「んで、理事長。俺を呼び出した理由は?」
俺は膝組をして、ソファに腰をかける。
わざわざ何の用で呼び出したのか気になるところだが、おいおい話してくれるだろうし、考えるのは無理だ。
「いや、他でもありません。あなた、異常(アブノーマル)になりたくありませんか?」
「ほう。異常(アブノーマル)」
「おやおや。知っているんですね?」
「それはそうだろ。俺たちの天敵だからな」
「では、あなたもその天敵になってみませんか……?」
天敵に……か。俺も異常(アブノーマル)をねえ。
「断る」
「なっ……なんでです?」
「俺は過負荷(マイナス)ですよ?わざわざ自分から異常(プラス)に寝返るわけありませんよ。後ろに控えているみなさんも、そんなに構えなくってもいいじゃないですか。ね?天敵さん?俺は帰りますね。あの人っぽく言うと……『んじゃ、また明日とか』」
もちろん過負荷(マイナス)を使うことは忘れない。
君たちの異常(プラス)なんて、俺の過負荷(マイナス)で打ち消してやるよ。
何もさせなくなる能力。これでお前らの計画は無になった。
「このっごろなんか俺こき使われてんなあ」
あれから何日が経った。
人吉善吉?という男が俺に愚痴を吐いてくる。
彼は怪我をしていたのを聞くとなんでも風紀委員と戦ったことか。
風紀委員がめだかちゃんに新しいモードを使わせたとか。
なんとも微笑ましいことだ。
やっぱりめだかちゃんは俺らの天敵なんだな。
何もさせなくさせたい。俺らの仲間に是非ともしたい……!
生徒会というものにも縛られずに、人吉善吉という男に囚われずに開放してあげるよ……!
負負っ。楽しみだなあ……!
「聞いてるか?エンマ」
「ごめん、聞いてなかった。帰るわ。じゃ」
「ちょ、俺の話は……ちっ。行っちまったぜ……」
見せてあげるよ人吉くん。君がそんなに生徒会なんてやりたくないなら、俺がその生徒会をやめさせてやる。
これも人吉くんのためだよ。
人吉くん。俺も仲良くしたいならまずは過負荷(マイナス)にならないと話にならないぜ。俺がめだかちゃんの心をへし折ってくるぜ。
これで球磨川さんも喜んでくれるだろうか。
めだかちゃんを過負荷(マイナス)に。ついでに人吉くんも過負荷(マイナス)にしたら球磨川さんは俺を絶賛してくれるだろうか。
球磨川さんは俺が心をへし折ってもへし折られない弱い奴。俺より弱い奴だから。
そんな弱者(くまがわさん)に俺は一生ついていくことに決めた。それにはめだかちゃんもいた方がいいだろう。
待っていてめだかちゃん。俺が君を無力にしてあげるよ。