第一クトゥルフ神話『殺人犯だらけの毒入りスープ』   作:カロライナ

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Episode1-3 無知は時に罪である。

「・・・・・・・ガン・・・。」

「姐御。このケーキ、イチゴだけは良い素材を使ってるだろ? 結構高級なヤツ。美味すぎて手がとまんねぇんだけど。」

 

 口の中に大量のイチゴを詰め込みながらガンは、目を輝かせモグモグ食べる。それをロジーナは無表情のまま、少し憐れみながら眺めていた。互いに何かとてつもない違和感を感じながら 英語とロシア語異なる言語で、ちぐはぐな会話を続けていると更に5分後ニャルが戻ってきた。

 

「おー。おかえり、ニャル。随分長かったがデカい方かー?」

「うぅん。ちょっと屋敷の人と立ち話をしていた。」

 

 ガンが入口に顔を向け、デリカシーのない言葉をニャルに向ける。ニャルはデリカシーのない言葉に対し、特に気にした様子もなく 大きくソファーの回りをぐるっと回ると生クリームとスポンジしかなくなったケーキの目の前に座った。そしてガンをジト目で見つめる。ガンは意地悪そうに笑うと『食っちまった。』と一言言うと満足そうに紅茶を啜った。

 

「姐御、そろそろ腹減ったんだがよ。ロシアで美味い飯屋に連れて行ってくれねぇか?」

「・・・・・・まだ・・・食べる気・・・・・? ガン・・・太るよ・・・・?」

「大丈夫だ。太らない程度に運動はしているからさ。」

 

アイディア

ロジーナ65→69【失敗】

ガン65→66【失敗】

 

 ガンとロジーナは一瞬何か気付きかけたが、やはり気のせいだろうと感じ 何事も無かったかのように話のかみ合った会話を続けた。

 

「・・・・ニャルは・・・・・お腹減った・・・?」

「少しだけ…減りました。」

「ほら、ニャルも腹が減ったみたいだしメシ食いに行こうぜ! メシ!!」

 

 ガンは気分が高揚したようにワクワクしながら一番最初に立ち上がる。ロジーナはニャルの様子を聞くと ガンの言葉にかき消されてしまったものの『そっか』と言い、ニャルの頭を一度撫でると立ち上がった。そしてニャルそれに続くように立ち上がる。

 部屋を出て 外に出る為に廊下を歩いて行くと玄関辺りで、ロジーナが送迎した初老の男とすれ違う。彼は風呂上りなようで、バスローブ姿に手にはウォッカを注いだグラスを片手に外の雪景色を眺めて居た。男は3人の姿に気が付くと手に持ったグラスを軽く持ち上げた。

 

「・・・・。」

「……。」

「ほらな、おっさん。オレは怪しい奴じゃなかったろ? アメリカ人は資本主義のブタしかいねェって古典的なその硬い考えは捨てた方がいいと思うぜ。」

「・・・・・・!?」

 

 ロジーナは無言のまま一礼、深く頭を下げ隣を通過する。ニャルはロジーナのマネをして浅いものの男に一礼をしロジーナの後をついて行く、最後にガンは初老の男の目の前に立ち誇らしげな表情を浮かべ、左手で初老の男の肩を叩きドヤ顔でそう言った。これにはロジーナも血相を変えて驚き固まる。何しているんだコイツは、といった様子で。そして少女も表情の変わらないロジーナがえらく顔を急変させたことに対し何かを感じ取った。

 

「忠告をありがとう。ロジーナの友人君。今までの君の無礼に関しては今すぐにでも『無かったことに』したいのだがね。日ごろからロジーナには奉仕をしてもらい、今日も縄張り拡大に大きな貢献を残してくれた。それに私も若き頃は君のようにヤンチャをしたものだ。・・・ここは大人として1つ大目にみようではないか。」

「あぁ。上から目線なのがスゲェ気に食わねェがサンキューな。あとオレの名前はガン=スリンガーだ。いい加減覚えろ。」

「であれば君も私の名前を一回で覚えて頂きたいな。私の名はおっさんなどではなく『ローチェフ・K・ティーナ』だ。・・・君が初めてだ。2回も名前を言わせたのは。」

 

 ロジーナの顔がガンとローチェフが会話を重ねるごとに真っ青に染まり、暑くもないのにも関わらず冷や汗が噴き出る様子が、ニャルの目にも新明に分かる。とんでもない人物にとんでもない身分の人間が、とんでもない言葉を投げかけているのではないかと。これ以上ロジーナの立場を危うくするわけにはいかないと察知したニャルは、ガンが更に余計な口を開く前に手を引っ張った。

 

「ん? あぁ、やっぱり少しとか言って結構腹が減ってんじゃねェか。おい、ローチェフ、ロジーナとメシに行く前にオレのショットガンを返しやがれ。」

 

精神力ロール

ロジーナPOW*5:70→70【成功】

 

【ガンの言葉遣いによるSANチェック1/1D3】

ロジーナ77→82【失敗】

1D3→2

 

「ふむそうだな。君の武器は門の管理をしている警備員が保管している。出て行くときに返して貰うといい。」

 

 重度のストレスがロジーナに降りかかる。あまりのストレスに極度の恐怖と気絶しそうになったが、なんとか持ちこたえた。ローチェフの言葉を聞くと、ガンはニャルに手を引かれながら屋敷を出て行った。残されたのは完全に顔を絶望色に変貌させ、地獄の淵に強制的に追いやられたロジーナとグラスを一口 口に含むローチェフだけだった。

 

「・・・・・も、申し訳ございま――」

「なるほどな。どんなに窮地に追い込まれようが、姉妹が生死を彷徨おうが、表情を崩さないロジーナでも、そんな顔をすることがあるのか。面白いな。」

 

 ロジーナが謝罪を述べるよりも先にローチェフが窓の外に体角度と視線を移し、ポツリとつぶやいた。ロジーナは続けて言葉を何か話そうとするが、喉の奥に何かが詰まったようになり言葉が出て来ず、非常に焦っていた。

 

「ロジーナ、君には私が怒っているように見えるのかね? そして彼等を消しかけようとしているように見えているのか?」

「・・・・・・・。」

「では安心するといい。彼女にも言った通り今日の私は寛大にも大目に見ている。もし初めから消しかけるつもりなら、彼等がこの屋敷から出て行った瞬間に、君に微笑みかけ合図を示すはずだろう?」

 

 ロジーナは口の中が乾くのを感じながら、生唾を飲み込み頷いた。その様子にローチェフは愉快そうに笑い本当に消すつもりはないと表現をする。少しだけ、ロジーナの背中を伝う嫌な汗が止まった。

 

「さて、彼女等も待っているぞ。友人を待たせるのは良くない。これから夕食にするのだろう? これは選別だ。彼女等にロシアの美味い料理でも振る舞うと良い。」

 

 ローチェフはバスローブのポケットから、5000ルーブルを15枚(日本円=約12万円)ほど取り出すとロジーナの手に握らせた。ロジーナの手はまだ軽く震えていたが、床に落とすことなくしっかりそれを受け取る。

 

「友は大切にな。」

 

 ロジーナはローチェフに向けて再度深々と頭を下げると、酷く高ぶる心拍音を抑え気味に 屋敷から出て行った。

 

 

 

 




【後書き】
共産主義なのに資本主義のようなことをしていて、
見直しの最中に目が点になりました。
気づいたのが夜中であることと、翌朝が早いので修正は断念します。

アメリカ人のガン=スリンガーに影響された等脳内変換を適当にお願いします。

-追記-
いやはやお恥ずかしい。無知は私のことでした。
ロシアは資本主義に変わったようでした。
指摘してくれたツイッタークトゥルフ卓の方に感謝。

【宣伝】
本日から、同時間帯で第二クトゥルフ神話『男の娘だらけのgo for broke!!』の
投稿を開始いたしました!
お暇な時に見て頂けると、私カロライナが喜びます。
・・・・喜ぶだけです。


【追記】
第二クトゥルフ神話と時間が被っていることが、発覚しましたので
投稿を5分ほど早めました。
流石に同じ作者が2連続で並ぶのは恥ずかしいかと思いました。
他2話も同じ処理を掛けておきます。投降前に気付けてよかったと思います。



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