そんなことが憐の方で起きているころ。
潤の方ではというと・・・・・。
潤は暗闇の中を落ちながらも周囲に誰もいないことに気づいた。
おそらくうちたちは飛ばされてきたのだろうということ。
それと離れ離れになったということを理解した。
それに知らないうちに舌打ちしてしまう彼女。
だんだんと暗闇が晴れてきてぽん、とほおりだされるように落ちるかたちで外に出る。
体制を立て直そうと体を動かそうとしていると誰かに腕をつかまれてしまう。
「・・・・君、見慣れない子だね」
「・・・・ここにははじめて来たから知らないだけやろ」
潤が腕をつかんだ人物に視線を向けるとそこにはあの雲雀恭弥がいたのだ。
そんな彼が自分の腕をつかんでまっすぐこちらを見つめているのだから驚きだろう。
彼の言葉にのらりくらりとかわそうと考えながら返答する潤。
「・・・・ふーん。 いきなり現れたのにそんな嘘通じるとでも?」
「・・・・・半分は嘘やないから問題ないですえ」
切れ長の瞳を細めて見つめる雲雀にどきどきしながらも冷静に答える潤。
顔に出さないようにポーカーフェイスを心がけているようだ。
「まあ、どうでもいいけどね。 部外者はかみ殺すだけだし」
「そう簡単にいくとでも思うとるん?」
興味なさそうにいう雲雀に潤は内心カチンときながらも笑みを浮かべて問いかける。
ここにひながいたらなんで挑発しているのー!?とツッコミをいれてきそうなもんだが残念ながらここにはいないのだ。
「できないなんてことはないよ」
「なら、やってみまひょ」
目をさらに鋭くさせる雲雀を見て笑う潤。
もう後にはひけない状態になっていることを彼女はわかっているのだろうか。
お互いに身をかがめて臨戦態勢に入ろうとするが、雲雀は急にやめた。
愛用のトンファーも出していたのにいつのまにかしまっていた。
「なんで怖がらないの?」
「怖いわけあらひんからや」
素朴な疑問をぶつける雲雀に潤はしれっと答える。
どちらかというとあえてうれしいというのが今の感情をしめているというのもあるだろうが。
「ふーん・・・・気が変わった。 君、風紀委員に入りなよ」
「嫌や」
雲雀の面白そうな笑みと共に出された言葉を即答で拒否する潤。
風紀委員になったらまったりできないというのが彼女の気持ちだろう。
「拒否権はないよ」
「は? ちょ、離しておくれやす!?」
そう言いながら腕をつかんで連れて行こうとする雲雀。
それに慌てて離れようと腕をふるが効果がないようでそのまま連れていかれるはめになってしまった。
そしてそのまま応接室に連れてこられて不機嫌そうにソファーに座る潤。
雲雀は優雅にソファーに座っているようだ。
と、ここでノックの音が響いた。
「誰だい」
「はっ、草壁であります!」
雲雀の問いにすぐに返答がかえってくると、彼は入りなよと言った。
言われたとおりにはいってきたのはいかにもな中学生に見えない少年だった。
彼が草壁というのだろう。
「委員長、彼女は?」
「突然現れたから連れてきた。 草壁、彼女の並中編入と制服の用意しといて。
彼女をここに通わせるから」
潤を見て驚きをかくせないのか目をぱちくりさせてから問いかけると雲雀は淡々と気にしたようもなく要件をつげる。
しかも彼女の意思を無視して決めているようだ。
「あ、君は僕の家に居候してもらうからね」
「なんで勝手に・・・・ってえぇわ。 他に選択肢ないし」
雲雀はそう言って潤を見て言うと反論しようとするが、よく考えれば渡りに船であることは確かなのだ。
溜息をもらしつつあきらめることにした。