黒子のバスケ ―黒子テツヤの逆襲―   作:希亜

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第3話

「……あの時はごめんね。テツ君…」

 

思い出させてしまったのかスカートを強く握り締め絞るように発せられた声はとても小さかった。

 

あの時。

 

植木鉢事件約1ヶ月前

 

「すまねぇ、テツ。最近さつきがよ あーなんて言うんだ?」

「私に言わせるの!?大ちゃんの馬鹿ッ」

何度先生に言われても直さない着崩した制服を桃井さんに言われ漸く直し始めた青峰君と桃井さんに階段の下小さな空間へ頼み事があると引き込まれ早くも数分がたった頃だった。

「うッせぇなぁ…あー 最近さつきの物が無くなったり靴壊されたりしてんだ。何かあって俺が行けない時さつきの事頼むわ」

溜息をつきながらも桃井さんの頭に手を乗せ頼む彼の顔には長年幼馴染みの表情が現れていた。

「分かりました。気を配っておきます。」

「おうッ。テツなら安心だろ」

頷き快く了承すれば 青峰君も歯を見せる様に笑い 面倒臭いとかうるさいなどと言っておきながらもほっとしたのかいつものように大きな欠伸をしている。

「ありがとう…テツ君」

1番不安で安心したのは桃井さんのはず。

 

微かにその大きな瞳に涙を浮かべながら青峰君の服の裾を掴んでいた。

 

そんな約束を忘れかけていた頃。

ちょうど約束をした1ヶ月後の話

赤司君の元へ資料を持っていきたいと僕のクラスを尋ねた桃井さんと共に赤司君のクラスへ向かうも赤司君は居なかった。

クラスの人へ所在を桃井さんが尋ねると黄瀬君に連れられ体育館へ向かったとのことだった。

桃井さんと僕は顔を見合わせ苦笑いを浮かべると体育館へ向かっていた。

 

「あれ。先行ってて下さい。紐が…」

体育館へ入る前体育館履きを履くと何か違和感を感じて数歩下がり靴紐を見ると解けていた。

「テツ君大丈夫?」

先に行っていいと言ったものの靴を覗き込む様に僕の前へ立った時 ――

 

「さつき危ねぇ!!」

 

低めの少し掠れた声。

聞き慣れた桃井さんの呼び方。

「桃井さんっ」

彼女の腕を引き自らに覆い被させると

 

―― ガシャン ――

 

さっきまで桃井さんが立っていた場所には大き目の植木鉢が花と土ごと即ち校舎に飾ってあったそのまま落下してきていた。

 

「ンだよこれ…」

「だ、だいちゃ、ん…テツ君…」

この植木鉢が頭上に落ちていれば即死とはならなくても何かしらの障害が残ったかもしれない…

 

呆然と立ち尽くすも舌打ちをし体育館へ走り込んでいく青峰君と先程いた自分の場所を震えながら見つめるふたりを見た後上を見上げればそこに居たのは

 

― バスケットボール部マネージャーの姿 ―

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