東方銀翼伝 ~超時空戦闘機が幻想入り~   作:命人

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冥界に向かう最中、暗闇を操る人食い妖怪「ルーミア」に襲われるも、新技「リップルレーザー」を用いて撃退したアズマ。彼はアールバイパーを駆ってさらに高度を上げていくと、ついには冥界の扉を通り越えた。この先に待ち受けているのは……?


第4話 ~幽雅なる亡霊~

 冥界というからもっと陰鬱で暗い場所とばかり思っていたが、俺の予想を大幅に裏切る光景が目の前に広がっていた。

 

 肌寒くはあるがそれを除けばまるで現世と変わらない、むしろ美しく見えるような気もするくらいだ。

 

 眼下に広がるはどこまで続くとも分からない石造りの階段。徒歩であそこを進むのは正直死ねる。あ、ここは冥界か……。それにしてもアールバイパーがあってよかった。というかコイツがいなければ俺は空を飛ぶことすらできないわけなのだが。

 

 こんな所にも妖精は紛れこんでいるようで、こちらにちょっかいを出すべく弾を放ったりしてくる。あまり相手にする余裕はないのでスルーしたいところだが、ここで半霊が飛び出して妖精にまとわりついた。動きが鈍っている間に更に先に進む。頃合いを見て半霊を呼び戻せばよい。呼びかけに素早く反応してこの愛らしい真っ白な生命体は俺の元に帰ってきた。

 

 それにしても本当に美しい場所……。道の左右に植えられているのは桜の木だろうか、この冥界のオーナーはよほど桜が好きなのかもしれない。

 

 そう思索を巡らせているととてもこんな高空にあるとは思えないほどの大きな屋敷を発見。建物という事は誰かが住んでいるに違いない。ここの人(いや、幽霊かな?)に聞けば半霊も元の場所に戻れる筈。

 

「あら、どちら様? 鳥料理は好きだけれど、生憎そんな硬そうな鳥はお断りよ?」

 

 俺がここまで来たことに気がついたのか、おっとりとした女性の声が響く。おっとり具合は白蓮にも引けを取らないが、若干声が高い気がする。

 

 見上げると水色の和服に身を包んだ女性がふわりふわりと浮遊していた。帽子には彼女が生者ではないことを示す三角巾がついているのだが、何故か赤い渦巻マークのデザインが為されている。まるで一昔前のゲームハードのマークだ。

 

 見るからに幽霊っぽい見た目。ただし脚はある。桜の花びらを連想させる桃色の髪をなびかせるその姿は怖いというよりかは神秘的であった。なるほど、冥界が美しいならそこに住まう住民も美しいということか。

 

 というかこの幽霊も俺を食べようとしていたのか。幸い「硬そうだからお断り」らしいが。

 

「うふふ、ちょっとしたジョークよ。ところで貴方、奇妙な乗り物に乗っているけれど、中身は人間ね。私にはわかるわ。生きている人間がこんな場所……『白玉楼(はくぎょくろう)』の『西行寺幽々子(さいぎょうじゆゆこ)』に何か用なのかしら?」

 

 着物の袖から取り出したのは扇子。幽々子と名乗る霊体の女性は開いた扇子を口元に添えている。どうして幻想郷の女性はこうも高圧的な人ばかりなのだろうか? 俺はやれやれとため息をつきつつ、迷子になった半霊の話を切り出す。

 

「あら、そういえばその乗り物……硬そうな銀色の翼を持っているのね。もしかしてその乗り物って『チョウジクウセントウキ』?」

 

 いや、切り出そうとしたのだが、それより前に幽々子はアールバイパーの方が気になって仕方がないようである。さっきまでは硬くて興味ないとか言っていたのに、今では翼の辺りを軽くツンツンと小突いているではないか。

 

「え? あ、ああ。確かにこいつは超時空戦闘機『アールバイパー』だけど……」

 

投げかけられた質問、それは唐突であったにもかかわらず咄嗟に答える俺。いつも「変な鳥の妖怪」扱いなので、ちゃんと名前で呼んでくれた事が嬉しく、思わず返事をしてしまったのだ。だが、それがまずかった。あれだけ威圧的だった幽々子が途端に瞳を輝かせている。

 

「そ、それじゃあ貴方ってあのアズマ君っ!? 紫と弾幕ごっこをして打ち勝ったっていう……」

 

 まるで子供のようにはしゃぐ幽霊。

 

「幽霊じゃなくて亡霊よー♪」

 

心を読むなっ!

 

「私ね、実は紫とは大親友なの。なんたって生前からの仲なのよー♪ それでアズマ君はその私のお友達をコテンパンにやっつけちゃったんだよね?」

 

 明らかに仇討を連想させる物騒な言動であるが、幽々子からは悪意というかそういう負の感情をまるで感じさせない。というより楽しんでいるようにさえ見える。あと言い訳をするようだが、本当にコテンパンにされたのは紫ではなくて俺の方だ。紫との勝負はオプションシュートによる不意討ちで勝ったようなものなので、個人的にはあまりカウントに入れたくない。

 

「ならばー……紫の敵っ! 私とも弾幕して頂戴。今度は私がアズマ君をコテンパンにやっつけちゃうわよー♪」

 

「いや、あの……」

 

 要は変な理由をこじつけるだけこじつけて、俺と弾幕ごっこをやりたいだけらしい。改めて半霊の件を切り出そうにもこれでは話しかけられない。

 

「紫だけだなんてずるいわー。私とも遊んで遊んでー」

 

 とうとう本音が出やがった。彼女も「大妖怪『八雲紫』を倒した外来人」に興味を持ってコンタクトを取りたがっていたのだろう。まったく……あちこちにこの事を広めた文も随分迷惑な事をしたものだ……。

 

 さて、この幽々子という亡霊、紫の古くからの友人だというくらいなので相当のやり手であることは確実。弾幕の結果はともかく大怪我しないようにしなくてはいけない。俺はリデュースボタンを押し、2メートル程度に小さくなる。

 

「遂にやる気になったわね。それじゃあ私も……」

 

 いままでの茶目っ気は一瞬で消え去り、真剣な面持ちをすると亡霊少女は自身の後ろに巨大な扇子のようなオーラを展開させた。か、カッコイイ……!

 

 扇子から無数の蝶々が舞う。あれ1つ1つが弾幕なのだろう。レミリアを相手にした時もそうだが、演出にまで力を注ぐだけの余裕があるという証拠。果たして俺にどこまでできるのやら……。

 

 

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(アズマが白玉楼にたどり着くその少し前の幻想郷某所……)

 

 水色の髪の毛をした少女が紫色の大きな傘と、どこからか調達した釣竿を手にニンマリと笑っていた。

 

 彼女こそ唐笠お化けの「多々良小傘(たたらこがさ)」である。今日も人を驚かせるための準備をしているところのようだ。といってもその驚かし方はこれまた古典的なコンニャクを釣竿に括り付けてってやつなのだが。仕事道具をセットしながらにんまりと笑みを浮かべている彼女はまだ始まってもいないのに上手くいっている様を想像しているようだ。

 

 人通りの少ない場所に陣取って柳の木の裏に隠れる。周囲は薄暗いのでこんな昼間でもそれなりに効果はあるだろう。固唾を飲む小傘、標的は近い。慎重に釣竿を動かし始める。

 

「(今だっ!)うらめしやー!」

 

 しかし、ゆらりと釣竿を操ってこんにゃくを素肌にピタリとくっつければいいものの、何を考えたのか、コンニャクを持った釣竿を持ちながら本人が飛び出してしまった。標的となった人間はポカンとしながらこのいろいろな意味で可哀想なオッドアイの少女を見ている。

 

「ああっ、間違えてわちきまで出てきてしまった!」

 

 ここでキャラ作っても多分意味ないぞ、小傘。驚かすどころか標的にケラケラと笑われてしまい、顔を真っ赤にしながらすごすごと柳の裏へ戻る。

 

「こ、今度こそ……」

 

 再び釣竿を構えてコンニャクをセットするが、その後も何度やってもどうしてもうまくいかない。コンニャク作戦が上手くいかないと悟ったのか、懐からものすごい形相の鬼のお面を取り出す。

 

「こんどはコレで……」

 

 木陰で標的を待つこと十数分……

 

「(来たっ……! お、落ち着くのよ小傘! 今は鬼の顔なんだからきっと驚かせる……。リラックスリラックス……。いつもの通りにやれば上手くいくから……)」

 

意を決して大きな目玉と舌のついた傘を振りかざして飛び出す。

 

「おーどろけー!!」

 

 しかし彼女に待っていたのは驚きおののく人間ではなかった。まず小傘の目に映ったもの、それは自分よりも数倍は大きな巨体。その巨体の中心では瞳孔のない真っ青な目玉が一つ不気味に発光している。その「目玉」を覆うのは頑丈で硬そうな体はまるで鋼鉄のように無機質であった。

 

 それが音もなくゆっくりと錐もみ回転しつつ浮遊している様は不気味としか言いようがない。まさに正真正銘のバケモノ。

 

「ぴゃ~~~~~っ!?!?」

 

 全身の毛という毛が逆立ち、この世のものとは思えない悲鳴を上げる唐笠お化け。顔につけていた鬼のお面もずり落ちてしまった。

 

 対する巨体はその横長の六角形の体をゆっくりと傾けて、素っ頓狂な悲鳴を上げた妖怪に狙いを定める。この巨体を正面から見ると意外と平べったいことが分かる。だが、その平べったい面には見るからに物騒な砲門が4つ……。

 

「ひぇ~~~~!!」

 

 そして放たれるビームも4本。あわや直撃というところで、小傘はビームを回避する。釣竿も鬼の面もかなぐり捨てて(それでも傘は手放さない)、小傘は一目散に逃げ出した。

 

「な、何だったのよ今のは? ビックリした……というかコワかったよぉ~」

 

 泣きべそをかきつつ、小さな妖怪は後ろを振り向くことなく逃げていく……。

 

 

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(その頃白玉楼では……)

 

 対峙する両者の間に一陣の風が吹きすさぶ。桜の花びらが舞い散る中、その巨大な扇子を携えた亡霊少女はあまりにも美しかった。

 

「なるほど。その威風堂々とした面構え、自分よりも明らかに大きなボディ。さながらボス登場ってところだな」

 

 こういう場合はまず援護射撃するであろうパーツからひん剥くと相場が決まっている。よし、最初の狙いはその巨大な扇子だ! 扇子にロックオンサイトを合わせるとレーザーを発射する。

 

「あらまあ、どこを狙っていまして?」

 

 何だと……。レーザーは扇子を焼切ることなく素通りしてしまった。オーラのようにも見えた扇子だ。実体がなかったのだろう。まさかの破壊不可能パーツとは……恐れ入った。

 

 ならば直接コア……もとい幽々子本人を狙う以外にありえない。より小さな標的を攻撃することになるので命中させやすいリップルレーザーに換装し、攻撃を加える。

 

『RIPPLE LASER!』

 

 リップルレーザーは火力こそ通常のレーザーに劣るが、弾速と連射力で十分カバーできるポテンシャルを持っているのだ。更に距離を稼ぐと輪が大きくなって更に当てやすくなると来たものだ。

 

「やーん♪」

 

 しかしその輪っか型のレーザーを何食わぬ顔して避ける幽々子。ま、またバカにされてる俺……。負けじとリップルを何度も放つが、その度に避けられたり輪っかの中に入られたりしてまるで一撃を決められない。

 

「水面に水滴が落ちた時のようで涼しげな弾幕ね。ちょっとワンパターンな気もするけど」

 

 こちらの武装の評価までしてしまう余裕。今度はこちらの番と言わんばかりに両手を突き出す亡霊少女。直後桃色の大小の弾が桜吹雪の如く扇子型オーラから、幽々子本人から放たれる。力の差は歴然か……。

 

 いや、よく見ると弾幕の薄い所濃い所のムラが見られる。よし、そっちに行って反撃を試みる! いや、待ち構えたように大弾が迫っていた。一瞬だけバイパーの出力を落とし、自由落下させ、これをギリギリでかわした。再びアールバイパーのバーニアをふかすと、幽々子を正面に見据え、今度こそリップルレーザーを喰らわす。よし、命中した!

 

「さすが……ね。紫とまともにやりあっただけはあるわ。それじゃあ、これなんてどう?」

 

 掲げられるスペルカード。ついに幽々子の本気が見られる……。告げられた名前は「華霊『スワローテイルバタフライ』」……。

 

 周囲が薄暗くなる。そしてうっすらと浮かび上がるのは見事な桜の樹……?

 

 どこからか湧いて出てきた霊魂がわずかにざわめくと、それら一つ一つが幽々子の周囲へと集まっていく。

 

「どう攻めてくるんだ……?」

 

 読めない。幽々子自身はまるで花がゆっくりと咲くようなイメージの模様を描いて弾幕を放っている。確かに見た目は綺麗だがスペルカードにするほど強力な技には見えない。

 

 俺はあらかじめ弾が通らなそうな安全な場所に陣取ると追撃を行った。回避する様子を見せない亡霊少女に輪っか型のレーザーが次々に命中していく。と、突然幽々子の周囲に渦巻いていた霊魂が一気にこちらに突っ込んできた!

 

 あまり派手に動くとあらかじめバラ撒かれていた弾幕に突っ込んでしまう。最小限の動きで霊魂を回避していく。一々肝が冷える……。少しくらい避けたくらいでは霊魂は微妙に進行方向を変えて……平たく言うとホーミングするのである程度距離を取らないといけないのだ。

 

「なかなかのテクニックね。でも、油断は禁物よ? くすくす……」

 

 不敵な笑いを浮かべているが内心では焦っている筈。なにせ俺はまだ一度も被弾していない。これはもしかすると勝てるかも……。

 

 突如背後から爆発音。訳も分からず後方を確認すると、こちらに突撃してきた霊魂が爆発して弾幕をばら撒いて来たのだ。ゆ、幽霊爆弾……!?

 

 そ、そんなのアリかよ!? 反応できる筈もなく爆風と弾幕に晒され、アールバイパーは前方につんのめり、バランスを崩してしまう。くそう、かなりダメージ入ったな……。

 

 どうにか体勢を立て直し再び幽々子と対峙しようとしたが、先程爆発した筈の霊魂が再びこちらを捕捉して突っ込んできたのだ。

 

「爆発したんじゃないのかよ!」

 

「この子たちはエネルギーを放出しただけよー♪ まだまだアズマくんを追いつめるから覚悟して頂戴ね」

 

 扇子を口元に当てて余裕の表情を浮かべる亡霊少女。こうなったらこちらもスペルカードで対抗しよう。とっさに手にしたカードは「銀符『レーザーワインダー』」。

 

 だが、俺がスペル発動の宣言をするよりも早く霊魂が迫ってくると再び弾幕を撒き散らしてくる。前のようには行くかと余裕を持って回避したが、今度は幽々子から放たれる弾に突っ込んでしまった。襲う衝撃に歯を食いしばる。

 

 その矢先、よいニュースとも悪いニュースともとれるシステムボイスが割り込んできた。

 

『You got a new weapon!』

 

 急いでディスプレイに目をやる。見るとたった今受けているスペルカードのアイコンが一瞬表示される。そしてそのままアールバイパーからミサイルが投下されているアイコンに変化した。投下された場所では青い爆風が広がっている。

 

 こ、これは……!

 

『SPREAD BOMB』

 

 やっぱり、ミサイル系兵装「スプレッドボム」だ。今アールバイパーの主力となっていたスモールスプレッド系統の兵装であり、後ろではなく前方に投下できるより攻撃的な兵装。爆風も今までよりデカいぞ!

 

「この土壇場で……。よし、勝てるぞ! 出てこい、ネメシス!」

 

 俺はネメシス人形を展開し、援護射撃の用意をさせると、機体を上昇させ、早速手に入れた新兵装「スプレッドボム」を幽々子周辺にばら撒く。やはり霊魂達はこちらに向かっているようだが、スプレッドボムによって視界が悪くなり、霊魂どもはあらぬ方向へと進んでいってしまう。

 

 そして幽々子の真上に陣取るとスペルカードを掲げる。

 

「爆撃『スプレッドボム』!」

 

 掲げたカード自体はスモールスプレッドのものだが、同系統だし問題ないだろう。迷子の霊魂、花をかたどる弾幕、そして幽々子本人も全て青い爆風で埋め尽くしてやった。

 

「どうだっ、銀翼の咲かせる青いボムの花は!」

 

 扇子の形をしたオーラが消えており幽々子のスペルを破ったことが伺える。だが、本人はまだケロリとしていた。

 

「さっすがぁ♪ 荒々しいんだけれど、決してそれだけじゃない。とっても不思議なお花を咲かせるのね。流石はアズマくん、強いわねぇ。でもぉ、まだ力を隠し持っているでしょ?」

 

 あれだけの爆撃を受けても服すら乱れない。更には幽々子の方もまだ奥の手を隠し持っているようなのだ。これが幻想郷きっての実力者の力……。

 

 追撃をかけるべくリップルを連射していくが、当の亡霊少女は手慣れたような優雅な動きでこれらを回避していく。だが、あれは確実に逃げて防戦に回っている証拠だ。

 

 ここは強気に出て追いかけつつ攻撃を当てる!

 

 気が付くと、幽々子が一際大きな桜の木の前を陣取った。なるほど、奥の手を隠し持っていたということか。ああ、例によって俺はまたも罠にかかってしまったらしい。白玉楼は俺にとってはアウェーだが、幽々子にとってはホームグラウンドだ。地の利が幽々子に味方するのは少し考えれば簡単にわかることだというのに……。

 

「かかったわね。綺麗で見事な桜の木でしょう? この桜の木は『西行妖』。この妖怪桜の力を借りればずっと強力な弾幕をお見舞いできるのよ~♪」

 

 確かに見事な桜ではあったが、まさかそんな禍々しそうな力を持っているとは……。幽々子の周囲に無数の蝶々が集まる。西行妖はわずかに黒ずみ、それとは対照的に眩い光を放つ幽々子。こ、これはハッタリでもなんでもないぞ……。アールバイパーの操縦桿をしっかりと握りしめ、俺は来る強力な攻撃に備える。

 

「桜符『完全なる墨染の桜 -亡我-』」

 

 あまりにかすかな声、スペルカードの宣言は彼女の儚げな印象も相まって非常に小さく聞こえた。だが、実際に放たれた弾幕は決して弱弱しくはない。開幕いきなり迫って来た大弾を避けると再び扇子型のオーラを展開する幽々子と対峙する俺。

 

 それを過ぎるとばら撒かれる桜の花びら、こちらを狙う蝶の複合攻撃を受ける。どうやらあの西行妖の力も相まってそれは美しく、そして非常に殺人的でもあった。こうなれば自動で狙いをつけてくれて、なおかつ一番パワフルなスペルで対抗するしかない。

 

 俺は静かにネメシス人形へ過剰なエネルギーを送り込む。アールバイパーの隠し玉「オプションシュート」を放つ為に。

 

「やっぱり……。アズマ君ってばまだ力を隠し持っていたのね。さあ、私に見せて頂戴な」

 

 なんと、こちらの攻撃を読まれている……! だが、ネメシス人形は暴走寸前だ。もはやこの攻撃を止めることは出来ない。こうなったらイチかバチか、喰らわせる!

 

「操術『オプションシュート』!」




あの八雲紫の盟友ともいわれている幽々子はやはり一筋縄ではいかない相手。
紫との戦いでの決め手だった奥の手「オプションシュート」は果たして通用するのだろうか……?

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