教師なチャンピオン   作:雲仙

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魔法科高校 ガイダンス

七草と先輩は並んで講堂へ向かっていた。

 

「先輩、司波くんと何を話してたんですか?」

 

「魔法理論について。七草より話が盛り上がった」

 

「それは点数は彼より悪いですけど、会話自体は私との方が楽しいですよね!」

 

「かもね」

 

「え~、ひどいです」

 

「ほら。着いたから生徒会の方に行け」

 

「先輩、ではまた」

 

七草は手を振りながら小走りで生徒会の方に行った。先輩は扉の近くに立って腕を組み、壁に寄り掛かった。他の教員も講堂の後ろの方で立っていた。

 

(だるい。はよ終われ)

 

「ただ今より魔法科大学付属第一高校の入学式を始めます──」

 

(寝るか)

 

先輩は早々に飽きてしまったようだ。額のアイマスクを下ろして寝始めてしまった。それは入学式開始20秒後だった。

 

「───うがくしきを終わります」

 

(おお。ジャストだ)

 

入学式が終わり、生徒も解散になりそれぞれが家に帰っていった。先輩も帰ろうと思い、学校にある駐車場に歩いていく。先輩は1台のハーレーに近づいて、タイヤに巻いていた鎖を外し、校門の方へバイクを押して歩いていく。校門を過ぎると、バイクに跨がりエンジンを着けてバイクを走らせた。30分もすると住宅街に入っていき、ある一軒家にバイクを止めて慣れた様子で家に入っていった。

 

 

「おかえり、誑揶(きょうや)

 

「ただいまー。晩御飯は~」

 

「もう作ってあるから、スーツ脱いできな」

 

「りょー」

 

「じゃあ早く来なよ」

 

誑揶(先輩)を迎えたのは色の薄い青の髪をポニーテールした、長身の女性だった。2人のやりとりはまるで夫婦のようである。誑揶は部屋でスーツを脱いできて、テーブルへ向かう。それは囲めば6人は座れるだろう大きさのこたつ机だった。そこには女性の手によって夕食が並べられている。

 

「ほら、座って待ってな」

 

誑揶は頷いて腰を下ろした。女性が皿を運んでくる

 

「もういいよ」

 

「ありがと、沙稀。いただきます」

 

2人は向かい合って食べ始めた。2人の間には会話はなく、しかし気まずい雰囲気というものはない。2人共それが当たり前かのように箸を進めていった

 

「「ごちそうさま」」

 

2人は無言で食事を終えてしまった。それぞれが皿を台所に運び、誑揶はお風呂へ。沙稀は皿洗いを始めた。誑揶がお風呂から出て、沙稀がソファーに座っていたので誑揶も上半身裸のまま沙稀の隣に座った。

 

「久しぶりに生徒に会ってどうだった」

 

「やっぱ、つまんない奴ばっか。けど、新入生に四葉のガキがいた。アイツはちょっと良かった」

 

「四葉?あの沖縄にいた似てない兄妹?」

 

「それ。兄の方は魔法理論についてかなりいけた」

 

「あんたに付いていけるって珍しいね」

 

「そう?」

 

「そうでしょ。あんたは大概の人を置いてきぼりにするよ」

 

「付いてこない奴はいらない。けど、俺が欲しい奴は引っ張っていく」

 

「わかってるよ」

 

かなり横暴な事を言っている誑揶だったが、沙稀も沙稀でそれを普通に理解していた。

 

「眠い。寝る」

 

「唐突だね…まあ、別にいいけど」

 

誑揶はそそくさとソファーを立ち歩き出す。沙稀もそれを追うようにソファーを立つ。そして2人は同じ部屋へと入っていった。

 

 

 

翌朝4時。誑揶はジャージ姿で家の前にあった……何故か靴はブーツだが。そして誑揶はとても速く走りだした。そう車顔負けのスピードで走りだしたのだ。

 

午前5時。また誑揶は家の前にいた。1時間前と違うのは若干汗ばんでいるくらいだろう。それもそうだ。何せ1時間で100㎞も素の身体能力で走ったのだから。と、いうよりも車以上のスピードで1時間走ったのに、軽く汗ばむだけというのは異常だろう。

 

午前5時20。まだ誑揶は家の前にいる。だが汗は引いているが顔に苦悶が少し見えていた。今回は自己加速術式を用いて、先ほどと同じコースを走ったのだ。……もはや、人間か疑いたくなる行いだ。

 

誑揶は家に入り、シャワーを浴びる。その後は台所に向かう。

 

「おはよう」 「ん。おは」

 

そこでは、沙稀がせかせかと弁当を作っている。……しかし量がおかしい。弁当箱に3段の重箱が使われているではないか。ピクニックにでも行くつもりか…それを傍目に誑揶は誑揶で何やら料理を始めた。逆にこちらは水色のかわいいサイズの弁当箱だ。互いに互いの弁当を作っているのだろうか。沙稀の方が先に調理を終え、朝食の準備に取りかかっている。

 

誑揶も弁当を作り終わり、沙稀もテーブルに朝食を並べ終えていた。2人はまた向かい合い、

 

「「いただきます」」

 

昨夜と同じように食べ

 

「「ごちそうさま」」

 

誑揶はスーツの上着を取りに行き、降りてくる。沙稀は皿洗いを済ましている。誑揶が2つの弁当へ手を向けると弁当の上に魔法陣が出現し、弁当箱を呑み込んだ。2人は当然のように玄関へ進み、

 

「いってらっしゃい」

 

「いってくる」

 

そしてバイクに跨がり学校へ向けて出発する。これがここ数年の2人の朝からの過ごし方だった。

 

 

 

~深雪side~

 

お兄様と2人で登校して、教室に入ってからは遠目から私を見るだけで、誰も私に話し掛けようとはしてきません。

 

「座れ」

 

前の扉からその一言だけをおっしゃり、スーツの男性の方が入ってきました。その方はアイマスクをして歩いてきました。

 

(何故あれで歩けているのかしら?)

 

「ん。このクラスの担任になった不知火 誑揶。教えるのは魔法理論と工学、実技と一般科目。授業で不明な点があれば放課後に俺の所に来い。座学と実技、両方教えてあげれる」

 

不知火先生は静かにしかし、しっかりと教室に届き渡る声でそうおっしゃった。

 

「これから本校のカリキュラムに関するガイダンス。その後、選択科目の履修登録をしてもらう。終わっている奴は退室して、魔法授業の見学に行ってもよし。説明に俺が欲しい奴は言ってこい。一緒に回る。質問は」

 

不知火先生は確認するように教室を見渡す。誰も立ち上がらないのを見て、先生はガイダンスをはじめられた。

 

──履修登録も済ませ、お兄様はお兄様で回られるだろうから、せっかくなので不知火先生に案内をしてもらおうと思います。

 

「不知火先生。一緒に回っていただけませんか?」

 

「ん。他は」

 

不知火先生がそう呼び掛けるとA組の殆どの人が、先生の元に集まった。

 

「多い」ボソッ

 

先生は然り気無く感想をこぼしながら、不知火先生は教室の外へ行かれました。私もそれに続くように歩き始めます。

 

────不知火先生の案内も終わり、昼休憩になりました。不知火先生は各場所で丁寧に説明してくださり、更には生徒からの質問もしっかりとお答えになられていました。

 

(あの先生は良い先生でしたね)

 

私は先ほどの魔法授業の見学の事を思いだしながら、お兄様と昼食を摂ろうと食道へ向かいます。

 

 

 

~誑揶side~

 

(人多過ぎ。友達作りで勝手に回ればいいのに)

 

誑揶はとぼとぼと生徒会室に足を運んだ。

 

 

 

 

 

 

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