黒子のバスケ ―黒子テツヤの逆襲―   作:希亜

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第2話

「それでその不思議な事はまだ続いているんですか。」

 

一通りの話を聞いた。

最初に聞いた部室の鍵の話

部室のドアが壊されていた話

桃井さんの靴が半壊していた話

桃井さんの持ち物が次々と紛失する話

極めつけは桃井さんの頭上へ大きめの植木鉢が落下してきた事だった。

 

まるで、桃井さんをバスケットボール部から消そうとしている様な…

 

ドアが壊れていた話と桃井さんの頭上に植木鉢が落ちてきた話については僕の記憶にも新しかった。

 

ドア破壊事件の朝。

朝練に到着すると部室の前に人だかりが出来ていた――

 

「どうしたんですか。朝練、始まってますよね」

一際目立つ黄色い髪の毛を見つけると隣に立ち見上げては尋ねた。

 

「あ、黒子っち!おはよっス !! 朝練したいのは山々なんスけど部室のドアが壊されてるらしくて赤司っちが色々と確認中っス」

勢いよく揺れる耳と尻尾の幻覚に見ない振りをすると 騒ぎに納得し大人しくその場で赤司君の判断を待つことにした。

 

「今日の朝練は無し。大事な時期に犯人探しに時間を割くつもりはないが情報などがあれば俺か桃井に伝えてくれ。」

 

「はい!」

 

全員がぞろぞろと教室へ戻っていく。

この数分で部室の状態を確かめ終わったらしい

流石は赤司君、といった所だろうか。

 

「おはようございます。赤司君。」

気づけば赤司君の元へ進んでいた。

それはキセキの皆も同じだった様でいつしかカラフルな集いが赤司君の周りに出来ていた。

 

「ああ、おはよう 黒子。情報は来たか桃井。」

赤司君は頷いて答えながら後ろに控えていた桃井さんへ聞くも首を振ったところを見ると目撃情報等はなかったようだ。

 

「もー誰なんスか。折角青峰っちと1on1の約束だったのに」

さっきまで楽しそうに耳と尻尾が揺れていたのはそのせいかと納得して見ると当の本人は不貞腐れた様にしゃがみ込むと指先でボールを回していた。

「放課後すりゃいいだろうが」

答えながら大きな欠伸をしながらしゃがみ込んでいる黄瀬君の前に座っているのはいつにも増して退屈そうな青峰君だった。

「本当におは朝はよく当たるのだよ。ラッキーアイテムだ、使えるか赤司。」

よく通る低音の声で赤司君に渡したのは…ドアノブ。

不貞腐れていた黄瀬君、大きな欠伸が止まらなかった青峰君でさえ動きを止め

―おは朝信者―緑間君の手の上を見ていた。

 

「…有難う 緑間。」

流石の赤司君でも驚いたのか一瞬反応が遅れながらも差し出されたドアノブを受け取り部室へと向かっていった。

 

「てかさー壊れたのドア全部だから意味ないんじゃなーい?」

部室へ向かう赤司君の背中を見送りながら呟いたのは長身の紫原君。いつもお菓子を食べている彼が今食べていないのは先程赤司君に没収された為からなのを僕は見ていた。

「それは言っちゃだめっスよ!皆分かってたっス!」

黄瀬君が立ち上がり声を上げると驚いた様に緑間君は紫原君を見詰め静かに眼鏡を押し上げていた。

 

 

「結局、情報はなかったんですよね」

確かあの時はあのまま犯人不明のまま終わったはずだった。しかし桃井さんが首を縦に振ることはなかった。

「実は情報、あったの。知ってるのは赤司君と私だけ。」

「それは…隠してた、という事ですか?」

隠す理由が見当たらなかった僕は間を置くと尋ねた。

 

 

「…あの、桃井先輩」

ドア破壊事件の放課後。部室で次の対戦相手の情報を纏めていると1年生の後輩が恐る恐る声を掛けてきた

「お疲れ様。どうしたの?」

微笑みながら首を傾げればその1年生は辺りを確認する様にキョロキョロと見渡すと真正面に腰掛け ある情報 を告げ帰っていった。

 

 

「その内容というのは」

「…事件の前の日忘れ物をしたその1年生が破壊しているであろう現場を目撃しましたって。」

 

1年生が言うには大きな斧を振りかざしドアを破壊する バスケットボール部マネージャーの姿を見た。と…

 

「その1年生は」

「辞めちゃったの。情報をくれた次の日に。」

尋ねる内容が分かっていたのか被せるように言うと彼女は俯いた。

 

「…夏ちゃんかな…」

二人の間に出来上がった沈黙を小さな声で破ったのはやはり桃井さんだった。

 

「可能性はありますね。あの後に起こったのがあの出来事ですか?」

可能性がある以上断定は出来ないものの可能性としては大きい。

 

――あの出来事――

 

それはもう一つ僕の記憶に新しい 桃井さんの頭上に植木鉢が落ちてきた明らかに狙った犯行のもの。




最初は 夏 についての所業が顕になります。
その後をお楽しみに。
なるべく多くならないように頑張ります。
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