緋弾とサヤビト   作:ビースト

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話しが進まない……


第八話

「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ~!!」

 

「……あのな佐々木、静かにしてくんない?周りの目が痛すぎる」

 

武偵高のすぐに近くにあるカフェのオープンテラスの一角でさっきから恨みが篭った唸り声が響いていた。

 

「だってぇ……だってだってだってだってだってだってだってぇぇぇ!!!」

 

「あーうっせー」

 

上から東京武偵高1年探偵科(インケスタ)佐々木(ささき) 志乃(しの)

同じく東京武偵高1年で強襲科(アサルト)火野(ひの) ライカ

 

火野はとっとと帰りたい気持ちで溢れかえっているが今の佐々木を一人にするのはかなり、非常にマズイ。

 

「うぅぅぅぅ…あかりちゃんが…あかりちゃんがぁぁぁあ!!!」

 

そう。これが火野ライカがとっとと帰りたい理由だ。これでも一応友達だ。友が落ち込んでいるなら慰めの一言をかけることくらいするが、理由がこれだと、一気に萎える。

佐々木志乃はここにはいないが火野と同じの強襲科(アサルト)間宮(まみや) あかりのことが好きなのだ。しかもlikeではなくLoveの方なのだ。

普段は普段はお淑やかで礼儀正しい大和撫子だが、あかりが絡んだ途端に変質、変態するストーカーだ。一回逮捕したほうがいんじゃね?と本気で考えている。

で、件のあかりはというと先輩で戦姉(アミカ)である神崎・H・アリアの所にいる。

神崎先輩はこの東京武偵高の数少ないSランクの一人だ。

そんな人とEランクのあかりが戦姉妹(アミカ)契約を結んだなんて今更ながら凄いと思う。っと話しがずれた。あかりは佐々木があかりのことが好きなように、あかりも神崎先輩のことがすきなのだ。困ったことにLoveのほうだ。

 

「あンの泥棒猫……どうシてくレようか……」

 

………危ない感じになってきてんな。

今、あかりは神崎先輩を慰めにいっているようだ。

東京武偵高である噂が飛び交っている。なんでもあの神崎先輩が謎の少女に負けたというウワサだ。しかもコテンパンに。

そのウワサを聞いたあかりが佐々木のランチのお誘いを断って神崎先輩の所に行ってしまって今に至るというわけだ。

 

「ったくあかりのヤツ、この状態の佐々木をアタシに任せやがって……うん?あれは……」

 

「くひっ、くひひひひふひひふひひふひひ……うん?この匂いもとい気配はっ!」

 

アタシと佐々木”だったもの”は人混みの中で見知った姿を見る。

 

「むぅ……」

 

そこには何故かむすっとした顔のあかりがいた。佐々木”だったもの”は佐々木に戻り、あかりのほうへと走り出す。

 

「あっかりちゃーーーん!!!」

 

「ほへ?ええ!?おぶっ!」

 

あかりの顔は佐々木の豊満な胸にうずくまる。

 

「あかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃーーーーん!!!大丈夫でした?あの雌猫になにかされませんでしたか?されたのですね!な、ならわたしが消毒してあげますね!それはもうわたしの部屋でじっくりねっとりまったりと至福の時をーーー」

 

「佐々木、自重しようなー」

 

火野が佐々木の襟を掴んであかりから引き剥がす。

 

「ああん。何するんですか!あかりちゃんとのスキンシップを!」

 

「ああはいはい。スキンシップは全然いいけどさあかりを見てみ?」

 

「見るってわたしのあかりーーきゃああ!?あかりちゃんが息してません!大丈夫ですか!?くっ!誰がこんなヒドイことを。然るべき粛清をーー」

 

「いや、それやったのお前だからな」

 

 

 

 

閑話休題。

 

 

 

 

 

 

「で、あかりよ。神崎先輩の所行ってきたんだろ?なんで機嫌が悪かったんだ?」

 

先ほどと同じオープンテラスで火野は佐々木に抱きつかれているあかりに聞く。

 

「う、うん。だけどアリア先輩の寮にいったんだけどいなくて少し探してみたら……」

 

「みたら?なんだよ言えよ」

 

「……お、男と会ってた」

 

「男って……あれか?神崎先輩が狙ってるっていう遠山先輩か?」

 

遠山キンジ。

強襲科(アサルト)の先輩達が一目置いている先輩。今は探偵科(インケスタ)でランクはEだが、一年の頃はSランクだったらしい。

そして神崎先輩はその遠山キンジをパートナーとして狙ってるらしいのだが……

 

「ううん。違う男の人だった。それを見て逃げて来ちゃった……」

 

へえ。驚きだな。そういったことは苦手な人だと思っていたのに。っておい佐々木。

 

「うふふふふふふふふふうふふふふふふふふふ……こ、これであかりちゃんはわたしのモノ……うふふ!」

 

佐々木ィ……頼むから自重してくれ。

 

「でも話してる事を少し聞いたんだけどよくわかんないこと言ってたなぁ……」

 

「よくわかんないこと?」

 

「うん。確か、さや、びと?だったかな」

 

「「さやびと?」」

 

さやびと?なんだそれ。聞いたことないな。

 

「志乃ちゃんは聞いたことある?」

 

「いいえ。聞いたことありませんね」

 

「うーん。アリア先輩何話してたんだろう……というよりもだれなんだろうあの男……むぅ!」

 

「嫉妬しているあかりちゃん……最高!」

 

佐々木ィ……

 

 

 

そんな騒ぎなんて、梅雨知らずその一時間前あたしーーー神崎・H・アリアはとある公園のベンチに座っていた。

 

「…………………」

 

ただぼーっと空を眺めていた。

あたしはあの銀髪女との一件からずっとこんな感じだった。

怒っているわけでもなく、落ち込んでいるわけもなく。ただぼーっとしていた。

なんて言えばいいのだろうか?毒気を抜かれたというべきか。

 

『何一人で悲劇のヒロインなんかーーーー』

 

銀髪女が言った言葉。

負けた後に言われた言葉はスゥッと不思議とあたしの中に入り込んだ。

あたしは焦っていた。いや現在進行形で焦っている。

一人限界を感じ、パートナーを見つけようとして見つけられず、やっと見つけても断られて切れて返り討ちにあって。

一体いつからだろうか?『あたしには時間がない』と思ってしまったのは。

 

 

普通無理でしょーーーママの懲役864年を消すことなんて。

 

すでに時間は残っていない。残って無いのに『あたしには時間がない』?全然笑えないわ。

なのにどうにかなるなんて考えて、それこそ『悲劇のヒロイン』演じているなんてどうかして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーッ!……ホント最近危ないわね」

 

ぼーっとしてる間にネガティヴ思考に変わってたわね。これもあの銀髪女のせいだ。

思考を切り替えなければ。違うパートナーを見つけないと。でもあたしが見てきた中でズバ抜けているのはあの二人だ。

あれと同等、もしくはあれ以上の逸材を捜すとなると……言葉に出来ない。どうすれば

 

 

「ふーん。あの大食い銀髪バカにボッコボコにされたって聞いて様子見に来たんだが、これはあまり問題なさそうだな」

 

「!?」

 

男の声だった。しかも隣からだ。

 

「どーも」

 

あたしの隣に座っているのは金髪でメガネを掛けた目が寝不足で据わっている気だるそうな男だった。

まったく気づかなかった。このあたしが。今のあたしがあまり良くない状態とはいえ、気づかれずに近づけるなんて。

 

「………誰よアンタは」

 

あたしがそういうと、気だるそうに

 

黒の守護神(プレティトーレ)って言うんだけど、何か質問ある?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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