アルカナTHEリベリオン   作:イオ・りん

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約1週間以上ぶりの投稿です、忘れられてしまってると思いますが見てもらえると嬉しい限りです!


前回のあらすじ
新たにフールリベリオンが追加され本格的にリベリオン使用者同士の戦いが始まった。
フォーチュンリベリオンに敗れたハルトは凜の泊まる宿に休まされていた、学校へ向かおうとした時、学校は要人によって占拠されてしまった!伊織が応戦するも若干押され気味となってしまう、そんな時ワルプルギス(獅子堂夏姫)によって学校が開放される、状況が逆転し遂にルナリベリオンがフォーチュンリベリオンを追い詰める、そしてルナリベリオンの剣が突きつけられる―――


第10話「戦士の休息」

ルナリベリオンはフォーチュンリベリオンに目掛けて牙王天羽々斬を振り下ろす、ソルリベリオンが走りだしそれを止めようとする、しかし時は既に遅かった……

だが牙王天羽々斬が振り下ろされたその先……それはフォーチュンではなくその右斜めの地面に突き刺さっていた。その手に迷いはなかった…だがわずかな迷いが剣先の軸をずらした。

 

「な~んだ、情けない、そんなんで良く参加できたね!!」

 

フォーチュンリベリオンはルナリベリオンの隙を突き左足で蹴り上げる、そして右腰のホルダーからシステムメモリーを取り出し左胸をスライドさせそこから現れたデバイスに装填し「フィニッシュイン」の電子音声と共に互いを回す様に臀部を持ち上げ一斉に丸くなりルナリベリオンの突撃しようとする、そこへソルリベリオンとスターリベリオンがホルダーからシステムメモリーを取り出しそれぞれのデバイスに装填し「シールドイン」の電子音声と共にソルリベリオンは召喚されたライオディフェンダーを2つ手に取り、スターリベリオンはスターシールドから電磁波のバリア(ウェーブバリア)を発動する、2人はルナリベリオンを囲む様に守りの体性に入り、ホイール・オブ・ディスティニーを防御する。激突の衝撃で3人共10mの方向へ吹き飛ばされる。

 

ゴロロロロロロロ――――ズドォォォォォォン―――!!

 

「な~んだ、大した事ないね~これじゃぁつまらないよ、あ~あ、次の計画でも考えよ」

 

吹き飛ばされた3人を見つつフォーチュンリベリオンは自分のいたビルの方向に走り去る―――。

吹き飛ばされた衝撃で倒れ込む3人、スターリベリオンとソルリベリオンは立ち上がるがルナリベリオンは立ち上がれず膝を付き、崩れて倒れている。

 

「あんニャロ~今度こそはコテンパンにしてやる!!って伊織、大丈夫か?随分ダメージデカい様だけど……」

 

ソルリベリオンが手を伸ばしたその時、ルナリベリオンはその手を振り払い上半身だけ起き上がり大きく雄たけびを上げる様に悔しさを声に表す様に叫ぶ。

 

「……っそが…クソがあああああああああああああああ!!」

 

その叫びと共にダメージが限界を超えたからかルナリベリオンのアーマーは解除される。力を使い果たしたように伊織は倒れる。それをソルリベリオンとスターリベリオンが彼の腕を掴む。

倒れた伊織を抱え2人はサイバープログラムから出て、屋上に辿り着く。凜は気を失う伊織の顔を見てどれだけ戦い続けたかを感じた。

 

「ここまでなるまで戦ってたとはな……休む暇などなかっただろう…」

 

「そこまでしてアイツは……」

 

ハルトにも伊織が由那を救う為に自分の身まで切り捨てる勢いで戦いに身を投じた彼の覚悟を感じ取る、

2人は伊織の肩を組む様に抱え校舎から出る、校舎を出ると沢山のマスコミや野次達が多人数周りを囲むようにいた、その中で、ハルトと伊織を心配しながら校舎を見つめる彩の姿を発見した。

 

「あっいたっ!、お~い彩~無事か~?」

 

ハルトもあの後彩が無事避難したか心配していた。ハルトの姿を見た彩は彼を呼ぶように右手を振る。

 

「あっハルト!!伊織は……って何があったの!?」

 

気を失う伊織の姿を見て彩は驚く、凜がある程度誤魔化しながら彼女に事情を説明する。

 

「まぁ…生徒を助けようとして何者かに襲われたって所かな…」

 

「そうなんだ…ってそう言えばアナタは?」

 

今更であるが彩は当然初対面である凜を知らない。彩は凜に彼の名前を聞いた。

 

「あぁ、そうだったな…俺は星流凜、2人とは…友人って所だ」

 

ハルトも今日会った(正確には昨日助けられた)が友人と言っても嘘にはならない、彩は知らぬ間に友達を作ってたハルトを冗談絡みでからかう。

 

「アンタも知らぬ間に友達作るね~でも良かったよ…」

 

彩は気を失う伊織を見て心配する様子を見せるが戻って来た事に安心していた。ハルトと凜は伊織を彼のマンションまで運ぶ事にした。

 

「確かコイツん家はそんなに遠くない、葵ちゃんはまだ学校だと思うけど…その辺に寝かすよりマシだろ」

 

「あぁそうだな、取りあえず行くとするか」

 

◇◆◇

 

時刻は12時30分……葵はまだテクノアカデミー高の事件を知らないからか彼女の通う「華々岬学園付属高校」にて伊織の作ったお弁当を食べ終えお手洗いに向かうとした廊下で2人の女子生徒がスマホを見ながら話していた、それはついさっき起こったテクノアカデミー高で起こった事件の事だった、葵がリアルタイムに最新ニュースを見れるスマホアプリ「リアルタイムショット」を開くとテクノアカデミー高で起こった事件が乗ってあった。そのニュースの記事の内容を見て義兄を心配する表情を浮かべる。

 

「義兄さん…無理してないといいけど…」

 

無茶ばかりする伊織の事だから余計に心配する葵、残念な事に予感は的中していた。

その頃ハルトと凜は伊織のマンションに辿り着いた、現在時刻は13時丁度、当然ながら学校は休学となった。

 

ハルトがマンションに入ろうとするとある事に気付く、伊織の家の番号だ。

 

「あ~これじゃぁはいれねぇな…どうする?」

 

「ふぅ…こういう使い方はあまりしたくないのだが今の状態じゃ仕方ないな、今回だけだと思いたい」

 

凜はため息をつきながらアルカナ・デバイスを手に取る、ハルトは凜の考えてる事に気付き手を「ポンっ」と叩く。

マンションに入れないハルトと凜はリベリオンを装着しサイバープログラムを介して伊織の住む階に向かう。階段を地道に登り1部屋づつ調べ、5回に辿り着いた所でようやく「503 三日月家」と書かれたドアを見つける、2人は近くの換気扇を介して現実世界に戻る。

 

「悪いな…ちと使わせてもらうぞ」

 

ハルトは伊織のズボンのポケットから鍵を取り出し彼の家の中に入る。ハルトにとって初めて出会った時以来だ、凜はリビングから右の方のドアを開ける、そこはハルトは以前気を失った時に寝かされてた部屋だ。

 

「ここに寝かせるとしよう、布団を用意してくれないか?」

 

凜はハルトに布団を用意してほしいと頼む。言われるままにハルトは近くにあった押し入れから布団を敷く。凜は汚れた伊織の制服を脱がし始める。その体には戦いで出来たであろう傷跡が体中に残っていた。

 

「こんなになるまで戦っていたのか…しかしそこまでして…」

 

伊織の傷を見て浮かない顔をする凜、何故ここまでして戦うのか思っていた、そんな時彼の目に写ったのは青空の公園でブランコに乗る笑顔を見せる少女(由那)とその肩を優しくつ握りながら笑顔を浮かべる少年(伊織)の写真だった。凜は(伊織)の戦う理由がようやく分かった。そして前に言っていた˝家族の為˝と言う事を思い出した。

 

「そういう事か…確かに言ってたな…˝家族の為˝と」

 

その理由に納得するもやはり戦い続ける事が彼の為にならないと感じる凜、そこへ布団を敷き終わったハルトがやって来た。

 

「凜、終わったぜ、早く横にさせようぜ」

 

ハルトに気付いた凜は気を失ってる伊織を布団に寝かせた、寝かせた伊織の表情は戦いに疲れ癒されている様に見える。

 

「こんな顔して眠りやがって…そこまで必死だったんだな―――」

 

「だな、よほど疲れていたんだろう、心身共にな」

 

伊織の表情を見て「しょうがない」と息を吐きながら凜は立ち上がり洗面台へ向かいタオルを濡らしに行った。

ハルトも疲れたからか欠伸をする姿を見せる。

 

◇◆◇

 

それから時間が経ち16時36分、学校が終わった葵が急いで家に帰ろうとする、(伊織)が心配で仕方なく慌てた様子だ。大急ぎでマンションに戻り自宅のドアを開ける、そこには普段は見ない靴が2つ置いてあった、どちらも見覚えのあるものだ、黒い靴の方はハルト、青い靴の方は凜の靴だった、葵はすぐ様飛び出す様に靴を脱ぎリビングから右のドアを開ける、そこには傷ついた体を癒す様に眠る伊織の姿があった。

 

「義兄さん!どうしてこんな……」

 

予感が的中したからか葵は焦りを隠せない表情をしていた、そして心配する様に彼の肩を掴む。そこへハルトと凜がこちらに来た。

 

「あっ…おかえり…ゴメン勝手に上がり込んで…」

 

「休ませるにはやむおえずだったのでな…」

 

2人(ハルトと凜)は申し訳なさそうに頭を搔いた。葵は怒る分けもなく伊織を助けてくれたことに感謝していた。

 

「2人がここまで運んで来たんですか?…ありがとうございます」

 

その表情は一安心しただろうか瞳から涙がポロポロ零れ出す。そんな彼女()の姿を見てハルトは慰めようとする。

 

「大丈夫だって!元気になるって!葵ちゃんや由奈ちゃんが心配したら余計に焦るしさ……」

 

その表情はどこか頼りない感じがあった、他人事かもしれないがハルトは自分なりに気遣ってるつもりだ。

 

「そうですよね…私がしっかりしないと!」

 

励まされたからか制服の裾を捲る葵、その勢いのまま台所へ向かい一番下の引き出しからボールをザルを取り出しそのザルに米を3合程入れ米を研ぎ始める。

 

「葵ちゃん…何を?」

 

「決まってます!義兄さんにおかゆ作ってるんです!」

 

やる気マンマンの表情を浮かべる葵、その表情を見て2人はホッとする様に笑う。研ぎ終えた米を炊飯器に入れようとする葵、しかし驚いた事か米の入ったお釜には水が入っていなかった!それを見たハルトは慌てて葵が炊飯器のスイッチを押すのを止めた。

 

「ちょっと葵ちゃん!?お米炊く時は水入れなきゃダメだよ!!」

 

「えぇっそうなんですか!?」

 

葵は初めて知った様に驚く、その瞬間ハルトは葵は料理が下手だと言う事を確信した。

 

「お米を炊くときは入れたお米の合のメモリに合わせて水を入れるんだよ、ほら3って書いてあるでしょ」

 

ハルトは葵に米の炊き方を丁寧に説明する。教えてもらった通りに葵はお釜に3のメモリの所まで水を入れもう一度炊飯器にお釜を入れスイッチを入れる。

 

「ハルトさんって料理得意なんんですか?」

 

「まぁ…ある程度はね、今度時間があったら色々教えて上げよっか?」

 

「ハイ!私…兄からもよく下手って言われるんです…上手くなろうと頑張ってるんですけど…」

 

これでも葵なりには努力している様だ、そんな張り切る顔を見てハルトもやる気が湧いてきた。

 

「うっし!じゃぁ炊けるの待ちますか!」

 

時刻は17時丁度、ご飯が炊けるまであと1時間……長々と待っていた、ようやく1時間が経ちご飯が炊けた、おかゆを作るのに小さい鍋を持ってくるが、それと一緒に葵は油までもって来る。

 

「油は使わないよ!」

 

ハルトはツッコミを入れる様に葵に油は必要ないと指摘する。

 

「うぅ…スミマセン…」

 

葵は申し訳なさそうに頭を抑え落ち込んだ様子を見せる。言い過ぎたかと思いハルトも謝る。

 

「あぁ…ゴメン、普通にご飯に水入れてトロトロに煮立ったら弱火にする、でもコゲが付かない様に時々かき混ぜるんだよ」

 

ハルトさんは私におかゆの作り方を教えてくれた、凜さんはその間に食器を出していました、普段は叔母が仕事でいなくて兄と2人で生活していた為こうしているのが何だか嬉しくてしょうがないです、私は心の中で「こんな日がずっと続いて欲しい」と感じました……でもきっと無理かもしれません…だってハルトさんも凜さんもリベリオン使用者、いずれは兄と戦うかもしれない…そう考えてしまうと胸が痛いです、でも今こうしていると嫌な事も忘れてしまうくらい楽しいです。

 

「ほら、美味く出来たでしょ、後は塩を適量振って完成~」

 

ハルトさんに教えて貰った通りにやったおかげで美味くおかゆが出来ました!初めてかもしれません、こんなに美味く出来たのは…義兄さんに教えて貰う時は何時も失敗なのに……そこに関してはハルトさんの方が勝ってますね、私は凜さんの用意したお椀に作ったおかゆをよそって塩を適量振りかけて、トレイに乗せて義兄さんの所へ持っていく

 

「義兄さん?起きれる?」

 

私は寝ている義兄さんを起こそうとおかゆを小さなテーブルに置き肩を揺らす。

 

「ぅん…葵か…確か俺は……」

 

伊織は目を覚まし起き上がる、まだ頭がふら付くからかボーっとしている、そして葵の横にあるテーブルのおかゆに目が向く。

 

「アレ…もしかして…お前が?」

 

伊織はまだ疲れ気味の口調で言う、葵は頷きハルトに教えて貰った事を話す、そして伊織はハルトの方向を向く。

 

「……また借りを作っちまった…」

 

これ以上借りを作らまいと思った伊織だがまた作ってしまった事に右手で頭を抑える。

 

「おっ…俺だって少しは心配したんだぞ!!」

 

ハルトは照れくさく言い返す。伊織はゆっくりと立ち上がり小さなテーブルの方に向かい座布団に座る。スプーンを手に取り大さじ1杯程度におかゆをよそい、少し冷ます様にフーフーと息を吹き1口食べる。

 

「…美味いな、初めてじゃないか美味く作れたの」

 

葵の作ったおかゆを美味いと伊織は評価する、しかし葵は頬を膨らましていた。まるで今まで美味しくなかったと言われたと思ったのだろう。

 

「もうっ!それじゃぁ今まで美味しくないって言ってるもんじゃん!」

 

こうしてみると普通の家族の様な雰囲気で伊織も今までのキツイ表情とは裏腹に優しい顔をしていた。

そこに凜が(こんな顔するんだ~)とにこやかな表情をしていた。

 

「まっ元気になりそうでなによりだな」

 

俺は2人(伊織と葵ちゃん)の穏やかな雰囲気を見て一安心した、そこに凜は「そろそろ行こう」と言いながら俺の肩を叩いた。

 

「そうだな、あっでもせめて食器洗ってから…」

 

「いえ、後は私がやりますので大丈夫です」

 

葵ちゃんの一言を聞いて納得した俺は凜と一緒に伊織の家から出た、エレベーターに乗ってる時凜が話しかけてきた。

 

「お前には…戦う理由とかあるのか?」

 

それは俺に戦う理由はあるかどうかだった、でも俺の答えは変わらない。

 

「俺は…クリーチャーから人を守る為にリベリオン使用者になったつもりだ、今も…これからも」

 

俺の答えを聞いた凜は安心した様な表情をしていた。

 

「それを聞いて安心したよ、お前とならこの戦いを止められそうだ」

 

だが俺には1つ不安があった…ハルトの暗示…SUN(太陽)伊織のMOON()は正位置と逆位置では全く違う、対立する存在と言っても過言ではない……決して交わる事のない存在…それを変えられるのはあの2人次第だ……

 

「んじゃっ俺こっちだけど凜は?」

 

「あっ…あぁ俺はこっちの方なんでな」

 

ハルトと凜の帰る方向は別だったため2人は十字にそれぞれ左右反対の方に分かれてハルトは自分の家に、凜は宿ではなく満喫へ向かった。

 

「何だかんだで結構遅くなったな~」

 

スマホの時計を見たら時間は19時26分だった、こりゃヤバい、姉ちゃん腹すかせて怒ってるかもな~俺は大急ぎで家に帰った。

 

「ゴメン!帰るの遅くなって!」

 

俺は家に帰ってすぐ様姉ちゃんの部屋のドアを開けた、しかし部屋を見ると誰もいなかった、辺りを探してみるとリビングのテーブルで味噌味のカップ麺(ビックヌードル)のを食ってる姉ちゃんの姿があった。

 

「おかえり」

 

姉ちゃんは何時もと変わらないぼ~っとした表情をしていた、怒ってるかどうかも分からない、すると姉ちゃんが俺の方に近づき話をかけて来た。

 

「今日の事ネットで見たよ、大丈夫だった?それに昨日帰って来なかったし」

 

夏姫はどこかハルトを心配している様な表情をしていた、普段はだらしない彼女でも弟の事はなにより心配していた、もしかしたらハルトを助ける為にテクノアカデミー高のハッキングを解除したのかもしれない。

 

「あっ…大丈夫だよ、ちょっと絡まれた所親切な人に拾われて…それで学校にはいなかったから…でも大きな被害が出なくてよかったよ」

 

「そう……なら心配ないわね、彩ちゃんも怪我とかなかった?」

 

「大丈夫だったよ、前の事もあって心配だったけど……今回は大丈夫っぽい!」

 

しかし姉ちゃんが人の心配とは……そりゃするよな、ってかなら助けてくれよ…ってそりゃ無理か~

 

しかしハルトは知らない、学校を救ったのが夏姫本人だと言う事を―――

 

「んじゃぁ俺も適当に食って寝るわ…」

 

「あっ、じゃぁ私のも洗っといてね~」

 

姉ちゃんは食べ終わったカップ麺の容器を台所に置き自分の部屋に戻っていった、時間もなかったし今日は醤油味のビッグヌードルだけで夕食をすました。

 

「しっかしあのガキ…今度あったら成敗しねぇとな!!」

 

元はと言えばあのガキ(要人)のせいじゃねぇか!今度という今度は辞めさせねぇと……凜もいるしきっと出来るはずだ!!

この頃の俺は……そんな事を思っていた、でも……現実はそんなに甘くなかった―――

 

「ごっそさん!!じゃぁ容器を洗いますか~」

 

ハルトは夏姫のを含め2つの容器を洗い、すぐ様シャワーを済ませ、そのまま眠りについた―――

 

―――翌日、午前10時、目を覚ますとスマホに学校からメールが来ており、文には「本日は教師による緊急会議を行うため休校とする」と書かれていた。昨日の事の話し合いだろう、しかし休みになるなんてな……休みなのは嬉しいがアイツのせいだしな…喜べるわけない、姉ちゃんはいつも通り大学に行ってるため家には俺一人だ。

ゲームでもしようかとゲーム機本体(Z-BOXΩ)を自分の部屋から取り出そうした時、突然俺のスマホが鳴り始めた、今度は電話だ、まさかまたアイツか!?俺は用心深く電話に出る、その相手は―――

 

「あっ、ハルト?私、彩だよ~あのさ…今日休みになった訳だそっち行ってもいいかな…1人じゃ何かな~って」

 

彩からの電話だった、そういやアイツの両親も平日は殆んど働いてるからな~確かにこの間「たまには家きて遊ぼうぜ!」みたいなこと言ったな…

 

「おぉいいぜ!何時でも空いてるから待ってるぜ~」

 

「うん、じゃぁすぐに向かうね!」

 

彩は上機嫌だった、ハルトはすぐに「元気ハツラツ!!」と大きく描かれた白いシャツに紺色の半ズボンに着替え、少し周りを片付けようとゴミ捨てを始めた。

 

「まぁ…これくらいならいいんじゃないかな?」

 

20分後…ハルトは満足感を感じていた、「フゥ~」と息をついているとインターホンのなる音がした、ハルトがドアを開けると彩が待ち構えていた。服装は白いノースリーブのブラウスに買ったばかりかと思われるオレンジ色のプリーツスカートでちょっと可愛らしい格好をしている、さらにチャームにウサギのリボンでポニーテールを縛っている

 

「来ちゃった」

 

彩は「テヘッ」とするような可愛らしい表情をしていた、鈍感なのかハルトは普通通りの対応で彩を家に入れた。

 

「早いな~まぁ上がれよ」

 

「お邪魔しま~す!何か久しぶりだねこういうの」

 

そういや彩が家に来たのは何時ぶりだろう…軽く2年前かな…小学校の頃はよく一緒に遊んだんだが中学入って色々と忙しくなったからな、今は大分落ち着いた方だ。

 

「まぁ手始めに…コイツやるか」

 

ハルトが手に持ち出したゲームはZ-BOXΩのソフト(ハイスピードデンジャーズ)いわゆるレースゲームだ、道中に手にしたアイテム(マシンガンやバズーカ)を駆使してゴールを目指すルール無用のレースだ。

早速2人(ハルトと彩)はコントローラーを手にし、ゲームを始める、最初のステージは炎に包まれた森だった、10台の車がスタート地点で待機している、ハルトは赤色の、彩はピンク色の車を使用している、レーススタートの合図であるシグナルが赤から青へと変わり前車猛スピードで走り出す、操作がイマイチ思い出せない彩は少し遅れをとる

1位は緑色の車のCPU、ハルトは5位だった、それを追い抜こうとアイテムが入ってるであろう箱に接触しアイテム(手榴弾)を獲得する、入手した手榴弾をすぐ様1位の方向へと右のR2ボタンで狙いを定め定まった瞬間ボタン放し手榴弾を投げる、投げた手榴弾は見事に1位に命中、爆発し、そのまま他の車が先へ進みとうとうハルトが1位になり「ニシシシ…」と喜ぶ表情を見せる、そんな時後方から物凄いスピードで走って来る車を見る、彩の車だ、道中でごく稀に出てくる最強のアイテム(デストロイキラー)を入手し無敵状態となり車やあらゆる障害物を吹き飛ばし進み続ける。

 

「これで逆転待ったなしね!!」

 

当然ハルトの車も吹き飛ばされる、もはやゲームのパワーバランスが成り立たない、そんなこんなでゲームが終わり1位は彩の手に渡った。

 

「あ~~~~っ!!あんなの反則だろ!!」

 

「フッフ~ン!!運の勝利と言いたまえ!!」

 

勝利したからか彩は余裕の笑みを浮かべる、アッサリ負けたからか膝から崩れショックを受けるハルト。

時刻は11時半、そろそろ昼ご飯の頃間だろう。

 

「そろそろ何か食うか?要望があるなら作るけど」

 

「う~ん…作ってくれるのも嬉しいけど…一緒にどっかで食べてかない?たまには」

 

彩は家で昼食を食べるよりもハルトと一緒に外で昼食を食べたいと言う、ここ最近は2人でいる事は多いが一緒にご飯を食べる事はなかった。

 

「おぅ!んじゃ早速行きますか!」

 

ハルトとは彩は家を出て近くのファミレス(マイルドスター)へ向かった、歩いて10分、気付けばもう入り口前に辿り着いた。

 

「いらっしゃいませ~2名様でよろしいでしょうか?」

 

「あっ、はい、2名で」

 

2人は店員に丁寧に誘導され2人用の席に座った、メニューを開こうとすると水を置きに来た店員が来た、その店員は―――

 

「おまっ……」

 

「ふぁっ……!?」

 

「へぇ~以外」

 

その店員は何と伊織だった、見間違いかと思われたが目つきの悪さ、不愛想な格好、間違いなく伊織だ、右腕には昨日怪我した時に巻いた包帯を巻いていた。

その姿にハルトも彩も驚いていた。

 

「お前こんな所で……って動いて大丈夫なのかよ!?」

 

「お前には関係ないだろ…どうぞごゆっくり」

 

伊織は水を2人分置き呆れ文句を言いながら休憩室に戻って行った。伊織は頭を押さえ壁にもたれ掛る。

 

「何でよりによってアイツが……」

 

そんな所を店長である吉田陽菜(よしだはるな)に見られる。

 

「あらどうしたの?ちょっと調子悪いみたいだけど…今日新しいバイトの子来るからあまり無理しなくていいよ」

 

陽菜は優しく伊織の肩を叩く、一息つき椅子に座る伊織、その後ろからドアの開く音がし1人の少年が入って来た、店長の言う新しいバイトだろう……その少年とは―――

 

「今日からお世話になります、星流凜です、よろしくお願いします」

 

「あら、早いのね~じゃぁ早速だけどお皿洗い頼んでもらってもいいかしら?」

 

新しいバイト……それは凜の事だった、その姿に伊織はさっきハルトがしていた驚いた顔をしていた。

 

「お前…何でここに!?」

 

「あら、知り合いなの?」

 

「はい、ちょっとした仲で、そろそろ金欠でな、しばらくここにいるからな」

 

凜のバイトする理由、彼は旅人の身であり、宿などに泊まる資金が必要なのだろう。その理由に納得し溜息をする伊織、凜は昨日の事もあり彼を心配していた。

 

「と言うよりお前は大丈夫なのか?倒れたばっかで?」

 

「お前に心配されるほどじゃない、これくらいどうもない」

 

何事も無かった様に伊織はステステと厨房の方に歩く、凜はすぐ様白のワイシャツと紺色のスラックスに着替え店長に言われた通り厨房の皿洗いを始める。

 

◇◆◇

 

「しっかしアイツがここでバイトしてるなんて意外だな~」

 

「アタシはあんたがあの人と仲がいいのが意外だよ、性格真逆なのに」

 

メニューを開き何を頼むか決めながら雑談するハルトと彩、今でも伊織がバイトしてる事に驚いている。

 

「仲いいってわけじゃねぇよ~まぁ何となくいるっていうかさ~」

 

「ふぅ~ん、色々とあるんだね」

 

何があるかはあえて聞かない彩、人の事にとやかく首を突っ込む性格ではない様だ。

 

「あっコレにするわ!」

 

「あっ、いいね~それ、アタシもそれにする♪」

 

ハルトと彩は注文するメニューを決め左奥にあったボタンを押す、「ピンポーン」と音が鳴ると同時に青いスカートにガーデニングエプロン姿の女性店員がやってきた、伊織が来るかと期待したがそんな事はなかった。

 

「ご注文はお決まりでしょうか~?」

 

「えっと…このまろやかふんわりオムライスを2つ」

 

注文したのは「まろやかふんわりオムライス」だった、たまごがふんわりしてまろやかで店内でも人気ナンバー1のメニューだ。

 

「かしこまりました~少々お待ち下さい」

 

注文してから13分、ようやくまろやかふんわりオムライスが2つテーブルに出された。

 

「大変ながらくお待たせしました~まろやかふんわりオムライスです、ご注文は以上でよろしいでしょうか?」

 

「あっ、ハイ」

 

女性店員が去るとすぐ様スプーンを手に取り食事に入るのであった、その味はというと……

 

「おぉ!!こりゃ美味い!!このたまごのふんわりがご飯を包んでまろやかな味わいをだす…こりゃとても真似出来ねぇ」

 

「ホントだ、美味しい!!頼んでよかった~」

 

2人共感激する程の美味さだった、まさにほっぺが落ちる美味さ、店内のほとんどが、このまろやかふんわりオムライスを頼んでいた。

食べ始めてから10分、あっという間に完食した。

 

「いやぁ~美味かった~」

 

「うんうん!お腹いっぱいだよ~」

 

2人はお腹を満たされた様にお腹を押さえる。

 

「んじゃ、そろそろ行くか」

 

「そうだね」

 

ちょっと休憩した後、2人は立ち上がりカウンターの方へ向かった。

 

「お会計、1400円でございま~す」

 

1400円、つまりは1杯700円と言う事になる、あの美味さで700円…安い!

お金を支払った後、すぐ様店内を出て少し街中を歩くのであった。

 

「はぁ~いい天気だね~」

 

空を見上げると透き通るような青空、忘れてると思うが今日は昨日の事もあり学校が休み、とは言え彩は充実していた。

そんな楽し気な表情を見てハルトもにこやかに笑う

 

「楽しそうで何よりだよ」

 

「最近色々とあって不安な事もあるけどさ…ハルトがいてくれると凄い助かる」

 

「あっ…そうか~そりゃありがたい事だ…」

 

「それでね…実はアタシ…そのっ…ハルトの事が―――」

 

彩が言葉を言いかけた時、葵が後ろから駆け付けて息を荒くしながら声を掛けてきた、彩にとってはタイミングが悪かった。

 

「あっハルトさん!!義兄さん見かけませんでした?朝起きたらいなくなってて…」

 

「あっ、それならあそこでバイトしてたよ、ってかやっぱりアイツ一言も声掛けずに行ったのかよ……」

 

ハルトは伊織のいるマイルドスターを指さしながら葵に説明した、それを聞いた葵はすぐ様その方向へ向かう。

 

「ありがとうございます!!」

 

「まったく…心配させてるのはどっちだよ…そういやさっき何か言いかけててたけど何?」

 

ハルトは伊織の事で溜息をつく、そして彩が何を言いかけてたのかを聞く。

 

「……何でもないっ、それより今日は休みなんだし満喫しようしよ~」

 

彩は言うのを諦めた、一体何を伝えようとしたのか……彩はハルトの手を引っ張りながら前に進む―――

 

◇◆◇

 

一方葵はマイルドスターの裏口から伊織が来るのを待った、予想通りゴミを捨てに来た伊織がドアを開けて出てきた、そこを葵は彼の裾を掴む。

 

「義兄さん!!まだ怪我万全じゃないでしょ!!全く…また開いたらどうするの…」

 

葵は伊織を心配そうな目で見つめる、そんな彼女の頭を伊織は撫でる。

 

「悪かったよ、仕事が終わったら一緒に何処か食べに行こう」

 

「…じゃぁここであの有名なまろやかふんわりオムライスを!!」

 

葵もハルト達が食べたまろやかふんわりオムライスを食べたかった、伊織はそんな葵を見て健やかに笑う、その光景を凜は影から見守る。

 

「フフっ、アイツも笑うんだな」

 

一見すれば何も変わらない日常…しかしその裏では誰にも知られないままリベリオン同士の戦いが繰り広げられる…

そしてその先に何を掴めるのか…それは自分だけが知る。

 

 

 

 

現在リベリオン使用者22人中残り21人

 

ToBe Continued……




【今回新たに使用されたシステムメモリー】

【スターリベリオン】
     ↓
【シールドイン】
ウェーブバリア ランクC+
スターシールドから電磁波状のバリアを発生させる、磁力により鉄製の物を引き寄せることも出来る。

今回はどちらかと言うと日常回でした~
戦い続ける中何を癒しにするのか……戦士を支える女神がいる…みたいな感じですね。

次回も戦いはますますヒートアップ!!遂にアイツも……

それではまた次回!!

感想、指摘があれば容赦なくどうぞ

メインキャラの中で誰が1番好きか?

  • 獅子堂ハルト
  • 三日月伊織
  • 国枝半蔵
  • 黒崎我怨
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