つまらない
苦しい
辛い
誰でもそう思うだろう
人生とは退屈で辛くて
でも時に幸福で楽しく
そんな不思議な時間だ
ああ、僕はなにをしようとしてるんだ?
目の前には薄暗いが見慣れた部屋
自分の部屋だ
視界の端に何かが映る
それをロープだと認識したのは数瞬後
そして恐怖
苦しくて仕方なかった
数瞬後意識はなくなった
死んだのだろう
現実に絶望し全てを捨てたのか?
未練なんて多分……ない
同時にもう1人意識を手放したものがいた
手首に無数の傷を残していた少女だ
ああ、唯一やり残したことがあるとしたら
こいつを殺してなかったことか
殺すと言っても喧嘩の延長だ
いっつも騒いでバカやって
アホくさい
そう言われてそう言って
いつも殴り合いまではいかなくてもケンカをして
時には傷を舐め合うように馴れ合う
互いのミスを煽り
喧嘩になり
バカやってたな
時に本当に殺意を抱いたり
ははは、何やってたんだ?
そう自分を嘲笑する
しかし声は出ない
体は存在しないことが改めて実感させられる
数瞬後俺は暗い路地に立っていた
「……え?」
「……あれ?」
何故か俺とその喧嘩の相手『アミ』がいた
なぜ暗い路地に俺たち2人がいるのだろう
「なんでお前が…!?俺は確か首を……」
「はぁ!?自殺したの!?なんで!そんな根性無しだとは思わなかったよ!」
「るっせぇ!お前はなんでここにいるんだよ!」
路地とはいえ俺たちは周りを気にしなさすぎる
大声を出しては周りの迷惑だろう
「……リストカット」
「…うっわぁwwお前の方がマジでないわw」
「はぁ!?」
しかしこうなっては止めるすべはなく言いたい事を言い終わるまで口喧嘩は終わらない
はずだった
「なになに〜?君達うるさいよ?」
チャラい
明らかに真人間の服装ではない
「…あー、申し訳ない、ちょっと喧嘩になっちゃって、場所移します、いくぞ」
「……まあ周りに迷惑かけるの良くないしわかった」
「おいおい、そんだけ騒いでそのままバイバイはねぇんじゃねぇの?」
大男が現れて目の前に立ちふさがる
「…金とかは持ってませんよ?」
「心配するな、俺らは金なんて興味ねぇよ、イライラしてるからさ、死んでほしいの」
「……は?」
「ねーそっちのおじょーちゃん何歳よ、小学生か?w」
「……15」
「うっはwwお前身長低すぎんだろ、そっちは?」
「答える義務はないと思いますが」
「……反抗的〜、キライだなー」
「あの、なにが理由で足止めしてるんですか?もういいじゃないですか?」
「うるさいなぁ、さて相棒どうすっか」
「どうせろくな得物持ってねぇだろ、何持ってんだよお前」
「……いや何も?」
「同じく」
「なにも持ってない?格闘専門か?」
「いやそういう心得はない…けど」
「……あーそう、いーやこいつやろう」
「おいおい児ポになんだろww」
「……じゃあ殺そう、殺せば証拠は残んねぇよ」
「うっはwいいねw」
異様な雰囲気
日常生活では絶対味わうことのない雰囲気に押しつぶされそうになる
アミもこの雰囲気に恐怖と言えるであろう感覚に襲われて動けないらしい
「…おい、タイミング見て逃げるぞ」
「どこかもわからないのに大丈夫なの?」
「さあな助かれば当たりだ、大ハズレはわからん」
「大丈夫かな、私の運最底辺だよ、きっと」
じりじりと近づいてくる
「まあいいや、じょーちゃんはできるだけ傷つかねぇようにこっちこい」
アミに男が手を伸ばす
その手を掴み背後に回りアームロック
それが成功するはずだった
目から火花が散ったよ
衝撃が走った
頭蓋骨が砕け散ったような
「……ぇ?」
「……!…嘘…金属バットで…人間の頭殴るなんて……本当に死んじゃう……!」
「当たり前だろ殺すつもりでやったんだからよ」
「どーせ罪にもなりはしないんだ、かまやしねぇよ、止めさせや」
「罪にならないわけが……」
「このままにした方が苦しむぜ?」
「いいな、じゃあ放っておくか、さて、じょーちゃんはどう殺されたい?その身体は俺たちが頂いちまうけどなぁあwww」
「いや……来ないで…やめて……」
ああ
なんだろ…この気持ち
罪悪感か?俺が感じるわけもないのに
何もしてやれない
助けてやれないことに対してか?
仕方ねぇだろ
だんだん痛覚が戻ってきた
じわじわと痛みが増す
ありえない苦しさだ
ああもう……早く死にたい
そう思った
俺……何のために死んだんだろ
今度は俺は小さな部屋にいた
小さな部屋は広かった
なにもなくて広いと錯覚させた
小綺麗で誰も使ってないような部屋で
ただ奥にベッドが一つあるだけ
そのベットで俺は目覚めた
「夢、か?」
「いいや現実だ、受け入れがたい、な」
白い髭をぼうぼうに生やし
鋭い目つきをしたおじいさんがいた
「ああ、わしゃイルマってもんだよ、わしゃな、この世界に万人共通の力を与え武器を与える」
「あの、待ってください理解が追いつきません」
「そして君にも力を与える、わしゃ1人で暮らすのには飽きたから他の世界から君を連れてきてだね……ん?理解が追いつかない?そりゃあそうだ、脳がやられてるんだから」
そういいながら自分の脳を人差し指でコツコツやる
「……ああ、俺はバットで……その影響で…」
「なに言ってるの、君にそんな問題はないよ、あるとしたら阿呆だってこと」
「あほ…!?あの、初対面の相手にいくら年下だからってさすがにそれは言い過ぎじゃないですかね!?」
「だってそうでしょ、学校の成績は良くはないし、何か秀でてるわけでもない、脳が機能してないんだろうね、フル回転させたことあるー?」
「そりゃありますよ…」
「でもそれは君の限界じゃない、まあわしがどうこう言っても変わらんが、ところで君のツレ……アミちゃんだっけ?」
「……!」
そうだ、あいつは男たちにつかまって…
「彼女、大変な目にあったけどなにがあったか知りたい?大事な妹さんなんでしょ?」
「……あんた、いったいどこからどこまで知ってるんだよ」
「知ってることは知ってる、理由はあとで話そう、とても辛い話だけど、聞く?」
「……」
無言で頷いた
そうするしかなかった
言葉を出せば迷い、それを拒否しそうだから
「彼女ねぇ、腹にナイフを突き立てられちゃってさ、そのままぐったり、だけど酷いのはそこからでね、彼女で自分たちの欲を満たし始めたの、その時ね、実は彼女まだ生きてたの、痛かっただろうね、苦しかっただろうね、そんな姿をさ、君の死体は見てたの、目を閉じることはなく、ずっと哀れむような目で、そりゃあそんな姿みられても嬉しくないだろうからさ、怖かっただろうし、何より辛かったはずだよ」
「……」
言葉を発せなかった
絶句した
「因みにね、彼女は最後もう一度胸にナイフを刺されて出血多量で死んでしまった、苦しみながら、彼女はどれだけ悩んだのかな、苦しんだのかな、辛かったのかな、絶望しながら死んだんだと思うよ」
「……その男達は」
「今ものうのうとそこに巣食っているよ、だけどね、君じゃ勝てないしこの世界において敵討ちなんて無駄だよ、どうせ生き返るんだから」
「……は?」
やっぱ君頭悪いねぇ
そう言われた
この状況をリアルで体験し
ちゃんと理解できたやつにはノーベル賞なんかじゃないもっと素晴らしい賞が授与されていいと思う
初見限定な
「君は死んだの、なら何故ここにいる?」
「……幽霊?」
「あしあるよね?じゃあゾ……」
「うわぁぁぁぁ!やめて!聞きたくない!やめてくれ!そんなのになるなら消え去る方がマシだ!」
いきなり1番に苦手なワードが出たせいで飛び上がりそれを拒否する
「ああそうだったね、君はそういうの全くダメだったのか」
「……説明してください」
「まずはこの世界は死と創造の世界、生ではないのは産まれるんじゃなく創造されるから、君もこの世界に造られた」
「……ふむ」
「そして君の状態異常は死んだことで全てなくなった、ゲームでいうなら初回負けイベントかな?そのイベントのせいでおった状態異常だけど」
「ふむ」
「そして君は初回ロードが終わった、つまり今死んでも一瞬先はこのベッドだ」
リスポーン地点がここか
ベッドにリスポーンするあたりサンドボックスの超有名ゲームが思い浮かぶ
「でておいで」
白を基調とした部屋から出ればまた白を基調とした廊下
右手に向かうと大きなロビーのような場所に着く
どうやら二階らしく赤絨毯や吹き抜けのおかげで見える1階の綺麗な花が目を奪う
「わしはこーいう花はわからん、花屋に頼んで飾ってもらって以降わしはこの花の生命を止めてしまった、こんな事をしてしまってこの花々に申し訳ない、自分のエゴだ」
「……花屋泣かせですね」
生命を止められる
具体的にはどういうことができるのだろうか
「ははは、そうだな」
一階に降り花の側を通るが香りがなかった
そして奥の部屋は真っ白な中にまるで刀を作る工房のようなかまどなどのセットが並んでいた
「……これは?」
「君はさ、なにが好き?銃と刀?そっか、だけどみんな1種類しかないから仕方ない、豊富な銃火器を君は選ぶだろう、だからわしは銃火器を授けよう」
「え、え?」
数瞬後大量の銃や爆発物が降り注ぎ押し潰れそうになる
おそらくこのおじいさんはどこか抜けているのだろう
「ははは、やりすぎたか、きみにはその足りない頭のために予知と言える能力をやろう」
「予知?預言者にでもなれと?」
「ははは、さあな、そして君にもう一つ、空間をひとつやろう、物を詰め込むようだ、人は入れないから気をつけなさい」
二つ?これ俺強い?俺強い?
「まあみんなは3つくらい持ってるんだけどね、彼らは腕力と気配消し、一瞬棒状のものを鉄バットに変える、もう1人は身体強化炎魔術記憶容量を増やす」
なんだか雑なスキルの取り方してんな
「さてそろそろアミちゃんも起きるだろう、行こうか」
石田 ユウジ
17歳
ボサボサの黒髪
料理(和)皿洗い.掃除(拭)担当
石田 アミ
15歳
低身長
黒の抜けた茶髪をポニーテールにしてる
料理(洋)洗濯.掃除(掃)担当