血界戦線 短編集   作:實近はづみ

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レオ+ザップ+スティーブン
CPなし


ある日の理不尽

 

 

「だーかーらーっ!なんで俺のバーガーとるんですかっ!」

「うっせぇなぁ、陰毛のくせに童貞のくせに」

「陰毛じゃねぇし!!食うんじゃねぇぇえ!!」

「童貞は否定しねぇの」

 

かかかっ、と無慈悲にもバーガーを食べている口が笑う。

ぺらり。

そうこうしてる間にレオナルドのハンバーガーは包装紙だけになって帰ってきたのだった。

 

「しっ、信じらんねぇぇえ」

 

俺のバーガーぁぁぁあっ!

と悲壮に暮れているレオナルドを他所に、空腹が満たされたレオナルド曰く鬼こと、ザップ・レンフロは満足そうにソファに腰掛けた。ちなみに、2人がいるのはライブラである。

付け加えて、先程から鬼のような形相で2人の日課を見つめる我らが副官こと、スティーブン・A・スターフェイズは徹夜3日目だったりする。

そしてさらに付け加えて、2人は2人の言い争いに夢中でその氷の視線に気づかなかったりする。

 

「ザップさん!!俺の飯返してくださいよ!」

「んだよ、吐けっつーのか?あ?」

 

んべ、と舌を出したザップの子供すぎる行動にレオナルドは呆れた。

 

「なにバカなこといってんすか!吐いたのなんて誰も食べねぇよ!同じの買って返せって言ってんすよ!」

「うっせぇっつーの!キャンキャンキャンキャン耳元で吠えんじゃ……」

 

ダァンッ!!

 

「……」

「……」

「…………」

 

しぃん、と水を打ったように場が静まる。

 

ぎ、ぎ、ぎ、とレオナルドとザップがスティーブンの方へ顔を向けると、

 

「ふ、ふふっ、」

「す、スティーブン、さん?」

 

レオナルドがなんか様子のおかしいスティーブンを恐れながらも様子をうかがう。

 

「うわ、クマやべぇ。死相出てるぜ、あの人」

 

ひそひそとレオナルドに耳打ちするザップをそんな事言っちゃダメでしょ、スティーブンさんは忙しいんですよ!と諌める。子供かよ、俺は。と拗ねたような声がしたが、レオナルドは無視した。だって子供だもの。

 

「あの、すみません。うるさくして。スティ」

「……ふふふふふふふふははははははははははははははは!!」

 

ダァンッ!!

 

「んぎゃぁああああぁぁあああっ!!」

「ザップさん!?ちょ、スティーブンさん?!」

「あっははははははははははっ!お前は暢気でいいなぁ、もう、あっはははははっ…………はぁー」

 

パキパキと段々ザップの体をスティーブンのエスメラルダ式血凍道が這い上がっていく。そしてその様子を、あはあはと笑っている我らが副官。凍らさせるその部下。

なにこれ、怖い。

 

「ば、番頭ぉー!!これっ!凍ってる!俺凍ってる!!」

「す、スティーブンさんっ!気を確かにしてください!ザップさん死んじゃう!!死んじゃうからぁぁああ!!」

「おい、テメェっ、レオ!馬鹿言うんじゃねぇ!俺がこれくらいで死ぬかよ!!」

 

ぴくり。

スティーブンの体がかすかに揺れたのをレオナルドは見た。

そしてすかさずぐりんっ!とすごい勢いでスティーブンが顔を上げる。しまった、とザップは後悔するが時既に遅し。

 

「………………………………これくらい?ほぉお、なるほどなぁあ。これくらいじゃ弱いかぁ、ザップ」

 

その声は恐ろしくドスが効いている。

 

「え゛、ちょ、待っ、アッ!」

「ふふふふふふふふふはははははは」

「ぎゃぁあああああっ!!すんませんっしたああああああっ」

「なにこのカオスー!」

 

その日、ライブラにザップ・レンフロの悲鳴とスティーブン・A・スターフェイズの不気味な笑い声が木霊した。

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