アークスが鎮守府に着任しました。これより艦隊の指揮をとります。   作:ペスカトーレ

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ちょっと長くなりそうなので、分割しました。文中の[]は通信越しでの会話です。


4話 前編

鎮守府港 

 

 

クリュウ「・・・・・」

 

クリュウ「(行ったか)」

 

クリュウ「(俺も色々試しておくか。気になることもあるしな)」ス

 

 

 鎮守府近海正面海域

 

 

 電  「司令官さん。聞こえますか?作戦海域につきました」

 

 天龍 「鎮守府周りの警戒をすればいいんだよな?オレにかかりゃ楽勝だな」

 

クリュウ[聞こえている。そのまま周囲を2人で固まって探索をしてくれ。いつでも戦闘に入れる状態でな]

 

 電  「了解です。警戒にあたります」

 

 天龍 「りょーかーい。敵出てこねえかなぁ」

 

 電  「電は・・・出来ることなら、戦いたくはないですね・・・」

 

 天龍 「ん?電は戦いが嫌いなのか?」

 

 電  「・・・はい・・・沈んだ敵も・・・出来れば助けたいのです」

 

 電  「戦争には勝ちたいけど、命は助けたいって・・・おかしいですか?」

 

 天龍 「まあいいんじゃねえか?敵はオレに任せな!全部蹴散らしてやるぜ!」

 

 電  「ありがとう、なのです。でも、電も精一杯頑張ります!」

 

クリュウ[(どこかのトリガーハッピーにも見習わせたいものだ)]

 

 電  「っ!司令官さん!10時の方向に、敵を発見しました!」

 

クリュウ[敵の種類はわかるか?]

 

 電  「駆逐イ級が一体です」

 

 天龍 「まだこっちには気づいてないみたいだぜ。撃っちまうか?」

 

クリュウ[いや、ぎりぎりまで近づいて当てるんだ]

 

 電  「了解しました!前進しつつ、主砲発射準備を行います!」

 

 天龍 「初戦闘かぁ!血がうずくぜ!」

 

 

クリュウ[よし、撃て]

 

 

 電  「命中させちゃいます!」ガーンッ!

 

 天龍 「天龍様の攻撃だ!うっしゃあっ!」ガーンッ!!

 

駆逐イ級「!!!!!」

 

 ガァァァァァン!!!

 

駆逐イ級「GAAAAAAAA!!」 撃沈

 

 天龍 「よっしゃ!」

 

 電  「なのです!」

 

クリュウ[よくやった]

 

 天龍 「まあオレがいるんだし当然だなっ」

 

 電  「司令官さん。まだ探索を続けますか?」

 

クリュウ[いや、無理に進むことはない。帰投してくれ]

 

 電  「了解しました。電、帰投します」

 

 天龍 「なんだよ、もう終わりかよ・・。もっと暴れたかったぜ」

 

 天龍 「ま、ここらへんは大した奴いねえしな。天龍、帰投する」

 

クリュウ[ああ]

 

 天龍 「いや待てっ!なんだありゃ!?」

 

クリュウ[どうした?]

 

 電  「12時の方向に深海棲艦発見!軽巡ホ級、駆逐イ級2体です!」

 

 電  「でも・・・」

 

クリュウ[・・・どうした?]

 

 電  「あの深海棲艦達・・・すごく・・・怖い・・・変な感じがするのです・・・」

 

 天龍 「ああ・・・なんか赤い核みてえのがついてやがる・・・何だ・・・あいつら・・・」

 

クリュウ「(赤い・・核だと)」

 

クリュウ[こちらには気づいているか?]

 

 天龍 「ああ・・・、バッチリ気づかれてるぜ・・・」

 

 電  「き、来ます!!」

 

 

     突如現れた深海棲艦。軽巡ホ級、駆逐イ級2体。今まで感じたことのない威圧感と恐怖に、電と天龍は戸惑いを隠せなかった。

     そして、軽巡ホ級を先頭に駆逐イ級2体が海上を猛スピードで迫ってくる。

 

 

クリュウ[撤退だ!いいか?無理に戦おうとするな。引くことを優先に動くんだ。]

 

     嫌な予感を感じ、撤退を命じる。執務室の椅子から立ち上がり、母港に全力で向かいながら。

 

 天龍 「電!引くぜ!」

 

     こちらに向かってくる深海棲艦達を見据えつつ、電に声をかける。いつでも撃てるように、主砲は相手に向け、この海域から脱出出来るように備える。

 

 電  「は、はい!」

 

     その声に、同じく電も主砲を深海棲艦達に向けつつも、脱出出来るように体制を整える。

 

 天龍 「よし、撤退だ!」

 

     その声を合図に、2人は敵に主砲を浴びせつつ、撤退を開始する。

 

     1発、2発、と2人が放った主砲はそのまま前進してくる軽巡ホ級に1発、その斜め後ろにいる駆逐イ級に1発命中する。

     しかし、それに全く怯んだ様子もなく、さらにスピードを上げて2人との距離を詰めてくる。

 

 電  「ぜ、全然効いてないのです・・・!」

 

     確かに直撃したはずのに、ダメージを全く感じていないかのようにこちらに向かってくる敵に、電はさらなる恐怖を感じていた。

 

深海棲艦「GYYYYYYAAAAAAA!!」

 

 天龍 「くそっ!電、魚雷だ!避けろ!」

    

     電、天龍に向かい、ホ級とイ級が奇妙な鳴き声のようなものを発し、こちらに魚雷を放って来る。

     2人と深海棲艦の距離は確実に詰まっており、もし魚雷にあたってしまえば、鎮守府に戻ることは困難を極めるであろう。

 

 天龍 「ぐぁっ!!」

 

 電  「きゃああ!!」

 

     深海棲艦が放った魚雷は、天龍の右腹部と艤装に命中をし、電の左肩と艤装に命中をした。

     その一撃は、この海域で出てくる深海棲艦とは思えないほどの威力を秘めていた。

 

     2人がダメージを受け、撤退の足が止まる。その隙に深海棲艦が距離を詰めてくる。

 

 天龍 「電・・・!?・・・無事か・・・!?」

 

     魚雷を受け、左手で右腹部を押さえつつ、なんとか体制を立て直し声をかける。

 

 電  「な、なんとか・・・大丈夫です・・・・」

 

     電もダメージを受けた左肩を右手で押さえつつ体制を立て直し、天龍を見つめる。

 

 天龍 「そうか・・・。まだ動けるか?」

 

 電  「まだ・・・まだ、大丈夫です・・・」

 

 天龍 「鎮守府まであと少しだ!行くぜ。電!」

 

 電  「はいっ」

 

    そう電が言い終わった瞬間。

 

深海棲艦「GYYYYYYYYYYYYY」

 

     2人との距離。わずか10mほどの距離まで近づいていた深海棲艦達が雄叫びとともに再度の魚雷を放ってきていた。

 

 

 電  「きゃああああああああ!!」

 

 天龍 「電っ!があああああああっ!!」

 

     魚雷の直撃を受けた2人は、後方に吹き飛ばされる。2度、3度と水面を跳ねながら。

 

 電  「う、うう」

 

 天龍 「ぐ、あ」

 

     まともに声も出せないほどのダメージを追った2人は、ほとんど身動きもできず、海上で横になっていた。

     艤装も半分以上が損傷してしまっており、海上に浮いているほどのエネルギーしか残っていないようであった。

 

深海棲艦「GRRRRRRRRR」

 

     2人の距離2mまでホ級が近づいている。そしてホ級が、左右の砲塔と頭のような部分の上にある砲塔を電と天龍それぞれに向ける。

 

 天龍 「・・・んだよ・・・。ご丁寧に、わざわざ近づいて確実に殺ろうってか?」

 

     ホ級に目線を向け、ニヤっと笑いながら、本来立ち上がることさえ出来ないであろう身体を起こし、右手に持った刀剣を相手に向ける。

 

 天龍 「この天龍。ただじゃやられねえぜ。てめえら全員道連れにしてやるよ!」

 

 電  「電も・・・負けないのです・・・せめて・・・司令官さんが逃げる時間は稼いで見せます!」

 

     電もぼろぼろの体を起こし、キッ と意志の宿った目をホ級に向ける。

  

ホ級  「GYYYYYYYYYYYYY」

     

     その雄叫びが最後の合図かのように声を上げる。

 

 電  「司令官さん・・・。どうかご無事で・・・」

 

 天龍 「・・・龍田・・・悪ぃ・・・先に逝くぜ・・・」

 

 

クリュウ[電!!俺が渡したものを使え!]

 

     今まで聞いたことのないクリュウの声に、半ば電は反射的にアイテムを頭上に掲げた。

 

ホ級  「GYAAAAAAAAAAAA!!!!!!!」

     

     声を上げるホ級に電は目をつむる。これから自分たちにおこる衝撃に。しかし、炸裂音とともにホ級の声が遠くなっていく。

     そして電は目を開け、前を見る。何かを受け、悶えるホ級とそれを守るかのように集まるイ級達。

 

     天龍を見つめるが、天龍も何がおこったのかわからない。といった顔だった。そして。

 

 

 

クリュウ「無事か?二人とも」

 

     声のした方向に2人が振り向く。そこには、いるはずのない。クリュウが立っていた。

 

 

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