金髪の目が据わっている気怠そうな男、リオンは言った。
サヤビトは戦争の時に使われ、そのゴタゴタで今でも所属不明となっているサヤビトの管理も使命の一つとも言っていた。そしてその所属不明のサヤビトを手に入れ、「
「
あたしはそんな咎める声を無視して6個に手を伸ばす。
あの絶壁まな板女が
「
……でもあのリオンって男、喋るだけ喋って何処かに行ってしまったし、それも途中イライラしていたみたいだし。
「主人《アド》~」
「あーも!!さっきからうるさいわよデュエ!あたしがももまんどれだけ食べようが関係ないでしょうが!」
「関係あるよ~!私は
「た、食べないわよ!あ、あたしはあたしでちゃんと考えているんだから!」
「トマトってスゴイんだよ?ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEにリコピン、カリウム、食物繊維、鉄分、カルシウム、その他にビタミンH、ビタミンP、ビタミンB6…こんなにもトマトに栄養素が含まれているんだよ?」
「誰がトマトの説明しろって言ったのよ!」
……さっきからあたしにトマトがいかにスゴイかを話しているのは
あのリオンって男が
「ーーーそれでねあのね、トマトに含まれているリコピンの抗酸化作用にはねーー」
鬱陶しい……思わず風穴開けたいけどもそれを抑えてあたしは、人造人間であるサヤビト、デュエを観察する。
身長は160~165くらい。体重は50前後かしら。服装は武偵高の女子制服……拳銃やナイフなどの武装はなし….完全に丸腰ね。
視線を下にむけるとスカートからチラッと見える右の太もも、そこから黒いアザが右肩まであるのが見える。
顔は女性からみて可愛い部類に入るだろう。愛嬌ある顔といえばいいのか。
瞳の色はサファイアのような色、それに対して不釣り合いな黒い肩まで伸びる意図的にボサボサにした髪。印象からして普通の女の子と言ったところね。
……何処からどう見ても普通の人間の女の子。これが『人造人間』だと言っても誰も信じないわ。あたしもあの絶壁まな板女と
「……てかアンタ。そろそろトマトの説明やめなさい!いつまで喋ってんのよ!」
「ーーーーえ?トマト嫌いなの?駄目だよ好き嫌いしたら」
「誰も嫌いだなんて言ってないわよ……あたしはなんでも食べるわ」
「それなら尚更ちゃんと食生活見直さないと!私知ってるよ?ここ最近
「なっ!?アンタ監視してたの!?」
このあたしが監視に気づけないだなんて!迂闊だったわ。ーーーま、まあ確かにぃ?落ち込んで元気出なかった時や、調べ物やら沢山あったし、色々あったから、色々!……そ、それよりサヤビトは戦闘専門ばかりと思っていたのに。認識を変えないと、
「あ、やっぱりそうだったんだ
デュエはニヤニヤしていた。
え”っ?……もしかして図られた?あたしはそう持った瞬間ニヤニヤしてるデュエに腕を掴まれてズルズルと引きずられた。ちょっ、力強すぎ……!?
「さあさあ!そうと決まれば
「ちょ!ちょっと待ちなさいよ!アンタはあたしのサヤビトなんでしょ!?あたしの命令聞きなさいよ!!」
あたしはそう言った。するとデュエは一瞬真顔になり何故か優しい笑みを浮かべた。
「確かにそうだけどね~でも私『達』にはちゃんとした『意思』があるんだよ?確かに私と
「………じゃあ一体なんなのよ」
「私『達』はサヤビトだよ?それ以下でも以上でもない。まあリヴィアが怒るのも無理ないか~……私は怒らないけど」
よく間違えられるんだよねーとデュエは笑った。何故かデュエのその笑顔が少し怖いと思った。何故かは分からないけど。
それからは会話がなくなった。デュエはあたしをズルズルと引っ張りながら前を見ていて表情は伺えない。うわ……凄く気不味い。
そして武偵高の女子寮までつくまで一切一言も話さなかった。
*************
「さぁーて、どういうことかさっさとおとなしく文句言わず説明してもらおうか
で、俺リオンは新宿警察署、正確にはその中の留置人面会室にいる。
…ったくよぉ、こっちは早く帰って休みてぇのによ。あの大バカクソ推理野郎が仕事増やしやがってよぉ!アイツ勘付きやがったかどうか知らねえが、まったく連絡付かねえし。
「……そう言われても、ねえ……?」
困ったように微笑む女性、神崎・H・アリアの母親、神崎かなえだ。柔らかな曲線を描く長い髪に、オニキスのような瞳、白磁のような肌、おっとりとした雰囲気は完全に娘とは大違いすぎて笑える。実際笑ったしな。
「一応アンタ達『H』家と
「…そう言われましても…私はすでにこの状態ですし、それに主人も自分から話すと言っていましたから……でも話されていないようですね」
「あンのクソ野郎ッッ!!!」
俺ら
その契約は…
「あのカスは自分が結婚するまで
『H』家…いやボッチでいいや。ボッチ家は二世の頃からその才能の有能さから今の今までボッチなヤツが多い。
ピンクのガキ、アリアはボッチ家の『欠陥品』なんて言われてるようだが、ぶっちゃけた話し、アイツらボッチ家は友達がいない根暗だらけでアリアと大差ない。
で、そんなボッチでコミュ症なボッチ家を助けたのが、
能力の高さゆえに周りの普通の人は付いていけない。まあ周りにはそれについて行ける人間もいたはずだが、ドがつくほどのコミュ症には話しかけることすら不可能、例えできたとしてもそこから発展出来ずに終わるってわけだ。
だが、サヤビトは個性はあるが、言われた事はそつなくこなせる。何より意思がある、サヤビトが
昔は
「……あのボッチは本当に何一つ説明しねえのはよく分かった。帰ったらあのリヴィア食べた食糧の請求書全部アイツ送ってやる」
「……お手柔らかにお願いしますねリオンさん」
「無理だ」
とりあえず愚痴は置いといて。さぁてと、ここから本題だ。
「………で、
お、表情が変わったな。
「なにを言っているか理解できませんが?」
末恐ろしいくらいの棒読みだな。まるで感情がないな。
「心当たりがねえのなら良いわ。俺興味ないしな。仕込みはしたからな」
「仕込み、ですか…?」
「安心しとけ。あんたの娘共には危害はない。あ、そうだあんたから
「……分かりました」
じゃあなと言って面会室から出る。
ああくそ!イライラするなあ!マジであのカスどうしてくれようか…?
警察署を出て、綴に造らせた特注のタバコを咥えて火をつける。ふーっ……少し落ち着いた。
で?あの食欲旺盛女と根暗ヒステリアはちゃんと仕事やってんのか?あー考えるだけイライラするわ。