「あ〜!おにんぎょうさんがおきた〜!」
自分が起動して初めて見たのは可愛らしいふりふりのドレスを着た金髪の少女の驚いた表情だった。
辺りを見回すと真っ暗で何も見えず少女の横にある一本の蝋燭の火が唯一の灯り。
少女の声がかなり反響しているからこの場所が広い事が分かる。
この可愛らしい少女は一体誰なのだろうか?先程から自分の周りをぐるぐる歩いている、と思えばジッとコチラを見たり、恐る恐る指で突いてきたり。
「にーらめっこしましょ!あっぷっぷ!」
と言っていてきて両頬引っ張って舌を出して、両手を使って顔を潰したりと変顔を作り出してる。かわいい。
すると少女はムスッと不満げな表情をすると唯一の灯りの蝋燭を持ってそのまま自分の後ろに走り去ってしまった。
……しまった。私は一言も喋っていないじゃないか。この少女があまりにもかわいいからつい見惚れてしまった。
しかし何故私は起動しているのだろうか?起動するには
……まさかと思うが先程の少女が私を起動した?そんな事は無いだろう。あんな年端もいかない少女がサヤビトである自分の起動方法など知る由もない。
そんな事を考えていると私のいる真っ暗な場所に沢山の蝋燭の灯りが入ってくる。
その灯りでこの場所の全体が見えるようになる。
どうやらこの場所は広く、私が入っていた箱以外にも豪華な額縁に収まってる絵画や宝石が沢山埋めて込まれている箱、大きな秒針、ボロボロな銅像など新しいものから骨董品までありとあらゆる物が綺麗に並べられていた。
それらをただ眺めていると、先程の少女がおそらく少女の母親であろう女性を連れてきた。
少女は私に指を指して、
「ママー、おにんぎょうさんがうごいちゃった!すごいよねー!」
ママと呼ばれた女性は少女にそう言われ、困惑していた。
母親は少女に対して貴女がお人形さんを動かしたの?聞くと少女は元気よく言った。
「うん!ママたちがやってたこととおなじことをやったんだ!」
あー………やってしまったのかと私は溜め息吐いた。よくよく見てみれば自身の口の周りに少女の血がベッタリ付いてはいるではないか。
気付けよ私。と思ったが真っ暗だったから分かる筈ないか。少女の可愛らしい指に包帯が巻いてある。
指とはいえ血を流してるの娘に呼びは出されば母親も驚いてしまうだろうな。
そして案の定、少女はというと。
「ひっぐ……えぐ……ごべんなざい……ううっ」
母親にこっぴどく怒られるのだった。
あれから3時間が経過した。
母親のお叱りが終わって少女はやっと泣きやんだ。
………ただ少女はスゴイ落ち込んでいた。
それもそのはず、2時間の私を勝手に起動させた事やそして間違いなく今回に関係ない事のお説教、1時間お尻を叩き続けるなど、流石にやり過ぎではないか?と私は止めようと思ったが少女の母親が笑顔なはずなのにスゴイ怖い笑顔を向けられて諦めた。ごめん
そんなこんなで起動してまった私の処遇は二つ。
一つはこのまま少女のサヤビトになること。
二つ目は
………私としてはどちらかと言えばこの小さな可愛らしい
本来ならば幼すぎる
サヤビトは
いや絶対というわけではないが。
幼すぎる故に私にどんな命令するか分からないのだ。
いや私が頑張ってこの幼すぎる
あれ?これだと
チョロい私がアホなことで悩んでいると可愛い可愛い
「りこ!おにんぎょうさんとはなれたくないもん!このおにんぎょうさんはりこのだもん!」
心臓を撃ち抜かれた。
いやいや違う違う違うよ。
心臓は大丈夫だけど、そんな私の心は目の前にいる幼すぎる
なんてこというんだこんな可愛い涙目で言われたら全私なんか
「ねーおにんぎょうさん!きいてるー?りこのおはなしきいてるの?おにんぎょうさーん!」
はっ!?……ジュルリ。おっと私したことが
コチラを見上げて可愛く怒っている
「おにんぎょうさんだいじょーぶ?」
「ああ大丈夫だよ
私は心配してくれている
すると
「むー!りこはあどっておなまえじゃないもん!りこはりこだもんあどじゃないもん」
「ごめんねリコ。私はリコのおにんぎょうさんだからリコは私のご主人様なんだ。だから私の
「……う?あどはごしゅじんさまなの?」
「そうだよ、リコ。……だから私の
すると
母親は怖い顔で
「わーい!わーい!やったー!これからよろしくねおにんぎょうさん!」
「よろしくね
ひとしきりに喜ぶと
「ねーねーねーおにんぎょうさんおなまえはー?なんておなまえなのー?」
そう言えばそうだ。私は名前を名乗っていなかったね。
「私の名前はクロスだ、サヤビトのクロス」
私は誓うよ。
………例え何があっても、必ず。
いかがでしたか?
シリアスあんまりかけない……