す。
「まてって言ってんだろ!この馬鹿!」
見ると馬鹿息子がコビーに向けて銃を構えていた。
「少しでも動けばコイツの頭が吹き飛ぶぞ!」
「ルフィさん!ぼくは!ルフィさんの邪魔をしたくありません!死んでも!!」
「ああ、知ってるよ。」
ルフィはコビーにニッと笑い返し馬鹿息子に拳を向ける。
「馬鹿息子。コビーの覚悟は本物だぞ。」
馬鹿息子は”う、うごくな”と狼狽えた。ルフィは構えた拳をそのまま馬鹿息子に放とうとする。
「ルフィさん後ろ!」
後ろでモーガンが斧を振り上げていた。
「ゴムゴムの銃!」
そんなこと構わずルフィは馬鹿息子に放った。
「ナイス、ゾロ。」
「お安い御用だ、船長。」
モーガンはゾロが倒していた。その瞬間、海兵たちから歓喜の声が上がる。
「やったー!!」「解放された!!」「海軍バンザーイ!!」
「大佐やられて喜んでるよ。」
ーシェルズタウン 酒場ー
「ぷはー!食った!さすがに9日食わねぇと極限だった!」
「なんだよ、一か月とか無理だったんじゃねぇか。」
「なんで俺より食が進んでるんだ。」
ゾロはルフィの頭を軽く叩いた。フィルナは店主に”すいません。ごちそうになっちゃって”などと話している。
「これからどこへ向かうつもりなんだ?」
「偉大なる航路へ向かおう。」
「まって。その前に船を手に入れなきゃ。あんな小舟じゃ絶対無理。」
ルフィの言葉にフィルナがストップをかけた。
「あとできれば航海士もほしい。私たち一般より少しできる程度しかないから。」
「んーま、確かに仲間はまだほしいな。」
「まだ偉大なる航路の入り口までいくつか島があるからそれまでに船と航海士が仲間になれば。」
「じゃあ、いくつか島をよりながら偉大なる航路へ向かおう!」
そんな話をしていると一人の海兵が入ってくる。
「君ら海賊だというのは本当かね。」
「ああ、そうだよ。」
「君らには感謝している。だが君らが海賊ということなら海軍として黙ってはいられん。即刻、町から立ち去ってもらう。せめてもの義理を通し本部への連絡は避ける。」
その言葉を聞き住人から不満の声が上がる。そんなのも気にせずにルフィたちは立ち上がり店を出ていく。コビーを残して。そんな残ったコビーをみて海兵が声をかける。
「君も仲間じゃないのかい?」
「いえ、ぼくはあの人たちの仲間じゃありません。」
「待ちたまえ。君たち。本当に仲間じゃないんだな?」
「おれ、こいつがなにしてたかた知ってるよ。」
「ルフィさん!?」
「どこの島かわかんないけどイカついおばさんのアルビダって海賊のとこで2年間…――。」
「やめてくださいよ!」
コビーがルフィを殴った。殴られたルフィは二ィッと笑い殴り返す。
「やったな!この!」
ボカッバキッ
数発殴ったところで海兵が止めに入る。
「もういい!君たちが仲間でないことはわかった!即刻町を出るんだ!」
ルフィは特に気にした様子もなくコビーから離れフィルナたちと港に向かった。
ーシェルズタウン 港ー
「たいした猿芝居だったな。あれじゃばれてもしかたないぜ。」
「あとはコビーがなんとかする、絶対。」
「何にしてもいい船出だ。みんなにきらわれちゃ後引かなくて海賊らしい。」
「だはは、そうだな。」
出航の準備をしていると後ろからコビーがやってきて敬礼する。
「ありがとうございました!このご恩は一生忘れません!」
「海兵に感謝される海賊なんて聞いたことねぇぜ。」
「しししし!また逢おうな!コビー!」
そう言ってルフィは手を振る。
ルフィたちが出航と同時に海兵すべてが集まり敬礼をする。
「いい友達をもったな。」
「はい!」
「我々の今の敬礼は海軍軍法の規律を侵すものである!よって全員一週間飯抜きだ!」
「はっ!」
こうしてルフィたちはシェルズタウンを後にした。仲間を一人”海賊狩りのゾロ”を引き込み船はゆく。
かなりカットしたつもりだけど長くなってしましました
ヘルメッポは原作で一度もルフィたちの前で名乗ってないのでずっと馬鹿息子と呼ばせておきました(笑)
フィルナを戦闘に参加させる予定でしたが見せ場を作ることができず海兵の自害を止めるという役で我慢してもらいました
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