NNTのくせに説明会やら面接やらで講義休むこと多かったので単位やばい。
1年のとき落としまくったから残り28単位。やべぇよやべぇよ・・・。
※セリフ多め。深夜テンションでの殴り書きです。
1年前
「ドラえもん!! 僕優勝したよ!! 優勝賞金100万円だって!! ドラえもんってば!!」
あの日僕はスポーツライフルの全国大会で優勝し、浮かれていた。自分の腕を自覚したのもドラえもんによってもたらされた冒険だし、競技をできるようママを説得してくれたのもドラえもんだ。彼がいなければ今の自分はなかっただろう。自慢してやりたくて帰りの電車でもワクワクしていたのだった。
しかし帰ってみればどうだろうか。自分たちの部屋にはドラえもんはいなかった。
「ちぇ、せっかくどら焼き食べ放題に連れてってやろうと思ったのに」
「ミーちゃんのとこにでも遊びにいったのかな」
遅くても夕ご飯には帰ってくるだろうと思っていた。しかしその予想は外れ、時計が8時を指した頃になっても彼は帰ってはこなかった。
「ママ~、ドラえもん帰ってこない?」
「なに? ドラえもんって。それはそうと今日は優勝パーティーなんだから席につきなさい。お父さんも大会あと直ぐに仕事行っちゃったけどまたすぐ帰ってきますよ」
大会では僕の晴れ舞台を見たかったのかパパも会場にきていたそうだ。しかしそんなこ
とは頭からすっぽ抜けるほどの言葉が脳内を駆け巡る。
ドラえもんの記憶が・・・ママから消えてる!?
「じょ、冗談はやめてよ! ドラえもんだよ、ほらタヌキ型ロボットの!!」
「またアニメの話? 最近は勉強もそこそこできてるようですから文句は言いませんけど、あまり夜遅くまで起きてちゃダメよ?」
「ちょ、ちょっと待ってて!!」
これはまずい状況かもしれない。急いでスマホを取り出しLINEを開く。しずかちゃんやジャイアン、スネ夫から優勝祝いのメッセージが届いていたがそれは無視して書き込む。
『ドラえもんって覚えてるよね?』
祈るような気持ちで既読を待つ。既読1、既読2、既読3
返事はまだない。
ピコン
『何言ってるんだのび太』
まさか・・・
『昨日も一緒に遊んだじゃねーか』
『どうかしたののび太さん』
『さては優勝パーティにドラえもんがいなくて寂しいのか?w』
・・・よかった。少なくともあの3人は覚えている。
何が原因だ・・・?
ドラえもんの存在と記憶が消える・・・?
考えられることはひとつしかない。
「未来が変わった・・・? !!・・・タイムマシン!」
転がるように階段を上がり、年期の入った机の前に立つ。
そっと机を開けると・・・
そこにはなんの変哲もない鉛筆や定規が転がっていた。
タイムマシンは、跡形もなく消えていた。
「ッ!! ドラ・・・・ハァ」
また嫌な夢を見た。寝袋から這い出て息を整え、夢を反芻する。シャツは冬だというのに汗でびしょ濡れだった。あの日、ドラえもんの存在が皆の記憶とともに消え、タイムマシンも消失した。でも彼と彼によってもたらされた冒険の数々は僕とジャイアン、スネ夫、しずかちゃんの記憶には鮮明に残されている。未来で、あるいは現在一体何が起こっているのか。ここ1か月は毎日考えていることが何度も脳内をよぎった。
「ヒントが少なすぎる・・・」
カーテンが閉められた窓からまだ外が暗い様子がわかる。現在時刻は午前6時だが冬は比が昇るまであと1時間はかかるだろう。
「・・・起きるか」
惰眠をむさぼる時間はいくらでもあったが体が資本のこの状況ではなるべく健康な状態を維持しておきたい。
ひと昔前までは考えられないような思考を持って、のび太は体を引きおこしたのだった。
「ッ、おはよう。の、のび太」
生徒会室、いや学園生活部の部室には先客がいた。まだ暗いので明かりをつけ雑誌を読んでいたようだ。
「おはよう胡桃」
「なんか恥ずかしげもなく名前呼ばれると腹立つな」
「理不尽すぎるでしょ」
「なんでこんな早くに起きてきたんだ?」
「こっちのセリフだよ。僕はただ目が覚めちゃったから起きただけ」
「私はいつもこれぐらい。あいつらが起きちゃうとこんな静かな時間は無くなるからな。貴重な朝の時間だ」
「確かに貴重だね」
立っているのもアレなので、彼女の対面にある椅子に腰かけるとグルメテーブル掛けに飲み物を注文しようと声をかけた。
「ホットコーヒー」
「ん? ああ、テーブルかけか。コーヒー豆ならここにもあるから淹れることもできたんだが」
瞬く間にテーブル上に現れた湯気の立つブラックコーヒーをみて、残念そうにつぶやく胡桃を見て、惜しいことをしたと思う。
「その・・・なんだ。またの機会にとっておくよ。胡桃さんは何か飲む?」
「じゃあホットミルクティーで」
「思ったより女子力高い飲み物頼むんだね」
「悪いかよ」
「昨日焼肉定食食べてたでしょ? おじさんみたいだと思ってた」
「おじさんで悪かったな!! 肉なんてよっぽどのことがないと食べられなかったんだよ!!」
「分かってる! 分かってるから落ち着いて、な?」
「ったく」
「それ、何読んでるの?」
先ほどまで胡桃が読んでいた雑誌を指さし、話題を振った。
「これか? あーファッション誌」
「僕じゃわかんないな」
「1か月間ずっと迷彩服でいた奴にわかるわけないだろうな」
「言い訳もできない・・・。ずいぶん読み込んでるみたいだけど、いつの雑誌?」
「ゾンビが現れる前だから12月だな。もう10回以上読んでる」
「娯楽は他にないの?」
「購買部にあった雑誌は少なかったし粗方読んじゃったからな。ゲーム類も持ち込み禁止だったし」
「精神的にも娯楽はあった方がいいんだけどなぁ・・・。物資調達に行ったことは?」
「ない。とりあえず切り詰めれば購買部の食料と制服で食いつなげたし。最近はもう危険域に達してたからそろそろ行かなきゃって言ってたんだけど」
「ぎりぎりで食料問題は解決したと」
「そう。本当に助かったよ」
「別に僕の成果ではないし。ドラえもんのおかげさ」
「その、どらえもんってのがのび太の親友なのか?」
「そう。ゾンビ発生の1年くらい前に行方不明になったんだけど、そのときこれを残してくれたんだ。まるでこれから何が起こるのか知っていたみたいに」
押入れの中になんの書置きもなくポツンと置かれていた秘密道具。始めは地味すぎる忘れ物だと思ったが、これのおかげで僕たちは少なくとも食べ物には困らず生き抜くことができた。
「すごい奴だったよ。きっと今も生きてる」
「・・・そっか」
「日が昇ってきたな。そろそろスネ夫たちが戻ってくるんじゃないか?」
窓の外は白んだ空が広がりはじめ、日の出までそう時間がかからない様子を見せている。今日の天気は晴れらしい。
見張りの時間は8時までだが僕たちは日が昇れば休んでいいことにしていた。大体日の出前に誰かが目を覚ますからだ。
「ふあぁぁぁ、みなさんおはようございます・・・」
噂をすれば、スネ夫と佐倉先生が眠い目をこすりながら3階へ降りてきた。
「おはようございます、佐倉先生。見張りはどうでしたか?」
「睡眠不足はお肌の大敵ねぇ~。目がショボショボする・・・」
「めぐねぇ朝弱そうだしな」
「めぐねぇじゃなくて佐倉先生ですぅ・・・」
「のび太ぁ・・・。ちょっと寝たいんだけど・・・ここ寝心地よすぎて・・・惰眠をむさぼりたい」
「じゃぁスネ夫と先生は1時間仮眠してきてください。流石に4時起きだと体がもたないでしょう」
「じゃあお言葉に甘えて・・・zzzz」
そういうと先生は机に突っ伏して寝てしまった。
「ちょ、佐倉先生ここで寝ないでくださいよ~。風邪ひきますよ?」
スネ夫が部屋で寝てくださいよと先生を揺さぶる。
「ここでねるぅ~」
「ったく・・・。先生の部屋ってどこ?」
「シャワー室の隣だけど」
「じゃあもう俺が連れていくよ・・・」
明け方からの見張りでずいぶんと仲良くなったみたいじゃないか、スネ夫。見直したぞ。
すこし鼻の下を伸ばしたスネ夫は佐倉先生を肩に担ぐとそのまま部室を出ていった。大丈夫だろうか。
「そういえば胡桃さんたちはどこで寝てるの?」
「この部屋の隣。まだりーさんも由紀も寝てるから見るなよ」
「わ、分かってるよ。そんなことしないよ・・・」
「どうだか」
若狭さんの寝顔が気になるのは本心だ。隠すけど。
「おはようのび太。恵飛須沢さん」
「おはよう胡桃ちゃん、野比君」
残念。覗く前に起きてきてしまった。
「おはよう」
「おはよー」
「スネ夫と先生と・・・丈槍は?」
「夜勤開けで仮眠中。丈槍さんはまだ寝てる。あれ、スネ夫教室にいなかった?」
「いなかったけど」
「先生背負って先生の部屋に行ったっきりか・・・」
ガタガタッと椅子が引かれる音がした。
「ま、まさかあの先生が!?」
「スネ夫の奴・・・無茶しやがって・・・」
「あーたぶんそんなことないよ。たぶん寝落ち」
「でも、でも万が一スネ夫に先越されたらお前どうすんだよ!!」
「朝からそんな話やめてよ!! 第一スネ夫にそんな度胸あるわけないでしょ!!」
「・・・それもそうだな。俺オレンジジュースとかつ丼」
「私スネ夫のキャラなんとなく把握したわ」
「私も大体わかったわ」
スネ夫ヘタレだからなぁ・・・。
「まぁ先生トスネ夫は置いといて朝食にしよう」
「私は牛乳とバタートースト」
「りーさんやっぱり朝は牛乳派だったんだ」
「そうよ? よくわかったわね」
「想像は簡単に付くって・・・。いやいやなんでもない。わたしも牛乳と・・・サンドイッチ!」
なんで胡桃がこっちをチラ見したかはわからない。
「僕はフルーツグラノーラ」
「お前はなんとなくサラリーマンみたいな食生活だよな。昨日の肉じゃがといい」
「うるさい!」
それから各々時間を潰し、9時になったころにスネ夫と先生が部室に戻り、朝食を食べ始めた。スネ夫たちが食べ終わって一服つくころが頃合いだろうと話を切り出す。
「みんな聞いてくれ。とりあえず今後の方針を話し合いたいと思う」
「それは私たちも同意見よ」
「じゃあまずは・・・」
「はいはいはい!!」
「どうぞ、丈槍さん」
「のび太君たちは学園生活部に入らないの?」
「僕たちが? でも僕たち一応別の高校生だし、いつかはここから出て行かなきゃならないよ?」
「俺たちにも一応目的があるからなぁ・・・」
「その目的っていうのは教えてもらえないの?」
「・・・この道具を持ってた親友に関することなんだ。もしかしたらこの災害にも何らかの関連があるかもしれない。危険な可能性がある以上この話はできないんだ」
「そう・・・。いいわ。今は我慢します。でも、それと学園生活部は別よ?」
「え? でも出てかなきゃならないのは同じだし・・・」
「ここにいる以上生活はするでしょ? ほら、学園生活部!」
「そんな強引な・・・」
「でものび太達って一応別教室を拠点に、つまり部室がちがうわけだろ?」
「のび太達?」
「え、なんか間違った?」
「胡桃ちゃん。いつから野比君の事名前で呼ぶようになったの?」
「え、あ、いや、その、昨日の見張りのときに・・・」
「野比君。本当?」
「え、は、はい。本当ですが恵飛s」
殺気を感じた。どこからかと思えば恵飛須沢さんあなたですか。そうか、こんな状況にあっても名前呼びは強制だと・・・そういうことかな・・・。
「えb・・・胡桃さんとは変な関係では・・・」
「ほほーう?」
駄目だ、話がこじれて進まない。
「もうこの話はやめだ!! そんなこと言ったらりーさんだって郷田さんと仲良くなってたしめぐねぇなんて骨川さんと一緒に寝てたじゃん!!」
胡桃が顔を真っ赤にして若狭さんのわかりやすい煽りに反応する。
てかえ、本当に? ジャイアンが?
「え、恵飛須沢さん!! 誤解です!! スネ夫君が寝落ちしただけなんです!!」
「私は少しでも新しい部員と仲良くなろうと努力しただけよ? 何にもおかしいことはないわ」
「ぐぬぬ・・・」
「もう、みんなおかしいよぉ。結局どうするの? 入部するの?」
丈槍さんGJ。変な空気は追い出してしまおう。
「入部します・・・。ジャイアンスネ夫もいいよね?」
「う、うん」
「おう」
別に問題はないしね。
「でも胡桃ちゃんが言ってたとおり、部室は別になっちゃうのよね・・・」
「男子学園生活部とか?」
「順当にいけばその名前が一番だけど・・・何か捻りがないわね」
「学園生活防衛部は? 軍隊みたいな恰好してるし」
「一応学園生活部の中にある分類で・・・あ、課よ。課にすればいいんだわ」
「とすると? 学園生活部防衛課?」
「俺たちがやるのは防衛だけじゃないぞ。物資調達に出ることだってあるしそれこそ周辺の安全を確保しようと思ったら侵攻やるしかない」
「あ、ぴったりの組織があるじゃん」
「なんだよスネ夫。くだらないこと言ったらぶっ飛ばすかんな」
「やめてよ。えーと、ほら、僕のパパの友達が・・・」
「御託はいいから早く言えよ!!」
ジャイアンがイライラしてスネ夫に怒鳴る。いつもの光景だな。
「か、海兵隊です」
「「「海兵隊?」」」
「ああー。殴り込みもかけるし議会承認なしで動けるからフットワークも軽い」
「ぴったりといえばぴったりか」
「でも部の中に隊だと落ち着かないよ?」
「ならこうだ。学園生活部海兵課」
「うーん・・・」
「てか名前とかどうでもよくね」
「ジャイアン・・・君ってやつは・・・」
「そうだね、もういいだろう。僕たちは学園生活防衛部。正直海兵隊だとか海兵課だのは中二病すぎるでしょ。まぁ防衛部もそうだけど・・・」
「結局初期案か」
「そもそも僕が話し合いたかったのは丈槍さんには悪いけどこれじゃない」
「何を?」
「そもそも僕たちはこの町の探索を目的にここに拠点を張ったんだけど、長期滞在するなら防備も完璧にしておきたい。そこで僕はここに、第1回外部物資調達遠征、もとい『遠足計画』を提案したかったんだ」
「「「「「「おおぉ~」」」」」」
「で、のび太。具体的には?」
「うん。さっき見せてもらった地図によるとちょっと町に出れば大型のショッピングモールがあるみたいなんだ」
暇つぶしに若狭さんから受け取った周辺地図にはしっかりとモールの位置が記されている。話によると大型のホームセンターも併設されているらしい。
「災害前に何度か行ったことあるぞ」
内部の様子が分かれば素早く移動できるだろう。胡桃には現地の移動経路を一緒に考えてもらうことにする。
「今回回収したい物資はずばりバリケードの追加、補修用の物資だ。昨日の見張り前に校内を見させてもらったけど、入り口のバリケードは頑丈なのにそれ以外に防壁が無い。もし入り口が破られたら一気に校内が占拠されることになる。だから最低でも階層ごとにバリケードを設置したい」
ここまでは僕たちの安全を確保する上で最低限やっておきたいことだ。次は意味合い的に安全マージンを厚くするためにやりたいことだろう。
「またこれも重要だ。一応グルメテーブルかけによって食料問題は解決している。現状はな。けどもしこれが何らかの都合で使えなくなったら。火事で焼けたとか、破れて使い物にならないとか。これに甘えてばかりいるといざというときどうにもならなくなる。だからせめて、1ヵ月分の保存食は用意しておきたい」
ここまで言って皆の顔を見渡す。おおむね賛成といったところか。
「あと最後に、娯楽と服を調達する!!」
「は?」
「バリケードづくりは大変だけどやっぱり暇な時間はできる。精神の安定のためにもゲームや本などの娯楽は確保しておきたい。気分転換には服も効果的らしいからそいつも確保しようと思う。僕らは迷彩服以外の普段着も欲しいしね」
「お洋服!! 私も欲しぃ!!」
「まぁ・・・気分転換も必要よね・・・」
「私は問題ないぞ」
「先生は生徒の意見を尊重しますよ」
女子は全員賛成か。
「ジャイアンとスネ夫は?」
「弾薬も特に少ないわけじゃないし問題ないんじゃね?」
「俺ものび太に賛成だ」
「よし。じゃあ今日の昼ごはんを食べたら出発しよう。それまで準備!! 解散!!」
「「了解」」
「「「「はーい」」」」
「さて。とりあえず武器の確認だ。隠密行動を重視する以上、発砲は避けたいが命には代えられない。各自素早く動けることを前提に最大の武装をすること」
「じゃあ俺はMINIMIはやめておこう。弾の消費も多すぎるし狭いとこだと取り回しがキツイ。ライフルだと残ってるのは89式と64式だけか」
「M4は僕が使っちゃってるからね」
「おいスネ夫、そいつをよこせ」
「僕はこの銃に慣れてるの!! 中学生のときからアメリカの別荘にいって毎回使ってたんだから!!」
スネ夫のM4自体は在日米軍軍人の死体から拝借したものだったが、それまで89式を使っていたスネ夫は慣れてるものがいいということでこちらに持ち替えていた。
「しゃーねーな。64式は俺にはちょっと脆すぎるし89式にするわ」
「ジャイアン前使ってたの壊しちゃったからね。のび太はいつも通り64式?」
「うん。64式がいいってわけじゃないけど7.62ミリが使える小銃が他に無いからね」
「他だとM24とかボルトアクションの狙撃銃になっちゃうからなぁ・・・。米軍のHK417とか落ちてればいいけど」
そしてスネ夫は案外銃に詳しい。それも幼いころから海外の射撃場を連れまわされていたおかげだろうか。
「日本だとHK417は米海軍のSEALsか陸自の評価部隊にしか導入されてないしそんな都合のいいことあるわけないよ。しばらくはこのままでいく」
「でもまぁ、結構のび太にはそれ似合ってると思うぞ」
「そうそう。のび太には古臭い武器のが似合う」
「そりゃないよ・・・」
確かに昔は西部劇スタイルのが多かったけどさ・・・。
「まぁいいや。武器はフルで持ってもらうけど今回は防犯ベルとケミカルライトを使ってこれをおとりにする作戦を中心にする。そのうえでこちらに近づくやつはなるべく静かに倒す。いいね?」
「生存者がいた場合は?」
「原則救助する。敵対行動をとる、または既に噛まれていた場合は攻撃対象だ。だが逃げるなら撃たない。火の粉は払うだけでいい。追撃はやめよう」
「わかった。つまりこれまで通りだな?」
「うん」
まぁうまく救出できた人なんていないんだけど・・・。助けられたと思ったら既に噛まれてたり、助けられたのに僕らに銃を向けてきたり。今回こそは助けられる人がいればいいが。
「・・・あと車両待機組を残すかどうかなんだけど」
「別に取り返しのつかない物資は残さない予定だしいなくてもいいんじゃない?」
「重機関銃がついたままだしもし他の生存者の手に渡ったら厄介だぞ」
「最悪こっちには対戦車火器がある。使い方はわからないからあとで確認する必要があるけど」
「せっかく手に入れたのにもったいないなぁ」
「四次元ポケットがあればなぁ」
車も物資も確保し放題か・・・。燃料も使わないし楽になるだろうな。
「やっぱすげぇよドラえもんは」
「無いものねだってもしょうがねぇよ。のび太、やっぱり待機は無しでいいだろ」
「分かった。なるべく目立たないところに停めて待機組は無しで」
「重機に弾は入れておくか?」
「最低限は入れて予備弾はここに置いて行こう。あと流石にバリケード用の物資は装甲車に入り切らないだろうから大型トラックかなにかを確保したい」
これまでは大量の火器弾薬を積み込むために装甲車の屋根に落下防止の鉄パイプを取り付けて無理やり積載していたが、今度はそれよりも大量の、しかも比較的大型であろう物資を運ぶのだ。装甲車では食料と娯楽を運ぶので一杯になってしまうだろう。
「モールに行けば搬入用のトラックくらいあるんじゃないか?」
「そうだね。まずはそこに装甲車を止めてトラックを確保、物資を載せて帰投しよう」
「トラックは誰が運転を?」
「本当はジャイアンに任せたいけど安全に彼女たちを運びたいからやっぱり装甲車を任せたい。スネ夫は運転下手だし僕がやるよ」
「下手で悪かったな」
「まぁいきなり装甲車運転してって言われてできる奴は少ないからなぁ。僕ら無免許だし」
スネ夫はラジコン操縦は上手いくせに実車の運転はテンでダメなようだった。僕らは一度それを命がけで体験したのだがその話は置いておこう。スネ夫のラジコンの腕はいつか僕らが無人機を使うようになってから生かしてもらうとしよう。
「あー、トラックは多分マニュアル車だと思うけどのび太大丈夫なのか?」
「え・・・」
ジャイアンの言葉に頭が固まる。想定外だ。
軍用車両とは基本的に誰でも運転できることに加え、余計な操作を必要とせず、シンプルな動作のみを要求するという点でオートマチック車の導入が優先される。その例によって、以外にも96式装輪装甲車はオートマチック車なのだ。高校生だった僕は当然マニュアル車の経験などあるはずもなく・・・。
急遽マニュアル車教習が行われることになった。机上で・・・。
ジャイアンは実家の軽トラで運転した経験があるそうです・・・。無免許なのに。
無免許でいきなり大型トラックとか死亡フラグってもんじゃないでしょ。
※私はMT普通免許です
あと96式がオートマとか言ってるのもただの想像です