アークスが鎮守府に着任しました。これより艦隊の指揮をとります。 作:ペスカトーレ
食堂 13:30
クリュウ「(・・・また・・・か・・・)」
クリュウ「(龍田、雷と同じ結果になったな)」
建造と各々の紹介やこの鎮守府の説明も終わり。姉妹との出会い、新しい艦娘との出会いを喜んでいる艦娘達に視線を向ける。
クリュウ「(以前見た資料では本来、艦娘は望んだ誰かが来る、なんていうものはなかなか難しいようだ)」
両腕を組み、体重を後ろの壁にかけ思考にふける。
クリュウ「(艦娘、妖精のことについては未知の部分が多い。同じ資材を使っても建造できる艦娘は色々だ)」
クリュウ「(しかしこれで4人の艦娘が、想像した通りの型で建造できた)」
クリュウ「(数百を超える艦娘達、それにまだ見ぬ艦娘もいるだろう)」
体勢はそのままに、なんとはなしに地面を見やり思考を続ける。
クリュウ「(その中で、これは偶然か?)」
クリュウ「(他の鎮守府ではどうなのかは分からないが)」
クリュウ「(それを調べるために建造するのもな)」
クリュウ「・・・・・」
??? 「提督。あの、どうかなさいましたか?」
艦娘たちの談笑も終わっており、クリュウの様子が気になったようである。
その声に思考を止め、姿勢を戻し声の主に言葉を返す。
クリュウ「・・・少し考え事をしていた。すまないな 榛名 」
榛名 「いえ、榛名は大丈夫です!」
胸元で両指をあわせ、澄んだ声で答える。すると榛名の後ろからひょっこりと雷達が現れる。
雷 「司令官考え事?もーっと私に頼っていいのよっ」
クリュウを見上げながら両手を顎下に広げアピールをする。
電 「電もお役に立てるように頑張ります!」
電も小さく両手でガッツポーズをする。
??? 「2人には負けてられないわね!お姉ちゃんとして、レディとして!」
電、電に負けじと胸を張る。
暁 「司令官っ、暁にも頼っていいんだからね! 一人前 の レディ なんだから!」
ふふん、と言った感じの誇らしげな表情である。
天龍 「一人前のレディは、スコーンを食べかすつけまくって食わねえけどなー」
ニヤニヤ笑いながら暁の頭を撫でる。
暁は両手で帽子を押さえつつ、撫でる手から逃れるように動く。
暁 「頭をなでなでしないでよ!もう子供じゃないんだから!」
腰に両手を当て頬を膨らませ抗議する。ぷんすか。
構わず天龍は暁の横に屈み、膨らんだ暁の頬を指で押す。ぷすぅーという気の抜けるような音が聞こえ、再度暁は抗議の声を上げる。
もーっ!っと両手を振り上げ天龍を追いかける。わりぃわりぃ、などと笑いながら軽くステップをするかのように暁から逃げる。
その様子に島風はうずうずしている、走りたくてたまらなくなってきているようだ。
龍田 「天龍ちゃん?その辺にしておいたら~?」
そんな島風の両肩に軽く両手を置き、じゃれ合っている2人を止めるべくやんわりと促す。
おー、という声とともに止まり、先程の位置に歩き出す。暁も追いかけるのをやめ、まったくもー!と言いつつ天龍の後について歩く。
赤城 「提督、このあとのご予定はどうなさいますか?」
艦娘達の談笑も終わり、皆が九龍の前に横並びになる。
クリュウ「そうだな・・・」
艦娘達それぞれに目線を向ける。皆、疲労やコンディションに問題はなさそうだ。
クリュウ「シエラ、そっちはどうだ?」
皆から視線を戻し自身の前面を見やる。
シエラ 『はい!通信良好です。いつでもいけますよ』
シエラの写ったモニターが現れる。実物を目にし、暁は眼を丸くして驚いている。榛名も同様なようだ。
クリュウ「わかった。できる限りで構わない。モニタリングを頼む」
シエラ 『おまかせください!』
クリュウの右側に、艦娘達が見やすいようにモニターが移動する。
クリュウ「再度カムラン半島の調査を行う。編成は 赤城、金剛、龍田、島風、雷、でいく」
クリュウの言葉に反応し、カムラン半島のMAP、艦娘達の編成画面が映しだされる。
クリュウ「天龍、電は鎮守府の守りも含め待機。暁、榛名、間宮、伊良湖、明石はモニターでこちらの中継を流す。訓練だと思って見ておいてくれ」
間宮 「はい、皆さんお気をつけて。お料理作って待ってますから」
伊良湖 「私も精一杯サポートしますっ」
明石 「お気をつけて!」
天龍 「待機か。ま、しゃあねえか」
両手を組み頭上に伸びをするように腕を上げる。
クリュウ「皆に色々教えてやってくれ」
天龍 「任せときな。けど提督、次はオレを出撃させろよな!」
親指で自身を指差し不敵に笑う。
クリュウ「ああ」
電 「皆、気をつけてくださいね・・・」
暁 「雷、何かあったらすぐ私を呼ぶのよ!お姉ちゃんが駆けつけるわ!」
雷 「だいじょーぶよっ。雷様にまっかせなさーいっ」
ガッツポーズに似たポーズで両腕をきゅっとする。
榛名 「榛名。待機命令了解です」
鎮守府全員の皆を見やり告げる。
クリュウ「・・・待機してる艦娘もそうだが、皆にはこれから先、まだまだ頑張ってもらうことになる。よろしく頼む」
クリュウ「13:50に出撃する。それまでに各自準備を済ませておいてくれ」
艦娘達 「「 了解 」」
執務室 13:40
コンコンコン
金剛 「提督ぅー、私デース。入ってもいいですカー?榛名もいマース」
クリュウ「ああ」
ガチャ
金剛 「失礼しマース」
榛名 「失礼します」
椅子に座り、前方のモニターを見ていたクリュウがモニターを横にずらし金剛と榛名に視線を見ける。
榛名 「もしかして、何か大事なお話の途中でしたか?」
やや心配そうな面持ちでクリュウを見やる。
クリュウ「いや、大丈夫だ。どうかしたか?」
金剛 「お礼をいいに来たんデース」
クリュウ「(榛名のこと、か?)」
金剛 「榛名とencounterさせてくれてアリガトウゴザイマース!」
全身で喜びを露わにする金剛。その横で榛名もまた笑顔を向ける。
榛名 「金剛お姉さまに出会えて榛名、感激です!」
金剛 「雷と龍田がいってマシタ。提督は電と天龍のために2人を建造したっテ」
クリュウ「(雷と龍田のときもそれだけが理由ではないがな。しかし嬉しそうだな。やはり、姉妹に会えるというのは嬉しいものか)
クリュウ「(殆どの艦娘は船の時代に轟沈、または爆破解体されたと聞いた)」
クリュウ「(それが今、肉体と記憶を持って出会えたんだ)」
クリュウ「(余計なことは言わなくてもいいな)」
金剛 「提督!ほんとーに嬉しいヨ!」
座っているクリュウに横から抱きつく金剛。その様子に榛名は少し頬を染めている。
クリュウ「(・・・こんなに喜んでるんだ問題ない、か)」
抱きつく金剛に、バランスを崩さないように右肩に左手をやり支える。
クリュウ「(もう少し気の利いた事ができればよかったんだが)」
金剛 「て、提督ぅぅぅぅぅっっ!!」
今まで何度か抱きついてはいたが、そのたびに拒否をされていた。しかし今回は違った。
自分がバランスを崩さないように支えてくれている。受け入れてくれた。そのことがたまらなく嬉しい。
金剛 「(すっごく、すっごく嬉しいネ!ああ、まだ顔上げられないデース!今私Smiling Faceが止まらないネっ!)」
クリュウの胸に顔を擦り付けている。その様子に榛名は更に頬を染め、両手で顔を覆っている。
榛名 「(金剛お姉さま。大胆・・・。!それにすごく嬉しそうです・・・」
両手で眼を覆いつつ隙間からバッチリ覗いている。榛名は大丈夫じゃなさそうだ。
クリュウ「(動くに動けなくなってしまった。そろそろ動くべきか、いや、艦娘の願いはできるだけ叶えたいが・・・)」
コンコンコン
赤城 「提督?赤城です。入ってもよろしいでしょうか」
クリュウ「ああ・・・」
ガチャ
赤城 「失礼します。もうそろそろ出撃のお時間で・・・どうかなさったのですか?」
クリュウ「いや、これはな」
金剛 「提督ぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
榛名 「は、榛名は大丈夫です・・・」
クリュウの胸元に頭を擦り付ける金剛。顔を真赤にし立ち尽くす榛名。その状況を見た赤城はなんとも言えない表情を浮かべていた。
尚、このことが発覚し、再度島風が頭を撫でるのをせがんだり、以前頭を撫でられたことがバレた明石は、そのことを皆に追求されるのは
また別のお話。