自由なる種のIS物語    作:ギルオード

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結構長くなってしまいました。ギルオードです。
いや~、束さんを書くのって難しいですね。
上手く書けてるといいんですが。



最近、刀奈の出番が少ない。
知ってるかい、この人、メインヒロインの姉なんだぜ。
まあ、二部になったら、沢山活躍してもらいますから(震え声)


不穏な気配

~一夏サイド~

合宿二日目。

今日は一日全てをISの各種装備試験運用とデータ取りを行われる。

僕たち専用機持ちは、特に大量の装備が待っているから大変・・・らしい。

僕には優秀な部下たちがいるから、そんなに苦労はしない、と思う。

 

「ようやく全員集まったか。───おい、遅刻者。」

「は、はいっ!」

「そうだな、ISのコア・ネットワークについて説明してみろ。」

「は、はい。ISのコアは─────────」

 

珍しいね。

ラウラが遅刻をするなんて。

恐らくは、初めてのお泊り会みたいな感覚だったんだろう。

『兵士』という役割を行う人形から、『ラウラ・ボーデヴィッヒ』という一人の人間になったから、何もかもが新鮮に感じるんだろう。

 

「さすがに優秀だな。遅刻の件はこれで許してやろう。」

 

千冬姉、ほんの少しだけ顔を緩めたな。

・・・マドカも少しニヤついてるし。

素直じゃないな。

 

「さて、それでは各班ごとに振り分けられたISの装備試験を行うように。専用機持ちは専用パーツのテストだ。全員、迅速に行え。」

 

全員が返事をし、動き出す。

僕もスコールやオータムのいる場所へ駆け出し、合流する。

 

「蓮さん、礼子さん、僕たちも作業に移りましょう。今日でオオトリを完成させますよ。」

「「はい。」」

「完成してない武装はありますか?」

「いいえ、微調整を行うだけです。」

「………なぜ完成度が八割と言ったのですか?それなら九割でもいいのでは?」

「実は、武装テストができるほど性能が良い機体がいないのです。ゴールデン・ドーンで少しの調整は行ったのですが、ゴールデン・ドーンのスペックでは反動が大きい武装だと、テストも少ししかできず、ブースターの調整は換装できるのが、ストライクしかいないためテストが行えていません。申し訳ありませんキラ様。」

「それとキラ様、アラクネで実体弾関連の武装は大部分ができています。………そちらはあとに回してもいいかと思います。ビームの出力は、ソード、ランチャーの出力のままでよろしかったでしょうか?」

「二人ともここまでしてくれてありがとう。まずは、ブースターのチェックから始めましょう。」

 

僕はストライクを起動し、オオトリに換装する。

恐らく、純粋なスペックのみで見たら、最強のストライカーを装備しているだろう。

ブースターを吹かしながら、微調整を行う。

ジェットストライカーよりも、優れた空中戦闘能力を確保できている。

瞬時加速(イグニッションブースト)時、限定的にフリーダムに近い動きも可能になった。

とはいえ、限定的だしそこまで期待はできない。

調整中に行おうとしたが、武装が少し重すぎて、宙返りなどをフリーダムの速さでやるのはできなかった。

ただ、直線移動ならば、瞬時加速(イグニッションブースト)中のみ、フリーダムに近い速度も出せた。

そして、武装テストをしている時に、千冬姉から連絡が来た。

 

『第四世代機との模擬戦』という内容だった。

 

第四世代機・・・恐らくは篠ノ之束博士の作品か。

・・・武装の最終テストをこちらも行いたかったから、ちょうどいいかな?

とりあえず、千冬姉のもとへ急ぐ。

 

「テスト中に呼び出して済まないな、ヤマト。」

「いえ、テストは殆ど終了していて、あとは実戦データを取るだけでしたので大丈夫ですよ。」

「そうか。なら、これから第四世代機『紅椿』と模擬戦をしてくれ。」

「パイロットは誰ですか?」

「………篠ノ之箒だ。」

 

・・・なるほどね。

大方自分と想い人(龍野竜之介)の力の差があるのが怖くて、それを詰めようとして姉に頼んだってところか。

・・・もう少しISが兵器って自覚を持った方がいいんじゃないかな?

痛い目にあったんだからさ。

あれだけ無人機の騒動があるのに、本質に気づいているのは、極一部・・・クラスに十人はいないだろう。

いや、逆か。

人の入った機械と戦ったことがないから、逆に兵器という感覚が実感しにくいのか?

命を奪わないから。

 

「ヤマト、これは私のミスだ。」

「いいえ、織斑先生のミスではありません。これは彼女が選んでしまった道です。自己責任です。他人が選んだ道の責任を貴女が背負おうとするマネはやめてください。………先生だから、世界最強だからって思い上がらないでください。そういう所、先生の悪いところです。山田先生とか、絶対に心配してますよ。道を選んで進んでいくのは当人ですから。」

「学園長夫妻にも言われたよ。気を付けてるんだがな………もう少し気を付けるか。」

「では、篠ノ之さんは既に戦闘態勢に入ってますので、出撃します。」

「ああ、くれぐれもISで自然破壊とか事故とかは起こさないように。頭を下げるのは私達だからな。」

 

・・・千冬姉ぇ。

とにかく、行こう。

 

「来たか、ヤマト!」

「うん。じゃあ、篠ノ之さん。早速だけどやろうか。」

「この紅椿でお前に勝つ!!」

 

・・・機体が強くなっただけで、大口をたたくね。

舐められているのかな?

確かに彼女の生身の身体能力や戦闘技術は高い。

龍野君に勝るとも劣らないだろう。

でも、刀奈や千冬姉、スコールとオータムには劣る。

この時点で僕の方が勝率が高いし、何よりも・・・

彼女と僕とでは、空中戦闘の経験の差が大きすぎる。

仮に、篠ノ之さんが僕のストライクに乗って、僕が打鉄やラファールに乗っても一回も被弾せずに勝てる自信がある。

 

『両者、位置に着いたな。………それでは、試合開始!!』

 

二本の刀を持って、彼女が剣を振るうとそこから赤いレーザーが点や帯状で飛んでくる。

弾幕が濃ゆいだけで、全く怖くない。

空を飛びながら避けていく。

下からヤジが聞こえるが無視だ。

対戦相手とその相手の情報以外は無視をする。

 

「避けていないで貴様も攻撃をしろ!それとも、紅椿の前に恐れをなしたか?大したことないな!!」

 

そろそろかな?

僕は、海に向かって加速していく。

彼女はそれを追いかけながら、レーザーを放つ。

それを余裕を持ちながら回避する。

 

「逃げるなっ!!」

 

水面ギリギリまで加速する。

僕はそこで宙返りをして、対艦刀を抜刀し、彼女を海へ叩きつける。

 

「ぐうっ!!ごほっ!!」

 

突然海に入ったから、慌てて水を飲んだようだ。

僕は、全ての武装を構えて一斉掃射をしようとしたとき・・・

 

『試合中止だ!!ヤマト!篠ノ之!緊急事態だ!!」

 

地上では皆がISの片付けなどをしている。

急いで、千冬姉のもとに集まる。

 

「専用機持ちは全員、風花の間に集合!!篠ノ之も来い!」

 

 

 

 

 

「では、現状を説明する。二時間前、ハワイ沖で試験活動にあったアメリカ・イスラエル共同開発の第三世代型の軍用IS『銀の福音』が制御下を離れて暴走。監視空域より離脱したとの連絡があった。」

 

銀の福音のパイロットはナターシャ・ファイルス。

表舞台にいたころのオータムの弟子の一人。

そんな彼女が暴走させるとは思えない。

外部からのISコアに対するハッキングの可能性が高い。

それを行って、得をする人物は・・・

隠れているつもりか、篠ノ之束。

 

「国からの指令で緊急対応をこのIS学園で行うことになった。済まないが、お前たち学生をメインに置いた作戦をしなければいけない。………敵ISのスペックはこれだ。情報は漏らすなよ。漏れた場合は査問委員会による裁判と最低でも二年の監視がつけられる。」

 

やはり軍用IS、スペックは通常の機体よりも高い。

代表候補生はすぐさま意見を言い合う。

 

「広域殲滅を目的とした特殊射撃型………わたくしのISと同じく、オールレンジ攻撃を行えるようですわね。」

「ああ、私の鋭風やセシリアのブルー・ティアーズを上回るスペックのオールレンジ攻撃が可能………らしい。」

「攻撃と機動の両方を特化した機体ね。厄介だわ。しかも、私の甲龍を上回っているから、向こうの方が有利………」

「特殊武装が曲者って感じがするね。ちょうど本国からリヴァイヴ用の防御パッケージが来てるけど、連続して防ぐのは無理そうだ。」

「軍用の機体だから、エネルギー切れは期待できそうにないし、射撃戦になったら、実弾兵器は迎撃されたら何もできないし………」

「しかも、このデータでは格闘性能が未知数だ。持っているスキルもわからん。偵察は行えないのですか。」

「無理だな。この機体は現在も超音速飛行を続けている。アプローチは一回が限界だろう。」

「一回きりのチャンスです。皆さん、何か意見はありませんか?」

 

………難しそうで簡単な事だ。

要は全ての武装を破壊すればいいんだ。

 

「織斑先生、全機体であるポイントで待ち伏せして、一斉攻撃。そして全ての武装を破壊することを提案します。」

「ああ、私もそう思っていたところだ。しかしヤマト、出来るか?恐らく戦闘技術のみを見ればお前はこの中で一番強いだろう。お前ができないなら、この作戦は不可能に近いだろう。できたとしても搭乗者の命を奪いかねない。」

 

周りに緊張が走る。

当然だ、今までの相手は無人機だったんだから。

自分たちの命を守るのは当たり前だけど、相手の命を奪わない戦いも強いられている状況だ。

でも、世の中に絶対はないけど・・・この程度の障害を乗り越えずに何が『英雄』だ。

僕は、戦争を終わらせた英雄。自由の翼にして、守りの剣。

今までも、やってきたことだ。

だから、返す返事はただ一つ。

 

「出来ます。任せてください。」

「おい!!何を言ってんだよ!!ここは俺の出番だろ!俺の零落白夜をアイツに当てればそれで済むだろ!!出しゃばってんじゃねえよ!」

「じゃあ、誰が君を乗せて敵に接近するの?それに君は高速で移動中の機体に搭乗者を傷つけずに、零落白夜を当てる方法は?君自身の高速戦闘の経験は?………無いのかい?なら──────」

「よく言ったよ!!竜君!!」

 

天井から、うさ耳を生やした変人がいた。

 

「………山田先生、室外への強制退室を。」

「えっ!?は、はいっ。あの、篠ノ之博士、とりあえず降りてきてください………」

「ちーちゃん、ちーちゃん。もっといい作戦が私の頭の中にナウ・プリンティング!」

「……出ていけ」

「まあまあ、聞いてよ。紅椿はね、パッケージが無くても超高速機動ができるんだよ!」

 

篠ノ之博士の言葉を怪しむ千冬姉を説得するために、スペックデータを載せているディスプレイを出して、作業結果を見せている。

 

「これならソコの調子に乗ってる男なんかの作戦じゃなくて、箒ちゃんが竜君を乗せてあんなガラクタを落とせばいいんだよ。」

 

この人は今なんて言った?

人が乗っているISをガラクタだって?

人の命(彼の花)をガラクタと言ったのか?

 

「あなたの言ってることは、専用機を貰ったばっかりの自身の妹を、戦場に出すと言ってることだ!まだ空中戦闘技術が未熟のパイロットにこの任は任せきれない。言いたくはないが、彼女は少し浮かれ気味だ。こんな人を戦争に出したら死ぬだけだ。死ななかったとしても、取り返しのつかないことを犯すだけだ。」

「箒ちゃんは死なないよ。私の妹だし、強いし。それに何様のつもり?君戦場に出たことあるの?しかも、人の気持ちなんて本当に分かるわけないじゃん、ねえ箒ちゃん。」

「あ、ああ。ヤマト、私は浮かれてない。」

 

ああ、わかってしまった。

彼女とは仲良くなれない。

篠ノ之束、貴女は人のことを知っているふりをしてるんだね。

貴女は人の本質を理解してない。

闇を見た瞬間に、向き合うことを止めた、憐れな人だ。

 

「………………………」

 

千冬姉が決め悩んでいるところに、更に本国の通信がくる。

 

『本国は話し合いの結果、束様の作戦をとることにしました。そこの男は自身の部屋にでも入れておけばいいです、千冬様。』

 

まさか、総理大臣と防衛省のチームが押し負けたのか!?

 

「………篠ノ之束の作戦を…採用する。………キラ・ヤマトは自室にて……待機せよ。他の専用機持ちは失敗した時の別の作戦を展開する可能性があるため、準備せよ。」

 

・・・千冬姉、貴女のことを責めはしない。

千冬姉も『待機』と言ってくれてありがとう。

 

「失礼しました。」

 

僕はログハウスへ戻る。

 

 

 

そこで、二人が待っていた。

 

「どうしたの、スコールさん、オータム。」

「聞いてください、一夏様。銀の福音側に高速で接近してきている無人機がいます。ですが、銀の福音と合流すのにはまだかかりそうですが………」

「反対側、南側に四機の無人機の反応がある。まだ、二つともIS学園のレーダーには引っかかってないだろうが。」

「………スコール、オータム。隠蔽工作は任せてよろしいですか。」

「任せてください。」

「まずは、面倒な人工衛星のハッキングだな。」

 

僕は、オオトリを装着したストライクに乗る。

合図があれば、直ぐに飛びたてる。

 

「スコール、ハッキング終了したぞ!!いつでも良い。」

「一夏様、無理をなさらないように………。行ってらっしゃいませ。」

「行きます!!」

 

ブースターを吹かしながら、進んでいく。

反応をキャッチ。

イージス、ブリッツ、バスター、デュエルASか。

彼らが強いのは分かっているが、こちらにも時間がない。

悪いけど、やらせてもらう。

 

キラキラバッシュゥゥゥゥゥン

 

 

 




次回は戦闘回ですね。
実は、オリ主に死亡フラグが発生しています。
え、だって唯一の対抗策のキラ/一夏が別の所にいますから。
次回、オリ主死す。・・・嘘です。彼にはある役割がありますので・・・

あと、IS11巻発売するみたいですね。
設定が・・・ま、まあ、慌てる場面ではない。
宇宙を舞台にした、話は作ってある。
何とかなるはずだ。
いざって時は独自設定が・・・
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