黒色の、その瞳   作:實近はづみ

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!Attention!


雲雀さん嫌われです。
雲雀さんが女体化してます。
悪女の名前は適当です。因みに、マフィアです。
最終的にはヒバ♀ツナ

雲雀さんがめっちゃ喋ります。ツナ君限定に。

※加筆修正しました



第1話 秘密

「雲雀さんが好きなんです」

 

 

と、その一言だった。

顔を紅く染め、俯いて目をきゅっと瞑っている少女は確かに可愛いのだろう。傍から見れば。

確か転校生だったはずだ。それもイタリアからの。

雲雀に告白してきた少女は、男子が騒いでいるとおり並中のアイドルと称される京子に並ぶくらいには整った顔をしていた。

しかし、雲雀はどうしても沢田綱吉以上に心を惹かれる人物とは思えなかった。

 

この少女、金崎吉乃が。

 

つまり、彼女に魅力が感じられない。

 

「悪いけど、君に興味無いから」

 

雲雀に告白しようとした度胸だけは買ってやろうか。

そう思った時、彼女が待ってください!と焦ったように叫んだ。そして、私マフィアなんです。と笑った。

その笑みは何の笑みだろうか。何かが透けて見えるようで気色が悪い。

 

へぇ、と答えると興味を持ったと勘違いしたのか、雲雀さんに負けないくらい強い人を知っているんです。と言った。こちらを向いていると確信した目で。

 

だから何なのだろうか。

 

イラつくのをどうにか抑えて、だから?と聞いた。興味無いとも。

強い人、というので雲雀が釣れると思っていた彼女は予想以上に素っ気なかった雲雀の態度に困惑していた。

 

「僕は今そんな事よりももっと面白いモノを知っているんだ」

 

言わずもがな、沢田綱吉だった。

彼は面白い。強くて弱い彼が雲雀のお気に入りだった。

 

「だから、要らない。間に合ってる」

 

腕組みしながら、金崎を睨みつけた。先程の発言は雲雀を軽んずるものだった。

そのつもりはないのだろう。

けれど、少なくとも雲雀はそう感じた。だから、雲雀の中ではそれが真実。

金崎はそれに気圧される。しかし、そこはマフィアというべきか、ただでは引き下がらない。

 

「……じゃあ、私しかいなければいいんですね?」

 

と言った。

突如、少女が制服を肌蹴させた。

 

「はぁ?……って、何してるの、君、」

 

 

 

ギィィイ、

 

 

 

雲雀の声と被るようにして、屋上の扉が開いた。

少女の顔が輝いたように見えた。

 

 

「助けてっ……!」

 

 

___は?

 

思わず雲雀は呆気に取られた。

少女が走り去った時、ふわ、と甘い香りがした。

 

「お願い!雲雀さんに襲われてっ…!」

 

何を言っているのだろうか。

というか、並盛中学校の生徒だったらわかるだろう。

そんなの日常茶飯事だと。

しかし、少女の様子から鑑みるに、どう見ても襲われたとは咬み殺す系統ではないことがわかる。

それを悟って呆れる。転校生だから雲雀にこんなことが出来るのだろうか。

 

___何、馬鹿なの?

 

 

 

「…………え、と?金崎さん?だよね?転校生の。一体何が……?」

 

 

 

もういっそ咬み殺そうかと思っていた雲雀だが、屋上に来て彼女にすがりつかれた相手に目を見張った。

 

「ヒ、バリさん?」

「……沢田綱吉」

 

なんてタイミング。

この金崎とかいう女が呼び出したのだろうか。

 

「と、とりあえず保健室行きなよ。ね?」

 

それで何を勘違いしたか、う、うんっ、ありがとう……などと少し俯いて。肩を震わせて。雲雀からすればくだらないと一笑に付す演技だったが、はたと思う。

 

これは、違う解釈をされたのではないかと。

 

微かに雲雀の眉根が寄った。

別に雲雀はこの事でなんと言われようがなんとも思わないが、お気に入りである沢田綱吉から勘違いも甚だしいほどの勘違いをされるのは、なんというか、面白くない。

ちら、と見る。

 

沢田綱吉が金崎を送り出した。

話はよくわからないけど、男といるのは嫌だろうからだとか。一応目撃者だろうから風紀に行って話してくるだとか。

いつもの綱吉からすればすんなり出てこないだろう言葉だった。

 

____この子は、いつの間にこんなに口が回るようになったのだろうか。

 

そうしてなんとか金崎を送り出した綱吉が、しばらくその背を見ていたが、やがて溜息をひとつ吐いてこちらを向いた。

きゅ、と雲雀の眉根が寄った。

 

もしかして勘違いしたのだろうか、彼女をそういう意味で襲ったと。

 

だとしたら、たいへん面白くない。まぁその時はその時なのだけれども。

 

そんな雲雀を見て怒ったと思ったのだろうか。綱吉が恐る恐ると言ったふうに、聞きたいことがあるんですけど……、と雲雀に話しかけた。

 

「あの、金崎さんと付き合ってるんですか?」

「なんで僕が付き合わなきゃいけないわけ?」

 

あんなのと。と、吐き捨てるようにいうと、ですよねー。という返事が返ってくる。

こてり、と困ったように言葉を紡ぐ綱吉は雲雀の知るいつもの綱吉だ。そんな様子が雲雀の加護欲を刺激した。

ほんとに男なのか、と度々疑ってしまう。まぁ、上半身裸の彼を何度か見かけたことがあるため、わかってはいるが。

 

「あ、あの、雲雀さん?」

「……あぁ、何?」

 

考え込んでいるのを不機嫌になったと勘違いしたのだろう。声が震えていた。雲雀が普通に返答するので怒ってないとわかったらしく、ほっとしていたが。

 

「あの、つかぬことを聞きますが」

「……何」

「ヒバリさんは同性愛者ではありませんよね?」

 

こてり、と、また首をかしげる綱吉。小動物のようだ。

だが、それより驚いたのは

 

「君、同性愛者なんて難しい言葉良く知ってたね」

「ってそこですか!?俺の質問ガン無視!?」

 

新手のイジメ!?と嘆く綱吉。小動物のようだと雲雀は頻りに頷いている。

 

「まぁ、さっきの質問に答えるなら答えはNOだよ」

 

というか、今の興味の対象のほとんどが沢田綱吉なのだが。

 

「でもどうしたの、いきなりそんなこと聞くなんて」

「え?あぁ、まぁ。……もうひとつ聞いていいですか?」

 

口に手を当てて斜め上を伺うように雲雀を見る綱吉。雲雀への答えはなんとも曖昧だった。

 

「……何」

「金崎さんも同性愛者じゃありませんよね?」

 

またそれか。

何なんだと雲雀は思う。

その質問に何があるのだと。

 

「……違うんじゃない?現に僕に告白してきたし」

「え?…それじゃ同性愛者じゃないですか」

「は?君こそ何言っ……て」

 

違和感が全身を駆け巡る。

まさか、まさか。

かっ、と目を見開くと綱吉は意味が分からないとばかりに首をかしげた。

 

「何がですか?」

「……いや、別に」

 

そんなはずは、ない。

けれど、もしかしたら、

 

「ていうか、変な人ですね。金崎さんて。女の人が女の人を襲うなんて言って」

 

何考えてるんでしょう?なんていう綱吉に、雲雀は天を仰いだ。

 

「ヒバリさん?」

「……沢田綱吉」

「はい……って、ちょ!?」

 

すぅ、とトンファーを向ける。綱吉が何か言っていたが、雲雀は聞いてない。

 

「君の情報源は誰だい?」

 

咬み殺してあげる。

そういうと雲雀は不敵に笑った。

僕の秘密を漏らした奴と君の記憶を吹っ飛ばさないとね。と。

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