第六話
「で?ツインテール、アンタは一体なにを知りたいワケ?」
屋上へと登ってきたあたしにプラチナブロンドーーーリヴィアと呼ばれていたわねーーーは何故かそんな事を言ってきた。
いきなり何言ってんのアイツは。
あたしが知りたいのはなんであんたが『あの人』の事を知っているかってことよ!
「……うーん、なんか噛み合ってないのよねぇ……まずなんでツインテールがキレたのかまったくわかんない…」
そんなに嫌いなの?と首を傾げるアイツにあたしは怒りを覚える。
嫌い?なんであたしが『あの人』のことーーー『ママ』のことを嫌いになるわけないでしょうがっ!!
あたしは『あいつら』に被せられたママの冤罪を晴らすために武偵として娘として動いている。
『あいつら』を捕まえて裁判でママの無罪を証言をさせれば目的を達成できる!
……けど悔しいけどあたし一人の力じゃあ『あいつら』を逮捕することが出来ない。
あたしの家系には優秀な相棒が必要だ。自分の足りないモノを補ってくれるパートナーが必要なのよ。
今までは「
だからあんたたちがパートナーになればあたしはママを助けることができる!だからあんたたちの事情なんか知ったことじゃない。あたしには時間がないのよ!
ママの冤罪はごく一部の人間しか知らない。
でもあんたはママの事を知っている。知っていると言うことは『あいつら』に関して何かを知ってる、情報を持ってることになる。
だから、だからだからだから!!
「うるさいうるさいうるさいうるさい!!つべこべ言わずにあんたの知ってること包み隠さず話しなさいっ!!話さないならーーー」
あたしは二本の刀を構える。力強く柄を握りしめる。
「ーーー風穴開けるわよッ!!」
あたしは正面から突っ込んでいき、アイツの頭上めがけて刀を振るう!
アイツはそれを防ぐが、あたしはもう一本の刀で下から振り上げるが、バックステップ躱されてしまう。
あたしは態勢を治させないよう追いかけ追撃し、アイツがショートソードを振り下ろしてくるが二本の刀を交差して受け止め、挟み混むように強引にショートソードを奪い取る。
「!!」
アイツはすぐさま後ろに距離をとる。
「逃がさないっ!!」
あたしは奪い取ったショートソードを地面に突き刺して追いかけ、刀を振り下げる。アイツの蹴りと激突する。
「ちょこまかと、動くな!!」
アイツはあたしに何もせず、後ろ後ろへと下がる。すると金網にぶつかる。もらったわ!
あたしはアイツの懐に入ろうーーー
ドバッ!!!!
「きゃ!?」
とした瞬間、あたしとアイツの間に黒い影が割り込んで来て地面を抉った。
辺りに砂埃が舞い、周りが見えなくなる。
(一体何がーーー!まさか、さっきのアイツの剣!?)
地面に突き刺したはずのショートソードはすでに無くなっていた。やっぱ厄介ね
「出て来なさいよ!この絶壁まな板女っ!!」
「…………」
ビュンッ!!と砂埃の中からショートソードが飛び出してくる!!
(そこねっ!!)
あたしは飛んできたショートソードを上に弾いて一本の刀を投擲する!けど、手応えはなかった。じゃあどこにーーー
「ふーん。じゃ、ちょっと分けてもらいましょうかねーーー」
っ!?まさかーーーー!
あたしは上を見る。飛んできたショートソードを弾いた上を。
そこにはアイツーーーリヴィアがいた。囮してショートソードを投げて、それをあたしが上に弾くことを見越して!
反応が遅れたあたしの前に着地して
「
黒い切っ先をあたしの胸を突き刺した。
俺はやっと白雪を追い返してリヴィアとアリアがいる屋上に向かった。
どうせリヴィアがアリアに挑発して遊んでるだろうと思いながら軽い気持ちで屋上に来た。
「………は?」
だが、いまこの光景を見てそんな気持ちは吹き飛ばされた。
「リ……リヴィア?」
な、何してるんだ?
なんで?
なんでアリアに剣なんか突き刺しているんだ?
「アリアッ!!」
叫んだ俺はアリアの元へ走りだす。
アリアは膝をついて呆然としている。剣が刺さっている胸からは血はーーー出てはいなかった。で、出てない?
「あのね、約束はちゃんと守ってるわよ」
息切れをしているリヴィアは苦しそうに言った。
で、でもお前の剣が。
「よく見なさいな。これ、木の枝よ」
は?木の枝?
リヴィアがアリアの胸から離して木の枝をヒラヒラとさせる。
た、確かにそうだ。少し水溜まりで濡れて黒っぽくなっている。一瞬だけなら間違えそうだ。なんでこんな事をしたんだ?
「こうでもしないとこのツインテール、全く止まってくれそうになかったからよ。あー疲れたっ!」
リヴィアは木の枝を放り投げてそのまま屋上を出ようとする。
お、おい、どこ行くんだよ。
「どこって……部屋に戻るのよ」
ちょ!?お前!アリアはどうするんだよ!このまま放ったらかしか?
「あったりまえじゃない。いきなり襲いかかってきた人間に情けかけるほど私は甘くはないし、面倒くさい」
リヴィアはアリアの方を見て、
「私もかなりガキっぽいわ。それでよく周りに迷惑かけたりしたし現在進行形でかけてる。けどね、アンタのほうがよっぽどガキよ。何か相手にして欲しかったらまずは自分からして、自分で考えろ」
リヴィアの話しを聞いたアリアがポツリと呟いた。
「………あたしには時間がない」
「ふーん。だから?どうしたの?」
話しは終わりだと言わんばかりにアリアに背を向けて歩き出すリヴィアはそのままトドメの一撃を放つ。
「世界がテメェ中心に回ってるなんて思うなよ。テメェ以上に不幸な人間はこの世に腐るほどいんの。何一人で悲劇のヒロイン演じてんのよ。バカじゃないの?」
バタンッ!!とリヴィアは屋上のドアを閉めて出ていった。
只々、俺は膝をついて呆然としているアリアを見ているだけだったが、なにもかける言葉が見つからなかった。
無慈悲にも俺はリヴィアと同じに屋上を出ていくしかなかった。
戦闘描写、難しい