ジジジジジジジジ!
文章では伝えにくい快い音が、部屋全体に響く。
少年は起き上がり、その快い音の源、PETを手に取り音を止める操作をする。
今の時代、PETはタッチパネル式なのだ
快い音が静まり返った・・・
少年はリビングルームの椅子に寝巻き姿で腰をかける。
いつもの通り、両親は居ない。
母親は仕事、父親は旅に出かけた切り帰ってこない。
少年は机に置いてあるトーストとハムエッグを口にくわえ、テレビをつける。
ニュースが映し出されていた。
「最近の世の中は平和だな。」
少年が呟くと満天の青空が見える窓に目をやった。
「それもそうだよ、十年前・・・」
アークの説明をも聞かずに少年は
「その話なら知ってるよ、十年前、光熱斗が電脳獣から世界を救った話だろ?
此処、セントラルタウンに住んでたって話を親父から聞いた時は驚いたなぁ」
「うん、でもお父さんは・・・
「ああ、5年前出かけた切りだよ」
少年の表情には憂鬱という名の雲が掛かっていた。
朝支度を済ますと、少年は急いで階段に駆け上がる。
はっきりと覚めたその瞳は、希望に満ちているようだった。
勢い良くパソコンのルータの前に立つと、いつものあの掛け声が・・・
「いくぜ!アーク!」
「いつでも良いよ!」
「プラグイン!アークexeトランスミッション!」
ネットワークに、アークの姿が構成されてゆく・・・
ピシュン!
赤い髪に異性の良い表情
両方に刀を連想させる剣を持ち
紅銀の鎧を身にまとい
炎を連想させる全身
彼こそが、アーク。
少年、炎条カイトのナビだ
「おはようございます、アークさん」
緑色をした可愛いプログラム君が朝の声をかける。
「おはよう、プログラム君」
それに対して軽く挨拶を交わした後、HPにあるワープポイントに走っていく
「それっ!」
インターネットに飛び込んだ・・・
ワープポイントからセントラルエリアに表れた彼は
目的である電脳獣の石碑と大穴を見に行くために走っていた。