第一クトゥルフ神話『殺人犯だらけの毒入りスープ』   作:カロライナ

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Episode5『下僕の部屋』

 ロジーナは3人と別れた後『下僕の部屋』に向かうと中に対して聞き耳を立てることなく、扉を大きく開け放った。ジルドレが最初の確認時に鍵を壊していたため、何かに遮られることもなく開けることができる。

 中は明かりが無く、中央の豆電球の光も届かない為、奥まで見渡すにはかなり目を凝らさないと中を見ることができない状態だった。ロジーナは扉の入り口から4歩ほど暗闇の中に足を踏み込むと何か明かりとなるものはないか、何か目ぼしいものはないかと周囲を見渡す。

 

目星-30

ロジーナ50→01【クリティカル】

 

 目慣れるのに時間がかかることもなく、ロジーナは誰かが近づいてくるのを感じ取り、いつ何時襲われたとしても対応できるように身構えた。ロジーナの構えも虚しく、暗闇の奥から現れたのは10代後半ぐらいのやつれた女の子だった。一瞬構えを解くが、すぐに構え直す。その原因は少女の姿にあった。少女はロジーナ達と同じ白色のローブを着用しているのだが、その白色は失われ服は真っ赤に染まり切っている。また右手には拳銃を握りしめていた。

 

「動くな・・・・拳銃を・・・・・・置け・・・。・・・・動くと・・・貴方が・・・・引き金を・・・引くよりも・・・・先に鉄拳が・・・飛ぶ。」

 

 軽くファイティングポーズを取り、右手に拳銃を握りしめた少女に対しロジーナが構える。その様子に少女は言われた通り、右手に持っていた拳銃を地面に置いた。この素直な行動にはロジーナも称賛する。しかし構えを崩さず、いつでも殴りつけることができるようにしながら少女に近づく。少女は何か行動を起こすわけでもなくロジーナを見つめていた。銃の目の前まで行くと素早く銃を拾い上げるが、その様子に少女は特に反応を指し示すことなく指示を受けた通りその場で佇んでいた。

 

目星-30

ロジーナ50→33【成功】

 

 彼女が他に何か得物を持っていないか確認するため、ロジーナは注意深く少女身体チェックや他の伏兵に警戒する。しかし、少女の他に人影は部屋の奥で大の字に寝そべっている人物だけであり、他に注視するような人物、物は見当たることはなかった。

 ロジーナは拾った拳銃を構え、その寝そべった人物に対しジリジリと距離を詰めて行く。その人物は一点明らかにおかしい部分があった。本来あるべき場所に頭がないのだ。それも射ぬかれて“一部”がないのではない。頭“そのもの”が無かった。

 

【頭部のない死体を発見SANチェック1/1D4+1】

ロジーナ69→67【成功】

 

 頭がない死体を見て、思わず生唾を飲み込む。一瞬少女に死体について問い詰めようと思ったが、明らかに不可解な点があることに気付いた。少女から奪った拳銃の口径では、頭を消し飛ばすには威力が足りないのだ。例え全弾頭に打ち込んだとしても“消える”なんてことは到底あり得なかった。そして死体の胸部に紙が落ちていることに気付き、手を伸ばす。

 

「ロジーナ!!!」

 

 入口の方からガンの声が響く。ロジーナは一瞬、延ばしかけた手を引っ込め振り返り、呼びかけた人物を確認すると 次は迷うことなく死体の上の紙を手に取りガンの待っている入口へと急いだ。

 

「・・・・ガン・・・そっちは・・・・・・何か・・・・見つかった?」

「見つかったと言うより、何かを見つけたぜ。礼拝堂には巨大な蛇と不気味な像があった。蛇はそこまで大したことがなかったんだが....その奥にある象の像がヤバくてな。一人じゃどうにもなりそうにもなかったから戻ってきた。そっちは何か見つけたか?」

「メモと・・・・・・少女と・・・・拳銃・・・・。」

「マジかよ! 銃があるなら、巨大な蛇を殺せるじゃねえか!!」

 

 ガンはロジーナと合流すると強張った顔が、少しだけゆるむ また得られたものを実際に視覚を通し確認すると緊張は完全に解けたようで朗らかな笑顔をロジーナに向けた。そしてそのまま両手を両膝に持っていき身体を前屈みに持っていき息を大きく吐き出す。中央の豆電球の光が2,3度パチパチと音を立て、2人の合流を祝っているようでもあった。

 

「あー...でもオレ、ショットガンは使えるんだけど拳銃は使えねぇんだよな。職業SPって聞いたが ロジーナは拳銃を使えるのか?」

「・・・・・・それなり・・・には・・・・使える。」

 

 ガンはロジーナの反応を聞くと握り拳を作りガッツポーズを取る。そんな様子をロジーナは淡々と見つめる。

 

「それで紙には何が書かれているんだ?」

 

 ガンに指摘され、ロジーナはそのまま拾った紙を読み上げる。紙には『それは 名前のない 貴女の 下僕です。言われたことは 嫌でも 絶対に 従います。無口だけど 人懐っこい 良い子なので 可愛がって あげてください。』と書かれている。今までの流れからガンが真っ先に紙の裏を確認するものの、紙の裏には何も書かれていない白紙があるだけだった。

 

「裏には何も書かれてねぇな。てかよ、貴女の下僕です。って、結局誰の下僕なんだろうな。この空間には4人もいる訳だし、誰かの下僕なんだろうけどよ。」

「・・・・・・。」

 

 ガンは少女をチラリと見やる。少女はロジーナに命令された場所で佇んだまま、2人の様子を伺っている。ロジーナはガンの視線をの先を確認し少女に対して、やや戸惑いを覚えつつも手招きを試みた。すると少女は小走りで2人の元まで近寄ってきた。中央の豆電球の光に照らされその姿が露わとなる。白銀の髪に、透き通るような白い肌、様々な色がある虹彩ですら灰色をしている全貌が見えた。ゆえに、白いローブが赤く染まっていることが異常さを引き立てているが、それ以外はごくごく普通の ちょっと美形な少女と言った風柄であった。

 

「その様子だと...ロジーナの.....いや、まだだ。こんにちはお嬢ちゃん。オレの名はガン=スリンガーだ。握手しようぜ。」

 

 ロジーナの命令に従った様子を確認し、誰の下僕なのかと察したようだったが、わずかな望みを掛けてなのか、ガンは左手を少女に向けて突き出す。目こそは微笑を浮かべていた物の、瞳の奥底では何処か諦めたような様子が見受けられ、無視されるかするだろうと一瞬だけ悲しげな表情が表出る。しかしそんなガンの悲しき期待を裏切るように、少女はガンの元まで歩み寄ると愛くるしい笑顔を見せて 左手を突出し握手に応じた。その反応を受け、一瞬目を見開くものの 痛みを感じない程度に少女の手を握り返し上下に軽く振った。

 

 

 

 

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