第一クトゥルフ神話『殺人犯だらけの毒入りスープ』   作:カロライナ

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Episode1 役者は揃う。

 床も壁もコンクリートでできた正方形の部屋に4人の女性が寝転がっている。着ている衣服は全て白いローブのような、ぼろきれを纏っており、その他に何か持ち物を持っている様子は見えない。天井の薄暗い豆電球だけがこのコンクリート部屋を照らし、各壁に4枚の扉と真ん中には古い木製の長机と椅子が1つある。そしてその長机の上には 深紅色の液体が入ったスープが1つ。椅子の上には紙切れが2枚置かれていた。

 

【1D100】

ジルドレ→53【成功】

マチェーテ→72【成功】

ロジーナ→96【ファンブル】

ガン スリンガー→30【成功】

 

 暫くの間、部屋には4人の寝息だけが静かに音を立てて、室内を満たしていた。5分ぐらい経った頃だろうか、他3人に比べ体格がやや小柄であり 平々凡々な顔つきをした金髪ショートヘアの女性が身体を起こした。

 

「あぁ? いつの間にベッドから落ちたか、チクショウ。」

 

 彼女はブツブツと呟きながら気怠そうに両手で顔面を擦り身体を起こす。そして 自分が止まっていたはずのアパートではない何処かに居ることに気付き目を一瞬、大きく見開く。そして何度か頬を抓ったり、目を擦るなどをし自分がまだ夢の中にいるのではないかという疑念を払うため行動を起こすが、目が覚めその場所から移動するなどと言った事は起きない。それどころか正気に戻ることで、半分ぼやけていた感覚も正常に戻り部屋の肌寒さなどをひしひしと感じ始めていた。

 

【目が覚めたら見知らぬ牢獄のような場所に居たことによるSANチェック0/1】(まとめ)

ジルドレ65→43【成功】

マチェーテ80→16【成功】

ロジーナ70→83【失敗】 70→69

ガン65→24【成功】

 

「頬がいてぇ。それに服もなんだコレ、ローブ? はぁ?! オレの持ち物は何処に行った!?」

 

 大声を張り上げ、自分が寝ていた場所を見渡す。しかし彼女が持っていたはずである持ち物は何一つなかった。

 その声に反応し、次に目が覚めたのが深海の海色を表現したようなボブヘアの女性だった。優しそうな瞳を持ち、やや大口である彼女は他三人の中でも最も体格が大きく 金髪ショートの女性が驚くような速度で立ち上がると周囲を見渡した。彼女もまた白いローブを纏い 持ち物が無い状態であり、少し身体を弄り持ち物が無いことに対して慌てる様子もなく左手を口元に当て、少し険しそうな顔をしながら周囲を特に何かを発することも無く見渡す。

 深海色ボブヘアの女性が周囲を見渡していると、椅子の付近で寝ていたはずの茶髪ショートヘアの女性が、瞼をカッと見開き飛び起きた。彼女も深海色の髪をしたボブヘアの女性同様何か言葉を発する訳でも無く、目を見開くと勢いをつけ背筋の力だけで両手を使わずに立ち上がる。その様子に険しい顔をしていた女性の視線が、奇妙な立ち上がりを見せた女性へと目が行く。

 部屋には1分ほど、沈黙と1つの寝息が支配した。しかし、その沈黙を破るかのように金髪ショートの女性が重々しく口を開く。

 

「オレ、アパートのベッドで寝ていたはずなんだがな...。これは夢....なのか?」

「・・・どうだろう。夢にしては生々しいような気がするけどにゃ。」

「しかし仮にこれが夢じゃないとして、ここにいる全員が気づかない間に誘拐し、身ぐるみを剥ぎ、こんな白ローブに着替えさせて部屋に閉じ込めるなんて芸当はできるのか? 誰かしら気が付きそうな気がするが...。」

 

 ボブヘアの女性が、ここに来るまでの出来事で何か異常なことはなかったかと目配せをするものの、2人は寝て起きた時にはこの場所に居たという事実しか覚えていなかったため、首を横に振り否定的な反応を見せた。

 

「...とりあえず、互いの自己紹介でもしねェか? こんな不気味な場所に閉じ込められたのも何かの縁だろうし。オレはガン=スリンガーだ。」

 

 再び訪れる沈黙を金髪ショートの女性が不安を拭うように振り払う。それに続くように次々に茶髪ショートと深海色ボブヘアの女性が順番に口を開く。

 

「私はマチェーテにゃ。毒物学の講師をしていて、主に大学で生徒に毒に関する講義を開いているにゃ。」

「俺はジル・ドレだ。そうだな...マチェーテさんのように何か自慢できるような職には就いていないが、フランソワ・プレラティという宗教家だ。」

 

知識-30(フランソワ・プレラティについて)

ガン69→74【失敗】

 

 ガンはフランソワ・プレラティという宗教に対し何か聞き覚えのある気がしたが、なんの宗教かまでは知らなかった。その知識が常識だった場合、赤っ恥を欠くのを避ける為、分かったように振る舞いつつジルドレに対し頷いて見せた。

 

「フランソワ・プレラティってどんな宗教にゃ?」

「フランソワ・プレラティは錬金術等を行っている。ところで2人とも、魔術には興味ないか?」

「ま、魔術?」

「魔術だ。今、フランソワ・プレラティに入信すれば錬金術で純金と魔術で欲しいものを何でも得られるが。」

「あ、あー...オレは止めておくよ。現状で手一杯なんだ。」

「簡単に何かを得られるより、苦労して何かを得た方がきっと楽しいにゃ。それに、宗教に入っても私の欲しいものはきっと得られないにゃ。」

 

 宗教勧誘を2人に断られジルドレは少し寂しそうな表情を見せる。ガンはその様子から、あさっての方向に目を逸らし、マチェーテは腕組みをしながら目を瞑り頷いていた。

 椅子が置いてある場所の反対側には女性が1人まだ寝息を立てているが、誰も起こす素振を見せない為 自分の異常事態を察知しないまま、朗らかな しかしやや不気味な笑みを浮かべ艶のある紫髪をした巨乳の女性は 睡眠を楽しんでいた。

 

「そういえば、あともう一人いるみたいだけど起こさなくてもいいのかにゃ。」

「...起こさねぇとまずいだろ。もしかしたらここに監禁されるまでの経緯を覚えてるかもしれねェし。」

 

 ガンがその女性に近づき揺すり起こす。2,3度揺すられるとその女性は右手で右眼を擦り左腕で上半身を起こした。

 

 

 

 




【後書き】
現段階では、クトゥルフTRPGでいう『導入』の部分にあたる場所でしょうか。
4人が完全に目覚めてから、物語はまわり始めると思います。


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