神代凌牙はデュエルをしない   作:さらさ

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アースうううううううううう!
つれぇよ!あの最後の独白(?)とか卑怯だろ!クイーンとSOL許さん
今更だけど財前お兄様、アースが消滅(?)する時に辛そうな顔をしていたのが印象的
そらそうだよなぁ……財前お兄様とか初期の時からイグニスと関わってたんだし
後Go鬼塚は一体どこに向かっているんだ……
ちなみにVRAINSでの最推しキャラはもちろんAiちゃんです!


71/×××××VSⅣ~運命のデュエル~

クラゲ先輩が勢いよく吹っ飛び、俺達の勝利を知らせるファンファーレが鳴り響く

……それにしてもアリトと戦った時にバリアンズ・フォースパクッといてよかったわぁ

 

「シャークー!Ⅳー!小鳥から連絡が入って、いもシャの容態が良くなったって!」

 

「本当か!?」

 

「よかったー……」

 

……デュエルに勝てば解毒できるなんてリアルで考えたらありえないけど、ここは遊戯王次元だからね、しょうがないね

見学していた遊馬とミー君と合流し、バリアンズ・フォースについて質問攻めにあった……しょうがないね!(二回目)

にしても、アリト戦の時に感じたあの心臓の痛みが無く、普通にバリアンズ・フォースを使えたって事は、それは俺が普通の人間でないことの証明だ

転生者とかそんなの物ではない、もっと異質な者という証明

……ああ、そうだ、1つ思い出した

俺は喜びを分かち合う皆に背を向け、庭にある装飾のある柱へ移動した……そこには、あの遺跡で見た記憶の国にあった紋章が刻まれていた

そうか、俺は

 

「凌牙、どうしたんだ?」

 

その声で現実に引き戻される

トーマスやミー君に遊馬が心配そうに俺をみていた

 

「……なぁトーマス、明日暇か?」

 

「……ああ」

 

「え?トーマス兄様、明日は雑誌の取材があるって……」

 

「俺は明日体調不良になるからその予定はキャンセルしといてくれ」

 

「トーマス兄様……?」

 

ミー君が心配そうにトーマスを見つめている

そんなミー君を華麗にスルーし、トーマスは俺に話しかけてくる

 

「明日、だな」

 

「うん」

 

明日、俺は俺の真実を話す……そして、俺が、私が、神代凌牙として生きるか、ナッシュとして生きるか、運命を、明日決める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……で、話してくれるんだよな?」

 

「そりゃね、ここまで来てくれたんだし」

 

昨日言った通り、トーマスは来てくれた

……どちらか選べない()は、トーマスを利用して己の運命を決めようとしている

本来は自分の運命は自分で決めなくてはいけないのに……いや、良そう

どれだけ胸の内で懺悔したって、私が最低な事をしようとしている事実は変えられないのだから

 

「遺跡のNo.は七皇の人間だった時の記憶って話は覚えてる?」

 

「そりゃな」

 

「私達は最後の遺跡のNo.を回収しに向かった時、結果として私がNo.の精霊と戦うことになった」

 

「……?何が言いたいんだ?……ん?()?」

 

「その時、精霊は言ったんだ、私の記憶を呼び覚ませと、それが私からの命令だと」

 

トーマスの言葉を無視し、私は話し続ける

ごめんね、今トーマスを気遣ってる余裕は無いんだ

 

「デュエル中に私は遺跡の記憶を見た

 どこかの国で私は女王で、璃緒は巫女として生きていた……そこで、私はナッシュと呼ばれていた」

 

「は?ナッシュ……?って事は、まさか!」

 

トーマスが信じられない、といった顔をして私を見る

 

「私は、武藤マナミであり、神代凌牙であり……何等かの原因で神代凌牙として生れ落ちた……バリアン七皇の1人、ナッシュなんだ」

 

「嘘、だろ……?」

 

私は、ただじっとトーマスを見つめる……私の表情を見て、それが真実であるとわかったのだろう

トーマスは私に改めて向き直り、私に言葉を紡ぐ

 

「お前、まさか……そのことで迷ってるのか?」

 

「……」

 

「お前は神代凌牙だろ!たとえ前がどうであれ、お前はシスコンで、頭の中お花畑で……俺が傷つけた、でもそんな俺を許してくれた……俺達の仲間の神代凌牙だろ!」

 

私が依然何も言わずにいると、トーマスが俺の肩を掴み、咆哮する

それを私は止め無いし、止める権利も無い

 

「確かに私は神代凌牙だ……でも、それと同時にバリアン七皇のリーダーであるナッシュでもある……それは事実なんだよ

 私は皆の仲間だよ、それでも私はバリアンで……皆の、敵なんだよ」

 

「だから!そんなの関係ねぇって言ってるだろ!お前がバリアン七皇のナッシュだろうと、なんだろうと、お前は神代凌牙だ!俺の……俺の1番のファンだろ!?」

 

……そこは1番の親友だろ!?とか友達だろ!?って言う場面じゃないのかなぁ

少しだけ、そんな場違いな感想が出てきてくすりと笑う

私はそっと肩に置かれた手を離し、トーマスから距離を取る

 

「もちろん、私はトーマスの1番のファンだし、璃緒やブラック・ミスト以外でこんな相談できるのはトーマスぐらいだよ……ちなみに次点で遊馬」

 

「ああ……」

 

その遊馬はアストラルいないから精神不安定だし、仮に遊馬が元気だったとしてもトーマス以外に相談する気はない

 

「だから、さ……今日ここで、私は私の運命を決める、神代凌牙(人間)として生きるか、ナッシュ(バリアン)として生きるのか」

 

私はデュエルディスクを構える

トーマスは私の行動に、私がどうしたいのかを理解したみたいだ

 

「……俺が勝ったら、お前は神代凌牙として……人間として、生きてくれるんだな?」

 

「それは保証できないけど……もし万一にでも手なんか抜いたりしたら、私は一生お前を許しはしない」

 

理不尽なのはわかってる

でも、これは私にとっては必要な事なんだ

このまま生半可な覚悟で戦いを続けたら、私は神代凌牙でも、ナッシュでも、ましてや武藤マナミでも無い”何か”になってしまう

だからこそトーマスと全力でデュエルをして、私がどうしたいのか、何処へ行きたいのか……運命を、これからの未来を、私は決める

私は腰につけてあるEXデッキが入ったデッキケースをそっと撫でる

ブラック・ミストはこの中にいてもらっている……これはブラック・ミストに頼っちゃいけない、私の運命の戦いだから

 

「Dディスク、セット!Dゲイザー、セット!デュエルターゲット、ロックオン!」

 

<ARヴィジョン、リンク完了>

 

「「デュエル!」」

 

 

武藤マナミLP4000 手札5

【モンスター】

無し

【魔法・罠】

無し

 

ⅣLP4000 手札5

【モンスター】

無し

【魔法・罠】

無し

 

 

「私のターン、ドロー!私は守護神の宝札を発動、手札を5枚捨てて新たにカードを2枚ドロー!これから私の通常ドローは2枚になる

 さらに手札からSRダブルヨーヨーを召喚!ダブルヨーヨーの効果で墓地の三つ目のダイスを蘇生させる!」

 

 

SRダブルヨーヨー

 星4/風属性/機械族/攻1400

 

SR三つ目のダイス

 星3/風属性/機械族/攻 300

 

 

「私はレベル4のダブルヨーヨーにレベル3の三つ目のダイスをチューニング!

 輝く翼、神速となり天地を照らせ!シンクロ召喚!レベル7クリアウィング・ファスト・ドラゴン!」

 

 

クリアウィング・ファスト・ドラゴン

 星7/風属性/ドラゴン族/攻2500

 

 

白銀の翼を持った、シンクロ(同調)の名を持つ私の数あるエースモンスターの1体

トーマス相手にエクシーズモンスターは危険だし、この子ならEXモンスターの攻撃力を0にして効果を無効に出来る

まずはこの子で様子を見よう

 

「私はこれでターンエンドするよ」

 

 

武藤マナミLP4000 手札1

【モンスター】

クリアウィング・ファスト・ドラゴン/攻2500

【魔法・罠】

守護神の宝札(永続魔法)

 

ⅣLP4000 手札5

【モンスター】

無し

【魔法・罠】

無し

 

 

にしても手札にバージェストマカードが来なかったのは珍しいな

いつもは初手に必ず1枚か2枚は必ずいるはずなのに……それとも、私のこの迷いがカードに伝わっていつものドロー(?)じゃなくなってるのかな?

……ここは遊戯王次元だし、ありえるよねぇ

思いの強さ、カードを信じる心、デッキを信じる事、それがそのままデュエルの強さに直結する……そんな、私の好きな世界

 

「俺のターン、ドロー!俺はギミック・パペット―ハンプティ・ダンプティを召喚!

 ハンプティ・ダンプティが召喚・特殊召喚された時、手札のギミック・パペットモンスターを特殊召喚できる!俺はシザー・アームを特殊召喚する!」

 

 

ギミック・パペット―ハンプティ・ダンプティ

 星4/闇属性/機械族/攻 0

 

ギミック・パペット―シザー・アーム

 星4/闇属性/機械族/攻1200

 

 

現れたのは2体の不気味なモンスター

……どっちもレベル変動の効果は持たないモンスターだ、召喚されるのは、ランク4か

 

「俺はレベル4のギミック・パペット―ハンプティ・ダンプティとシザー・アームでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!ラヴァルバル・チェイン!」

 

 

ラヴァルバル・チェイン

 ランク4/炎属性/海竜族/攻1800 ORU:2

 

 

「ラヴァルバル・チェインの効果発動!ORUを1つ使いネクロ・ドールを墓地に送る!」

 

「させないよ、私はクリアウィングの効果発動!チェインの攻撃力を0にして効果を無効にする!」

 

 

ラヴァルバル・チェイン/攻1800→0 ORU:2→1

 

 

ギミパペは墓地から特殊召喚する者がほとんどだからね、迂闊にモンスターを墓地に送らせるわけには行かない

墓地からわらわら出てくるから、こいつも早めに処理しないと

 

「そう来ると思っていたさ、俺は手札から強制転移を発動!

 お互いに自分フィールドのモンスターを1体選び、そのモンスターのコントロールを入れ替える!俺はチェインを選ぶ!」

 

「!……私はクリアウィングを選ぶ」

 

これで私のフィールドには攻撃力0のチェインだけか

いつもなら割と取り乱す場面だけど、なぜか冷静に物事を判断できる

それは私が今この瞬間だけ、この次元で生きた神代凌牙でもナッシュでも無いからかな

 

「バトル!俺はクリアウィングでラヴァルバル・チェインを攻撃!」

 

「墓地の三つ目のダイスの効果発動!このカードを除外して攻撃を無効にする!」

 

墓地から三つ目のダイスが飛び出し、その身を挺してチェインを守る

しょっぱなから2500のダメージはきついよ

 

「俺はフィールド魔法エクシーズ・コロッセオを発動!フィールドのエクシーズモンスターの攻撃力を200アップさせ、エクシーズモンスター以外のモンスターは戦闘出来ない!カードを1枚セットしてターンエンドだ」

 

 

武藤マナミLP4000 手札1

【モンスター】

ラヴァルバル・チェイン/攻2000 ORU:1

【魔法・罠】

守護神の宝札(永続魔法)

 

ⅣLP4000 手札1

【モンスター】

クリアウィング・ファスト・ドラゴン/攻2500

【魔法・罠】

伏せ×1

【フィールド魔法】

エクシーズ・コロッセオ

 

 

露骨にシンクロとか封じて来た……!

いや、効果とかは使えるんだけど、攻撃できないのはつらいなぁ……

このデッキ割と上級モンスターが入ってるし、トーマス相手だからシンクロとかアドバンス主体にしようと思ったのに!

 

「私のターン、2ドロー!私はチェインの効果発動!ORUを1つ使い超電磁タートルを墓地に送る」

 

「させねぇよ!俺はクリアウィングの効果で効果を無効にして攻撃力を0にする!」

 

 

ラヴァルバル・チェイン/攻2000→0 ORU:1→0

 

 

うーん、手札は芳しくないなぁ……

確かに割と手札事故は起きるけど、これはいつもの手札事故と違う

やっぱり、私の迷いがもろにデッキに出ている……トーマスに手加減するなって言っておきながらこのざまなんて、笑えないな

 

「私はカードを2枚伏せてターンエンドするよ」

 

 

武藤マナミLP4000 手札1

【モンスター】

ラヴァルバル・チェイン/攻2000 ORU:0

【魔法・罠】

守護神の宝札(永続魔法)

伏せ×2

 

ⅣLP4000 手札1

【モンスター】

クリアウィング・ファスト・ドラゴン/攻2500

【魔法・罠】

伏せ×1

【フィールド魔法】

エクシーズ・コロッセオ

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はギミック・パペット―ボム・エッグを召喚!」

 

 

ギミック・パペット―ボム・エッグ

 星4/地属性/機械族/攻1600

 

 

「さらにボム・エッグの効果発動!手札のネクロ・ドールを墓地に送り、ボムエッグのレベルを8にする!

 墓地に送られたネクロ・ドールの効果発動!墓地のギミック・パペット―ハンプティ・ダンプティを除外して自身を特殊召喚!」

 

 

ギミック・パペット―ネクロ・ドール

 星8/闇属性/機械族/攻 0

 

 

レベル8が2体……そして私のフィールドには攻撃力の上がったエクシーズモンスターであるラヴァルバル・チェインが1体

……って事は来るな、トーマスの運命の糸を操る地獄人形が

 

「俺はレベル8のボム・エッグとネクロ・ドールをオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!

 現れろ、No.15!運命の糸を操る地獄からの使者、漆黒の闇の中より舞台の幕を開けろ!ギミック・パペット―ジャイアントキラー!」

 

 

No.15ギミック・パペット―ジャイアントキラー

 ランク8/闇属性/機械族/攻1500→1700 ORU:2

 

 

「そして俺はギミック・シールドをジャイアントキラーに装備する!この効果でジャイアントキラーの攻守を入れ替える!

 さらにギミック・シールドの効果発動!1ターンに1度、装備モンスターのORU×300のダメージを与える!ジャイアントキラーのORUは2つ、よって600のダメージだ!」

 

 

No.15ギミック・パペット―ジャイアントキラー/攻1700→2700/守2500→1500

 

武藤マナミLP4000→3400

 

 

ジャイアントキラーの口が開き、そこから鉛玉が私に向かって叩き込まれる

少し体勢を崩すが、問題ない……私は真っすぐとトーマスを見据えた

トーマスも、いつものデュエルでは罵詈雑言とネタが飛び交うカオスな物になるが、このデュエルでは、ただじっと私を見つめている

 

「俺はジャイアントキラーの効果発動!ORUを1つ使い、エクシーズモンスターを全て破壊しその攻撃力分のダメージを与える!」

 

チェインにジャイアントキラーの糸が無数に絡まり、ジャイアントキラーの胸部に巻き込まれていく

そのままチェインを砲弾に変え、私に向かって発射された

 

「……その効果で何回もやられてる私だよ?対策ぐらいしてある!リバースカードオープン!速攻魔法痛魂の呪術を発動!自分に効果ダメージが発生した時、発生した効果ダメージは相手が受ける!」

 

「なっ!?」

 

私に向かってきた砲弾は不自然に曲がり、そのままトーマスに着弾する

グスタフ・マックスでバーンする私が言うのもなんだけど、2000のダメージは結構大きいよ?

 

 

No.15ギミック・パペット―ジャイアントキラー ORU:2→1

 

ⅣLP4000→2000

 

 

ライフが半分消し飛んだが、トーマスは少し驚いただけで平常心を取り戻す

……さっすが極東エリアのデュエルチャンピオン様だよ

 

「……確かに、お前はバリアン七皇のナッシュなんだろうな」

 

トーマスがデュエルディスクを掲げながら話し出す

私は何も口を挟まず、その言葉に耳を傾ける

 

「今のお前は神代凌牙でもない、かと言ってナッシュでもない

 e・ラーはお前は存在しないと言っていたらしいが、それでも、俺は何度だって言ってやる!お前はここにいる!誰の代役でもない、神代凌牙はここにいる!誰が何と言おうとお前は神代凌牙だ!俺はジャイアントキラーで凌牙にダイレクトアタックだ!」

 

 

武藤マナミLP3600→1100

 

 

攻撃を受け、ゴロゴロと地面を転がる

さすがモンスターのダイレクトアタック、かなりの衝撃だったな

立ち上がり、服に付いた土を払い落とし、冷静に戦局を見極める

私が何者かを、証明するために……神代凌牙でも、ナッシュでもない、その代役でもない、ただ、私という存在を、私の運命を、証明するために……

どんな結果になろうとも、、私は、武藤マナミであった過去も、神代凌牙であった今も、ナッシュであったであろう未知も否定しない

たとえどんな結末になろうとも、私はそれを粛々と受け入れるだけだ

―――さぁ、ここからが本番だ

 

 

武藤マナミLP1100 手札1

【モンスター】

無し

【魔法・罠】

守護神の宝札(永続魔法)

伏せ×1

 

ⅣLP2000 手札0

【モンスター】

クリアウィング・ファスト・ドラゴン/攻2500

No.15ギミック・パペット―ジャイアントキラー/攻2700 ORU:1

【魔法・罠】

ギミック・シールド(装備魔法)

 →装備:No.15ギミック・パペット―ジャイアントキラー

【フィールド魔法】

エクシーズ・コロッセオ




凌牙ちゃんの1人称が私だったり、テンションが普通だったり、デュエル中に表示される名前が”武藤マナミ”なのは、現在”神代凌牙”でも”ナッシュ”のどちらとして生きるか決められて無いからです
なので神代凌牙でもナッシュでもない、武藤マナミとして戦っていいます
……というか、自分で書いてて凌牙ちゃんのコレジャナイ感がやばい、いや今は凌牙ちゃんじゃなくて武藤マナミだからこれでいいんだけど……なんか違うコレジャナイ

後今更ですがe・ラーの戦いの出来事は皆に共有されています

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