自由なる種のIS物語    作:ギルオード

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お久しぶりです。
合否はまだですが、試験は終わったので、投稿です。
割と迷走気味な話ですが、見てください。


裏切りへのカウントダウン

~一夏サイド~

学園祭が始まる。

一般開放はしていないが、生徒たちの弾けっぷりは凄まじい。

僕たち一年一組はご奉仕喫茶を出している。

龍野君のお陰で、大成功と言っても過言ではないだろう。

始まって一時間だが、既に予定していた売り上げを越えている。

このまま行けば、黒字所か大儲けだろう。

僕は午前中だけこのクラスで働き、午後からは作戦行動に移る。

オータムが龍野君の尾行と足止めをしている間に、僕は監視役を掻い潜り、爆破テロを行う。

その後は、オータムと白式を回収し、追跡者を完膚なきまで叩きのめす。

IS学園には女性権利団体と国際IS委員会から、『インパルス』が配備されている。

千冬姉や多くの職員は使いたがらないだろうけど、僕が敵に回るんだ。

絶対に千冬姉が乗ってくるはずだ。

 

「キララン、Aテーブルからご指名だよ~」

「ありがとう、本音」

 

本音にお礼を言いつつ、Aテーブルへと向かう。

Aテーブルにいる人を見て、ため息をつく。

しかし、相手が誰であれ、客人は客人だ。

しっかりと御持て成しをする。

 

「当店のご利用、また私奴のご指名誠に有難うございます。お嬢様」

「君にお嬢様呼ばわりされるのは、ちょっとむず痒いな~なんて」

「そうですか。それで、ご注文は何になさりますか?お嬢様」

「この、執事にご褒美セットを君指名で頼むよ。と言うよりも既に他の物と一緒に頼んでいるんだよ。束さんは賢いからね。ああ、それと此処の食べ物は持ち帰れるかい?クーちゃんの分も欲しいんだけど...」

「本来なら御法度だけど、融通しておくよ。その代わり、色々と聞かせてもらうよ」

「うん。それぐらいなら構わないよ」

 

料理やお菓子、飲み物が運ばれる。

それを一口サイズに切り分けながら、話し出す。

 

「前に会ったときとは、随分変わりましたね。そちらが貴方の本当の姿なんですね」

「うん。そういう君は警戒は解いているけど、自分は見せないんだね」

「どういう心境の変化ですか?ここまで敵意が無いと、却って不安です」

「う~ん、よくわかんないなぁ。でも、私は君を嫌いになれないのかな?君に嫌われるのも、なんか嫌だ。お父さんとは少し違うけれど、頼りになる、受け止めてくれる、そう思える人かな。よく分かんないけど、君になら甘えれそうなんだ。まるで、束さんが妹になったみたいな気持ちなんだ。初めての人なんだよ。束さんにこう思わせた人は、君が」

「それは光栄ですね。でも、そんな言い方はまるで恋する乙女のように見えますよ」

「~~~っおお、お姉さんを揶揄うのは止めなよ!!君!!束さんが恋するわけないだろ!!」

「そうやっている方が、普通に見えますよ。そう、普通に。異質でも、孤高でも、孤独でもなく、ありふれた、ただの一人の人間に」

「そうかな?そうだったら嬉しいな。束さんも少しだけ過去を振り返って自分のルーツをちょっとは思い出したからね。これからの事は決めていないけど、天才科学者としてではなく、篠ノ之束として生きていこうと思っているよ。身勝手だとは思うけどね」

「それが良いと思います。貴女には悪のカリスマは似合わない。それに、間違っても、やり直せるのが今を生きている人の特権ですから」

「うん。だから、私は私で勝手にするよ。これから言うのは独り言だから、気にしないで。国際IS委員会から贈られた『インパルス』は全部で三機で、現在活動可能なのは一号機のみ。パイロットは織斑千冬だよ」

「やはりそうですか。その情報を僕に教えてよかったんですか?」

「うん。私の友達が死ぬのは嫌だし、君ならちーちゃんを殺さずに無力化できるでしょ?」

「それは分かりませんよ。僕は人間ですから、失敗だってします」

「そっか。そうだね、完璧な人間なんて何処にも居ないんだよね。頑張ってね、亡国機業の長、キラ・ヤマト」

「僕も貴女にお願いがあります」

「なんだい?私に出来ることなら協力するよ」

「IS学園を守って欲しい。これからは、貴女の力が彼女達には必要だから」

「分かった。君の願いを叶えるよ」

 

そう言って篠ノ之束は去って行った。

 

 

 

時間が経ち、午前の部が終わる。

僕は...無線機のスイッチをオンにする。

 

『隊長。歩兵隊、準備完了です』

『鹵獲IS部隊も準備万端です』

「こんな若輩者の無茶な作戦に付き合わなくてもよかったんですよ。皆さん僕よりもよっぽど立派な大人で、違う道を選べるのに」

『だから付き合うのさ、キラ様』

「オータム、監視は?」

『ターゲットはステージで愉快な事をしている。問題ないよ。さてと、私たちが付き合う理由は、お前みたいな小さい子供が生きるための選択肢を選べない立場にいること、それに同情しているから。そして、それなのに必死に足掻くアンタに尊敬と忠誠を抱いてしまったからさ。まっ、大半はクソッたれな世界に一矢報いると言うだろうけど、根っこの部分はアンタのことが好きなのさ。ここにいるみんなが』

「...死んでくれって命令する上司を好きになるなんて、物好きだね。貴方たちは」

 

そんな彼らに非情な命令を、僕は下す。

 

「オータムは、作戦完了後にα地点に撤退を。まだ、お前を失う訳にはいかないからな」

『オータム、了解』

「歩兵部隊、君たちは生き残ることを...許さない...僕のエゴの為に死んでくれ。この世界の新たなる争いの引き金に...なってくれ」

『イエッサー!!』

「鹵獲IS部隊は無力化されるその時まで戦ってくれ」

『了解』

 

千冬姉、マドカ、簪...この世界の兵士よ。

どうか、この犠牲を心に刻め。

 

 

 

「蒼き清浄なる世界の為に!!」

 

 

 

そして、僕を止めてみせるがいい。




これは、NEXTPLUSでのボスをしていたキラですわw
ラスボスみたいな雰囲気だろ?こいつ主人公なんだぜ...
冗談はさておき、平和の為に犠牲を出すと割り切っています。
極力被害は押さえますが...
もとより、彼の勝利条件は自分が負けて、世界が平和への足を運ぶことなので、自陣営の壊滅は必須です。
平和の世界に亡国機業は必要ないんだよ!!Byキラ



それと、一月経っても更新が来なかったら、察してください。
その時は、春まで...

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