TRPGの最初はキャラを作る。誰だってそうする。俺だってそうする。
蝉名マンション 氷室家 鐘の部屋
鐘 :さぁ、入ってくれ。
4人 :おじゃましまぁす。
直美 :氷室さん、また場所提供してもらっちゃって、ごめんね。
鐘 :なに、気にするな。私もアナログゲームに染まってしまったという事だよ。
佐伯嬢より、新たなTRPGのルールブックを手に入れたと聞いてわな。気になって仕方がなかった。
綾子 :氷室はもともとハマりやすい所があるが、まぁゲームクラスタが増えるのは大歓迎だ。
楓 :う~ん。そういやぁ、世界文化大戦もニュースペース大航海大戦も美綴が誘ったんだっけか。
鐘 :うむ。英雄史大戦も由紀香から助けを求められなければ出会わなかったであろうな。
由紀香:あうぅ。あの時は勘違いしてて、ごめんねぇ。
鐘 :なに、気にするな。結果、面白いゲームに出会えたのだむしろ大歓迎だ。
楓 :で? 今回はTRPGなんだよな? どんなゲームなんだ? 前回の真・偉人転生みたいな偉人物か?
直美 :いえ。今回は全く違うものです。
綾子 :まぁ、“転生もの”ではあるんだけどな。
由紀香:あれ? 綾子ちゃんもどんなゲームか知ってるの?
綾子 :今回遊ぶゲーム自体は初見だけどな。原作のゲーム持ってんだよ。
鐘 :ほう。原作の存在するゲームなのかね。
楓 :? ゲームをゲームにしたってことか?
直美 :はい。そうです。デジタルゲームのアナログ化は稀によくある事なんですよ。
綾子 :その逆もまたしかり。だけどな。
由紀香:それで? どんなゲームなの?
直美 :それは・・・これです!
『片道勇者TRPG』!
楓 :片道? なんだ? 魔王退治に送り出される鉄砲玉か? 帰ってこないくても良い奴が送り出される。大
航海時代?
鐘 :勇者 というからには世界を救うのが目的なのだろうが、そんな英雄候補が鉄砲玉ではいかんだろう。
綾子 :ところが、マキジの言葉は半分正しい。
由紀香:えっ!?
直美 :まずは世界観の説明からしますね。
雰囲気はよくある剣と魔法のファンタジー。中世ヨーロッパ風の世界観ですね。
そこには人間と獣人が平和に時には諍いを起こしながら暮らしている世界です。
楓 :攻めてくる獣人を追い払うゲームか?
由紀香:それじゃ『片道』にならないよ?
綾子 :あぁ。問題はゲームが始まるしばらく前に魔王が復活したことだ。
この魔王は、世界を飲み込む闇を解き放った。
楓 :闇?
直美 :その名の通り、光ささない闇です。この闇は刻一刻と広がり続け、世界を飲み込んでいきます。闇に呑ま
れた者は、死に絶えるか、魔物になってしまいます。
綾子 :その運命は、勇者であっても同じだ。闇に呑まれたらアウト。
物語が始まると、闇はスタート地点であるヴィクター王の王城のすぐ西にまで迫ってる。
由紀香:逃げないと!
直美 :ですが、昼夜を問わず広がり続ける闇から逃げ続けるのは一般人には不可能です。ほとんどの人が諦めと
ともに闇に呑まれるのを待つだけです。
その状態を打破できる、かもしれないのが、皆さんに演じてもらうPC。勇者候補たちです。
綾子 :ヴィクター王は言う。
勇者よ、世界を救うため、闇に呑まれぬよう東へ旅をつづけ魔王を倒すのだ。
鐘 :ふぅむ。そうすると、よくある魔王城のような拠点に魔王が居るわけではないのか?
直美 :はい。有ったとしても場所は判りません。道中見逃したのかもと思っても引き返せば闇に呑まれます。
綾子 :魔王を倒すために、引き返すことが許されない旅を強いられる。だからマキジの鉄砲玉て表現は、当たら
ずとも遠からず。だな。
鐘 :なんとも新しい発想のゲームなのだな。
綾子 :そりゃぁ、な。原作の『片道勇者』『片道勇者+』はジャンルの欄に『強制横スクロールRPG』て書か
れてるぐらい斬新なゲームだからな。
楓 :それは新しいな・・・
直美 :まぁ、正確にはRPGの中でもローグライクて呼ばれるジャンルのゲームなんですけどね。
鐘 :なるほど。強制スクロールの理由に闇が存在する。普通のローグライクと違って、ダンジョンではなく世
界を歩き続けるという事か。
直美 :あ。それで注意事項というか説明が必要な事が1つ。
このゲームは原作がローグライクという事もあって、キャラクターが簡単に死にます。
由紀香:へっ!?
綾子 :あぁ。でも転生ものだって言ったろ? 死んだからってそれで終わりじゃない。
キャラクターが死ぬとかいろんな理由で旅を終えると、伝説ポイントがプレイヤーに与えられる。このポ
イントはキャラを創るのに必要な項目の解放に使える。
2回目以降はそうやって解放した項目も使って1回目とは違うキャラクターで闇から逃げる旅に再挑戦で
きるんだ。
鐘 :なんども死んでプレイヤーが経験を積んでクリアを目指すローグライクのシステムがそのまま再現されて
いるのか。
直美 :はい。伝説ポイントに関してはプレイヤー経験の再現ではなく、原作にもある解放要素なんですけどね。
楓 :うっし。さっそく始めようぜ。何からすればいい?
直美 :皆さんには分身となる優者候補。プレイヤーキャラクター(PC)を作ってもらいます。
と言っても手順は簡単で慣れると2~3分で完了しちゃいます。
0-1.キャラクター作成
直美(以下GM):ではまず、クラスの選択です。
まぁ、職業みたいなものですね。これを選ぶことで、初期パラメーター、レベルアップ時に成長するパラ
メーター。初期装備、所持金、レベルアップ時に習得するスキルが決定します。
鐘 :・・・? ほとんど全部ではないかね?
綾子 :まぁな。選べるクラスは・・・最初はいくつだっけ?
GM :4つですね。
攻撃力に優れた【剣士】
防御力に優れた【騎士】
旅を有利にするスキルと弓専用スキルが特徴の【狩人】
そして、理術 フォースと呼ばれる魔法が使える【理術師】
楓 :よし。剣士もーらい! 攻撃は最大の防御だぜ!
由紀香:魔法使いって面白そう。理術師にしようかな。
鐘 :では、私は騎士にするか。生き残った者が勝者だともいうしな。
綾子 :んじゃ、あたしは狩人かな。
GM :皆さん同じクラスでも良いですよ?
楓 :ん~。いいんじゃねぇ?
GM :そうですか。では次はルールブックでは特徴の選択ですけど、先にクエストを決めちゃいましょう。
鐘 :クエスト?
GM :PCがひそかに持つ旅の目的です。
由紀香:魔王退治じゃないの?
GM :もちろんそれもありますが、各PCはそれぞれ個人の目的・目標があります。これはスタート時は他のプ
レイヤーにも内緒にしてください。
クエストの一覧表がありますから、ダイスでランダムで決めてしまいましょう。
由紀香:なんか・・・魔王とか闇とか全然関係ないんだけど・・・
鐘 :私のクエストなぞ、目的ですらないんだが・・・
GM :はいはい。ほのめかすのは良いですけど、ばらしちゃダメですからね。
最後に、特徴をキャラクターシートと一緒にお渡しした伝説シートの、アンロックの項目が黒くなってる
物から2つ選んでください。
綾子 :2つか。原作になれてると少なく感じるな・・・。ま、クエストのこと考えたらこれしかないか
な・・・。
楓 :! そうか。クエスト達成しやすいように特徴を選べばいいのか。
GM :そうですね。ルールブックと順序を逆にしたのはそのためです。公式に、クエスト選択後特徴を選び直し
てよい。となっているので、先にクエストを決めました。
GM :さいごに、名前と性別を決めてキャラ作成は完了です。
さぁ、それではいよいよ世界を救う旅に出発しましょう!
一同 :おー!