真・恋姫†無双 とある裏方さんの暗躍   作:きんぐまいまいこ

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第三話

 外史修正計画始動

 

 

管輅「で、ですね、メインの蜀、呉、魏、三国の外史に関しては、とりあえず終焉を迎えたのです

   が…」

 

  只今会議中。ちゃぶ台に報告書を広げ、どっから出したのかホワイトボードに色々書き殴りな

  がら、管輅さんが現在の状況を説明していく。

  彼女が担当している外史は、正史での人気が根強い三国志外史、その中の所謂恋姫外史という

  ものだそうな。

  北郷一刀君という主人公が降り立つその外史。主要な登場武将が可愛らしい女の子として描か

  れ、恋姫という形で存在している。北郷君は『天の御使い』なる役割を担い、それでも元気に

  生きていく。恋姫達とのイチャコラヒューマンハートフルコメディ(18禁)

 

管輅「三本柱となるこの三つの外史なんですが、終焉を迎えた際の正史の成長度に著しい差がある

   んです」

 

  なんでも蜀終焉時の正史の成長は素晴らしいものであったそうなのだ。

  その為、呉、魏の二国の場合にも同様の成長が見込めると張り切っていたそうなのだが、この

  二国の場合、蜀に比べ成長度が落ちたようなのだ。

  呉に関してはまだ許容範囲だったが、魏終焉での成長度は著しく低く、蜀のそれと比して二割

  程度しかなかったらしい。

 

エマ「成るほど。それで報告書にある、それぞれの終焉に対する結果の比較考察がでてくる訳だ」

 

  蜀外史での結果は比較的史実通りになった(国家単位として)、恋姫達の脱落がなく全員が生

  存した等の理由から、ほぼ理想的な終焉だったのではないかと考えているようだ。

  対して、呉外史では、最終的に魏が無くなり天下二分となったり、孫策、周瑜が脱落している

  (脱落という意味で言えば魏の恋姫は全員脱落とも言える)

  魏外史に至っては、脱落した恋姫は黄蓋のみではあるが、曹操が天下を治めてしまっている。

  そして、魏外史のみでの現象だが、主人公たる北郷君が消滅するというおまけ付きだ。

 

管輅「魏外史終焉での結果が著しく低かった事から、やはり北郷一刀の消滅は捨て置けない案件で

   しょう。

   ですので、まずはこの点から修正をしていこうかと考えてます」

 

エマ「そもそも、魏外史で北郷君が消えたのはなんでなの?」

 

管輅「物語上は、北郷一刀が歴史を捻じ曲げ、曹操が天下統一を成したからとされています。歴史

   が変わった事により、今後自身の知る歴史とは交わる事がなく、ゆえにこの場にいる事はで

   きなくなったのだ、というのが北郷一刀の見解のようですが…」

 

エマ「いや、その見解はおかしいでしょ」 

 

  曹操が天下を統一したのは確かに史実と異なるけど、司馬懿や司馬炎等が魏を乗っ取って、晋

  を名乗れば十分修正可能だと思うんだが…

  この外史に司馬懿が居るのかは知らないけど、そもそも居ないならその時点でアウトな気がす

  るし…

  そもそもその見解が通るなら、蜀外史も呉外史もただでは済まんでしょ。

  (ちなみにエマノンさん自身は別に三国志に精通している訳ではありません。講習同様、管輅

  さんに三国志基礎教養を脳に叩き込まれただけです)

 

管輅「ええ、おかしいですね。ただ、北郷一刀がその様に考えるのには、訳があるんです。

   魏外史では許子将がいるんですよ、報告書の…ほら、ここ」

 

エマ「許子将?…あ、ほんとだ、占い師か。なんとまぁ…大局に逆らえば身の破滅ときたか…魏外

   史だけやたら特別な部分があるな~この爺さんの存在ってどうにかできないのかな?」

 

管輅「許子将は、ちょっと特別なんです…話すと長くなるのですが…有体に言えば彼…管理者なん

   ですよ」

 

エマ「…は?」

 

管輅「彼、人が良いもので…どこかの脳筋と同性愛者に騙されてしまいまして…気づかなかった私

   も悪いのですが…」

 

  こういう事らしい。

  蜀外史終焉の次に呉外史がめでたく終焉を迎えたそうなのだが、正史の成長度が低い事を疑問

  に思った。

  管輅さんは発生したばかりの魏外史に対して、いつも通り予言を流した後、調査資料を取りに

  行く為に仕事場を外した。

  その隙をついて、件の脳筋さんと同性愛者さんが許子将さんを言葉巧みに誑かして、発生した

  ばかりの魏外史に介入させた。

  管輅さんが戻った時には、許子将さんの登場シーンが過ぎていた為、気づかずスルー(実は後

  半でも一度名前だけ登場したのだがそこもスルー)、めでたく終焉を迎え、自動バックアップ

  発動。めでたしめでたしという訳だ。

  記憶された外史に関しては、主人公である北郷君と直接コンタクトを取った時点で既に物語の

  人物として固着されてしまっている為、存在を消去する事は無理なのだそうだ。

 

管輅「件の二人組みは、北郷一刀に強い執着を示してましてね。以前、ちょっとしたお痛をしでか

   しまして、恋姫外史から担当を外されたんです。

   今回も、『心を入れ替えた!(嘘)』『今までの事もあるし、恋姫外史をもっと良いものに

   したいんだ!(大嘘)』ets ets と。

   許子将も気の毒に思ったのでしょう…手を貸してしまったんです。介入計画は変態同性愛者

   が立てた物みたいで、『このシナリオの通りに演じてくれれば間違いないから(確信)』と

   言われ、あの役を演じたそうです。

   変態に文句をつけに言ったんですが、『無事終焉を迎えたのでしょう?感謝こそされ、非難

   される謂れはないと思いますが?(ニヤニヤ)』なんて言いやがりまして…ホントは北郷一

   刀に嫌がらせしたかっただけの癖しやがってあの糞餓鬼が!」

 

  口調変わってますよ、管輅さん

 

管輅「…そんなこんなで、北郷一刀の消滅には、許子将の存在も大きく関係しているのでしょうが

   こればかりはどうにもできません。他の側面からのアプローチを検討しました。ここを見て

   ください」

 

  どうも、北郷君が歴史を捻じ曲げる時(許子将風に言う所の大局に逆らった時)、体調に異変

  が起こっていたみたいだ。

 

管輅「こんな現象は本来であれば起きないんです。北郷一刀にして、史実の総てを忠実に記憶して

   いるはずもなく。自身の些細な行動で、気づかない内に歴史を変えているなんて事はザラに

   ある事です。

   そも、『史実の通りでない』というのは重要度で言えばそれほど高いものではありません。

   外史それ自体がそもそも史実通りではないのですから、さもありなんです。

   では、なぜこんな現象が起きたのかとなると…北郷一刀の自己否定と自己肯定が引き起こし

   た、心的負荷の収束による暴発が具現化したものではないかと推察しています」

 

エマ「どういう事?」

 

管輅「一つずつ順に説明します。まず―――」

 

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