モンスターハンタークロスボーン ~ゆったりモンスター共存生活~   作:フライルー

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第三話 ぶらり楽園散歩

「‥‥‥う‥‥ん‥‥?」

 

モンスターの咆哮で目を覚ますなんて普通のハンターなら起きた瞬間震え上がるだろう。

だが今の私は震え上がるどころか安心感を抱いている。

何故ならあれから、私はここに住むことになったからだ。もう一週間になる。

 

「おはようレウス‥‥」

 

「グオオ(おはようございます)」

 

「(本当に会話が成立してる‥‥?)」

 

イツキさんがモンスターと会話しているのを見て私もこのリオレウスの「レウス」に話しかけてみた。そうすると‥‥

 

 

「あ、あの‥‥」

 

「グオォ?(はい、なんでしょう?)」

 

「ほ、本当に返事した‥‥」

 

「あぁ、実はここにいるモンスターはどうしてか知能が高くて、人の言葉がわかるんだよ。普通のモンスターは攻撃してくるから話しかけるなよ」

 

「グオオ(せやで)」

 

「頷いてる‥‥」

 

 

なんてことがあり、少し仲良くなった。昔絵本でみたドラゴンライダーのように空も飛べる。

 

「そういえば、空からは見たけど地上からはシャングリラ見てないな‥‥」

 

「おっ、だったらバルドに乗ってけよ。雑草刈りもしなきゃな」

 

唐突にイツキさんが顔を出してくる。ここ一応私の部屋なのにプライバシーも糞もない。

 

「ガアア!(ぜってぇ草刈りやんねぇからな!)」

 

「冗談だって。よしバルド。ハルカ乗せてシャングリラをぐるっと回ってこい」

 

「ガウウ、ガァ(しゃーないな、ほれ)」

 

そういうとディノバルドの「バルド」は身を屈める。ディノバルドの背中はゴツゴツしており、前に向かって角のように尖っているので背もたれにできる。

 

「グオオオ(よーし行くぞー)」

 

「キャッ‥‥とっとと」

 

急に立ち上がるので少しよろけてしまった。

このバルド、こんな性格しているが子供のモンスターたちと遊んだり狩りの極意などを教えこむなど結構世話焼きなのである。その光景をこっそりイツキさんと見たが非常に微笑ましく、思わずニヤけてしまった。

 

「で、なんでイツキさんがついてきてるんです?」

 

「ほう、ハルカもモンスターの言葉がわかるのか。そりゃすごい」

 

「ぐぬぬ」

 

「ε- (´ー`*)フッ」

 

くそう、なんかムカツク。このドヤ顔なのか余裕の表情なのかよくわからない顔がムカツク。

だけど実際言葉はわからないのでなにも言えない。おのれ。

 

 

「さて、海岸にやってまいりました」

 

「ゴミ一つ無いですねぇ」

 

「ガアア(猫が掃除してるからな)」

 

「猫が掃除してるからな。だって」

 

「そこまでさせてもマタタビ一つであれなんですよね」

 

「そうだよ」

 

「‥‥‥」

 

と、とんでもないブラックだ本当に。

 

「あ、なんかボトルが流れついてますよ」

 

「なかに梅干しでも入ってねぇかな」

 

「? そのウメボシ?ってのは無いですけど手紙が入ってますよ!」

 

そういいながらボトルを手に振り返ると、バルドが砂の深いところにハマったらしくもがいていた。まるで罠にかかったようでちょっと笑ってしまった。

 

「! ガアア!(お前今笑っただろ!)」

 

「お前今笑っただろ! だって」

 

「ごめんねー あ、手紙読みますね」

 

 

この手紙を読んでいるあなたへ

 

この手紙は海を渡ってしっかり届いていると思います。

これを流したのは○月×日です。この日に届いているか、はたまた百年立っているかわかりません。

私が生きているかわかりませんが、どうか下に書いてある住所にお返事を書いてくれませんか。

私は友達がほしいのです。顔もわからない、けれど楽しくお話できる友達がほしいです

それでは、お返事待ってます。

 

 

「だそうです。」

 

「この村って‥‥」

 

「ガァァ‥‥(こいつは‥‥)」

 

「この村がなんです?」

 

「この村、数日前に壊滅したんだ。古龍にな。」

 

「‥‥‥え?」

 

古龍って、あの古龍?一生に一度遭遇できるかできないかの、普通のモンスターよりもずっとずっと強いあの古龍?

 

「あの、古龍とは仲良くできないんですか?」

 

「あいつら話聞かねぇんだよ。巣に押しかけても門前払いくらったわ」

 

「一応喋ったんですね‥‥」

 

「古龍っていうくらいだからな。やっぱ喋れる。」

 

「‥‥‥生きているといいですね。この娘‥‥」

 

「確か近くの村に何人か生き残った奴が避難してるそうだ。大和に頼んで返事と一緒に探してもらおう。」

 

なんだか重くなってしまった。

本当に生きているといいな‥‥。

 

 

「今度は森の中ですか」

 

「意外と涼しいでしょ?森はバルドの生息地だからここら一帯の地形はこいつの頭に入ってるよ」

 

そう言ってバルドの頭を叩く。

バルドはちょっとイツキさんを睨んでいた。イツキさんは痛そうに手に息を吹きかけていた。

 

「あ!古代遺跡ですかこれ!?」

 

「せやで」

 

どこかの平原にも古代遺跡が広がっているそうだが、古代遺跡を見るのはこれが初めてだ。

 

「中入って大丈夫ですか?」

 

「おう、補強工事はしてある」

 

なんだか、こういうのは凄くワクワクする。なんだか未知の世界に入るみたいで興奮する。

 

「バルドはここでお留守番ね。さすがに入らねえ」

 

「ガウ(´・ω・`)」

 

少し可愛いと思った。

 

 

「この階段、長いですね」

 

「いい運動になるだろ?」

 

にしても本当に長い。無限ループしてるんじゃないのこれ?

 

「あ、光だ」

 

「やっと着いたか‥‥」

 

「あ、モンスターだ!今度はなんのモンスターですか?」

 

「‥‥‥‥」

 

「?」

 

何故か無反応だ。イツキさんにもわからないのだろうか。

走って降りて近づいてみる。

すると‥‥

 

「なに‥‥これ‥‥」

 

そこには、ワイヤーで吊るされたボロボロのドラゴンがいた。

ところどころ皮膚が破けたとこらからは無機質なギアや内臓、胸からは肋骨が覗いていた。

その目は、静かに閉じていた。

 

「これ、なんですか」

 

「‥‥‥『竜機兵』だ。人類とモンスターの戦い、竜大戦で使われた『兵器』だよ。これはそれの修理中かなんかで、途中でなんらかの理由で放置されたんだろうな。」

 

「‥‥こんなのが、『兵器』なんて言うんですか‥‥?」

 

「人類はいつだって愚かだよ。生物を兵器に転用するくらいにね。」

 

「‥‥ここは本当に楽園なんですか?」

 

「戦争が起きない、こんなのが使われない、モンスターと人が共存できる。十分に楽園さ」

 

竜大戦のことは学校で習った。もちろん竜機兵のことも。

だけど、だけど‥‥‥あまりにも酷すぎる。竜機兵を作るのにはドラゴンの素材がいっぱいいるという。つまり、モンスター仲間で兵器を作って仲間同士で戦争させていたのだ。

実物はあまり残っていない。だからこそ後世に残すべきなのだと思う。

 

「一応こいつは俺達で修理しようと考えている‥‥帰るか」

 

「そうですね、帰りましょう‥‥」

 

なんだか、今日は悲しい日だ。

 

 

「オルァ猫共!肉を焼けい!今日は定期報告会だ!倍焼け!」

 

「定期報告会?」

 

「あぁ、ハルカは呼ぶまで部屋から出ちゃダメね」

 

「!?」

 

なんか謹慎令くらった。なぜだ!

 

「(こっそり窓から覗いてよう‥‥)」

 

 

あれから数分。レウスが背中に何人か乗せて来た。

 

「(また龍歴院の人かな)」

 

双眼鏡に手を伸ばし、目に当てる。

 

「(男2人、女2人‥‥格好を見るにハンターかな)」

 

きっとイツキさんはどこかのグループに入っているのだろう。

その報告会だろうな。

男Aは大剣を背負ったアグナ装備、男Bはスラッシュアックスを持ったレギオス装備。

女2人は姉妹なのか、お揃いのレイア装備で、片方は弓を、片方はライトボウガンを担いでいる。

 

「(仲良さそうだな‥‥付き合い長いのかな)」

 

なんだか覗きをしているようだが、謹慎令を下すイツキさんが悪い。わたしは悪くねぇ!

 

「(あ、やべ)」

 

イツキさんが近づいてくる。急いでベッドに転がり寝てたフリをする。これは親に怒られるときよく使った手法だ。

 

「ハルカー‥‥寝てたの?」

 

「はい‥‥ふぁぁ」

 

この欠伸ももちろん嘘である。

うわぁ私超悪い子。

 

 

「さて、皆。紹介しよう。この子が『クロスボーン・バンガード』の新メンバーだ!」

 

「マジかよイツキ!装備やべぇな!」

 

「‥‥やっと新メンバーか」

 

男ABが言う。

 

「え!?何この子超可愛い!」

 

「可愛い顔して装備エグいっすねぇ」

 

女2人が言う。

 

「‥‥‥え?」

 

呟いた瞬間、イツキさんはニッコリ笑って

 

「ようこそ、我らがハンターギルド『クロスボーン・バンガード』へ!!」

 

「「「「よろしくね(な)!!!!」」」」

 

「‥‥‥え、えええええええええ!!?!?!??!」

 

もう、訳がわからないよ。

私は感情のない顔でそう思った。




やっとクロスボーン要素がでましたが、多分ここだけです
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